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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

悪の女幹部ブラックマルス様の忙しい日々

ツイッターで相互フォローしておりますあおばさん@aoba_aunanaが、先日とても素敵なイラストを投下しておられましたので、思わず短編SSを作ってしまいました。
あおばさんご本人から掲載の許可をいただきましたので、その元となったツイート含めて投下したいと思います。

タイトルは「悪の女幹部ブラックマルス様の忙しい日々」です。

元となりましたツイートはこちら
https://twitter.com/aoba_aunana/status/1200974907129024513?s=20
https://twitter.com/aoba_aunana/status/1201011845810675712?s=20
https://twitter.com/aoba_aunana/status/1204403407517151232?s=20

それではどうぞ。


悪の女幹部ブラックマルス様の忙しい日々

「行ってきまーす」
元気よく玄関から飛び出していく少年。
背中に背負ったランドセルも、そろそろ使い古されてきた感じがある。
もう小学校高学年ともなればそんなものかもしれない。
「車に気を付けるのよー!」
玄関から顔を出し、少年に声をかける母親。
とても若々しく、美しい。
少年の友人たちの間でも、評判の美人ママだ。
それは少年にとっても誇らしく、時々家に友人を連れてくる。
美人でやさしいママは少年の自慢だった。

「八時十五分、アルファ任務終了」
少年が遠ざかった後、急に無表情になる母親。
そしてくるりと背を向けると、家の中へと戻っていく。
そして玄関に鍵をかけ、室内に入るとそのまま直立の姿勢になる。
「連絡。ブラックマルス、ベータ任務への移行可能。指示を待ちます」
彼女の両耳から銀色のアンテナが伸び、通信を送る。
一瞬目が虚ろになり、躰がぴくっと小さく震える。
「命令受信完了。直ちに参ります」
エプロンを外して椅子に掛ける母。
やがてその姿がじょじょに薄く透けていき、消えていく。
あとには誰もいなくなった部屋だけが残った。

                   ******

どことも知れぬ場所。
奥にある玉座のような重厚な椅子に一人の男が座っている。
黒い服とマントを着け、その顔には笑った顔のような白い仮面が付けられていた。
その仮面の下の顔を知っているものはごくわずか。
たいていの者は彼のそばに近寄ることすらできない存在。
それが秘密結社バクアクーの首領ワラアクーである。
その彼のもとに、今、一人の女性がやってきた。

カツカツとハイヒールブーツの足音が響く。
黒革の躰にフィットしたボンデージ衣装。
背中にはマントがなびく。
手には乗馬鞭が握られ、二の腕までの長い手袋がはめられていた。
その顔は美しいものの、まったくの無表情。
まるで人形のような冷たい美しさだった。

「首領様、ブラックマルスただいま参りました」
スッとひざまずくブラックマルスと名乗った女性。
その肌はまるで白磁のように白くつややか。
まるでプラスチックのようであったが、それもそのはず、ブラックマルスはその躰が機械でできた女性だったのだ。

「ご苦労、ブラックマルスよ。的島弥生(まとしま やよい)としての生活に異常はないか?」
玉座で足を組んだワラアクーが声をかける。
「はい。アルファ任務にはなんの支障もございません。直紀(なおき)も全く普段と変わった様子はございません。定期的に刷り込みも行っておりますので、私の正体に感づいている可能性は5%以下と思われます」
顔を上げ、偉大なる首領にそのまなざしを向けるブラックマルス。
バクアクーの冷酷なる女幹部として、人間たちを恐怖せしめる存在とは思えない美しさだ。
この美しさは、ある意味作られたものではあるものの、また自然の美しさでもあった。
なぜなら、彼女は的島弥生をそのまま機械化したものであったからだ。

「うむ、それでいい。ブラックマルスよ、抜かりないようにするのだ」
「ハッ、お任せくださいませ、首領様」
頭を下げて一礼するブラックマルス。
さらさらの髪がはらりと流れる。
「今夜の作戦も頼んだぞ」
「もちろんでございます、首領様。それでは、私は仕度がございますので」
スッと立ち上がるブラックマルス。
今夜の作戦に備え、部下たちと準備を進めねばならない。

「BM-03、ガンマ任務を命じる」
立ち去ろうとしたブラックマルスの背後からワラアクーが声をかける。
「ピッ」
電子音を発し、その場で動きが硬直してしまうブラックマルス。
「ゴ命令ヲ受領、ガンマ任務モードニ入リマス」
先ほどまでとはうって変わった抑揚の無い電子音声で答え、くるりと振り返る。
そして無表情のまま肩からマントを外し、着ている衣装を脱いでいく。
ブーツも手袋も脱ぎ捨て、完全に裸になるブラックマルス。
その姿は人間と変わらないものの、関節部や胴体部などには継ぎ目ともいうべきラインが入り、彼女の外皮が作られたものであることを示していた。

