新作SS「変えられてしまった妻」の後編をお送りします。
スナックのママ「葉子」との賭けに乗ってしまった「俺」
ママの言う通りに妻「恵美子」はどんどんと派手で男好きをするような女性に変わってきてしまっているが・・・
恵美子さんの変化を楽しんでいただければと思います。
一応折りたたみますが、「寝取られ」的な作品ですので、充分ご注意くださいませ。
それではどうぞ。
「ん? LINE?」
いつものようにママからのLINEかと思ったが、着信したのは恵美子からのLINEだった。
『あなた。悪いんだけど、今日は葉子さんとカラオケ行く約束しちゃったの。遅くなると思うから夕食は食べてきてね』
俺は無言でスマホをしまう。
以前の恵美子はこんな話をLINEで済ませはしなかった。
夕食だって用意してくれていた。
もう今の恵美子は以前の恵美子ではないんだな・・・
俺はそんなことをぼうっとした頭で考えていたのだった。
「ただいまぁ~」
恵美子が帰ってきたのは、夜の一時過ぎだった。
「あふぅ・・・いい気持ちぃ」
かつかつとヒールの音を響かせてリビングに入ってくる。
酔っ払ったらしいふらふらの恵美子を見て、俺はドキッとする。
胸元まで大きく開いた赤のブラウスからは淫靡な紫のブラジャーが見え、黒のミニのタイトスカートからは網タイツを穿いた脚が太ももまで見えている。
ミュールタイプのハイヒールからは真っ赤に塗ったペディキュアが覗き、長く伸ばした両手の爪も濡れたような赤いマニキュアが光っていた。
ソファに腰を下ろした恵美子は、おもむろにバッグの中からタバコを取り出すと火をつける。
「ねえ、あなたぁ。お水ちょうだい」
吸い口に真っ赤な口紅を付け、タバコの煙を吐き出す恵美子。
「あ、ああ・・・」
俺はなんともいえない恵美子の痴態にどきどきしながら、キッチンから水を持ってくる。
「ありがと。うふふふ・・・ねえ、あなた」
なんだか笑みを浮かべて俺を見上げる恵美子。
その姿はまさに男を惹きつける毒婦のようだ。
「お酒って美味しいのねぇ。今まであまり飲んだことなかったけどぉ。葉子さんに勧められて飲んだら、とっても美味しかったわぁ」
確かにこんなに酔った恵美子は見たことがない。
いつも俺に付き合う程度しか飲まず、あまりお酒は飲めないって言ってたっけ。
それなのに、この酔い方はどうだろう。
これもママの言う解放された恵美子だというのだろうか・・・
「ねえ、あなたぁ」
酔ってとろんとした目つきで俺を見る恵美子。
それがとてつもなく色っぽい。
「どうした?」
俺はできるだけ平静を装う。
そうしないとムラムラしてしまう。
だが、不思議なことに抱こうとは思わない。
なぜだかわからないが、股間は痛いほど勃起しているのに抱こうとは思わないのだ。
理解しがたいが、ママとの約束が俺を押し留めているのかもしれない。
「ねえ、あなたぁ」
タバコの煙を吐き出しながらもう一度言う恵美子。
その口元にはいたずらっぽい笑みが浮かんでいる。
「だからどうした?」
俺は酔っている恵美子の姿を見ないように新聞に目を落とす。
今の俺には恵美子の姿は刺激的過ぎる。
「うふふふ・・・私ねぇ、カラオケで視姦されちゃった」
「シカン?」
とっさに何を言われたのかわからない。
数秒経ってようやく恵美子の言ったのが視姦だということに気がついた。
「視姦よぉ。私視姦されちゃったの」
小悪魔のような笑みを浮かべながら、挑発的に脚を組む恵美子。
いつの間に妻はこんな仕草をするようになったんだろう・・・
「視姦って、お前男と一緒だったのか?」
俺は驚いた。
てっきりママと一緒だったとばかり・・・
「そうよぉ。葉子さんのお友達たちと一緒だったの。楽しかったわぁ」
タバコを吸いながらうっとりと思い返している恵美子。
その姿はとてもいつもの恵美子からは想像できない。
