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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ラビドナの復活 (前)

連休ですし、ちょうど仕上がりましたので、今日明日でSSを一本投下いたします。

タイトルは「ラビドナの復活」です。
悪の女幹部を倒したはずが……

お楽しみいただければと思います。
それではどうぞ。


ラビドナの復活

 「ラビスラッシュ!」
 声とともに鋭い刃が俺の眼前をよぎる。
 「ダガースパーク!」
 間一髪でかわした俺は、かざした短剣に電撃を込め、その一撃を相手に放つ。
 「あうっ!」
 衝撃を受けたラビドナの顔が苦悶に歪む。
 いけるか?
 俺は追い打ちをかけるべくもう一撃を振り下ろす。

 相手は暗黒帝国アンゴクーの女幹部ラビドナだ。
 見た目には俗にいうバニーガールのような格好をした美しい姿で人間を惑わせ、両手のアームカバーに付いた鋭い刃で相手を斬り裂いていく。
 残忍な性格を持ち、人間を殺すことを喜びとさえ感じる女で、俺たちダガーナイツも何度となく苦しめられた相手だ。
 だが、今回相手の罠にわざと乗ったとはいえ、こうして一対一で戦えるというのは逆にチャンスでもある。
 魔獣人の相手はみんなが対処してくれるはず。
 ここはなんとしても俺がラビドナを倒さねば。

 「クッ」
 ラビドナの脚がふらつく。
 今だ!
 「ダガーストライク!」
 「舐めるなぁっ!」
 俺のダガーと奴の刃が交差する。
 うぐっ……
 腹部に痛みが走り血しぶきが飛び散る。
 目の前では驚愕の表情をしたラビドナがゆっくりと倒れていく。
 そして俺も……その場にがっくりと崩れ落ちた……

 「ハア……ハア……」
 大の字になって地面に横たわる俺。
 腹が焼けるように熱い……
 どうやら奴の刃にざっくりと斬り裂かれてしまったようだ……
 だが俺のダガーストライクも、奴の眉間に命中していたから……相討ちってところか……
 倒れたままの奴はピクリとも動かない。
 しかし、それは俺も似たようなもの。
 くそっ……
 ざまぁないな……
 血がどくどくと流れていく……
 だが……これでアンゴクーはラビドナという指揮官を失うことになる……
 俺が……いなくても……
 みんな……あとは……
 頼ん……だ……ぞ……

                   ******

 「はっ?」
 俺は目を覚ます。
 どこだ、ここは?
 俺はいったい?
 助かったのか?

 ひんやりとした薄暗い部屋。
 天井全体がぼうっと光っている。
 俺が寝ているのはふかふかのベッド。
 躰には薄い毛布が掛けてある。
 いったいここはどこなんだ?
 病院ではないようだが……

 「ふん……目が覚めたようだな」
 野太い声が脇から聞こえる。
 誰だ?
 聞いたことない声だが……
 俺はゆっくりと顔を動かしてそっちを見る。
 そこには角の付いたヘルメットをかぶり、がっしりとした大柄の躰を銀色に輝く鎧で包んだ男がいた。
 まったく見覚えのない男で、浅黒い肌のいかめしい顔を俺に向けている。
 誰なんだ、こいつは……
 俺がそう思っていると、男は座っていた椅子から立ち上がり、俺の方へと近寄ってきた。
 「どうやら手術は成功したようだな。ククククク……」
 俺の顔を見下ろして男が笑う。

 「手術? お前はいったい?」
 えっ?
 俺は驚いた。
 今のは何だ?
 今のは、俺の声なのか?
 ちょっと甲高い女みたいな声じゃないか……
 「クックック……俺様の名はブズロム。お前の代わりに新たに皇帝陛下よりこの地の制圧を命じられた者だ」
 男がにやにやと笑いながら名を名乗る。

 「ブズロム? 俺の……代わりに? この地を制圧?」
 何を言っているんだ?
 俺の代わりに?
 皇帝からだって?
 まさか……
 「お前は……アンゴクーの?」
 「そうだ。我が前任者ラビドナよ。俺様はお前の後任だ」
 えっ?
 ラビドナ?
 あいつが生きて?
 なぜ俺にそれを?