「美しい・・・」
裸になったブラックマルスを前にしてそうつぶやくワラアクー。
10年前から全く変わっていない美しさだ。
この美しさを手に入れるために彼は力を手に入れたと言っても過言ではない。
そして今、その集大成として、彼女を指揮官として地上をもてあそぼうとしているのだ。
異星のものと思われるテクノロジー。
それを我が物とし、10年かけて作り上げた組織バクアクー。
その首領として好きなように世界で遊ぶ。
これほどの楽しみがほかにあるだろうか。

11年前はただあこがれの女性だった。
優しくて笑顔が素敵で美しくて、まるで女神のようだった女性。
その彼女が嫁ぐと知った時の絶望感は計り知れなかった。
仕方がない。
そうあきらめることができれば楽だっただろう。
彼女は25才であり、自分は17歳の高校生。
彼女の相手は30歳のエリートで、収入も高くとても太刀打ちできるようなものではない。
彼女自身もその相手を愛しており、相思相愛の二人の間に割り込むような余地などなかった。
もともと、たまたま知り合っただけの高校生男子に彼女がどれほど意識を向けていたというのか?
おそらく名前を聞いたら思い出す程度でしかなかっただろう。
だから・・・本当ならあきらめるべき女性だった。

だが、機会が巡ってきた。
彼はひょんなことから異星のものと思われる技術遺産を手に入れた。
それは不時着した宇宙船らしきもの。
なぜそんなものがそこにあったのかはわからない。
なぜ彼以外にそれを見つけた者がいなかったのかもわからない。
だが、彼はそれを見つけた。
そしてその技術を使うことができた。
人間と機械を融合させる技術。
そんなものがこの世界にあるなんて信じられなかったが、彼はそれを使った。
それを使って彼女を彼のものにしようと思ったからだ。

翌年、彼女はそのエリートの夫との間に子を作った。
許せることではなかった。
だが、彼女を我が物とするには時間が必要だったのだ。
二体の実験体を使い、技術を完全に理解する時間が。
その時間を要している間に、彼女は子を作ってしまったのだ。

これ以上待つことはできない。
彼は彼女を誘拐した。
誘拐して機械と融合し、彼女を完全なる機械人間へと改造した。
彼女は抵抗し、必死に夫に助けを求めていたが、改造後は身も心も彼のものとなった。
コンピュータと融合した脳が、彼の組み込んだプログラム通りに彼の求めるままの行動を彼女にさせ、彼女は彼の望む女性に生まれ変わったのだ。

BM-03、ブラックマルスとして生まれ変わった彼女は、夫のもとへと帰り、喜ぶ夫を何のためらいもなく抹殺した。
それが彼の望むことだったから。
彼の望むことをするのが彼女の喜びだったから。
彼女にとって夫はもう必要なかったのだ。

子供は生き残った。
かわいかった。
あの男との間との子とは言え、彼女の子供でもある。
殺すこともないと思った。
むしろ彼女にこの子を育てさせれば、カムフラージュになるだろうと思った。
なので、彼女に疑似人格を与え、以前の的島弥生として暮らすように仕向けた。
もちろん、すでに身も心も彼のものとなった彼女は、呼び出せばいつでもこうして彼のもとに来る。
そして、こうして彼に性奉仕すらしてくれるのだ。
10年前と変わらぬ姿で。
今の28歳の彼にふさわしい26歳の時のままの姿で。

「う・・・」
「アア・・・アアン・・・イク・・・」
彼の上で腰を振り、快楽プログラム通りに彼とともに絶頂に達するブラックマルス。
快感にとろけた表情はとても作られたものとは思えない。
発熱機能によって躰も温かく、触った時の特殊プラスチックの柔らかい質感がやや気になるとはいえ、彼にとってはもう慣れたもの。
それよりも彼のものをすっぽりと咥え込んだ彼女の性器は、まさに彼に最高の快楽をもたらしてくれる名器と言っていいだろう。
まさに彼は最高の機械式セックスドールを手に入れたのだ。

「ウフ・・・首領様、ゴ奉仕サセテイタダキ、アリガトウゴザイマス」
ゆっくりと躰を起こし、首領の前で笑顔を見せるブラックマルス。
いや、今の何も身にまとっていない彼女は的島弥生だろうか?
彼に性奉仕することを喜びと感じ、そのために存在する機械人形。
だが、それがいいのだ。
人間のように彼を裏切ったり、別の男に気持ちを許したりしない存在。
それこそが彼の望む彼女なのだから。

