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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ナイロンウーマン増殖編その2

ナイロンウーマン増殖編の二回目です。
新たな犠牲者が次々と・・・


そろそろ日付も変わろうかという時間。
一台の車が学園の駐車スペースに止められる。
慌てたように車のドアを開けて出て来る一人の女性。
地味目のスーツを着てはいるものの、若くみずみずしい躰の張りは隠せない。
長い髪を後ろでまとめた彼女は、早足で職員用玄関に入ると、靴を履き替えるのもまどろっこしそうに一目散に学園長室へ向かっていった。

慌ただしくノックされる学園長室の扉。
「学園長、西丘です。誰に何があったんですか?」
返事を聞くのももどかしい。
いったい誰がどうしたというのだろう。
先ほどから西丘浅海はそればかり考えていた。
クラスの生徒には問題となるような娘はいないはず。
みんないい娘たちばかりだ。
そりゃあ、時々若気の至りでいさかいはあるにせよ、陰湿ないじめとは縁遠いクラスのはずだった。
だから、浅海がまず思い浮かんだのは事故。
事故か何かで生徒が大怪我でもしたのではないかということ。
たとえ事故だとしても聖リオン女学園にとってはイメージダウンになりかねない。
だから学園長は問題が起きたといったのではないのだろうか。

『ピル・・・どうぞお入りなさい』
「失礼します」
浅海はまったく無造作に扉を開ける。
「学園長、いったい何が・・・ えっ?」
学園長室に入った浅海の前に学園長はいなかった。
重厚な机が奥に鎮座し、そこに座っているはずの学園長はいなかったのだ。
「えっ?」
慌てて左右を見回す浅海。
だが、学園長室には誰もいない。
床に敷かれたふわふわの絨毯の上に、なぜかタールのようなどす黒くどろっとした液体が広がっているだけ。
いったい学園長はどうしたのか?
いったい誰がこんなものを床にぶちまけたのか?
浅海は何がなんだかわからなくなった。
「が、学園長、どこですか? ふざけてないで出てきてください」
浅海は徐々にいらだってくる。
こんな時間に呼び出しておいて、ふざけるなんてどうかしているわ。
『ピルルルルー。ふざけてなどいないわ。私はずっとあなたの前にいるわよ』
室内から聞こえてくる声に浅海はビックリした。
その声が足元から聞こえてきたような気がしたのだ。
「ど、どういうこと?」
浅海は恐る恐る床の黒い液体に目を落とす。
どろっとした感じの液体だ。
だが、別に異臭を放つでもないし・・・
これはいったい何なの?

『うふふふ・・・あなたの目の前にいるって言ったでしょ』
突然床のどろっとした液体の中心部が盛り上がる。
「えっ?」
浅海は一歩あとずさる。
液体からはみるみるうちに太い紐のようなものがひょろひょろと上に向かって伸び始め、やがて人の背丈ぐらいで止まったかと思うと、急速に人の形を取り始めた。
「ええっ、何これ?」
浅海が口元に手を当てて驚いているうちに、液体は完全に人の形、しかも胸が膨らみ腰がくびれた女性の形になったのだ。
それはまさに裸の女性に薄いナイロンの全身タイツを着せたような姿。
頭のてっぺんから脚のつま先まで真っ黒なナイロンに覆われた女の姿だった。
「ピルルルルー、いかがかしら西丘先生。生まれ変わった私の姿は?」
腰に手を当てて少しポーズを取る真っ黒な女。
目も鼻も口も耳もなく、かすかに凹凸がそれらがあったであろうことを伺わせるに過ぎない頭部。
すべすべで滑らかなナイロンによって、余計に艶めかしく感じる胸の膨らみと腰のくびれ。
ある意味それは美しかった。
だが、同時に不気味でもあったのだ。