 俺は慌てて跳ね起きる。
 かけてあった毛布が落ち、俺の躰があらわになる。
 「な? こ、これは?」
 俺は目を疑った。
 俺の胸には二つの大きなおわん型のものがあり、白い肌をした腹部は括れ、股間についているはずのものは無く、すらりとした脚が伸びていたのだ。
 「お、俺は? 俺はいったい?」
 目の前に持ってきたこのほっそりとした白い手が、俺の両手なのか?
 俺は夢でも見ているというのだろうか?

 「クックック……混乱するのも無理はない。お前の意識はまだダガーレッドのままだろうからな。だが、お前の躰はラビドナのものなのだ」
 「うあ……」
 男がいきなり俺の顎を掴んで上向かせる。
 「ラ、ラビドナのもの?」
 この躰がラビドナの?
 「そうだ。お前たちが戦い終わった後に俺様が駆けつけ、お前たちを収容したというわけだ」
 男は俺をまっすぐに見つめてくる。
 浅黒い肌をした顔は、まるでブルドッグのようないかつい顔つきだ。
 「ど、どうして?」
 どうして俺の躰がラビドナの躰に?
 「ふっ、ラビドナという女、中身はともかく姿は俺様の好みに合うなかなかに美しい女だ。そのまま死なせるには惜しい。だが、蘇生させようにも脳がダメになっていた。一方お前の方は脳はまだ生きていたが、躰の方はズタズタだ。だったらラビドナの蘇生にお前の脳を使わせてもらおうと思ったわけだ」
 「な! ふざけるな! 俺の躰を返せ!」
 ラビドナを蘇生するために俺の脳を使っただと?
 ふざけるな!
 俺はありったけの憎しみを込めてこの男をにらみつけてやる。
 「ふん、思ったとおりかわいい声ではないか。姿といい声といいまさに俺様好みの女だ。お前を俺様のメスに作り変えてやろう」
 「な? ん……んん……」
 男がいきなり俺にキスをする。
 ふわぁ?
 な、なんだこれ?
 俺は躰が震えてくる。
 まるで全身に電気が走ったみたいだ。
 一瞬で力が抜けてしまう。
 こ、これがキス?
 ど、どうして?

 「ククク……美味い唇だ」
 「ハア……ふ、ふざけるな! 俺を元通りにしろ!」
 こんなラビドナの躰なんて冗談じゃない!
 俺は男だ!
 女の躰なんて願い下げだ!
 「ふん、お前の躰などとっくに処分したわ。あきらめろ。お前はその躰でラビドナとして生きていくんだ。俺のかわいいメスとしてな」
 男がニタッと笑う。
 「ふざけるな! 俺は男だぞ! 誰がお前のメスになんかなるものか! 元に戻せぇ!」
 俺は男を一発殴り飛ばそうとした。
 だが、俺の腕は男の手でがっちりと受け止められてしまう。
 「えっ?」
 ならばと足で蹴りを入れても、男の鎧が蹴りを受け付けない。
 「クククク……無駄なことはよせ。お前の力では俺には勝てん。それにな、実はお前の脳を移植するときにちょっとした仕掛けをしておいたのさ」
 「仕掛けだと……」
 俺は男をにらみつける。
 「そうだ。お前はこれからアンゴクーの一員として過ごす。だからアンゴクーのメンバーに対しては危害を加えられないようにな」
 「クッ……」
 それで力が思うように入らないのか……
 くそっ!
 俺がアンゴクーの一員だと?
 ふざけるな!

 「それともう一つ」
 「わっ!」
 男が俺をベッドに押し倒す。
 「お前の躰は非常に感じやすくしておいた。女としての快感を良く味わえるようにな」
 「な? や、やめろ!」
 男の手が俺の胸を揉んでくる。
 ふわぁぁぁぁ
 なんだこれなんだこれ?
 やめろぉ……
 胸を……胸を揉まれるのが……こんなに気持ちいいなんて……
 ああーん……
 はぁぁぁん……
 ダ、ダメだぁ……
 感じてしまうぅぅぅ……

 ずぶりと男の指があそこに入ってくる。
 俺の躰がビクンと撥ねる。
 や……やだ……
 そんなところに指を入れるな……
 やめろぉ……
 そこは……そこはぁ……
 俺の中に入ってくるなぁ……
 ぐりぐりとかき回されていく俺の中。
 男の指が俺の奥を刺激する。
 はあぁぁぁん……
 な、なんだこれぇ……
 こ、これが女の?
 いやぁぁぁん…… 
 ダメだぁ……
 感じるぅ……

