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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

魔のかけら(2)

1000日連続更新達成記念SS第二弾「魔のかけら」の二日目です。
楽しんでいただければと思います。


どさっと言う音とともに尻餅をついてしまう。
足元に飛び散った巨大蜘蛛の体液が、私の足を滑らせたのだ。
急いで態勢を立て直そうとした私の周りに白い粘ついた糸が降ってくる。
「あ、し、しまった」
私はすぐに逃れようと躰をよじったが、周囲に散らされた糸がすぐに絡んでくる。
「うあっ・・・」
床について立ち上がろうと思っていた手首にも糸が巻きつき、それが引っ張られて腕をさらう。
「いやぁっ」
両足にも糸が絡みつき、それがすぐに引っ張られる。
私は両手両足に糸を絡みつかせたまま、巨大蜘蛛に引き寄せられていた。

「くっ、くそっ」
右手に握っていた短刀は尻餅をついたときに手から離れていた。
懐の棒手裏剣を取り出そうにも、両手が引っ張られるのでうまく行かない。
「そんなぁ・・・」
私はきっと青ざめていただろう。
まさかこんなドジを踏んじゃうなんて。
私は必死に手足をばたつかせて逃れようと試みるが、もがけばもがくほど糸が絡み付いてくる。
巨大蜘蛛は張り巡らした糸の上に陣取り、お尻から糸を繰り出してさらに私に絡めてくる。
「ああ・・・いやぁっ! 誰か、誰かきてぇ!」
私の躰はじょじょに身動きが取れなくなり、バンザイをしたまま巻き取られていく。
巨大蜘蛛のあごが不気味にカシカシとうなり、どんどん引き寄せられていく。
「いやだぁっ! 誰か助けてぇ!」
声を限りに叫んでみても、誰も助けには来てくれない。

「ううっ・・・くっ」
躰をよじろうにもよじることさえできなくなってくる。
巨大な蜘蛛の巨大な頭部が眼前に迫ってくる。
なんて奇怪・・・
なんて醜悪・・・
蜘蛛なんてまじまじと見たことなかったけど、こんな状態では否が応でも見せられる。
正面にある四つの単眼が私を見つめ、あごに付随する触肢と鋏角が鎌のように振り上げられ、獲物に突き刺そうと待ち構えている。
食べられる・・・
食べられちゃう・・・
いやだ・・・
いやだ・・・
そんなのはいやだぁ・・・
「いやだぁっ!」
私は無理やりに上半身を引き起こすと、唯一自由になっていた口を開け、迫ってきた鋏角に噛み付いた。
グチャリ・・・
さほど頑丈ではない鋏角は私のあごの力の前に屈し、一部が噛み千切られてドロッとした液体が口の中に流れ込む。
『ギェェェェェ』
蜘蛛が悲鳴にならない悲鳴を上げる。
私はあごに力を込め、必死に噛み付いていた。
体液がのどに流れ込んで行くが、そんなことはかまっていられない。
食うか食われるかよ。
私は無我夢中で蜘蛛に噛み付き、じたばたともがいていた。

「狭霧ちゃん!」
あ・・・れ?
郁美ちゃんの声が聞こえるよ。
私はもう巨大蜘蛛の撒き散らした体液をあちこちにかぶっていたので、目を閉じていたのだ。
粘つく苦い液体がそこらじゅうに飛び散っている。
「郁美・・・ちゃん」
私はうっすらと目を開け、流れ込んでくる蜘蛛の体液に目をしばたたかせながら、声の方向を見定めた。
「狭霧ちゃんを放しなさい!」
白い着物と緋色の袴を身につけた郁美ちゃんが、破魔札を片手にこちらを見据えている。
「あ・・・」
私は一瞬ドジを踏んだ自分をにらんでいるのかと思ったけど、郁美ちゃんは私を捕らえた巨大蜘蛛をにらんでいたのだ。
『キシャァァァァ』
巨大蜘蛛は郁美ちゃんの登場に恐れをなしたのか、少し距離を取ろうとしているかのよう。
郁美ちゃんの退魔師としての鋭い視線にたじろいでいるのだろう。
『キシャァァァァ』
巨大蜘蛛は私ごと絡めた糸を切り捨てると、突然八本の脚を使って跳躍する。
郁美ちゃんが突進を予期してかわすのを想定していたのだろう。
巨大蜘蛛は郁美ちゃんの脇をすり抜け、窓ガラスを突き破って外へ出る。
「あっ、待ちなさい!」
「あ、郁美ちゃん・・・待って・・・」
郁美ちゃんは私をおいてすぐに巨大蜘蛛のあとを追う。
巨大蜘蛛を逃がすわけには行かないから・・・
だから私を放っておいても追わなくちゃならない・・・
それは・・・わかるけど・・・
私は郁美ちゃんが出て行ったドアをじっと見つめるしかできなかった。

