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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

元旦の続きです3回目

「デスダム2」の三回目、これでこのSSはおしまいになります。
三日間お付き合いくださりありがとうございました。
また、いつもながらSS作成に多大なるご支援を下さった親愛なるメンバーの方々に心よりお礼を申し上げます。
ありがとうございました。

それではどうぞ。

「デスダム2」(3)


無言で任務に励む女戦闘員たち。
各地の情報収集に余念がない。
日本を征服するという崇高な目的のために首領様に全てを捧げる彼女たちを、DACは倒さねばならないんだわ。
それはDACにとっても苦しい戦いとなるだろう。
だからこそ一刻も早く私を救出に来なくてはいけないはずなのに・・・
無能な奴らめ・・・
もっとも・・・このデスダムのアジトは完璧なカモフラージュによって護られているわ。
そうそう簡単に見つかりっこない。
DACごときじゃ見つけられないのかもしれないわね・・・

「ヒャイーッ! エリアKにおける新アジトの建設状況の報告があります」
一人の女戦闘員が、髑髏のレリーフの前にやってくる。
新アジト?
新しいアジトを建設中ということなのね。
『うむ。報告せよ』
「ヒャイーッ! し、しかし・・・」
チラッと私の方を見る女戦闘員。
ああ、そうよね。
私は部外者だもの・・・
首領様への報告を私が聞くわけにはいかないわ・・・
私はちょっと寂しく感じながら、その場を離れようとした。
『かまわん。シャドウレディの前で報告せよ』
えっ?
私は立ち止まる。
いいの?
私がそんな大事なことを聞いてもいいの?
「首領様・・・」
私は思わずレリーフを見上げる。
『シャドウレディよ、お前はわが話し相手だ。報告も聞くがいい』
「ハッ、ありがとうございます」
うれしい。
なんてうれしいのかしら。
私は膝を折って一礼すると、立ち上がって女戦闘員に向き直った。
「首領様のご命令よ。報告しなさい」
「ヒャイーッ! では報告いたします」

報告はエリアKにおける新アジトの建設が計画通りに進捗しているものの、DAC隊員による警戒が厳しく、このままでは早晩接触してしまうだろうというものだった。
エリアKか・・・
確かあそこには・・・
「DACの警戒が厳重なのも当然ですわ」
『ほう、なぜだシャドウレディ』
「エリアKにはADOの研究施設がございます。DACがデスダムの襲撃を警戒しているのは当然です」
あそこの研究施設はADOの重要施設の一つ。
警戒も厳重になろうというもの。
『ふむ。だがシャドウレディよ、それをわれらに教えてしまっていいのかな?』
「うふふふ・・・」
私は口元に手を当てる。
「私なりに考えた上でのことですわ。あえてADOの施設があるといえば、デスダムは警戒するでしょう。そうなれば動きが鈍くなり新アジト建設も滞るはず」
動きが鈍れば、DACとの接触も少なくなるはずだわ。
もっとも・・・これでDACが新アジトを見つけるのも困難になるかもしれないけど、それはそれ。
『ふむ。そういうことか。ならばその情報はありがたくいただこう。新アジト建設チームに警戒するように伝えるのだ』
「ヒャイーッ」
女戦闘員が戻っていく。
私はそれを見送った上で髑髏のレリーフに向き直る。
「ですが首領様はご存知でしたはず。洗脳した83号をはじめ、ADOの施設の存在などの情報は簡単に手に入ります。だからこそエリアKに新アジトの建設をされるのでは?」
私は先ほどから感じていた疑問を首領様に向けてみる。
デスダムの首領様がADOの研究施設の情報ぐらい知らないはずはないわ。
『気が付いていたようだな。それでこそシャドウレディ。そうだ、われは知っていた』
やっぱり・・・
「うふふ・・・やっぱりそうでしたか。首領様もお人が悪いですわ。私に情報の裏づけをしゃべらせたんですね」
首領様の考えが見通せたことで私は思わず笑みが浮かぶ。
首領様とのやり取りは知的ゲームのよう。
お互いに心を通わせつつも腹の底を探り合うような。
それがとても楽しいわ。
裏づけをとらせてしまったような形になったけど、どうせ施設のありかなど隠し通せるものじゃないわ。
知られた上でなお襲撃を受けないようにするのが施設運用というもの。
その点ではデスダムの方が一枚も二枚も上手だわ。
見習わなくちゃね。
はたしてDACの連中はどこまで楽しませてくれるのかしら?
うふふふふ・・・