「彼らったら私の脚とか胸とかチラチラチラチラ見てくるのよぉ。なんだかそれが気持ちよくって、つい私も脚を組んだり胸元を開けちゃったりしちゃったわぁ」
そう言いながら胸元のブラジャーを見せてくる恵美子。
俺は思わず目をそらす。
だめだ。
刺激的過ぎる。
俺の妻だというのに、俺は恵美子にドキドキしていた。
「あなたは見ないの? うふふふ・・・葉子さんの言ったとおりだわぁ」
「えっ? ママが?」
俺は口を滑らせてしまう。
ドジった。
「あら? あなた葉子さんのこと知っているの? そうなの、葉子さんスナックやっているんですって。今度遊びに来てって誘われちゃった」
ケラケラと笑う恵美子。
真っ赤な唇がつややかに光っている。
「そ、そうか。で、葉子さんはなんて?」
「うふふ・・・あなたのご主人は意気地なしだから、綺麗になった私には手が出せないって。ねえ、あなたぁ。私って綺麗?」
甘えるように上目遣いをする恵美子。
俺はゴクリとつばを飲む。
「ああ、綺麗だよ。とても」
「うふふ・・・うれしい。あなたは意気地なし。だから私には手が出せないのね。かわいそう。うふふふ・・・」
ああ・・・そうかもしれない。
俺はこんなに美しくなった恵美子に手が出ないのだ。
俺は意気地なしなんだ。
俺は歯噛みするような悔しさを感じながら、妙にそれを納得していた。
「ふふ・・・かわいそうなあなた。もう私を抱くこともできないのね」
ミュールを脱ぎ捨てて網タイツのつま先を伸ばし、テーブルの下で俺の股間をさする恵美子。
「うふふ・・・大きくなっている。でもだめよ。私はもうあなたには手が出せない女なの。わかったわね?」
「ああ・・・はい」
俺は情けなく声を出すしかなかった。
なんという気持ちよさだ。
足でこすられるのがこんなに気持ちいいなんて。
恵美子のつま先でこすられた俺のモノは、あっけなく白濁液を出してしまう。
「う・・・うあっ」
「あははは・・・もしかしてもう出しちゃったの? だらしないわねぇ。やっぱり葉子さんの言ったとおりだわ。情けない人」
さげすむように俺を見て、タバコの煙を吹きかけてくる恵美子。
ああ、そんな目で見ないでくれ。
俺はもう恵美子の前にひれ伏しそうだった。
******
「行ってらっしゃい。今日も私遅くなると思うわ。夕食は適当に済ませてね」
胸元の開いた黒にピンクのラインの入った上着に赤のタイトスカートと、朝とは思えない派手な格好で俺を見送る恵美子。
見送ると言ってもリビングのソファでタバコを吸いながらだ。
アイシャドウと口紅をべったりと塗り、黒いストッキングの脚を挑発的に組んでいる。
俺に見せ付け、股間を刺激するためだ。
あれから俺は恵美子を抱くことができないでいる。
俺に許されるのは、恵美子の足か手でこすってもらうぐらい。
さもなければ見ている前でオナニーすること。
まさに俺は恵美子の下僕状態だ。
だが、それが心地いい。
俺の股間はいつでも張り裂けそうになる。
そんな俺のチンポを、恵美子の白い手が握るのだ。
真っ赤な爪をつややかに光らせ、俺のモノを上下にしごく様はとても言葉では言い表せない。
俺はすぐに果て、恵美子にさげすみの目で見られるのだ。
俺のモノにタバコの煙を吹きかける恵美子に、俺は哀れに赦しを請う。
ああ・・・
俺はどうなってしまったんだろう・・・
『うふふふ・・・そろそろ新しい喜びに目覚めたんじゃない?』
相変わらず見透かしたかのようなママのLINE。
俺はもう反論することもできない。
ママの言うとおりだからだ。
今の俺はママと恵美子の手の上で踊らされている。
恵美子はもうすっかりママの言いなりだ。
おそらく今夜もカラオケで男どもにあの派手な姿を見せるのだろう。
『今夜は奥様を私の店にご招待したわ。きっと喜んでくれるわよ。うふふふ・・・』
俺はドキッとした。
いよいよか?
いよいよなのか?
恵美子は、ママの店で働くようになってしまうのか?
