FC2ブログ

舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

豊家滅亡その9

徳川秀忠にとって重要なことは、中山道を無事に通り抜けて、軍勢を大坂方面へと進出させることでした。
できることなれば道中での戦などは避けたいものだったのです。

そのため秀忠は上田城に対し使者を送って、平和裏に開城してもらうよう努めました。
使者も真田家の長男と長男の義理の兄弟である真田信之と本多忠政を差し向けるという配慮もありました。

9月3日、真田昌幸と二人の使者との会見が上田城外の信濃国分寺で行われました。
席上二人の使者に対し、昌幸は終始穏やかな表情で接したといわれ、城明け渡しにも同意したといいます。
二人の使者は喜んで、その旨を秀忠に報告。
秀忠も胸をなでおろしました。

しかし、翌9月4日になっても上田城は明け渡される気配がなく、それどころか守りを固めているような気配さえ察せられました。
不審に思った秀忠が、再度城明け渡しを求めたところ、昌幸からはとんでもない返事が帰ってきたのです。

「当方太閤様(秀吉)のご恩忘れがたく、この城に篭って華々しく討ち死にし名を後世に残したいと思う。願わくば大坂へ行くついでに、この城を一攻めしてもらえないだろうか」
昌幸のこの返事は秀忠を完全にコケにしたものでした。
秀忠は籠城の時間稼ぎにまんまと乗せられたことになったのです。

当然のごとく秀忠は激怒します。
攻めろと言うからには攻めてやろう。
彼は麾下の諸将に上田城ならびに背後の砥石城の攻略を命じました。
先鋒は真田信之。
秀忠は真田同士で戦わせるつもりだったのです。

上田城の攻略には背後の砥石城の攻略が不可欠です。
砥石城はかつて武田信玄も攻略に手間取った要害です。
昌幸の父真田幸隆が、謀略を持って落とした後は真田家の居城となっており、第一次上田合戦の時には今回攻める真田信之自身が守将として防備に当たっていた城でもありました。
そして、今回砥石城には、信行の弟である真田信繁(幸村)が守備についていたのでした。

しかし、天下の要害砥石城でしたが、今回はあっけなく陥落します。
というよりも、守備する真田信繁(幸村)が攻撃側が兄信之だと知ったことで、自主的に退去したのです。
兄に手柄を立てさせて秀忠の覚えをめでたくさせるとともに、兄弟の戦いを回避したのです。

信繁(幸村)が退去した砥石城には、真田信之が再び守将として入るよう命ぜられました。
信繁(幸村)自体は上田城に撤収したため、秀忠は本格的に上田城の攻略にかかります。

9月6日、三万八千の軍勢で一揉みにするべく上田城攻撃が開始されます。
守る上田城の軍勢はわずかに二千五百ほど。
普通に考えればまず鎧袖一触の数の差です。
秀忠自身もそう思ったでしょう。

ですが、この戦闘も真田昌幸に名を成さしめる結果となります。
徳川の大軍勢は攻めればおびき寄せられて伏兵に遭い、引けば追撃を受けるという有様で、損害ばかりが増えて行きました。
攻めあぐねているうちに日にちだけは過ぎて行き、ついに7日間を上田城攻めに費やした挙句の9月11日、諸将の薦めもあって秀忠は上田城攻略を断念。
大坂へ向けて軍勢を西へ向けました。

わずかな兵力で徳川の大軍勢を向こうに回し、ついに陥落を防ぎきった真田昌幸の名はまたしても天下に鳴り響くことになりました。
この後秀忠は、真田に呼応するかもしれない周辺地域を警戒して中山道を通らずに難路越えの挙句、9月16日になってようやく木曽福島に入ることができました。

しかし時すでに遅く、天下分け目といわれた関ヶ原合戦はすでに終了。
大事な合戦に間に合わないという大失態を秀忠は犯してしまいます。
家康の怒りは尋常なものではなく、秀忠は大津城で家康に面会を許されなかったということでした。

その10へ
  1. 2007/12/16(日) 20:26:16|
  2. 豊家滅亡
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<ミスカトニック大学 | ホーム | 女たちは守られた?>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://masatomaikata.blog55.fc2.com/tb.php/635-e8d5d1ea
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

カレンダー

02 | 2020/03 | 04
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

AquariumClock 2

プロフィール

舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

ブログバナー


バナー画像です。 リンク用にご使用くださってもOKです。

カテゴリー

FC2カウンター

オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理人にメールなどを送りたい方はこちらからどうぞ

ブログ内検索

RSSフィード

ランキング

ランキングです。 来たついでに押してみてくださいねー。

フリーエリア

SEO対策: SEO対策:洗脳 SEO対策:改造 SEO対策:歴史 SEO対策:軍事

フリーエリア