                           ******

もうこのアジトで暮らして何日経ったのかしら?
一週間?
十日?
それともまだ五日ぐらい?
私はいつものように首領様のおそばでデスダムの組織運用に目を配る。
DACに付け入れられる隙があれば、すぐにそれを首領様に申し上げるのだ。
私がDACに戻れば、そういった隙は見逃さない。
でも、そんな隙を突いてデスダムに勝利したとしても、それは一次的なものに過ぎないわ。
少しの隙もないデスダムを倒してこそDACが日本を護れるというもの。
だから少しでも隙を見せるわけにはいかないわ。
だというのに・・・

「それでイカゲゾー、そのままおめおめと逃げ帰ってきたというのですか?」
私の前にはデスダムのイカ型怪人イカゲゾーが肩を落としてうずくまっている。
首領様の怒りを恐れているのだろうけど、首領様どころか私だって腹が立つわ。
あれほどDACパワーズは甘く見てはいけないと念を押したにもかかわらず・・・
「お、お赦しくださいシャドウレディ様。決しておめおめと逃げ帰ってきたわけではありません。ADOの研究施設にはそれなりのダメージも与えたし、パワーズブルーにも相当のダメージを与えたはずでございます・・・」
「お黙り!」
思わず私は声を荒げてしまう。
ADOの研究施設など、いずれ復旧されるのは目に見えている。
それにパワーズブルーのお調子者は、どうせスタンドプレーの挙句にダメージを負った程度でしょう。
その程度のことと引き換えに、こちらの女戦闘員を十四名と新アジトの放棄では割に合わなさ過ぎるというものではないか。
デスダムの怪人はその程度のこともわからぬ愚か者なのか?
『パワーズピンクがいなくなったことで、DACパワーズの戦力は大幅に減ったはず。だが、油断はならぬと申したはずだな、イカゲゾー』
首領様の重々しいお言葉がホールに響く。
思わず私も周囲の女戦闘員たちも息を飲む。
「け、決して油断など・・・」
がっくりとうなだれているイカゲゾー。
「油断をしないでそのざまとでも? それこそ無能者の証ではないの?」
「そ、そんな・・・」
イカゲゾーがすがるような目で私を見る。
ふふ・・・
うふふふふ・・・
そんな目で私を見ても無駄なこと。
首領様のおっしゃるとおり、私のいないDACパワーズは本来の力を出せていないはずなのよ。
これだからデスダムの怪人がDACパワーズに勝てないんだわ。
もう少し戦い方を考えたらどうなのかしら?
私は思わず腰に巻きつけたムチに手をやっていた。
首領様のお言葉さえあれば、これを打ち付けてやれるのに・・・

「首領様、このような無能者はデスダムには不必要なのではありませんか? DACパワーズを利するだけのような気がしますわ。もっとも、私はその方がありがたいのですけど」
私はあえてそう言った。
だが、これは本気じゃない。
イカゲゾーを処刑すれば、それこそDACパワーズが喜ぶだけ。
冗談じゃないわ。
DACパワーズごときにそうやすやすと勝利させるわけには行かないのよ。
彼らが今のままでは日本を護れないと気が付くまで攻めてやらなくては・・・
「お、お赦しを。首領様。シャドウレディ様」
肩を震わせて処刑の恐怖におびえるイカゲゾー。
うふふふふ・・・
なんて可愛いのかしら。
恐怖におびえる姿を見るのは最高に気分がいい。
もっと痛めつけてやりたくなるわ。

『シャドウレディよ。イカゲゾーには再度チャンスを与えてやるのだ。だが、このまま放免というわけにはいかん。犯した失態の痛みを教えてやるがいい』
「はい、かしこまりました首領様」
首領様のお許しが出たわ。
うふふふふ・・・
私は腰のムチを取り外してイカゲゾーの前に立ちはだかる。
「シャ、シャドウレディ様・・・」
「首領様のご命令が下ったわ。イカゲゾー、お前にムチ打ちの刑を下します」
恐怖にすくむイカゲゾーを前に、私の興奮は高まっていく。
ムチを持つ手が震えてくる。
「お、お赦しを・・・」
「だめよ。失態の痛みを知りなさい。それっ!」
ヒュンとムチが空を切り、イカゲゾーの背中を打ち付ける。
パシーンという小気味よい音が響き、イカゲゾーの表情が苦悶に満ちた。
あはぁ・・・
なんて気持ちいいの・・・
無能者をムチ打ち、矯正してやるのは最高だわ・・・
もっとよ・・・
もっとおびえて悲鳴を上げなさい!
そしてデスダムの大義をその身に刻み込みなさい!
首領様の御心の尊さを知るがいいわ!
もっと!
もっと!
もっとよ!
私は何度もイカゲゾーをムチ打ちながら、自らにもデスダムの大義が染みとおる快楽に酔いしれた。