「が、学園長なんですか?」
浅海は何がなんだかわからなかった。
こんな時間に呼ばれて学園に来てみれば、学園長が得体の知れない存在になってしまっていた。
こんなことが信じられるはずが無い。
冗談はやめてと一蹴してしまいたいぐらいだった。
だが、何かが・・・
人間の動物としての危機意識のようなものが、目の前の真っ黒い女がただの全身タイツを着た学園長ではないことを教えてくれていた。
「ええ、つい先ほどまではそうでしたわ。でも、今の私はナイロンウーマン。偉大なるナイロンクイーン様の忠実なしもべ」
「ナイロン・・・ウーマン・・・」
胸に手を当てて誇らしげに語る黒い女に浅海は底知れぬ恐怖を感じる。
これはまずい。
ここにいてはいけない。
感覚が必死に警報を発している。
浅海はそろそろと背後のドアのノブに手を伸ばした。

ヒュッと空気を切る音がする。
浅海は一瞬何の音かと思ったが、気が付くとドアノブにまわそうとしていた右の手首に黒いロープのようなものが巻きついたことを知った。
「えっ?」
「ピルルルルー。ダメよ西丘センセ。逃がしはしないわ」
そのロープのようなものが、目の前に立っている黒い女の左手が伸びたものだとわかったとき、浅海の恐怖は限界を超えた。
「キャァァァァァァァァ!」
悲鳴を上げて逃げ出そうとする浅海。
だが、彼女の右手は黒い女の伸びた手に捕らえられ、逃げ出すことができない。
必死に右手に巻きついた“触手”とも言うべきひも状のものを引き剥がそうとする浅海。
しかし、その間に目の前の真っ黒い女は肩や胸の先、背中の肩甲骨の辺りからも同じような“触手”を伸ばし、浅海を絡め取って行く。
「いやぁっ! やめてぇっ! 助けてぇっ!」
必死に逃れようとする浅海。
だが、その躰には次々と“触手”が巻きつき、身動きが取れなくなってしまう。
「いやぁっ、お願い助けてぇ・・・」
恐怖と逃げられないという絶望で泣き始める浅海。
気丈で芯の強い女性だが、さすがに耐え切れなくなったのだ。
「ピルルルルー。バカね、泣くことなんてないわ。あなたもこれから生まれ変わるのよ。素晴らしいナイロンセルによってね」
浅海の躰をじわじわと引き寄せ、優しく言い聞かせるナイロンウーマン。
そして、引き寄せた浅海を抱き寄せ、その唇に自らの口のあったあたりをそっと押し当てた。
「むぐっ・・・」
静かになる学園長室。
やがて・・・
「ピルルルルー!」
生まれ変わった浅海の歓喜の声が響いてきた。

******

「はわわー、ヤバいヤバい、遅れちゃう」
ラッシュにはいま少し早い駅前を駆け抜け、聖リオン女学園に向かう一人の女性。
紺のスーツのタイトスカートからはナチュラルベージュのストッキングに包まれた若々しい脚が覗いている。
黒のローヒールのパンプスがせかせかと動き、少しでも早く学園に着こうと焦っているようだ。
肩口までの髪を風に嬲らせ、腕時計に目を落とす。
「何とか間に合いそう。新しい学園長になったばかりで教頭のハゲも張り切っているからなぁ・・・ 遅刻なんてしたら・・・」
風は充分に暖かいはずなのに、なぜか彼女の躰はぶるっと震える。
新人教師である源本美帆(みなもと みほ)にとっては、それだけ恐怖の相手であるのだ。
朝早い生徒たちのまばらな登校と重なりながら、急ぎ足の美帆は聖リオン女学園の校門をくぐっていった。