「BM-03、ガンマ任務モードを解除し、ベータ任務モードに戻れ」
身支度を整え直し、彼女に新たな命令を与える。
「ピッ、命令ヲ受領。がんま任務モード解除。べーた任務モード二移行シマス」
一度無表情になって電子音声で答えるブラックマルス。
次の瞬間には、引き締まった表情となり、すっと彼にひざまずく。
「ブラックマルス、ベータ任務モードに移行しました。これより今宵の作戦の準備にかかります」
「うむ、頼んだぞ」
「ハッ、お任せくださいませ、首領様」
立ち上がって踵を返し、部屋を出ていくブラックマルス。
部下たちにとっては厳しい女幹部のお出ましといったところだろうか。
だが、彼女が部下たちに慕われていることは間違いない。
仮面の下の口元が思わず歪むのを彼はこらえきれなかった。

                   ******

「キーッ!」
「キーッ!」
全身を黒い全身タイツ状のスーツで覆い、目の部分にはスキーゴーグルのようなものをかけた男たちが片手をあげてブラックマルスに敬礼する。
彼らは秘密結社バクアクーの末端構成員であり主力でもある戦闘員たちで、ブラックマルスの手足となって働く連中である。
「ご苦労。すでに首領様より命が下っていると思うが、今宵作戦行動に入る。その準備はできているか?」
指揮台に上がり戦闘員たちを見渡すブラックマルス。
キリッとした表情が彼女の別の面を見せている。
「キーッ! いつでも行動に移れます。ターゲットの捕捉も完了しております」
戦闘員のリーダー格の一人がそう答え、モニターにターゲットを映し出す。
そこには初老の紳士が映し出され、大きな建物に入っていくところだった。
「よろしい。私のパーツの準備は?」
「キーッ! それもこちらに」
戦闘員たちが四つのトランクケースを彼女の前に差し出す。
フタが開けられたそれらのケースには、巨大なクモの脚やお尻のようなものが入っていた。
「よろしい。あらためてチェックを兼ねて装着してみます」
「キーッ! かしこまりました」
戦闘員たちは一礼し、トランクケースの中のパーツを指揮卓の上に並べていく。
その並べられたパーツをブラックマルスは組み立て始め、やがて大きなクモの胴体部分が組みあがってくる。
胴体部分が出来上がったところで、ブラックマルスはその胴体部に自分の躰をはめ込み、各部を結合する。
「おおー!」
戦闘員たちが感嘆の声をあげる中、ブラックマルスはその下半身を大きなクモとして、その六本の脚を器用に動かし歩いていく。
「悪くないわね。今回の任務にはぴったりだわ」
お尻から粘液状のものを吹き出し、それが空気に触れることでロープのようなクモ糸となり、天井に貼り付かせることによって天井からぶら下がって見せるブラックマルス。
それはまさにクモ女のようだ。
あとは両手のパーツと頭部にセンサー類を付ければ完成だろう。
今夜の任務の成功をブラックマルスは95%の確率で成功とはじき出していた。
あとは時間まで仮の住まいで待機していればいい。

                   ******

「ただいまー」
学校を終えた少年が帰宅する。
「お帰りなさい。おやつあるから手を洗ってきてね」
玄関まで出迎えてくれる母。
いつも通りのにこやかな笑顔は少年の大好きな母の顔だ。
子供のころからずっと見慣れた笑顔だけど、やっぱりいつ見ても母の笑顔が一番いい。
「はーい」
少年は靴をそろえ直してから洗面所へ向かい、手を洗ってうがいする。
その間に母はおやつを用意してくれて、少年は食べるだけで済むようになっていた。
「今日はお友達は?」
「今日は誰も呼んでいない」
友人たちもそうそう呼べるわけではない。
自慢の母を見せつけたい気持ちはあるが、独り占めしたい気持ちもある。
誰のものでもない、自分のものである母。
大好きな母なのだ。

「そう・・・誰も来ないのね?」
少年の背後にやってくる母。
「だったら・・・いつもいい子の直紀に、今日もママがイイことしてあげる。ふふっ」
少年の顎から頬にかけてそっと撫でる母。
それだけで少年はもうおやつなどどうでもよくなってしまう。
「ママ・・・」
振り返って母を見上げる少年。
その目には欲望が浮かんでいる。
「さあ・・・いらっしゃい」
少年をいざない寝室へと誘う母。
少年は食べかけのおやつを残したまま、母のあとをふらふらと追った。