 「クククク……どうだ? 気持ちいいだろう?」
 「そ、そんなこと……」
 俺は必死に否定する。
 で、でも……
 男の指が俺の中を刺激して……
 き、気持ちいい……
 気持ちいいよぉ……
 中をかき回されるのって、こんなに気持ちいいことなのか?
 嘘だろ……
 これが……感じるってことなのか?
 「ククククク……気を付けろよ。感じやすくしてやったが、あんまり感じてイッてしまうと、元には戻れなくなるぞ」
 戻れなくなる?
 「そ、それはどういう……」
 「クククク……お前が一回イくたびに、お前の脳には女であることの喜びとアンゴクーの一員としての自覚が刷り込まれるようにしておいたのさ。何度もイッてると、ダガーレッドとしての意識が上書きされてしまうぞ。クックック……」
 「な? ふざけるな!」
 俺は男を蹴り飛ばそうとするが、全然力が入ってくれない。
 それどころか、躰が気持ちよさに身を任せてしまっているみたいだ……
 ダ、ダメだ……
 き……気持ち良すぎる……

 「はあぁぁぁん」
 ずぶりと男の太いものが俺の中に入ってくる。
 嘘……
 こ、これって?
 まさか……
 いやだぁ……
 俺は男なのに……
 男なのに……
 ダ、ダメ……
 で、でも……
 き、気持ちいいよぉ……
 これが……これがセックスなのかよ……
 あれを入れられるってこんな感じなのかよ……
 い、今までの男の感覚と全然違うぅ……
 ああーん……
 ダメェ……

 荒々しいピストンが俺の躰を揺さぶってくる。
 男のものが俺の奥まで突いてくる。
 躰ががくがくと震えていく。
 やだぁ……
 気持ちいい……
 気持ちいいよぉ……
 頭がぼうっとなる……
 躰がどこかに飛んでいきそう・・・
 ダメ……
 ダメ……
 ダメェ……
 ああああああああ……

 「クククク……どうやらイッたようだな」
 あ……
 頭が真っ白になって……
 イッた?
 俺……イッたのか?
 今のが……イく?

 男の大きな手が俺の頭をなでる。
 「ここはお前の部屋だ。好きに使え。あと地底城内なら好きにうろついても構わん。クックック……また可愛がってやる」
 あ……
 男はそう言うと、さっさと出て行ってしまう。
 俺は……
 俺は何をどうしたら……
 俺は……

                   ******

 汗と愛液で汚れた躰をシャワーで洗い流す。
 指に触れてくる柔らかい躰の感触。
 下を向くと否応なしに目に入る二つの胸。
 肌の色だってとても白い。
 本当に俺の躰は女に……ラビドナの躰にされてしまったようだ。
 胸の重みもチンポの無い股間も現実のものだ。
 ちくしょう……
 俺の躰を返せ……
 俺の男の躰を……
 ちくしょう……

 それにしても……
 地底城の連中も人間と変わらない生活をしているのだろうか?
 少なくとも、このラビドナにあてがわれた部屋を見る限りはそんな感じがする。
 戸惑いながらもシャワーを終えた俺は、タオルで躰を拭き部屋に戻る。
 大きな鏡が俺の躰を映し出している。
 丸い二つのふくらみを持つ胸。
 きゅっとくびれた細い腰。
 処理してあるのか、毛が無くつるんとした割れ目だけの股間。
 ここにさっきあの男のものが……
 あの感触が脳裏に浮かぶ……
 俺は唇をかみしめる。
 俺は……女のセックスをしたのか……
 
 鏡の向こうから見つめてくるラビドナの顔。
 倒したと思った憎むべき相手の顔。
 でも……
 俺はゆっくりと鏡に近寄る。
 そもそも俺はラビドナの顔をこんなにはっきりと見たことがあっただろうか?
 俺の目の前に現れるラビドナは、常に魔獣人やドロッコーと呼ばれる戦闘員たちを引き連れ、俺たちを憎々しげににらみつけてくるのがいつものことだ。
 そのラビドナが……こんな美しい顔をしていたなんて……

 もちろん違和感はぬぐえない。
 これが自分の顔だなんて思えない。
 でも……
 いやではない……気がする……
 ほんとに美しいと思うし、もしラビドナが普通の人間だったとしたら好きになれそうな顔だと思う……
 これが……
 ラビドナの顔……