あっ!
突然イカゲゾーの触手が私の頬を張り飛ばす。
恐怖のあまり身をかばおうとした触手が、私の頬に当たったのだ。
私は思わず床に叩きつけられ、サークレットがはじけ飛ぶ。
えっ?
張り飛ばされた頬の痛みと、床に叩きつけられた衝撃が、私の頭をすっきりさせる。
い、いったい?
いったい私は何をやっていたの?
あ・・・
私は・・・
私は・・・

「シャドウレディ様!」
「シャドウレディ様、大丈夫ですか?」
女戦闘員たちが駆け寄ってくる。
「も、申し訳ありませんシャドウレディ様。つい躰をかばおうと・・・」
イカゲゾーも私の方を心配そうに見てくれる。
ムチ打たれていたのは彼の方なのに・・・
私はそんな彼をムチ打って・・・
喜んでい・・・た?
あ・・・
そんな・・・

気が付くと私はホールを飛び出していた。
あんなところにはいられない。
私は・・・
私はDACパワーズ。
パワーズピンクなのよ。
それなのに・・・
それなのに・・・
私は走った。
どこへなんて考えずに私は走った。
この数日の間にすっかりなじんでしまったロングブーツ。
脱ぐことなど考えられない、私の肌になってしまったようなボンデージ。
それらが私に力をくれる。
いくら走ったって問題ない。
でも・・・
でも、そんなのはいやぁ・・・
私をここから出してぇ!!

薄暗い倉庫。
最初に閉じ込められていた牢屋の近く。
あまり使われていないこの倉庫に女戦闘員が来ることなどめったにない。
私はいつの間にかこんなところにうずくまっていた。
膝を抱えて泣いていたのだ。
どうして・・・
私はどうしてあんなことを・・・
デスダムに協力し・・・まるでデスダムの一員のように振舞っていた・・・
シャドウレディなんていうコードネームで呼ばれ、それを当然のようにさえ感じていた・・・
DACを強化するためなどと思い込み、デスダムの強化に役立つようなことばかり教えていた・・・
首領様の命令で怪人をムチ打ち、ムチ打つことを喜んでいた・・・
あの・・・
あのサークレットのせいだわ・・・
きっとそう・・・
寝るときすらはずさなかったあのサークレット・・・
あれが私を洗脳していたんだわ・・・
でも・・・
でも、いまさらどうしようもない。
今の私にできることは、すぐにここを脱出してDACに戻り、デスダムのアジトで得た情報を彼らに伝えること。
それしかないわ。
だから一刻も早くここを出て・・・
ここを出て・・・?

ドクン・・・
心臓が跳ね上がる。
DACに戻る?
DACに戻ってどうなるの?
洗脳されたとはいえ、私はデスダムに協力したのよ・・・
DACに対する重大な裏切り行為だわ・・・
裏切りは赦されるものじゃない・・・
少なくともデスダムでは裏切った者は死を与えられる・・・
裏切った者は死・・・
そう・・・裏切り者や無能者、非効率な者が死を与えられるのは当たり前・・・
だから私も・・・
ドクンドクン・・・
裏切りは死・・・
やだ・・・
やだよ・・・
死にたくない・・・
死にたくないわ・・・
怖い・・・
怖い怖い怖い・・・
DACには戻れない・・・
DACに戻れば殺される・・・
怖い怖い怖い・・・
私はもう、DACには戻れない・・・
いいえ、戻るもんですか・・・
でも・・・
でもどうしよう・・・
私はどこにいたらいいの?