ああ・・・
ママの店で男どもに囲まれ酒の相手をする恵美子。
なまめかしい派手な服装と化粧で男どもを虜にする。
酒とタバコを口にして、俺にしか見せなかった笑顔を他の男に見せるのだ。
ああ・・・恵美子・・・
俺はここが会社のトイレだということも忘れ、ズボンから取り出してしごくのだった。
「うふふふ・・・ねえ、あなたぁ」
深夜になって帰宅した恵美子は上機嫌だった。
酒とタバコと化粧のにおいをぷんぷんさせ、ソファに座ってスラッとした脚を見せ付けている。
そんな恵美子の姿を見ただけで、寝ることもできずに帰りを待っていた俺は、股間がたぎってくるのだ。
「な、なんだい?」
「私ね、筋がいいんですってぇ。葉子ママに褒められちゃったわぁ」
くすくすと笑っている恵美子。
「筋がいい?」
「接客の仕方が上手いんですって。この仕事に向いてるって言われちゃった」
上目遣いで俺を見る恵美子。
「ス、スナックの仕事に?」
俺はどきどきしながら答える。
恵美子がスナックで働くようになってしまうのか?
「そうなの。今日ね、ちょっと真似事みたいなことしてみないって言われて。なんだかすごく楽しそうだったからいいですよって私。それでちょっとやってみたんだけど、お客さんと一緒にお酒飲んだりタバコ吸ったりでもうとっても楽しいの。なんだかお仕事やってみたくなったわぁ」
ソファにもたれかかり、ふうとタバコの煙を吐き出す恵美子。
スナックの仕事がよほど楽しかったのか、まるで夢見心地のようだ。
いくらなんでもおかしくは無いだろうか・・・
「おいおい、いくらなんでもスナックの仕事やるって言うんじゃないだろうな?」
「あら、別にやってもいいでしょ? 男の人とお酒を飲むのって楽しいのよぉ。あなただって私がほかの男の人と一緒にお酒飲んでるって思ったらおチンポおっ勃てるのよね? なんてったってあなたはマゾなんだものね」
さげすむような目で俺を見る恵美子。
ここ数日で、恵美子はすっかり俺を見下している。
すっかり情けない男と思われてしまったようだ。
「恵美子・・・」
「うふふ。あなたの指図は受けないわ。私は私の好きにするの。いいわね」
恵美子はタバコの煙を俺に吹きかけ、にらみつけてくる。
その姿を見ただけで俺は興奮し、もう何も言えなくなってしまう。
ああ・・・俺はもう恵美子には逆らえない・・・
「クスッ・・・そんな情けない顔しないで。別にあなたにあてつけるためじゃないのよ。ただ、今までの私は自分を押し殺してきたような気がするの」
「押し殺してきた?」
「ええ、いい妻いい主婦を演じようと思ってなんだか我慢していたような気がするの。でも、葉子ママに出会って私は解放されたわぁ。今なら何でもできそうよ。あははは・・・」
ケラケラと笑って脚を上下にばたばたさせる恵美子。
その様子はとても楽しそうだ。
「ねえ、おチンポ見せてよ」
「えっ?」
俺は驚いた。
恵美子の口からおチンポなんて言葉が出るとは思わなかったし、しかもこんな状況でなんて。
「おチンポ見せてよ。いいでしょ、減るもんじゃなし」
ニヤニヤと笑っている恵美子。
どうしてしまったんだ、いったい・・・
「見せてよっていわれても・・・」
俺が躊躇していると、恵美子はムッとしたように立ち上がった。
「もういいわ。どうせあなたのは小さいんでしょ。葉子ママのお友達のほうがあなたよりたぶんずっと大きいモノ持っているわ」
「え、恵美子・・・」
俺は愕然とした。
恵美子からそんなふうに言われるとは思いもしなかったのだ。
「あん・・・あなたごめんなさい。あなたのが小さいからってバカにしているんじゃないのよ。私最近おかしいの」
灰皿でタバコをもみ消し、俺のそばにやってくる恵美子。
「あなたがおチンポ見せてくれないから、ちょっとムッとしただけ。私、どうかしちゃったのかしら・・・」
そういって椅子に座った俺の躰に乗り上げるようにして、俺の股間を触っていく。
「うふふ・・・硬くなってる。うれしい。私を見て勃起してくれているのね?」
「あ、ああ・・・」