「おはようございます」
挨拶の言葉を口にしながら、女性職員用更衣室のドアを開く美帆。
いつもなら先輩教師たちがにこやかに返事を返してくれるのだが、驚いたことに更衣室には誰もいない。
「えっ?」
あまりに遅くに来たので、もうみんな職員室に行ってしまったのか?
そんな疑問が浮かんだが、実際はそれほど遅くなったわけではない。
朝の定例職員会議だってまだ時間はある。
一人も更衣室にいないというのは驚きだった。
「みんなもう職員室に行っちゃったのかな」
ちょっと寂しく感じた美帆だが、とりあえず準備をするために自分のロッカーのところへ向かおうとする。
「ん?」
すると、彼女のロッカーの前の床にどす黒い水溜りのようなものがあることに気が付いた。
「な、何これ?」
見たところ光沢があり、黒い水というよりもタールかなんかのように見える。
「だ、誰? こんなことしたの・・・」
まさか誰かのいじめとも思われないが、朝から気分が殺がれることはおびただしい。
とにかく何とかしちゃわなきゃ・・・
美帆は雑巾かなんかを持ってこようと入り口の方を向く。
すると、先ほどまではまったく気が付かなかった黒い水溜りが入り口の床にも広がっているではないか。
「え、ええっ? いつの間に?」
慌てて自分の上履きを確認する美帆。
知らずに踏んでしまっていたら、液体がこびりついているかもしれないのだ。
だが、どうやらその様子は無い。
ホッとして顔を上げた美帆は、目の前の床に広がる液体がヒュルヒュルとひものように上に伸びて人間の形を作るのを見た。
「ひぃっ!」
驚いてあとずさる美帆。
しかし無駄だった。
ロッカーの足元からも人影が立ち上がり、背後から美帆の体を羽交い絞めにする。
「ヒッ、もごご・・・」
悲鳴を上げようとしたものの、黒い腕が素早く美帆の口を押さえてしまい、声をあげることができなくなる。
「ピルルルルー。源本センセ、あなたもナイロンウーマンに生まれ変わりなさい」
ゆっくりと近づく真っ黒な人影。
「むぐ・・・むぐぐ・・・」
恐怖におののく美帆の口にどろっとしたものが流れ込んできた。

「ピルルルルー」
やがて更衣室からは歓喜の声が聞こえてきた。

「おかしいですなぁ。教頭先生、何か聞いておりませんか? もうすぐ朝の職員会議だというのに女の先生が誰も来ないなんて・・・」
白衣を着た科学担当の中年男性教師が首をかしげる。
職員室の机は半数以上が無人のままだ。
しかもいずれもが女性教師ばかり。
職員室で顔を合わせているのは男性教師たちだけなのだ。
これはどう考えても妙すぎる。
「いや、私も何も聞いておりませんよ。しかし、女性だけいないというのは変ですなぁ。ちょっと探してみましょうか」
ハゲ頭の教頭も首をかしげつつ立ち上がる。
「そうですね。このままじゃ授業もできませんし」
それを見て他の男性教師たちも立ち上がった。
「ん?」
「どうしました、山音(やまね)先生?」
立ち上がった後足元に目を落としている初老の国語教師に教頭が声をかける。
いったい何を見ているのか?
「あちこちに黒い液体が・・・」
「えっ? あ、本当だ。いつの間に?」
「こちらも」
「ここにも」
山音先生の言葉に次々と足元を見る男性教師たち。
確かに職員室の床のあちこちに真っ黒いタールのようなものが広がっている。
「な、なんだこれは? いったいなぜこんなものが?」
教頭が恐る恐る床に顔を近づけて、この液状のものが何かを確かめようとした時だった。

