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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ダークミストレスその2

ダークミストレスの二回目です。
なんか以前の作品と同じようなものになっちゃいましたが、楽しんでいただければと思います。
よろしければ、感想などをお寄せくださいませ。
よろしくお願いいたします。


「さあ、行くわよ」
私は黙ってうなずいてミシェルさんのあとに続く。
ひんやりとした石造りの通路がトンネル状に続いている。
ダンジョンキーパーさんが精魂込めて作り上げたダンジョンね。
インプたちが丁寧に土を掘って石で固めた地下ダンジョン。
思いのほか快適だわ。
以前は息苦しく感じたのにね。
今はまったく気にならない。

「何か来るわ。気をつけて」
ミシェルさんが通路の奥を透かし見ている。
きっとダンジョンに巣くうモンスターだわ。
気をつけなくちゃ。
私はムチを取り出して右手に持ち、左手の刃でいつでも切りつけられるように身構える。
ミシェルさんも同様に身構えていて、まさに戦士の本領発揮。
邪魔にならないようにしなくちゃね。
あれ?
以前は違うことでミシェルさんを助けていたような・・・
どうだったっけ?
でも、私だってムチと刃を持っているんだから戦えばいいんだよね。

ブーンという羽音とともに現れたのはフライだった。
大型の犬ほどもある大きさの巨大なハエ。
雑魚モンスターだけど、偵察能力に優れていて、地下をくまなくパトロールするには最適なモンスターだ。
フライは一瞬私たちの方を巨大な複眼で見ると、すぐに通り過ぎて行ってしまった。
「ふう・・・どうやらこの格好しているから仲間だと思われたみたいね」
「同じダンジョンキーパー様にお仕えする仲間・・・ということでしょうか」
「そうね。そういうことになるかしらね」
ミシェルさんはそう言うとまた通路を歩き始めた。
仲間・・・
仲間かぁ・・・
うふふ・・・
そうやって考えると、あのフライもちょっと可愛いものだわね。

その後も私たちは巨大なゴキブリとクワガタの合いの子のようなビートルや、二つの首を持つ獰猛な大型犬ヘルハウンドらとすれ違ったものの、いずれも私たちには興味を示さなかった。
いくつかの部屋も通り過ぎたが、モンスターたちのねぐらだけじゃなく、トロルが働く工房や魔法開発のための図書館なんてのもあるのが驚きだった。

図書館を過ぎてしばらく行くと、クックックックッ・・・という声が聞こえてくる。
えっ?
まさか鶏の鳴き声?
「鶏だね。何でこんなところにいるのかな?」
ミシェルさんも振り向いて不思議そうな顔をしている。
私にもわからないわ。
私は黙って首を振る。
「ま、このダンジョンの中の様子がわからなければどうしようもないか・・・」
「そうですね」
結局私たちは先へ進んでみることにした。

「あらら・・・これはこれは」
ミシェルさんと入った部屋は床に土がむき出しになっている部屋だった。
その土の上にはあちこちに鶏の卵が転がっていて、何羽もの鶏がうろついている。
中には雛も何羽かいるようだわ。
ここはいったい何なのかしら?
私たちがなんだか立ち尽くしていると、巨大な蜘蛛が奥の入り口から入ってきて、あっという間に二三羽の鶏を捕らえて食べてしまう。
あ・・・
なるほど。
ここはダンジョンに巣くうモンスターたちの餌場なんだわ。
鶏はモンスターたちの食事なのね。
食事かぁ・・・
お腹すいたなぁ・・・
「ここは餌場なんだね。どう、お腹すかない? 私たちも食べようか」
「ええ、そうしましょう」
私はミシェルさんにうなずくと、すばやく鶏を捕まえて左手の刃で首を刎ねる。
滴り落ちる血を口で受けて飲み干すと、羽をむしってかぶりつく。
ああ・・・美味しい。
生の鶏も悪くないわ。
もっと食べちゃお。
私とミシェルさんはお互いに鶏を捕まえてたっぷり食べた。
これでお腹もいっぱい。
うふふ・・・

「はあ・・・食べた食べた。そういえばねぐら確保しなきゃね」
食事を終えた私たちは口の端に付いた血をぬぐって腰を下ろしていた。
「そうですね。どこか適当な場所を探しますか」
さっき通ってきたねぐらがいいかなぁ。
「そうだね・・・って、何か聞こえない?」
ミシェルさんが耳を澄ませる。
私も同様に耳を澄ませて聞いてみる。
「うあぁぁぁぁぁ」
かすかに聞こえてくる声。
「悲鳴だわ」
「悲鳴・・・ですね」
私はミシェルさんと顔を見合わせる。
このダンジョンの中で悲鳴を上げている。
ということは・・・
「人間がいるんだわ」
うれしそうに立ち上がるミシェルさん。
「ええ、行ってみましょう」
私も思わず立ち上がり、わくわくする気持ちを抱きながらミシェルさんと通路を走った。

