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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

豊家滅亡その30

「鴫野・今福の戦い」から三日後の慶長19年(1614年)11月29日。
今度は博労淵(ばくろうぶち)で戦いが起こります。

博労淵は大坂城から見て西南の木津川の中州と東岸あたりをさす地名で、やはり木津川を扼する地点として大坂方によって砦が築かれておりました。
守る指揮官は薄田兼相(すすきだ かねすけ)で、約七百の手勢を率いて砦の守備についておりました。

一方この方面の徳川勢には蜂須賀至鎮がおりましたが、彼の元にたまたま逃れてきた大坂の商人が、博労淵の砦の防備は薄いということを知らせてきました。
そこで至鎮は博労淵の砦を攻略しようと徳川家康に申し出ます。

徳川家康はこの申し出に独自に博労淵の偵察を行わせ、その結果至鎮の申し出を了承しますが、蜂須賀単独ではなく石川忠総(いしかわ ただふさ)を加え、さらに浅野長晟に支援をさせるというものとなりました。

関ヶ原より十年以上も経ってしまった世の中では、戦はこれが最後かもしれないと思ったのは誰も同じだったのでしょう。
功名にはやる蜂須賀至鎮は、石川忠総に手柄を取られてはなるものかと、忠総勢が展開を終えた11月28日夜に手勢約三千で博労淵の砦に向かいます。
一方の石川忠総も手勢約二千三百で木津川を渡河、翌29日早朝に両勢は博労淵砦に攻撃を開始いたしました。

両勢合わせて五千を超える軍勢に対し、砦に篭っているとはいえ大坂方はわずかに七百。
戦力的に不利は免れないものでした。
さらに間の悪いことに、28日の夜から守将薄田兼相は遊女を買いに行ってしまって砦を留守にしていました。
戦力的な不利に加え、指揮官が現場にいないという状況は大坂方の守備兵にとってはひどく士気を阻喪させるものでした。
結果、博労淵の砦は、さほどの抵抗もできずに陥落。
守備兵は散り散りになって逃走する有様でした。

この日、徳川勢はこの博労淵の砦以外にも攻撃を敢行。
大坂方はついに大坂城外の砦をすべて放棄し、大坂城そのもので徳川勢を迎え撃つことに決定します。
最後まで城外で自分の持ち場を保持することを訴えた大野治房にいたっては、軍議と偽って大坂城に呼び出されそのまま留め置かれるという有様となり、その間に味方の手によって治房の守備する砦周囲を焼き払い、撤退やむなしに追い込んだとさえ言われました。

この「博労淵の戦い」で砦を守りきれなかった薄田兼相は、「見てくれはよいが食べられない。つまり外見はいいが役立たず」ということで橙(だいだい)武者と揶揄されるようになり、肩身の狭いこととなってしまいます。

大坂方が城外より撤収したことで、前哨戦は終わりました。
後藤又兵衛や木村重成の活躍もありましたが、大坂方は状況的には追い込まれつつありました。
いよいよ大坂城における戦いが始まります。
そして、大坂城の戦いの焦点には、どこから見ても目立つ赤備えの一隊、あの真田幸村の部隊がいたのでした。

その31へ
  1. 2008/06/26(木) 19:47:11|
  2. 豊家滅亡
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

 そういえば、6月25日のNHK「その時歴史が動いた」で、大坂冬の陣・夏の陣をやってましたね。
 なかなか興味深く見させていただきました。
 詳細に関してはまあ、こことの兼ね合いもあります故、控えさせていただきますが、巻き込まれる形になった大坂の街に住む人々も徳川豊臣どちらにつくかであれこれあったようですね。
  1. 2008/06/26(木) 23:24:48 |
  2. URL |
  3. 通りすがりのMCマニア #6qCNEni2
  4. [ 編集]

>>通りすがりのMCマニア様
やってましたね。
私は録画したけどまだしっかりとは見てなくて。
大坂周辺ではいろいろとあったらしいですね。
  1. 2008/06/27(金) 20:36:12 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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