今日から北海道はちょっとの間だけ世界の中心です。
洞爺湖でサミットが始まりました。
国際社会をめぐる問題点を、少しでも改善してもらえるといいですね。
さて、国際社会をめぐる問題点がある一点を突破すると、当事国同士で武力行使にいたるわけですが、今日も我が家のテーブルの上では、エチオピアとイタリアの当事国同士の武力衝突、いわゆる戦争が行われました。
札幌辺境伯様にお越しいただいてのいつものウォーゲーム対戦です。
今日は前回の対戦の入れ替え戦ということで、「エチオピアのライオン」(コマンドマガジン日本版27号付録)をプレイ。
私がムッソリーニ統領の命を受けたイタリア軍、札幌辺境伯様がセラシエ皇帝率いるエチオピア軍を担当です。
アフリカの野蛮人どもを我がキリスト教国圏に組み入れるため、ローマ帝国の末裔の誇りにかけてエチオピアの大地を蹂躙してやりましょう。

序盤、札幌辺境伯様はエチオピア軍をスタックをばらして分散配置して行きます。
これが後々ボディブローのように効いてくるとは思いもしませんでした。
イタリア軍はのこのこと平地(砂漠)に出てきたエチオピア軍の工兵を航空機で撃破。
これでエチオピア軍は陣地構築が不可能となり、防御構想に大きな痛手を負ったはずでした。
さらに分散配置した各部族軍もじわじわと撃破され、部隊を失い始めます。
南北双方からイタリア軍は勇躍進撃して行きました。

しかし、イタリア軍は早くも泥沼の消耗戦に引きずり込まれることとなりました。
スタックをばらして二線防御を張る札幌辺境伯様のエチオピア軍を、イタリア軍は突破することができません。
さらにエチオピア軍の果敢なる反撃に、各個撃破を許す始末です。
イタリア軍の損害はどんどんと増えて行きました。

イタリア軍の侵攻は完全に閉ざされ、じわじわとしか進めません。
後方の補給路を脅かされたグラツァーニの南方部隊は、前進と後退を繰り返すていたらくです。
ムッソリーニの苛立ちはつのって行きました。

一進一退を繰り返す中、エチオピア全軍の士気を高めるために、ついにセラシエ皇帝が前線に姿を現します。
エチオピア軍の士気が高まったのは言うまでもなく、エチオピア軍の勇戦に国際連盟すら重い腰を上げ、イタリア非難の声明を出します。
さらに各国からはエチオピアへの援助物資が届き、除去したはずの工兵部隊が再編成されてしまいました。
(国際連盟のルールにより、6の目がでればエチオピア軍は除去された部隊を一個だけ再建できるのです)
意気あがるエチオピア軍とは逆に、イタリア軍の士気は低下し、ムッソリーニの苛立ちは頂点に達しました。

アフリカの原住民とバカにしていたエチオピア軍の反撃に、イタリア軍は各所で損害を出してしまい、七個師団もの兵力を失うという大損害を食らいます。
ついにムッソリーニは国際連盟の非難にもかかわらず、近代的化学兵器“毒ガス”の使用を許可しました。
(ルール上何があっても1936年1月からはイタリア軍は毒ガス使用が可能)
毒ガスの威力は近代的防護手段を持たないエチオピア軍にはあまりにも大きいものでした。
エチオピア軍の前線は徐々に崩れ始めます。
しかし、序盤から中盤にかけてイタリア軍は戦力を失いすぎてました。
七個師団もの損失は、毒ガスといえども容易には形勢逆転とは行きません。
秩序を保って後退するエチオピア軍は、首都防衛を果たしきるかと思われました。
ここでイタリア軍司令官は一大決心をします。
形勢逆転をもくろむためにも、セラシエ皇帝の部隊への毒ガス集中使用です。
毒ガス使用が可能となる前は、イタリア軍は航空機をいくら投入しても、1コラムだけの有利さに過ぎませんでした。
しかし、毒ガスが使用できるようになれば、航空機1ユニットにつき1コラム有利になるのです。