ここは拷問室。
ダンジョンキーパー様のこしらえられたとても楽しい部屋。
円形の台座の上に獲物を載せ、不気味な黒尽くめの拷問吏が拷問をするところ。
拷問に耐え切れなくなった獲物は情報を吐いたりダンジョンキーパー様に忠誠を誓ったりもする。
その台座の一つに一人の人間の男が載せられていた。
それは私たちにとって見知った顔。
人間たちのリーダーだった男だわ。

「あは、あははははは・・・インザーギ、あなただったのね?」
ミシェルさんが大笑いしている。
私もぞくぞくする興奮に思わず笑いがこみ上げてくる。
「お久しぶりです、インザーギさん。こんなところで会えるなんてうれしいです」
「うぐぅ・・・君たち・・・そ、その姿はいったい?」
すでに何度かの拷問に耐え切ったのだろう。
彼の体のあちこちに蚯蚓腫れがあり、それがとても美しい。
「ああ、これ? うふふ・・・似合うでしょ」
「これ、とても着心地がいいんですよ。もう私これ以外の服なんて着たくないです」
これは本当のこと。
たとえどんなことがあったってこの服以外を着る気にはならないわ。
ううん・・・
むしろこの服はもう私の一部みたいなものだもの。
「ば、馬鹿な・・・そんなことが・・・」
なんかうだうだとうめいているわ。
どうして悲鳴を上げてくれないのかしら。
あのぞくぞくするような悲鳴を早く聞かせてほしいわ。

「ねえ、インザーギ。あなたの馬鹿な行動のおかげで私たちはこのダンジョンで迷っちゃったわ。その落とし前をつけてほしいわね」
すっとミシェルさんが腰のムチを取り外す。
私はすごくどきどきしながらミシェルさんがそれを振り下ろすのを待ち望む。
「ま、待て! お前たちはダンジョンキーパーに・・・」
ヒュッと空気を切る音がして、ムチが肉を打つパシーンという気持ちのいい音が部屋に響いたとき、私は軽くイってしまった。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ」
ああ・・・気持ちいいよぉ・・・
人間の男の上げる悲鳴は格別だわぁ。
「あははははははは・・・気持ちいい!」
高笑いをしながらムチを振るうミシェルさん。
その姿はとても素敵。
男の上げる悲鳴とミシェルさんのムチの音が私を恍惚の極致へと導いていく。
ああ・・・
私は立っていられないほどの快感に打ち震えた。

「ハァハァ・・・さあ、次はセリーナちゃんの番よ」
ミシェルさんは振り向いて、私に場所を開けてくれる。
「えっ? いいんですか?」
私は思わず聞き返した。
だって、あんなに気持ちよさそうにムチを振るっていたのに・・・
私は悲鳴を聞いているだけでも充分なのに・・・
「いいに決まっているじゃない。私たちは同じ“仲間”でしょ」
ああ・・・
うれしい・・・
そうよ・・・
私たちは“仲間”。
このダンジョンでともに過ごす“仲間”なんだわ。
私はムチを取り出すと、ミシェルさんのところへ行く。
そして目の前に横たわる人間の男に向けて思い切り振り下ろした。

「あら・・・?」
気が付くと目の前の男はただ黙ってムチ打たれるだけになっていた。
たった十回ほどのムチ打ちしかしていないというのに。
先ほどまで上げていた気持ちを昂ぶらせてくれる悲鳴ももう聞こえない。
背中の肉は裂け、血がしぶいてすごく楽しかったのに・・・
「ミシェルさん、動かなくなっちゃいました」
「えーっ? あ~あ、つまらない男ねぇ。こんなにあっけなく死んじゃうなんて、ちっとも楽しめないじゃない。せめて私がイくまでぐらい悲鳴を上げてほしかったわ」
左手の刃の先でざくざくと切り刻んでみるミシェルさん。
でも男はぴくりともしない。
つまらないことこの上ない。
「ハア、死んじゃったんなら仕方ないわね。鶏でも食べに行こうか」
「そうですね。つまらない男」
私はこみ上げてくる怒りを刃に込めて男に振り下ろす。
肉の切れる気持ちよさが少しだけ私の怒りを静めてくれたけど、こんなんじゃちっともイケやしないわ。