                          ******

「とにかく二人とも無事でよかったわ。ごめんなさい狭霧ちゃん。私が単独で行かせたばかりに・・・」
申し訳なさそうに私に頭を下げる朱音さん。
私と郁美ちゃんは伊嵜神社に戻ってきていた。
結局郁美ちゃんも巨大蜘蛛は追いきれなかった。
いずことも無く姿を消した巨大蜘蛛。
私たちは殺されてしまった人の後始末をゆだねると、神社に戻るしかなかった。
「いえ・・・私が悪いんです・・・油断したばかりに」
なんだろう・・・
胸がむかむかする。
躰が熱い・・・
「それにしても大変だったわね。どろどろだからシャワーを浴びなさい。詳しくはあとで聞くわ」
「あ、はい。シャワーお借りします」
私は朱音さんに一礼して、こびりついた巨大蜘蛛の体液を洗い流すためにシャワーに向かう。
「ごめんね、狭霧ちゃん。委員会が終わってすぐに向かったんだけど」
郁美ちゃんもさっきから謝ってくれている。
でも、私は素直に受け入れる気にはならなかった。
「もういいよ。私自身が悪いんだし。シャワー浴びるから一人にしてくれる?」
「あ、そうね。ゆっくり洗い流すといいわ。それじゃまたあとで」
郁美ちゃんは朱音さんと同じように申し訳なさそうにして私のそばから離れていった。
「ふう・・・」
どうしちゃったんだろう・・・
心がささくれ立っている。
なんだかとてもいらいらする。
思いっきり叫んで何もかも手当たり次第に壊したくなる。
そうしたらどんなに気持ちいいだろう・・・
あれ・・・?
何を考えているんだろう・・・
シャワー・・・浴びなきゃ・・・

熱いお湯が汚れた躰を洗い流してくれる。
あの化け物蜘蛛の体液でどろどろになった躰がきれいになるのは気持ちがいい。
あ・・・ん・・・
躰が火照る。
どうしたんだろう・・・
躰の中がジンジンする・・・
シャワーの刺激がなんだかたまらない。
くちゅ・・・
ん・・・
右手が股間にのびて行く。
指が叢を分け入って、ひだの奥を刺激する。
あ・・・
濡れて・・・いる・・・
お湯のせいじゃない・・・
あん・・・
気持ちいい・・・
私はいつしか指で秘所を擦っていた。
ああ・・・ん・・・
気持ちいいよぉ・・・
指が止まらない。
腰が浮く。
私はシャワーを浴びながらすぐに果てていた。

はあ・・・
バスタオルで髪の毛を拭きながら、私はため息をついていた。
はあ・・・
一人エッチしちゃった・・・
しかも秋津洲家のシャワー室で・・・
うー・・・
恥ずかしいよぉ・・・
どうしちゃったんだろう・・・
「狭霧ちゃん、気持ちよかった?」
「ひゃーーーー」
私は心臓が止まるほどびっくりして飛び上がる。
「ご、ごめんなさい。驚かしちゃったみたいね」
気がつくと脱衣所の入り口から朱音さんがこちらを覗いていた。
「だ、大丈夫です。ちょっと驚いただけで」
私はどきどきする胸を抑えて呼吸を整える。
朱音さんは長い黒髪の清楚な美人。
見た目だけじゃなく、とても優しいお姉さん。
郁美ちゃんがうらやましいぐらい。
あーあ、私にもこんなお姉さんがいたらなぁ・・・
「ごめんなさい。そんなに驚くとは思わなかったわ。お風呂気持ちよかった?」
「あ、はい。とても気持ちよか・・・って、朱音さん見てたんですか?」
「えっ? 見てたって何を?」
私は頭から湯気が出た。
朱音さんはお風呂が気持ちよかったか尋ねたんであって、ひ、一人エッチのことじゃないんだよ。
「あ、あわわわ・・・な、何でもないです。何でも」
私はぶんぶんと首を振る。
「くすくす・・・おかしな狭霧ちゃんね。リビングにアイスがあるから食べてね。郁美、シャワー空いたわよ」
「はーい」
奥の方から郁美ちゃんの声がする。
きっと今まで郁美ちゃんは朱音さんに先ほどのことを話していたんだろう。
私がドジをして捕まっていたことも食べられそうになっていたことも包み隠さず・・・
ドクン・・・
郁美ちゃんにはわかるもんか・・・
いつも後ろで破魔札を扱う郁美ちゃんには、魔物と戦う恐ろしさなんてわかるはずが・・・
わかるはずが・・・
「どうしたの狭霧ちゃん? アイス食べないの?」
「あ、はい。いただきます」
私は朱音さんに頭を下げると、入れ替わりに入ってきた郁美ちゃんの脇をすり抜けてリビングへ向かう。
郁美ちゃんが何か言おうとしたようだったけど、今は郁美ちゃんの顔は見たくなかった。