「私ね、最近男の人を見ると、すごくエッチな気持ちになっちゃうの。あの人のおチンポはどんなのかなって思って、おしゃぶりしたくなったり入れてもらいたくなっちゃうの。大っきなおチンポにあこがれて欲しくなっちゃうの。私きっと病気なんだわ」
俺の股間をさすりながら笑みを浮かべている恵美子。
病気だと言いながら、それを喜んでいるかのようだ。
「ねえ、あなた・・・あなた以外の男のおチンポをいただいてもいい? あなたのおチンポ以外のおチンポが欲しいの。たまらないの」
真っ赤な唇をピンク色の舌がぺろりと舐める。
「あ・・・ああ・・・」
俺はうなずくと同時に、ズボンの中で射精してしまっていた。
******
『そろそろお約束の二ヶ月になるわ。奥様の様子はどうかしら? 私の見たところ、奥様はこの仕事に向いているわよ。できればうちで働いてもらいたいわ』
ママからのLINEが届く。
あの日、俺の許可を得た恵美子は、翌日からはもう俺以外の男のチンポのことしか頭に無いようだった。
ことあるごとに俺の股間を見ては薄笑いを浮かべ、道行く男たちを品定めするような目で見るようになる。
真っ赤な口紅を付けた唇にはたえずタバコが咥えられ、俺と一緒でも派手な衣装で出歩くようになり、人目も気にせずにエッチなことをいうようになっていたのだ。
「ママ、いったい恵美子に、いや、俺たちに何をしたんだ? 教えてくれ!」
俺はママのLINEに返信する。
どこかがおかしいのだ。
恵美子があんなふうになったのも、俺がこの賭けを断れないのも、何かがおかしいに決まっている。
恵美子はあの日以来、ママのスナックに入り浸りだ。
もうほとんどお店の女性として働いているようなものなのだ。
夕方になるといそいそと支度をし、うきうきしながら出かけていく。
そして夜遅くに酔っ払って帰ってくるのだ。
べったりと化粧をし派手な衣装で出かける恵美子は、近所でもじょじょに噂になっていた。
『言ったでしょ。私は奥様の心の奥底を開放しただけ。恵美子さんは私の予想以上の淫乱だったわ。お客さんを誘うようになるのも時間の問題かしらね』
客を誘う?
恵美子が別の男と寝るというのか?
そんな娼婦のようなことをあの恵美子が・・・
俺はついに来るべきものが来たと感じる。
「何とかやめさせられないのか?」
『それは無理よ。昨日だってお客さんといい雰囲気だったわ。店外デートの約束でもしていたんじゃないかしら』
そんな・・・
恵美子が客と・・・
そんな・・・
だが俺の股間はどんどんとたぎってくる。
あの恵美子が男に媚びて痴態を見せる。
いったいどんな恵美子がそこにいるというのか。
それを見ることができないということが逆に俺を興奮させるのだ。
『いい頃合いだから明日にでも一度お店にいらっしゃい。奥様の接客をご覧になるといいわ』
「わかった。行くよ」
俺はそう返事をして、スマホをしまう。
明日、妻の様子を見に行こう・・・
妻のいない家。
今日も帰ってくるのは深夜だろう。
それでもまだ食事だけは作ってくれている。
それもどんどん手抜きになってきているが・・・
飯を食いながらも俺は嫉妬に苛まれる。
今この瞬間にも、恵美子は俺以外の男にあの笑顔を見せ、あの声で語り掛けているのだろう。
ああ・・・
恵美子・・・
恵美子・・・
俺は食事もそこそこに風呂場に行き、妻の下着を洗濯機から取り出してにおいを嗅ぐ。
恵美子・・・
恵美子・・・
たまらない。
俺の手の届かぬ存在になってしまった恵美子。
それが俺にはどうにもたまらないのだ。
俺はどうしてこんな気持ちになるのだろう。
おかしいのに止められない。
俺は恵美子の下着のにおいを嗅ぎながら果てるのだった。
******
久しぶりのママの店。
今日はあいつが先に帰ってしまったから一人で来ることになったけど、何とか迷わずに来ることができたな。
ここで恵美子が・・・
「いらっしゃいませ」
俺は息を飲む。
恵美子の声だ。
紫煙の中から聞こえる声。
テーブル席から聞こえてくる妻の声。
派手な化粧と胸の開いた服で客の隣で笑顔を振りまいている恵美子。
ああ・・・
恵美子・・・
えっ?
俺は驚いた。
恵美子の隣にいるのは荒池じゃないか!
先に帰ったんじゃなかったのか?