『クククク・・・どうやらあまり楽しめなかったようだな、ダークミストレスたちよ』
私の頭の中に声が響いてくる。
このダンジョンの支配者、偉大なるダンジョンキーパー様のお声だわ。
「ええ、ダンジョンキーパー様。もう少し甚振り甲斐があると思ったんですけど・・・」
「あんまりあっけなく死んじゃったので拍子抜けですわ」
私は左手の刃に付いた血をペロッと舐める。
美味しい血の味が多少はあの男のだらしなさを慰めてくれるようだった。
『クククク・・・ではしばしの間ねぐらで休むがいい。訓練室で訓練に励んでもよいぞ。どちらにしてもそう遠くないうちにまた人間どもが来るはずじゃ』
「かしこまりましたわダンジョンキーパー様。人間どもを切り刻むのを楽しみにしております」
「私たちダークミストレスにお任せくださいませ。ダンジョンキーパー様の邪魔をする人間どもはすべて始末いたしますわ。うふふふ・・・」
私はこの先に待っている人間どもとのプレイを夢想しながら、口元に笑みが浮かぶのを止められないでいた。

END
  1. 2007/12/13(木) 19:12:37|
  2. 異形・魔物化系SS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
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コメント

完結お疲れ様でした~

今回の作品は変わっていくことの迷いや抵抗を切り捨てて
言葉の節々から感じられる変化を楽しみながら
だんだん変わっていくよ~ってワクワクするのが楽しいのだと感じました。
最後の盛り上がりはSキャラ好きな私にとっては嬉しい限りでございます。

知られざるゲームの紹介なども好きですので、そちらも含めて次の作品など楽しみにしておりますです~
  1. 2007/12/14(金) 01:30:12 |
  2. URL |
  3. g-than #-
  4. [ 編集]

ぐはwww
コメント出遅れた…orz

最近舞方サマの作品を読むだけ読んどいて
ろくに感想も述べない
愚か者がやって参りましたわ(汗)

ジャックは元ネタとなったゲームは知らないんですけれど、紹介文読む限り、舞方サマの好きそうな戦略性の高い、奥の深そうなゲームですわね…。

ズドーンときてドゴーンな感じのゲームが好きな
ジャックには少しむつかしそうw
何と言ってもジャックは戦略ゲーではセーブ、ロードを駆使する卑怯者なので…。

さてさてー
前後編ともに今回も楽しく読ませて頂きましたー。
今回は嫌々改造はやめてのようなシチュでは無く
緩やかな狂気堕ちシチュでしたわね。
鶏のシーンでそれまで緩やかだった狂気が瞬く間に色濃くなったのは楽しめましたわ。(鬼畜)

内容が血生臭くなっているのは某洗脳MC特撮フェチの妄想を徒然なるままに…なブログ様のイラストに触発されたからかしら?w

何にせよ、たっぷりドSを堪能させて頂きましたわ。
ごちそうさまでした~。
  1. 2007/12/14(金) 03:29:04 |
  2. URL |
  3. ジャック #-
  4. [ 編集]

コメントありがとうございます

>>g-than様
やっぱり変化のギャップが楽しいですよね。
無意識のうちに変わって行くのを楽しんでいただければ何よりです。
女王様キャラもいいものですよね。

>>ジャック様
何も出遅れてなどおりませんですよ~。
こうしてコメントいただけるのが何よりうれしいですから。
元ゲームは古いゲームですのでご存じなくても仕方ないと思います。
結構大変なので、お勧めはできないかも。ww

狂気堕ちとはいい言葉ですー。
まさに狂って行くところを感じていただければうれしいです。
ちなみに血なまぐさいのは結構好きですので、某ブログサイトに影響されてのことではないですよー。(笑)
  1. 2007/12/14(金) 19:34:21 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

堪能致しました

遅れましたが新作お疲れ様です!

「気がつくと洗脳されちゃっている」感じが
とても萌えますね。また、その前段階で、
彼女たちがちゃんと自分たちの置かれた状況
(洗脳の危険やダークミストレスの存在)を
ちゃんと把握した上でそうなった、というあたりが
自分にはツボでした。

初めて舞方氏の作品にほぼリアルタイムで
(いえ、遅いですけど)感想かけました。
これ自体ちょっと感動です。

そういえばアクセス状況のページを見たところ、
自サイトのリンク元の半数以上がこのページ
からでした。わざわざ記事一つ使ってご宣伝頂いた
おかげでしょう。改めてありがとうございました。
  1. 2007/12/16(日) 17:21:17 |
  2. URL |
  3. maledict #gR92Clc.
  4. [ 編集]

>>maledict様
コメントありがとうございます。
私はだんだんと思考が歪んでいくというのがすごく好きなので、勢いそういう話が多くなっちゃいます。
そこを楽しんでいただければこんなうれしいことはありません。
宣伝なんてとんでもない。
いいサイトさんをただ紹介しただけですから。
これからもがんばって楽しい作品をお願いしますねー。
  1. 2007/12/16(日) 20:35:17 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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