「ただいま・・・」
伊嵜神社をあとにした私は自分の家に戻ってきた。
「お帰りなさい。今日もバイトだったの?」
奥からエプロンで手を拭きながらお母さんが顔を出してくれる。
「うん・・・」
私は気のない返事をしてすぐに二階に上がっていく。
お母さんには退魔のことはナイショにしているのだ。
私が夜出歩くのは、伊嵜神社での郁美ちゃんのお手伝いのアルバイトということになっている。
お父さんもお母さんも自分が甲賀忍者の末裔だなんて知りもしない。
私だって朱音さんの知り合いの深斎(しんさい)老人に説明されなきゃわからなかったと思う。
でも、おかげで手裏剣やクナイなんかはすぐに使いこなすことができた。
化け物に対してだって引けは・・・
今日は運が悪かったのよ・・・
あそこで足さえ滑らせなかったら、郁美ちゃんがいなくたってあいつの動きを封じるぐらい・・・
ドクン・・・
はん・・・
な、なんだろ・・・
あいつの・・・あの巨大蜘蛛のことを思うと・・・
あ・・・
躰が・・・
躰が火照る・・・

私は自分の部屋に入ると、すぐにベッドに倒れこむ。
伊嵜神社で着替えてきた制服のスカートを脱ぎ捨て、ショーツの上からなぞっていく。
ふああ・・・
どうしたんだろ・・・
今日はすごくエッチな気分になるよ・・・
どうしちゃったんだろ・・・
ショーツの上から指を当てているだけなのに、すぐにじんわりと染みてくる。
ふあ・・・
指の動きがだんだん激しくなり、私はもどかしくショーツを脱ぎ捨てる。
白いソックスを履いた足にショーツがまとわりつくのを蹴飛ばすようにして放り捨て、制服の下半身をむき出しにして叢を掻き分ける。
ぷっくりと膨らんだお豆を中心に強く弱くこすり付け、背中を駆け上る快感に打ち震えていく。
ああ・・・気持ちいいよぉ・・・
腰が浮いてつま先がキューと丸まっていく。
いつもよりも数倍激しく感じる快感に、私は真っ白になっていく。
ああ・・・あああ・・・

『狭霧、狭霧、晩御飯食べないの?』
お母さんの声に私はハッとなる。
絶頂を迎えたあとで少しぼうっとしていたらしい。
でも、すごかった。
あんなに気持ちよかったのは初めて。
どうしたんだろ・・・
まさか・・・蜘蛛のせい?
まさか・・・ね・・・
『狭霧ー?』
「あ、ハーイ、今行きます」
私は濡れたショーツの代わりを箪笥から出して穿き替え、部屋着に着替えて下に下りた。

                          ******

「おはよう狭霧ちゃん」
「おはよう郁美ちゃん」
いつものように学校へ行く途中で郁美ちゃんと合流する。
なんだろ・・・
一瞬背筋がぞくっとしたよ?
なんだろ?
「狭霧ちゃん眠そうね。もしかして寝不足?」
「う、うん・・・なんとなくね」
私は苦笑してごまかす。
夕べはどうにもエッチな気分が抜けなかったのだ。
布団に入ってからも何度もしちゃって・・・
気がつくと明るくなっていたのだった。
「もしかして昨日のことを気にしている? 大丈夫よ。お姉ちゃんが気配を探ってくれているわ。それにあいつはかなりの深手だったから当分身動き取れないはずよ」
ドクン・・・
そうか・・・そうだよね・・・
かなり深手・・・だったよね・・・
ふあ・・・
ま、まただ・・・
あそこが・・・
あそこが感じて・・・
ショーツがじんわりと濡れてくるのを感じる。
ああん・・・
またしたくなっちゃった・・・
はあん・・・
「狭霧ちゃん? 狭霧ちゃん、どうしたの?」
「え、あ、な、なんでもないよ。さ、早く学校へ行こう」
私は気持ちを落ち着けて平静を装うようにする。
一人エッチしたいなんて気づかれちゃ大変だもんね。
私は笑顔でごまかしながら、郁美ちゃんと学校へ向かった。
  1. 2008/04/11(金) 20:03:36|
  2. 魔のかけら
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<魔のかけら(3) | ホーム | 魔のかけら(1)>>

コメント

狭霧ちゃんどうなっちゃうんでしょう?
続きが楽しみです♪
  1. 2008/04/12(土) 01:37:56 |
  2. URL |
  3. 闇月 #04hOWrHY
  4. [ 編集]

>>闇月様
今日と明日をお楽しみに。
きっと期待は裏切ってないと思います。
  1. 2008/04/12(土) 18:57:09 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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