 俺は首を振り、とりあえず着るものを探すことにする。
 いくらなんでもずっと裸でいるわけにはいかないし、とにかく服を着たいのだ。
 でも、いったい何を着ればいいのか……
 まさか……女の服?
 せめてズボンでもあれば……
 俺は何かないかとベッドの横にあるクロゼットを開けて見る。
 中にあったのは一揃いの服だけ。
 これは……
 ラビドナがいつも着ていた服じゃないか……
 脚を覆う薄手の黒タイツに、胸から股間までをカバーする黒いバニーガールスタイルの服。
 お尻にはご丁寧に白く丸いシッポまで付いている。
 両腕には肘から先を覆うがっちりとした灰色のアームカバーが付き、手首部分の外側からは細めの鋭い刃が伸びている。
 両脚用にもブーツ状の灰色のレッグアーマーが付き、かかとはハイヒールのようになっていた。
 首用には蝶ネクタイのようなリボンの付いた襟だけのものがあり、頭に着けるウサギ耳の付いた両耳を覆う形のヘッドフォンまである。
 まさにカジノなどで見かけるようなバニーガールそのものと言っていい。
 違うとすれば、両手両足が灰色のアーマーになっているというぐらいだろう。
 これを着ろと言うのか?
 俺は思わず顔がほてってくる。
 ラビドナは、は……恥ずかしくはなかったのか?
 確かにあいつはこの格好で俺たちと戦ってはいたけど……

 さすがにこれは恥ずかしいということでほかに探してはみたものの、結局これしか着るものは無く、俺は仕方なくこの衣装を着ることにする。
 は、恥ずかしい……
 俺は顔から火が出るような恥ずかしさを感じながらも、裸でいるわけにもいかないので、とりあえずストッキングのような透け感がある黒タイツを手に取って穿いていく。
 これ、下着もなしに直接穿くんだ……
 うう……なんでこんな目に……
 でも……穿いていくと、脚にぴったりフィットしてなんだか気持ちいい……
 タイツなんて子供の頃に穿いたくらいのような気がするけど、こんな穿き心地のいいものだったんだ……
 それに、このタイツは伸縮性はあるけど、とっても丈夫でちょっとやそっとじゃ破れたりしないみたいだな。
 見た目に反して結構防御性も高いのかもしれない。
 なにせ、ラビドナはこの衣装で戦っていたんだし……

 黒タイツを穿き終わると、次にレオタードというか水着のような黒いバニーガールのコスを着る。
 お尻に白く丸いシッポの付いた奴で、まあ、この尻尾がウサギってことなんだよな……
 なんというか、パンツを穿くような感じで両脚を通し、腰まで引き上げてから、両胸を服のカップ部分に収めていく。
 うう……なんというか見てはいけないものを見ているような気が……
 女って毎日こんなおっぱいを見ているのか?
 それにしても、この服もまたこの躰にぴったりフィットして、腰回りから腹部、そして胸をしっかりと覆ってくれる。
 肩ひもとかが無いので、胸のところがずれそうな気もしたけど、カップが吸い付くように胸の丸みをしっかりと受け止めるような感じで包み込んでくれるので、全く問題はないようだ。
 ラビドナの胸って……大きいし柔らかくて気持ちいいんだな……
 あ……ん……
 触っているとなんだか感じちゃいそうだ……

 俺は次に肘から先をガードするアームカバーに腕を通す。
 この灰色のアームカバーは外側に膨らみがあって相当に硬く、俺たちダガーナイツの主装備であるダガーでも簡単に受け止めてしまう。
 それどころかそこから鋭い細身の刃が伸びるようになっており、その刃は俺たちのナイツスーツすらすっぱりと斬り裂いてしまうのだ。
 おかげで俺は……
 お腹にまだあの時の痛みを感じるようだ……
 俺は首を振って、飛び出た状態の刃を引っ込めていく。
 なるほど、普段は格納できて、戦うときに腕を一振りすれば飛び出してくる仕組みか。
 俺は腕を振ってみる。
 シャキンという音がして刃が飛び出してくる。
 へえ……
 なんだか俺たちの装備より便利そうだな……

 俺はもう一度刃をカバーに収めると、今度はブーツを手に取りベッドに腰かける。
 そして黒タイツを穿いた足をブーツに差し込んでいく。
 自分の足とは全く思えない細身の足が、太もものあたりまでブーツに覆われる。
 この灰色のブーツもアームカバーと同じ素材でできていて、かなり硬くできている。
 でも、履いてみるとすごくフィットして俺の足を包み込んでくれる。
 膝上部分まで覆ってくれるので、防御効果も高そうだ。
 立ち上がってみると、やはりハイヒールで履き慣れない感じはするけど、なんとなくしっくりする感じだ。
 ハイヒールなんて穿いたことないのに……もしかして、これはこの躰の記憶みたいなものなのだろうか?