「「「ピルルルルー」」」
職員室中に一斉に声が響き、液状の物体からひも状のものがヒュルヒュルと立ち昇る。
「な、なんだ?」
驚きあっけに取られる男性教師たちの前で、立ち昇ったひも状の黒い液体は見る間に人間の形を取り始めた。
「な、何なんだ、これは?」
教頭も唖然としてその様子を見ているしかない。
やがて黒い液体は全て真っ黒な女性たちへと変化し、滑らかなボディラインを晒していた。
「ピルルルルー。この学園はたった今よりナイロンクイーン様によるナイロン化の拠点となりました。私たちはナイロンセルにより生まれ変わったナイロンウーマン。ナイロンクイーン様の忠実なしもべですわ」
教頭の隣に現れたナイロンウーマンが誇らしげに宣言する。
すでに職員室には十数体のナイロンウーマンが出現していた。
夕べのうちにナイロンウーマンへと生まれ変わった瑠美と浅海によって、朝からほぼ全ての女性教師がナイロンウーマンへと変化させられていたのである。
中にはナイロンセルに拒否反応を起こして細胞が崩壊してしまった女性もいたが、それらはほぼ例外なく加齢により細胞活動が低下している者たちであり、40代を境にナイロンウーマンになれずに崩壊していったのだ。
「そ、その声は学園長? わ、悪ふざけはやめていただきたい!」
得体の知れない恐怖を感じた教頭だったが、目の前の黒い女性の声が学園長らしいとわかると怒りがこみ上げる。
朝の忙しい時に女性教師たちとこんな格好で男性教師をおちょくっていると思ったのだ。
「この朝の忙しい時に! ばかばかしい!」
いらだったように荒々しく席に着こうとする教頭。
こんなバカな話は無い。
「ピルルルルー。ナイロンセルと同化もできぬ無意味な存在たち。男などナイロン世界には不要」
「「「ピルルルルー。男など不要!」」」
ナイロンウーマンたちが一斉に唱和する。
「な、何!」
教頭が何を言うかと怒鳴りつけようとしたその瞬間だった。

「死ね!」
十数体のナイロンウーマンの全ての全身から無数の先の鋭くとがった触手が一斉に広がった。
「はぐぁっ」
「ひぐっ」
「げほっ」
職員室の窓に血しぶきが飛び散る。
一瞬にして職員室は無数の槍と化した触手によって覆われ、男性教師はそのすべてが数秒の間に全身をズタズタに貫かれ、あっという間に絶命した。

カタン・・・
初老の国語教師山音のかけていたメガネが床に落ちる音がした。
続いてナイロンウーマンたちから伸びていた槍状の触手がするすると彼女たちの躰に戻って行き、貫かれていた男たちの躰がどさどさと床に転がって行く。

「ピルルルルー。これでいいわ。さあ、さっさと片付けちゃいましょう」
「「「はい」」」
ナイロンウーマンたちは一斉に頷き、自らの躰を液状化し始める。
やがて液状となったナイロンウーマンたちは、男性教師たちの死体に覆いかぶさるように動いていき、覆った死体を分解して行く。
衣服も肉体も骨や髪の毛すらも残さずに分解し、ナイロンセルに取り込むのだ。
わずか数分で職員室の床は磨き上げられたようにぴかぴかになっていた。

「窓や机の上に飛び散った血は放って置きなさい。これから特別の学生集会を開きます。生徒たちを体育館に集合させなさい」
「ピルルルルー。かしこまりました」
ナイロンウーマンの一人がすぐさま放送機器を操作する。
最後の仕上げが始まるのだ。


現在「海」祭り開催中です。
会場はリンク先から行けますので、どうぞ足を運んで下さいませ。

現在一般の方々のご参加も受付中です。
ぜひぜひ皆様の作品をお寄せ下さい。
お待ちしております。

それではまた。
  1. 2007/10/10(水) 19:25:09|
  2. ナイロンウーマン
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

いよいよナイロンウーマンによる学校の支配が始まりましたね。
ナイロンウーマンになると、液体の中に溶け込めるって・・・まあ、細胞がナイロンセルになっているのでそんなことも可能なんでしょうね
女性でもナイロンセルに拒否反応ですか。40代を境となると、これ以上は僕の口からは語れません(汗)
最終回を楽しみに待っています
  1. 2007/10/10(水) 22:15:09 |
  2. URL |
  3. metchy #zuCundjc
  4. [ 編集]

>>metchy様
液体に溶け込むというよりは細胞配列を変えて液状になるというところですね。
それにやはり若い女性のほうがナイロン化しても楽しいじゃないですか。
40以上の熟女には退場していただきました。(笑)
  1. 2007/10/11(木) 19:16:28 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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