「ヒャイーッ! シャドウレディ様、こちらでしたか」
顔を上げた私の前にデスダムの女戦闘員が立っていた。
「シャドウレディ様、これを」
差し出されたのはあのサークレット。
デスダムの髑髏のマークが飾られたあのサークレットだ。
「これは・・・これは洗脳サークレットだわ。私にまたこれを付けろというの?」
「ヒャイーッ! それはシャドウレディ様のご自由です。首領様はただ一言、待っているぞと」
待っている?
私を・・・待っている?
私は・・・ここにいてもいいの?
首領様は私を待っていてくれているの?
私はデスダムに必要とされているの?
このアジトに来てからのことが脳裏をよぎる。
首領様とお話をする喜び・・・
デスダムを運営強化する喜び・・・
怪人や戦闘員を思うままに指揮する喜び・・・
無様な失態を犯したものをムチ打つ喜び・・・
そして・・・首領様に洗脳され支配される喜び・・・
そうよ・・・私はもう一度洗脳されたい・・・
私はもう一度支配されたい・・・
私は・・・
私はごくりとつばを飲み込む。
女戦闘員の手の上で鈍く輝くサークレット。
その髑髏のマークが私に微笑みかけている。
これを付ければ・・・
これさえあれば・・・

私は女戦闘員の手からサークレットを受け取った。
そして私の意志でこのサークレットを頭に嵌める。
すうっと恐怖がひいていく。
DACに対する恐れは消え去った。
私はデスダムの女。
私はデスダムのシャドウレディ。
DACはもはや私の敵。
これからは私がお前たちに恐怖を与えてやるわ。
楽しみにしているがいい。
私は立ち上がると、女戦闘員を従えて力強く歩き出す。
私の敬愛する首領様の下に向かって。

END
  1. 2008/01/29(火) 19:44:48|
  2. デスダム
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<歌詞が歌えない国歌 | ホーム | 元旦の続きです2回目>>

コメント

やっぱり戦隊ヒロインが堕ちていくのはいいものですね。
最後はサークレットをつけなくても良かったような気はしますが、今回のSSのキーアイテムと考えればこういうラストの方がふさわしいですね。

3日間楽しませていただきました。
  1. 2008/01/29(火) 21:33:40 |
  2. URL |
  3. metchy #zuCundjc
  4. [ 編集]

ちょっと珍しい展開?

素敵なSSをありがとうございましたー。
相変わらずいい仕事してますねo(^-^)o
最後は自分から「洗脳されたい」と主人公に思わせるなんて、新しい展開ですね。
毎回同じようなSSとはおっしゃいますが、こうやって少しずつ新機軸を打ち出してくるところが素晴らしいです!
沙弥香も舞方さんを見習わなければ!
  1. 2008/01/29(火) 22:13:43 |
  2. URL |
  3. 沙弥香 #-
  4. [ 編集]

首領様は人の扱いが上手いですね。
三日間楽しませて貰いました。ありがとうございました。
  1. 2008/01/30(水) 07:34:25 |
  2. URL |
  3. mas #d58XZKa6
  4. [ 編集]

感想ありがとうございます

>>metchy様
楽しんでいただけたようで何よりです。
やっぱりヒロインが落ちるのはいいですよねー。
これからもヒロイン悪落ちを書いていきたいと思います。

>>沙弥香様
最後は自らが洗脳されたいと思うことで安心感を得られるというのを目指してみました。
沙弥香様のSSも楽しく拝見させていただいておりますよ。
お互いにがんばりましょうね。

>>mas様
やはり悪の組織を統括運営するわけですから、人の扱いはうまいんでしょうね。
洗脳はともかく、この人のために働きたいと部下に思わせるような上司になりたいものです。
  1. 2008/01/30(水) 19:54:34 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]


最初はあんなに抵抗していたのに、自分から黒い口紅やアイショドウをひいているヒロインに激しく萌えました
イカゲゾーをバンバン鞭でたたくことに興奮するヒロイン。もはやパワーズピンクの面影もない。
正義の味方が他人を傷つけることに悦びを感じるというシチュは悪堕ち好きの俺としてはたまりません。
すごく楽しめました。
  1. 2009/03/25(水) 06:07:28 |
  2. URL |
  3. モリナガ #iqhSIKS2
  4. [ 編集]

>>モリナガ様
自分でも気が付かないうちに思考を変えられてしまっているというのはいいですよねー。
守るべき存在を傷つけることが楽しくなる。
私にもたまらないシチュですよ。
  1. 2009/03/25(水) 20:52:04 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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