 あと残ったのは首に着けるリボンのついた襟の形をしたチョーカーと、頭に着けるウサギの耳を模した形の付いたヘッドフォン。
 あれ?
 チョーカーなんて言葉、俺いつの間に?
 何かで……見たのかな?
 ともかくこいつを着ければ首のところもカバーされるし、ヘッドフォンはスピーカー部分が両耳をすっぽり覆う形で、頭の上にウサギの耳がピンと立つ感じのものだ。
 俺はしばらくそれを眺めていたが、今は着けるのをやめにする。
 なんといっても恥ずかしいし、ほかはともかくこの二つは別に無くても困らないだろう。
 ラビドナはよくこんなものを着けていたものだ……

 ウサミミヘッドフォンとチョーカー以外を身に着けた俺は、あらためて姿見の前に立ってみる。
 うわぁ……
 むちゃくちゃ恥ずかしいけど……まあ似合っていると言えないこともない……
 だが、鏡に映っているのは暗黒帝国アンゴクーの女幹部ラビドナだ。
 俺たちダガーナイツを何度も翻弄してくれた憎むべき敵……
 なのに……これが今の俺の姿……
 どうしてこんなことに……

 ともかく今はここを脱出することだ。
 あの男が言ったようにもう俺の躰が処分されているとすれば、ここにいたところで元に戻れる可能性は低い。
 であれば、ここを脱出してダガーナイツのところに戻った方がいいだろう。
 この躰でダガーナイツに戻ったとして、はたして受け入れてもらえるかはわからないが、とにかくあのブズロムとか言う新たなアンゴクーの幹部のことを知らせなくちゃ。
 俺は気を付けながらそっと歩き出す。
 ハイヒールの足元が不安定でふらつく。
 それに、胸の重みが予想以上だ。
 女性って、いつもこんな重いものをつけて動いているのか?
 信じられないな……
 紗月希(さつき)もこんな感じで戦っていたのだろうか……

 ブーツのヒールの高さに戸惑いながらも、俺はゆっくりと歩いて部屋の入口まで行き、ドアを開けて左右を覗き見る。
 静かな薄暗い通路が伸びていて、どっちに行けばなにがあるのやら見当もつかない。
 ラビドナならわかるのだろうけど、あいにく今のこの躰は俺が脳だ。
 この城の構造がどうなっているのかなんてわかるはずがない。
 とにかく出口を探して動き回ってみるしかないか……

 カツコツと廊下に響くヒールの音。
 少し歩いただけなのに、なんとなくこのブーツにも胸の重みにも慣れてきた気がする。
 やっぱり躰としての記憶みたいなものだろうか?
 歩くことにも不安は感じなくなったし、なんとなくこのヒールの音が心地いい。

 左右にいくつかのドアはあるが、ここはおそらく居住区のようなものだろう。
 だとすれば、魔獣人やドロッコーたちがいるかもしれない。
 下手な動きをして、あのブズロムという男に知らせられても面倒だ。
 どこかこのあたりのドアとは違うドアを見つけた方がいいだろう。
 早く出口を見つけなくては……

 ザッザッという足音が廊下の向こうから近づいてくる。
 しまった!
 ここは身を隠すものが何もない。
 かと言ってここから逃げ出すにも、後ろ姿を見られてしまうだろう。
 こうなったら……
 他に知らせられる前に倒すしかない……
 俺は腕を一振りして、アームカバーから刃を引き出す。
 シャキンと音がして、一瞬で鋭い刃が伸びてくる。
 なるほど、これは使いやすい感じだ。
 この刃なら、一撃で相手を殺すことができるはず。
 俺は腕を胸のところで構えつつ廊下の壁を背にして、近づいてくる相手を待った。

