古今東西、戦争は人間だけで行われてきたものではありませんでした。
人間はさまざまな動物を使役して、戦争を有利に進めようとしてきたのです。
その代表的なものが軍馬であり、軍用犬であり、伝書鳩でしょう。
馬は古来から人間を乗せて騎兵として戦争に参加したり、物資や大砲などを戦場に運んだりと、戦争に使役された動物の中ではもっとも一般的なものでした。
軍用に適した馬を作るためにさまざまな改良が施され、軍の重要な兵器として扱われたのです。
私のすむ北海道は馬産地としても有名ですが、北海道が馬産地となったのも馬を兵器としてみるがゆえだったのです。
明治期後半の日本は、朝鮮半島北部や満州の野でロシアと戦争になることが予想されておりました。
朝鮮半島北部や満州は冷涼な気候の土地であり、そこで活動するためには寒冷地対策が必要でした。
寒冷地対策は軍用馬も行わなくてはなりません。
寒さに強い馬。
それを作り出すために寒冷地である北海道で馬を飼育し、寒冷地用の軍用馬にしようとしたのです。
今でも北海道が馬産地なのは、その名残と言えるでしょう。
伝書鳩もまた重要な軍用動物でした。
携帯用無線機の未発達だった第二次世界大戦以前、伝書鳩は通信手段としては非常に有用でありまた重要でした。
ただ、伝書鳩が軍用通信として大々的に使用されたのは近代に入ってからであり、第一次世界大戦がその主な活躍の場所だったようです。
第一次世界大戦ではあらゆる場所で伝書鳩が使われ、初期の戦車も無線機の代わりに伝書鳩を積むスペースを備えていたと言います。
現在でも通信機能が妨害されたときの手段として、伝書鳩を保有している軍隊もあるそうです。
軍用犬は、利用方法としては警備用や伝書鳩と同じように伝令としての通信用などが主なのですが、他にも犬を直接攻撃用に利用した国がありました。
第二次世界大戦中のソ連です。
ソ連はエンジンのかかったトラクターを用意し、その下でしか餌を与えないと言う訓練を犬に施しました。
犬は繰り返される訓練により、やがてエンジンのかかったトラクターの下に自発的にもぐりこむようになります。
そうすると今度は犬の躰に爆発物を巻きつけ、背中に起爆用レバーを立てた形で戦場に放ったのです。
犬は餌が欲しくてエンジンのかかったトラクターを探しました。
そこにやってきたのは独軍の戦車隊だったのです。
犬は餌欲しさに独軍の戦車の下にもぐりこみました。
そこで起爆用レバーが戦車の装甲版に触れ爆発。
犬もろとも戦車を吹き飛ばしたのです。
この“地雷犬”はある程度の戦果を収めましたが、独軍は犬という犬をすべて射殺するようになってしまったので、効果は早々に失われてしまったそうです。
しかし、犬が爆発すると言う事実は、独軍にとっては恐怖だったと言います。
このほかにもさまざまな動物が戦争には利用されておりますが、それらにつきましてはまたいずれ機会があれば書きますね。
それではまた。
- 2008/03/07(金) 19:22:54|
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>>芹沢軍鶏様
「史上最大の作戦」犬出てましたねー。
連合軍も独軍もなんとなくホッとするようなシーンで犬が出ていた気がします。
独軍の戦場写真にも、サイドカーに載せられた子猫の写真などがあって、やっぱり子猫の可愛さにカメラマンもシャッターを押しちゃったんだろうなって思いました。
- 2008/03/08(土) 19:35:14 |
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