しかも恵美子の肩に手をまわして、恵美子にサービスさせているなんて。
いったいこれはどういうことだ?
「荒池!」
俺は思わず声を出す。
「ああ、なんだ、お前も来たのか。ハハッ・・・まあ、なんだ、すまんな」
これ見よがしにグッと恵美子の肩を抱き寄せる荒池。
「あん・・・ダメですわお客様。そういうことはお店を出てからゆっくりと。フフッ、怖い顔をしているけど、彼ったらたぶん私たちを見ておチンポ硬くしているんじゃないかしら。ね、そうでしょ、あなた?」
煙草を吸いながら、そっと荒池の手を肩から外す妻。
だが、嫌がっているのではない。
店の中ではダメと言っているにすぎないのだ。
なんなんだいったい・・・
あれが恵美子だというのか?
「恵美子!」
「お客さん、ダメよ」
俺が妻を荒池から引き離そうと思ってテーブルに向かおうとしたとき、ママに背後から声をかけられる。
そのママの声を聞いた途端、俺は躰が動かなくなってしまった。
えっ?
いったい?
「うふふ、さあさあこっち来て一杯どうぞ」
ママに呼ばれ、俺はカウンターの席に着く。
恵美子のことが気になるのに、なぜかママには逆らえない。
「何にします?」
「み、水割りで」
「はい」
にこやかな笑顔で水割りを用意してくれるママ。
その間も、俺は背後のテーブル席の方が気になってしまう。
「はい、どうぞ。まずは飲んで落ち着いて」
「あ、ああ・・・」
俺はママが出してくれた水割りを一口飲む。
味なんかわかるはずもない。
ただ、すきっ腹に熱いと感じるだけだ。
「うふふ・・・ごめんなさいね」
箱からタバコを一本取り出して火を点けるママ。
「えっ?」
ごめんなさいって、どういうことだ?
「この賭けはね、最初から九割がたあなたの負けに決まっていたの」
「えっ?」
九割がただって?
「最後の一割はね、本当にあなたの奥様が秘めた欲望を持っていなかった場合。でも、普通の女はそんなことはないの。たいていは心の奥底に押し込めた淫らさを持っているもの。あなたの奥様もそうだった。私はその奥底の欲望を解放しただけ。ちょっと方向性は付けたけどね」
ママはタバコの煙を吐き出しながら、笑みを浮かべながらテーブル席の方を見ている。
そこでは荒池と妻が酒を飲みながら笑いあっていた。
「今回の賭けはね、彼の申し出だったの」
「えっ?」
荒池が申し出た?
「あなたの奥様が、恵美子さんが清楚でやさしくていい妻だとあなたは自慢していると。それがうらやましいって言ってたわ」
そんな・・・
そんなことを俺は言っていただろうか・・・
「きっと浮気もしないだろうな、一度でいいからあいつの奥さんを抱いてみたいななんて言ってたの。だから私、そういう女性も結構内に秘めているものよって、浮気願望もあるかもよって」
「そんな・・・あいつのせいで?」
ママがコクンとうなずく。
「でも、普通に俺が誘ったってたぶん駄目だろうなって言うから、それじゃ私に任せてみないって言ったの。私もそういう女の心の奥底を開くのは好きだから。うふふ・・・」
「ママ・・・」
「私ね、ちょっとした催眠が使えるの。ほら、こうやって指の動きで・・・ね?」
あ・・・
ママの白く細い指が滑らかに動く。
綺麗だと思わず見とれてしまう指の動きだ。
そういえば、確かに俺はあの時もママの指を見つめていたっけ・・・
「クスッ・・・ほら、もうかかっちゃった」
いたずらっぽく笑うママ。
そうなのか?