 「ドローロー!」
 「ドローロー!」
 廊下をやってきたのはドロッコーと呼ばれる戦闘員二体だった。
 躰のラインの浮き出る全身タイツのような茶色のスーツを身にまとい、顔には目が一つだけという下級の魔人だが、集団での戦闘力はなかなか侮りがたく、警察や軍隊などでは歯が立たない。
 もっとも、俺たちダガーナイツにかかれば、こいつらが数体程度なら一人で何とでもなる相手だ。
 今の俺でもこいつら程度なら……
 だが俺が待ち構えていると、奴らは俺の姿を見るなり、気を付けをして右手を上げて敬礼する。
 そ……うか……
 俺はハッとする。
 一瞬驚いたけど、俺は今ラビドナの姿なんだ……
 こいつらにとって俺は指揮官であり、従うべき存在なのか……

 「ご、ご苦労。見回りか?」
 俺はアームカバーに刃を収め、ドロッコーたちに言葉をかける。
 敵対されないなら、むやみに戦うこともないだろう。
 この少し高い女声にも慣れてきた気がするな。
 「「ドローロー!」」
 敬礼をしたままコクコクとうなずく二体。
 「そ、そうか。引き続き頼むぞ」
 「「ドローロー!」」
 俺に声をかけてもらったことでなんとなく嬉しそうな二体のドロッコー。
 いや……
 なんというか、こんな感じで命令に素直に従われるのは、こっちもなんだかうれしくなる。
 俺は不動の姿勢を取る二体の脇を抜けて先へ進む。
 振り向くと、二体も何事もなかったかのように廊下を歩いていくところだ。
 そうか……
 下手にこそこそするより、こうしてこの姿を生かした方がいいのか……

 「ドローロー!」
 「ドローロー!」
 それから俺は特に身を隠そうとすることもなく、堂々とこの地底城内を調査する。
 どの部屋に行ってもドロッコーたちが背筋を伸ばして敬礼してくれるので気持ちがいい。
 実に規律が行き届いているみたいだ。
 もしかしたらダガーナイツなんかよりもずっと上下関係が厳しいのかもしれない。
 それだけ皇帝陛下は恐るべき相手ということなのだろうか……

 それにしても、地底城は広い。
 いったいこんな広い空間のものがどこに存在しているのかとも思う。
 巨大な動力炉らしき部屋。
 原理はよくわからないが、地底城内の動力を賄っているらしい。
 なぜか広間のような何もない空間も。
 とはいえ、放置されている部屋ではなさそうだ。
 訓練室なんかもあり、作られたばかりのドロッコーたちが訓練を受けている。
 食堂……のようなものもあったが、ドロッコーたちが泥の中から虫のようなものを取り出して、顔にある一つ目の中に入れていくという不思議な光景だった。

 だが、外に出る出口のようなものはどこにあるのだろう?
 一刻も早くこの地底城のことを奴らに伝えなくてはならないのに……
 まったく……
 こんな地底城のことをダガーナイツが知らないなんて……
 奴らの情報収集はどうなっているというのか……
 いや、これはアンゴクーの情報統制が完璧に行われているということなのかもしれない……

 ふう……
 歩き回っては見たものの、結局俺は元の居住区のあたりに戻ってきてしまう。
 出口のようなものは見つからなかった……
 いや、俺が見落としているだけなのかもしれないが……
 いったいどうやってここを脱出したらいいんだ……
 くそっ……

 「ほう……やはりその衣装はとても似合っているな」
 「お前は!」
 確かこのあたりだったと思いながら、さっき出てきた部屋の近くまで戻ってきた俺の前に、あの男が現れる。
 角の付いたヘルメットをかぶり、がっしりとした躰を鎧で覆った男だ。
 名はブズロム。
 そいつが廊下の向こうからやってきたのだ。
 俺は精いっぱいの憎しみを込めて奴をにらみつけてやろうとする。
 だが、それと同時に俺の心臓はドキドキと鼓動を速めていく。
 思わず男の股間に目が行き、そこに何があるのかを考えてしまう。
 あんなことを……
 あんなことをしてくるなんて……
 俺の脳裏にあの部屋でのことが思い出される。
 あんな……ことを……するなんて……

 「耳はどうした? その恰好ならやはり耳は必要だろう?」
 「そ、そんなのはどうでもいいだろ。こっちの勝手だ」
 俺はなんとか奴の股間から顔を上げてにらみつけようとするものの、なぜか奴の言葉につい目をそらしてしまう。
 この格好でいるところをじろじろと見られると、やはりとても恥ずかしくて顔がほてってきてしまう。
 どうして……
 どうしてそんな目で俺を見るんだ……

