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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

機体番号12

ローネフェルトの続きですー。

ドゾー

「ギレン総帥が戦死?」
私は耳を疑った。
それじゃ戦いは終わりなの?
しかし、私の周囲では変わらない殺戮が繰り広げられている。
見たことの無い角ばったスタイルで動力パイプがむき出しになった09Rがヒートサーベルを振るっている。
どうやら改良型のリックドムみたいだ。
『詳しいことはわからないわ。ただ、艦隊司令部はキシリア閣下の指揮下に入ったわ。ただ困ったことが・・・』
この乱戦の中でしっかりとレーザー通信を確保してくれている。
いまさらながらブリュメルの要員の腕の良さを思わせるわね。
「困ったこと?」
『ええ・・・グワデン座乗のデラーズ大佐が艦隊の再編成を行っているわ。ブリュメルも麾下に入るように呼びかけてきているの』
こんな時点で再編成?
混乱に拍車をかけるだけではないの?
「どういうこと?」
『わからないわ。ギレン総帥の志を継ぐものは参集せよって言ってるわ』
リーザが肩をすくめている。
『お姉様、来ます!』
パットが私の肩を掴んでくる。
見ると部隊を集結させた小規模な連邦の戦隊が向かってくるところだ。
『こちらも支援に徹するけど、そちらも頑張って。何かあったらまた連絡するわ』
「了解」
私は画面の向こうのリーザにうなずいた。
背後の要塞はすでに各所で陸戦が始まっている。
表面からはあちこちで火を噴いているのだ。
私は集めたモビルスーツを臨時に指揮を取る。
最後の一暴れ・・・ね。

ビームサーベルが巡洋艦の横腹を切り裂いていく。
ノーマルスーツを着た乗組員たちが空間に吸い出されていく。
私はそのままエンジン部にサーベルを突き立てた。
爆発が広がって行く。
私はその船体を蹴って離れ、爆発を避けて行く。
『大尉!』
『うおっ!』
私は一瞬自分が呼ばれたのかと振り返る。
一機の14が右腕を吹き飛ばされる。
青と緑のゲルググか・・・
どうも14に乗るパイロットは腕を吹き飛ばされるのかしらね。
私は苦笑した。
『大丈夫ですか? 大尉!』
『む、不覚。流れ弾を食らうとは・・・カリウス、私はいったんドロワに戻る』
『ドロワは応答しません。この位置ではグワデンの方がよろしいかと』
『わかった。グワデンに後退する。連邦の雑魚どもめ、待っているがいい!』
後退して行く青と緑の14を私は何となく見送った。


とっさにレバーを引き私は15の位置を変える。
砲弾が集中して脇をかすめて行く。
「どこから?」
私は周囲を操作する。
あれか。
ボールの集中射。
私は一団となって撃ってくるボールの編隊を見つけていた。

「はずしたか。ミスティ、アナスタシア、来るぞ!」
俺は二人の部下に注意を促す。
ジムに気を取られている敵モビルスーツを、遠くから集中射で撃ち落すという戦法はなかなか効果を上げていたが、こちらに気が付かれては難しくなる。
混戦となってしまった今ではジムも分散してしまっていて、このあたりに駆けつけてくれそうな機体は無い。
『中尉殿・・・ホワイトベースが・・・』
ミスティの泣きそうな声が入る。
「ミスティ、余計なことに気を取られるな!」
俺はそう言いつつも画面の一部を切り替える。
あれは・・・
ホワイトベースが・・・強行上陸?
画面に映るア・バオア・クーにのし上げるホワイトベース。
なんてこったい・・・
『中尉殿!』
アナスタシアの声にわれに帰る。
紫の鎧騎士・・・
いつか出会った奴か?
手強いぞ、これは・・・

私の周囲に二機の09Rが寄ってくる。
すでに二人ともヒートサーベルを構え、バズーカは手放している。
おそらくは数機を屠ってきたことだろう。
心強い二人をバックに私はボールに突っ込んで行く。
直撃さえしなければボールなどは・・・
砲弾がすり抜けて行く。
軌道を読まれさえしなければこっちの・・・
私はとっさにシールドを構えた。
マシンガンの弾がシールドで炸裂する。
コクピットに衝撃が走る。
正確な射撃だわ。
シールドで受けてよかった。
私は機体をひねって軌道をずらす。
あれか・・・
黄色いジム?
いつぞやの?
「アヤメ、パット、ボールは任せるわ」
私は現れた強敵目掛けて15を駆った。

「嘘だろ・・・」
俺は目にしたものが信じられなかった。
黄色いジム・ライトアーマー。
肩口に付けられた機体番号12は間違いなく彼女のものだ・・・
ソフィア・・・なのか?
『お待たせ』
スピーカーから声が入る。
畜生・・・
生きていたのかよ・・・

接近する黄色のジム。
運動性は通常のジムとは違う。
これはただの敵ではない。
強敵だ。
私は懐に潜るべく15を接近させる。
マシンガンを構える黄色のジム。
私はシールドを構えて突入した。
マシンガンの弾ごときではこのシールドは破壊できない。
無論、ロケット弾が入っていればただではすまないんだけどね。
私はそのままビームサーベルを突き出した。
  1. 2006/09/11(月) 20:43:16|
  2. ガンダムSS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

ア・バオア・クーの戦いも終わりが近づいていますね。
アヤメたちブリュメルクルーは生き延びることはできるのか・・・楽しみだ~。

名前はでてこなかったけどガトーいたね。
  1. 2006/09/11(月) 22:27:42 |
  2. URL |
  3. 静寂 #8U7KPG92
  4. [ 編集]

デラーズ大佐、部隊の集結を呼びかけですか、ローネたちはどう動くのか楽しみですね

ギレンのスペシャルセーブデータのジオン編をやってみましたが、初期生産可能MSはやはりハイザックが追加されていました、そして資金、資源は50万でスタート…技術レベルはすべて6だったのでザクJができる前からズゴックやらザクレロ、グフまで提案が出るというすばらしいハイスピード開発…だいぶ余裕でやれそうですよね
  1. 2006/09/12(火) 21:09:05 |
  2. URL |
  3. 漆黒の戦乙女 #c4EIgJbw
  4. [ 編集]

コメントサンクスですー。

>>静寂様
ブリュメルは生き残れるかどうか私も楽しみです。
ガトーに気付いていただきありがとうございましたー。

>>漆黒の戦乙女様
後の火種がすでに・・・ということですね。
ローネは・・・まあ、お楽しみにということで。(笑)

ジオンの系譜ですよね?
そうなんですよ、ハイザックが初期時点で作れるんですよね。
技術レベル16クラスの機体ですから、開戦時点ではほぼ無敵。
楽に進められますよー。
  1. 2006/09/12(火) 21:12:57 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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