催眠なんてそうかかる物じゃないと思うけど・・・
「ね、奥様を見て」
俺はママに言われたとおりにテーブル席の妻を見る。
派手な化粧をして胸の開いた服を着、網タイツにつつまれた脚を組んでタバコをふかし、荒池に色目を使っているいる妻。
いつからあんな感じになってしまったというのだろう・・・
「素敵でしょ? もうあなたの奥様はあなたのものじゃないの。あなたはもう手を触れることもできない存在」
ああ・・・そうかもしれない・・・
俺の妻は素敵で、俺の手の触れられない存在なんだ。
俺の股間が硬くなってくる。
なんて素敵な妻なんだろう・・・
「あなたは奥様が男を漁って男と遊び歩くことにとても嫉妬を感じるの。でも、それがとても興奮して、もっと奥様に男漁りをしてほしいと思うのよ」
そんな・・・
俺はそんなこと・・・
でも、妻が俺以外の男に抱かれると思うと・・・
「奥様はあなたを愛しながらも、あなた以外の男と遊び歩くことをやめられない。でもそれは、彼女が本当の自分をあなたにさらけ出せたから」
そうだ・・・
これが本当の妻なんだ。
俺にだけ見せてくれる本当の妻の姿なんだ・・・
「あなたは毎日別の男に抱かれている奥様を思ってオナニーするの。それがあなたの幸せ。あなたは最高の妻を手に入れたのよ」
ママの言うとおりだ。
俺の妻はやっぱり最高だ。
「さ、その一杯を飲んだら今日はお帰りなさい。そして、家で恵美子さんが彼に抱かれることに嫉妬しながらオナニーして寝るの」
気が付くと俺は家に帰ってきていた。
あれから何がどうなったのかよく覚えていない。
店を出る時に妻が何か言っていたような気もしたが、よくわからない。
きっと今頃、妻はあいつに抱かれているのだろう・・・
恵美子・・・
恵美子・・・
派手な化粧をした顔で、あいつの下になって気持ち良さげに腰を振る恵美子・・・
喘ぎ声を出しながらあいつのものでよがっているだろう恵美子・・・
ああ・・・
俺がチンポを取り出すと、パンツの中は精液でぐちょぐちょになっていた。
もしかしたら帰ってくる途中で射精していたのかもしれない。
俺はぬるぬるのチンポを握って扱いていく。
ああ・・・
恵美子・・・
******
あの日から俺と妻の生活は一変した。
俺が朝起きるころ、ようやく妻が帰ってくる。
タバコと酒のにおいをプンプンさせ、男に抱いてもらった余韻を表情に浮かべている妻。
そんな妻を見ては、俺は朝から興奮してしまうのだ。
仕事もなんだかやる気がなくなり、荒池との差が付くばかり。
家に帰っても妻はママの店に行った後で、顔を合わせることはない。
食事の支度だけはちゃんとしてくれているし、妻が俺を愛してくれていることも知っている。
でも、妻はお店のお客と店外デートを繰り返し、俺を嫉妬させるのだ。
特にデートの回数が多いのは、やはり荒池とらしい。
あいつの専属みたいになっているともいう。
知り合いの男に妻が抱かれるということが、俺を強烈な嫉妬に駆り立てる。
だからこそ、妻もあいつに抱かれるのだろう。
「お帰り・・・」
今朝も俺は妻の帰りを出迎える。
あいつに抱かれてきたであろう妻。
俺はそのことを思っただけでチンポがたぎり、夕べも何度もオナニーをした。
「うふ、ただいま」
どことなく冷たい笑みで返事をする妻。
意気地なしで妻が寝取られることに興奮する夫など、冷笑の対象にしかならないだろう。
だが、それが俺を興奮させることも恵美子は知っているのだ。
だから俺を冷笑する。
それが今の妻の愛なのだ。
「お水ちょうだい」
「ああ・・・」
俺はグラスに水を注いで持っていく。
「ありがと。ふう・・・」
ソファに座り酒とタバコのにおいの混じった息を吐く妻。
水を飲んだグラスには、べったりと妻の口紅が付いている。
「ふふ・・・今日はお店に来た外人さんとデートしてきたの。彼、すごくよかったわよ」
こうして妻は男に抱かれてきたことを俺に告げる。
「そ、そうか・・・」
俺は妻の言葉に股間を固くしながら、会社へ行く支度をする。
「うふふ・・・会社行くまでに出しちゃわないようにね」
「あ、ああ・・・行ってくるよ」
箱からタバコを取り出して火を点ける妻に、俺は今日もドキドキしながら家を出る。
妻は変わってしまった。
いや、変えられてしまった。
でも、今の妻こそが本当の妻なのだ。
いやらしく淫らで美しく男を漁る妻。
俺を嫉妬で興奮させてくれる素敵な妻。
俺は最高の妻を手に入れたのだ。
俺はそう思いながら、会社への道のりを歩くのだった。
END
いかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのであれば幸いです。
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2020/05/05(火) 21:00:00|
- 催眠・洗脳系
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