 「クックック……どうした? 何を怯えている? 怯える必要などない。お前は俺様のメスなのだからな、ラビドナ」
 ずかずかと近寄ってくるブズロム。
 「ふざけるな! 俺はラビドナなんかじゃない! 俺はダガーナイツの一員ダガーレッド! 赤村弘樹(あかむら ひろき)だ!」
 俺はそう言いながらも、奴から逃れるように思わず後ろへと下がってしまう。
 くそ……
 なんだか奴に見られているだけで力が入らない感じだ。
 なんなんだよ……

 「はっ?」
 奴は後ろに下がった俺に手を伸ばし、いきなり顎を掴んでくる。
 「は、離せ!」
 俺は振りほどこうとはしたものの、強い力で顔を上げられ、真正面から奴の顔を見てしまう。
 ブルドックのような浅黒くいかつい顔がニタニタと笑っている。
 「いいや……お前はラビドナだ。だが、以前のラビドナではない。俺様にひれ伏し、俺様のチンポを欲しがる俺様好みのいやらしいメスになるラビドナだ。クックック……」
 ぐっと顔を使づけてくるブズロム。
 「違う! 俺はおと……むぐっ!」
 いきなりブズロムの口が俺の口をふさいでくる。
 その瞬間俺の躰には電気が走る。
 ふわぁ……
 や、やめ……・
 俺の腰が奴の手で抱き寄せられ、彼の舌が俺の口に割り込んでくる。
 や……だ……
 だ……め……
 力が急激に抜けていく。
 なんで?
 なんでこんな……
 躰が溶けそうな……
 甘い……キス……

 「ぷあ……」
 唇が離れ、彼の唾液がつと糸を引く。
 あ……
 「ククク……またやりたくなったぞラビドナ。たっぷり可愛がってやろう」
 そう言われ、俺の躰は軽々と抱きかかえられてしまう。
 「やめ……ろ……」
 なんだか頭がぼうっとする。
 胸がドキドキして苦しくなる。
 躰がふわふわして力が入らない。
 なんだ……これ……
 俺……どうなって……

 ドアが開けられ、俺は部屋の中へと連れ込まれる。
 ここは……さっき出てきた俺の部屋だ……
 ふわっと躰が浮き、出てきたときのままのベッドが、彼の手から俺の躰を受け止める。
 ゴトンと音がして、なにがなんだかわからないうちに俺の脚からレッグアーマーが外される。
 「うあ……やめ……」
 俺はなんとか抵抗しようとするが、彼は無理やり俺の躰にかぶさってきてしまう。
 「ふあぁぁぁん」
 思わず声が出てしまう。
 服の上から彼の手が俺の胸を揉んできたのだ。
 ダメェ……
 胸は……胸は感じちゃうぅ……
 ああぁぁん……
 胸……揉まれてるぅ……
 気持ちいいよぉ……

 荒々しく引き下ろされる俺の服。
 あっという間に腰の下まで下げられてしまい、上半身が裸になってしまう。
 「ククク……そそる姿だ」
 彼の言葉に俺はゾクゾクッと感じてしまう……
 彼は……
 彼は俺の躰に興奮してくれているんだ……
 俺の躰に……
 ああ……
 どうして?
 どうしてうれしいの?

 「はぁぁぁん……はぁん」
 むき出しになった俺の胸がしゃぶられる。
 彼の舌が俺の乳首を刺激する。
 熱いよぉ……
 すごく熱いよぉ……
 あぁぁん……

 腰を持ち上げられ、服もタイツも無理やり下げられる。
 俺の躰は膝から上があらわになり、膝下にタイツとバニー服が引っかかっただけになる。
 むき出しになった股間を探り当てるようにごつい手が俺の下腹部を動き、彼の指が俺の中に入ってくる。
 「ひゃぁぁん」
 「いい声だ」
 彼の言葉に躰がカアッと熱くなる。
 なんでぇ?
 なんで声が出ちゃうのぉ?
 ダメなのに……
 こんなの絶対……ダメなのに……
 はぁぁん……
 気持ち良すぎるよぉ……

 俺の奥までかき混ぜてくる彼の指。
 よくわからないうちにどんどん気持ち良くされていってしまう。
 躰がただただ熱くなり、何も考えられなくなっていく。
 ああぁぁん……
 はあぁぁん……
 勝手に腰が動いていく。
 もっともっと奥までいじって欲しいと願ってしまう。
 俺の躰……どうなってるの?

