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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

今日は長崎の原爆の日

あれから60年がたつんですね。
私はもちろん戦争を知りません。
戦後の混乱期も知りません。
ですが、今こうやってネットで楽しめる平和な日本はあの時が元になっているんですよね。
平和な日本であることがどれだけ素晴らしいものなのか、ちょっとしたことで私は忘れてしまいそうになりますが、忘れてはいけないことだと思います。
世界中にはまだまだ核兵器があふれておりますが、戦争に使われたのが後にも先にもこの二発だけで終わって欲しいものですね。

さて、いつものSSを少々。

19、
「きえぇぇぇぇぇ!」
一人の少女が黒く鋭い爪をかざして汀に挑む。
「甘い!」
汀は柄だけの刀をすっとかざした。
すると揺らめく陽炎のようなものが刀身を形作り、見事な刀を形成して行く。
「いやぁっ!」
気合を込めて刀身を一閃する汀。
あっという間に襲い掛かってきた少女は右手を肘から先で失ってしまう。
「えっ?」
「ええっ?」
一瞬あっけに取られる少女たち。
立ち止まってぼたぼたと黒い液体を右腕からたらしている少女はやがてそれが何を意味するかに気がついた。
「う、うぎゃぁぁぁぁ・・・」
「き、紀美ちゃん・・・」
悲鳴を上げてうずくまる少女をもう一人がなすすべもなく見つめている。
「あぐぐうぅぅぅぅぅ・・・」
「ちっ、踏み込みが浅かったか。調子悪いな」
揺らめく陽炎の刀身を持つ刀を手にした汀がゆっくりとうずくまる少女に近づく。
「よ、よくも紀美ちゃんを!」
もう一人の少女が憎しみをむき出しにしてにらみつける。
だが汀は薄く笑みを浮かべていた。
「あなたでは私には勝てないわよ。おとなしく滅ぼされなさい」
「だまれぇっ!」
股間から黒く太い触手を伸ばし、汀の足元に絡みつかせる。
そうして動きを封じておいて爪の一撃を食らわせるつもりだったのだ。
「ハッ!」
「えっ?」
その声を発した時すでに事は終わっていた。
ゴトリという音とともに学園の制服姿の少女の上半身が地面に転がっていた。
「あ、ああああ・・・・茜ぇ!」
物言わぬ塊となった友人を目の当たりにする少女。
右腕を失いながらもぎりぎりと唇を噛み締めて汀をにらむ。
「ふん・・・次はあなたよ」
「うるさーい!」
左手をかざして突進する少女。
汀の手にした妖刀がきらめいた。

「ふう・・・」
汀は息を吐き、妖刀の陽炎のような刀身に手をかざす。
すると陽炎は揺らめくように消え、汀の手には柄だけが残った。
「さて、後始末をしないとね」
汀が印を組むところがっていた少女たちの遺体が青白い炎を上げて燃えて行く。
これほどの事をしていたにもかかわらず、通りを行きかう人々はまったく彼女を意識していない。
何事もなかったようにそのあたりを通過して行くだけだった。
やがて炎が収まるとそこにはただ灰が残るのみとなる。
それも風に吹き払われるように舞散って行き、あとには静寂だけが残っていた。
「終わったか。結界を解かなきゃ。それにしてもこいつらは雑魚。本体を倒さねば・・・」
汀はそうつぶやくとその場を後にした。

「あ・・・朝・・・か・・・」
目覚ましの音に弘子は目を覚ます。
布団をよけて起きだすものの、どうも頭がすっきりしない。
まるで頭の中に靄がかかったような感じがこのところずっと続いているのだ。
弘子は頭を振ってすっきりさせようとするが、鈍った頭は一向に冴えてはくれなかった。

「おはよう・・・」
パジャマ姿のままリビングに顔を出す弘子。
「おはよう。早く支度しなさい。学校に遅れるわよ」
トーストにバターを塗って父親に手渡している母の姿。
いつもと変わらぬ朝の風景だ。
「ハーイ・・・」
弘子はそう言うと洗面所へ行き顔を洗う。
いつものように部屋へ戻って身支度を整えているとあっという間に時間は過ぎていった。
「弘子、パン焼けているわよ。早くしなさい」
「あ、ハーイ」
制服を着込んでリビングに戻ってくる弘子。
テーブルにはトーストとサラダ、それにホットミルクが用意してある。
「いただきます・・・」
もふもふと機械的に食べて行く弘子。
何も考えたくない。
何も思い出したくない。
ただ機械的にいつもの行為をしているに過ぎなかった。
「ご馳走様・・・」
食事を終えた弘子は立ち上がると鞄を携えて玄関へ行く。
靴を履いて玄関を出て行く弘子。
それはただ学校へ行くように命令されたロボットのようだった。
空風鈴
 こんばんは、毎度ながら私のブログにコメントいただきありがとう御座います。ほんとに驚くほど趣味が合うなーとびっくりしてます(笑)。私がこのブログに惹かれたのも当然のような気がしてしまいます。 8月9日ですね・・・。その瞬間を私も体験した事はないですが、あの惨禍をへて平和な現在があるんですね。多くの犠牲が「核を2度と使ってはならない」と言う戒めになったのだとしたら、私達はけしてその事を忘れてはいけないのでしょうね。
8月9日 20:49

舞方雅人
現実に核兵器の怖さを知らなければ、使用してしまいかねないと言うのはありますね。最近のアニメなどでは威力の大きい通常爆弾的に使われたりしますからね。まずは知ることです。
8月11日 21:33
  1. 2005/08/09(火) 18:07:40|
  2. 退魔師
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<うーん・・・ネタがない | ホーム | 政局混迷>>

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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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