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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ノモンハン19

参考文献にさせていただいています半藤一利様の「ノモンハンの夏」には、現地ノモンハンの戦場の様子が細かに描写されております。

それを見ると、現地では大きな蚊が飛び回り、露出している皮膚を見るとたちまち群がってきて血を吸うといいます。
排便の時など、ヨモギをいぶしておかないと、お尻がまっくろになるほどたかられるそうです。

砂漠のような乾燥地帯ですので、昼間と夜間の気温の差が大きく、昼は真夏の太陽が炎暑をもたらし、夜は冷気が0度近くにまで気温を下げるといいます。

加えて現地の日本軍は、短期決戦を考えていましたので、充分な後方支援を受けられていません。
弾薬はもとより食料なども充分とはいえない有様でした。
何より給水の手立てを講じていなかったため、兵士たちは水の不足に悩まされたといいます。

水、食料、弾薬、炎暑、冷気、さらには蚊。
日本軍兵士の苦労は察するに余りあります。

そんな中で日本軍は7月を終えました。

関東軍司令部はソ満国境全線でのソ連軍の攻撃を予想し、攻勢を中止。
陣地での防御持久に切り替えて、冬越しをしてでもこの場に残る考えでした。

7月の日本軍の攻勢中、現地ソ蒙軍司令官ジューコフは、最終的な反撃に備えて部隊の増援と武器弾薬の集積を行なっておりました。
その手配が整うのは8月中旬。
ジューコフは8月中旬から一大攻勢をかける腹積もりでした。

ですが、ただ漫然と物資の集積に当たっていたわけではありません。
局所的な反撃が時々行なわれ、そのたびに双方に損害も出ます。

8月1日、2日。
ソ連軍の攻撃が行なわれ、日本軍の各陣地が圧迫されますが、日本軍は兵士たちの応戦で何とか食い止めます。
ソ連側もある程度の被害が出たことで攻撃を中止。
戦いは小康状態に移りました。

この一時的小康状態を利用し、関東軍は第23師団などの損耗兵力をやや補充します。
そして、ここに関東軍司令部の独走を食い止めるべき手段として、参謀本部は現地に第6軍という中間司令部を設置します。

これは表向きは、現地が第23師団だけではなく砲兵団や工兵隊など多岐に渡る部隊が派遣されているため、その指揮を関東軍司令部の直接指導の下、第23師団長小松原中将が行なうのでは不都合も多かろうということで、一段上級の司令部を設置して、指揮系統をすっきりさせようというものでした。

しかし、内実はそうではなく、無論指揮系統の整理は重要ですが、それ以上に現地部隊と関東軍司令部とを切り離すのが目的でした。
第6軍司令部を設置して関東軍の影響力を弱め、参謀本部主導でノモンハンの戦いを導こうとしたのです。

8月4日。
司令官荻洲立兵(おぎす りゅうへい)中将以下第6軍設置。
ただし、現地着任は先のことで、8月12日にようやくハイラルに到着しています。

関東軍司令部はこの第6軍設置を冷ややかに見ていたようで、大変なところをご苦労さん、後は任せましたよといった感じであったようです。
もはやノモンハンよりも満州全土で起こるかもしれないソ連との戦いに目が向いていたのかも知れません。

ジューコフは細心の注意を払って日本軍に部隊の増強と集結を知られないように図りました。
絶えず砲撃をして戦車や歩兵たちの移動する音をごまかし、おおっぴらに防御陣地構築の振りをして見せたり、戦車を走り回らせてその音に日本軍兵士を慣れさせ、移動をいつものことだと思わせたり、とにかく考えられることは全て行なっていました。

日本軍に対する欺瞞無線も発し続けました。
補給困難で攻勢は不可能、援軍を請うといったような無線を大いに発し、日本軍の傍受班がそれを受信するよう仕向けていたのです。
関東軍司令部ではそれ見たことかと思ったでしょう。
自分たちでさえ補給困難なのだ。
鉄道からあれだけ離れているソ蒙軍が補給困難なのは当然ではないか。
これはこのまま持久すれば、遠からずソ蒙軍は引き上げるに違いない。
そう思ったかもしれません。

関東軍はこの欺瞞行動にまんまとしてやられました。
油断が油断を呼び、実際の戦場上空を飛んで偵察するべき航空機も、8月12日から19日の間、つまり、ジューコフが必死になって攻撃位置に部隊を展開していたまさにその時、「悪天候のため捜索しえず」と、偵察行動をしていなかったのです。

こうしてソ蒙軍は、日本軍に対する攻撃準備を整えました。
一説によれば、その兵力は約5万7千。
狙撃兵(歩兵のこと)3個師団、戦車2個旅団、機甲(装甲車が主)3個旅団、機関銃1個旅団、火砲542門、航空機515機を用意したといいます。

まさに大兵力でした。
ソ蒙軍は全てにおいて敵に倍する兵力を整えたのです。
敵より多数の兵力を整える。
戦闘においてのもっとも基本的な条件をジューコフは満たしたのでした。

その20へ


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それではまた。
  1. 2007/10/05(金) 19:46:48|
  2. ノモンハン事件
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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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