 「あ……え?」
 急に指が抜かれてしまう。
 え?
 どうして?
 どうして抜いちゃうの?
 はぁぁん……
 いやぁ……
 ぬ、抜かないでぇ……
 もっと……
 もっと指でいじってぇ……

 気が付くと俺は足から服を蹴り捨て、彼の腰にからめるようにして回していく。
 ふあぁぁん……
 お願い……
 もっと……
 もっと欲しいのぉ……

 「ククククク……ずいぶんと欲しがるじゃないか。そんなにこれが欲しいのか?」
 彼が股間から太い肉棒を取り出している。
 あ……
 俺は思わず息をのむ。
 大きい……
 俺のなんかと……全然違う……
 その凶悪な太さに背筋がゾクゾクッとなる。
 ああ……
 あれを入れられたら……
 俺はどうなってしまうんだろう……

 「欲しいのかと訊いている」
 あ……
 ほ……欲しい……
 欲しいです……
 俺は無言でコクンとうなずく。
 「ならばお願いしろ。ブズロム様の太いチンポが欲しいですと」
 彼がニタッと笑みを浮かべる。
 あ……
 お、俺は……
 ダメだ……
 言っちゃダメだ……
 ダメなのに……
 俺は……
 「お、お願いです……ブ、ブズロム様の……太いチンポが……欲しいです」
 ああ……ブズロム様……欲しいです……

 「ひゃぁぁぁぁぁん」
 俺は思わず声を上げてしまう。
 彼の太いものが俺の中に入ってきたのだ。
 あああああああ……
 なんて……
 なんて太い……
 さっきも味わったはずなのに、まるで初めて味わう太さのように感じてしまう。
 はぁぁぁん……
 はぁぁぁん……
 気持ちいい……
 こんな太いものが入ってきたのに、私の躰は喜んでいる。
 もっと……
 もっと奥まで突いてほしい……
 もっと私をめちゃくちゃにしてぇ……

 「そうだ。それでいい。お前は俺様のメスなのだ」
 「はいぃ……はいぃ……」
 俺はうなずきながら、彼の首に両手を回し必死になってしがみつく。
 彼の強いピストンが私の中を突くたびに快感が全身を走っていく。
 信じられない……
 これがオスとメスのセックスだなんて……
 これが女の快感だなんて……
 最高……
 最高だよぉ……
 あああああ……

 「さあ、イけ。快楽を味わってイってしまえ。そうすればお前は上書きされる。新たな俺様好みのラビドナとなるがいい!」
 彼の言葉が聞こえてくる。
 上書き……されちゃう……
 ダメなのに……
 イっちゃダメなのに……
 止まらない……
 気持ちいいのが止まらない。
 躰がイきたいと望んでいる。
 ああああああ……
 頭がまたスパークする。
 もう何も考えられなくなっていく。
 はあああん……
 はあああああああん……
 ダメぇぇぇぇぇ……
 イくぅ……
 イッちゃうぅぅぅぅぅ・・・
 ひゃぁぁぁぁぁぁぁん……

(後)に続く
  1. 2021/09/19(日) 21:00:00|
  2. 女幹部・戦闘員化系SS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<ラビドナの復活 (後) | ホーム | 太陽の牙ワグラム?>>

コメント

以前あったアラクネの話の変型版みたいな流れですね
段階的に精神が女性に変化していく描写がそそります
さて、このまま完全に染まるのか?それとも最後にどんでん返しがあるのか?楽しみにしております
  1. 2021/09/19(日) 23:22:17 |
  2. URL |
  3. あぼぼ #-
  4. [ 編集]

>>あぼぼ様
わははは、自分でも書いていてアラクネに似てしまったなぁと思いましたですわー。(笑)
まあ、こういうの好きなんですよねー。
後編は少しはひねったつもりですのでお楽しみに。

>>09/20 08:01のブログ拍手でコメントを送ってくださいました方
ありがとうございます。
後編もお楽しみいただければと思います。
  1. 2021/09/20(月) 18:00:11 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

意識変換はやはりいいですね

どんどん敵の女の身体に違和感が無くなっていくのがいいですね。かつての敵の顔をよく見ると美しかったというのもいい。
  1. 2021/09/21(火) 11:25:09 |
  2. URL |
  3. テンプラー星人 #-
  4. [ 編集]

>>テンプラー星人様
あらためてまじまじと顔を見るなんてこれまでなかったでしょうからねぇ。
しかもそれが「自分」の顔というね。
  1. 2021/09/21(火) 18:05:20 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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