イタリア軍は北方で投入できるすべての航空機4ユニットを投入し、8:1までコラムをあげました。
これで1から3の目で皇帝の部隊は全滅です。
出た目は1でした。
セラシエ皇帝はイタリア軍の悪逆非道な毒ガス攻撃により、その命を散らしてしまいました。
セラシエ皇帝除去により、エチオピア軍は降伏。
イタリア軍は最後の最後で勝つことができたのです。
つらい戦いでした。
札幌辺境伯様指揮するエチオピア軍は、ほぼ勝利を手中にしていたといっても過言ではなかったでしょう。
イタリア軍が勝利するためにはこの手段しかなかったと思います。
もっとも、プレイ中は皇帝除去で勝利となるというのは忘れていて、ただ単に皇帝を前線から追い払おうとして戦闘を仕掛けたに過ぎなかったのですが、まさか除去できるとは思ってませんでした。
札幌辺境伯様にとっては無念の一言だったかもしれません。
ほぼ完璧な防御体制の前に、イタリア軍は攻めあぐねていたのですから。
私も実際負けを覚悟しておりました。
それにしても毒ガスは凶悪です。
そんなのに頼らないと勝てないイタリア軍って・・・
楽しい対戦でした。
あまりプレイされていないゲームのようですが、イタリア側もエチオピア側も双方が楽しめる好ゲームだと思います。
ルールは簡単で、移動戦闘の繰り返しですし、(基本ゲームでは)ステップロスもありません。
ぜひぜひお持ちの方はやってみてください。
イタリア軍の情けなさがよくわかる・・・かもしれません。(笑)
次回はトーナメントルール(いわゆる上級ルール)を追加しての「エチオピアのライオン」三回目の対戦を予定してます。
札幌辺境伯様、またお相手よろしくお願いいたします。
それではまた。
- 2008/07/07(月) 21:06:17|
- ウォーゲーム
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| コメント:2
今日は、舞方さん!一昨日は『ライオン』の「入れ替え戦」をお相手下さり、厚くお礼申し上げます。あの日は連日からの猛暑が収まり、幸いな夏のゲーム日和でしたね。ですが、ですが、競技は正に「猛暑」そのものでありました!この度も熱戦を心から楽しませて頂き、本当に有り難う御座いました。
今回の対戦ではエチオピア軍が、当初の我々の予想以上に善戦できそうな事が分かって来ましたね。また逆にイタリア軍に関しては、“ガス前”の苦しさが改めて浮き彫りになったと言えるのではないでしょうか。
それにしても皇帝の“陣頭指揮”・・・。緒戦で工兵を平地に単独移動させた事と並び、アレは如何にもマズかった!「ガス前」のイタリア軍との戦いに油断した全くの悪手であったと反省しきりで、今でも「目に沁みて痛い」(笑)痛恨の戦訓です。
舞方さんと対戦を重ねて来た中で、現在私にとって『ライオン』は『1918』とベスト1の座を争っている感が有ります。次回「トーナメントルール」を使用しての第3戦 ― 我らの対戦歴でも3度競技に臨んだゲームは初めてでは?― が非常に楽しみです。この7月は是非「エチオピア」で燃え尽きましょう!(笑)
- 2008/07/09(水) 17:13:20 |
- URL |
- サッポロ辺境伯 #90LdKUd6
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>>札幌辺境伯様
こちらこそ対戦ありがとうございました。
イタリア軍は部隊を集中して使わねばエチオピア軍に対し優位を保てず、かといって集中しすぎると、エチオピア軍の後方遮断の餌食となるというつらい立場ですね。
まさに毒ガスの恩恵が無いと前進は困難だと思います。
ですが、それでもある程度進んでおかないと、ガス使用可能後の進撃だけでは間に合わなくもなりそうなので、そこのバランスが難しいですね。
次回もエチオピアの高原でお会いいたしましょう。
- 2008/07/09(水) 21:55:07 |
- URL |
- 舞方雅人 #-
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