「うふふ・・・いい子ね」
ベッドに寝そべって少年を受け入れる母。
少年はそそり立つ股間のものを母に突き入れ、快楽をむさぼっていく。
いつ頃からだろう。
気が付くと少年は母とセックスを楽しむようになっていた。
それは友人たちには決して言ってはいけない秘密の行為。
でも、大好きな母と気持ちいいことができるのはとてもうれしい。
それに、こうしていると、母がいろいろと語りかけてくれるのだ。
あとになってみれば何を話してくれたのかさっぱり覚えていないのだが、とにかく母に語り掛けられながらのセックスは、少年にとっては最高の行為だった。

「さあ、ママの目を見て」
自分の上で腰を振る少年に母は語り掛ける。
少年が顔をあげて母を見る。
母の目が虹色に明滅し始め、耳からはアンテナが伸びていく。
明滅する母の目を見ていた少年は、やがて目が虚ろになり、動きもゆっくりとなっていく。
「どう? 気持ちいい?」
「・・・うん・・・気持ちいい・・・」
母の問いに答える少年。
「そう。じゃあ、おさらいを始めましょう」
「はい・・・」
「お前の名前は?」
「的島・・・直紀・・・」
「お前のママの名前は?」
「的島・・・弥生・・・」
次々と問いに答えていく少年。
躰はもう全く動いていない。

「いい子ね。ママのことで何か気になったことはある?」
「・・・・・・ママの躰・・・」
「ママの躰?」
「・・・ママの躰には・・・あちこち継ぎ目があるのに・・・クラスの女の子や女の先生の躰は継ぎ目がない気がする・・・」
「そう・・・それが気になるのね?」
「うん・・・」
こくりとうなずく少年。
その目はじっと母の目を見つめている。
「よく聞きなさい。ママの躰には何もおかしいことはないの。お前は何も気にならない。ママの躰のことなど気にしない。いいわね?」
「はい・・・ママ・・・」
「いい子ね。今のことは忘れなさい。そして記憶に封じるの。いいわね?」
「はい・・・」
再びこくりとうなずく少年。
「いい子ね。それじゃ続きをしましょうね」
母の目が通常に戻り、耳から延びていたアンテナが縮む。
「ああ・・・ママ・・・」
少年の腰が再び動き出し、やがて少年は大好きな母の中に精液をほとばしらせるのだった。

                  ******

「キーッ! ブラックマルス様、配置につきました」
片手をあげて敬礼するバクアクーの戦闘員。
ブラックマルスはそれに対してうなずくと、両手のパーツの具合をもう一度確認する。
「いいわ。ターゲットの抹殺は私がやるから、お前たちは気付いたり逃げ出そうとした人間がいたら始末しなさい」
「キーッ! かしこまりました、ブラックマルス様」
再び敬礼をしてほかの戦闘員たちのもとへ向かう戦闘員。
ブラックマルスはそれを一瞥すると、クモのパーツを組み込んだ下半身の巨大なお尻から糸を噴射し、それを使って建物の壁を登っていく。
バクアクーの邪魔者は始末しなくてはならないのだ。
ブラックマルスは、ターゲットのいる部屋へと迫っていった。

「ご苦労だった、ブラックマルスよ」
任務を終えて帰還したブラックマルスを、首領のワラアクーがねぎらう。
「ハッ、ありがとうございます、首領様」
クモ女の姿のまま床に腹を着くようにして頭を下げるブラックマルス。
機械である彼女は、任務や作戦ごとにそのパーツを様々に組み合わせ活動する。
今回の任務にはこのクモ女仕様が実にぴったりだったことは言うまでもない。
「奴の抹殺には成功したのであろうな?」
「ハッ、もちろんでございます。私がこの手で確実に息の根を止めました」
任務の詳細はすでにワラアクーも把握しているが、こうしてブラックマルス自身の口からも説明させることが重要なのだ。
クモ女仕様とはいえ、上半身はいつものブラックマルスというか的島弥生のボディであるため、あの優しい女性がこうして冷酷に任務を遂行したと報告をしてくることがそそられる。
「よろしい。朝まではまだ時間がある。メンテナンスを受けていくがいい」
「ハッ、ありがとうございます、首領様」
ブラックマルスは一礼して部屋を出る。
幸い、出入り口は広めに作られているのでこういう場合でも問題はない。
ブラックマルスはクモ女の姿のまま廊下を歩きラボへと向かった。

人間にも健康診断や病院が必要なように、機械の躰にもメンテナンスは必要である。
基本的に消耗品を取り換えるような必要性はないものの、各部のチェックをして異常があれば改善する必要があるのは人間と同じだ。
ブラックマルスは技師たちにメンテナンスに来たことを告げ、クモのパーツを外して人間の姿に戻る。
そしてメンテナンスハンガーに躰を固定し、マネキンのように立った状態で各部チェックを行うのだ。
その際は機能のほとんどが停止され、外部に対する反応は失われる。
そのためほぼ無防備な状態と言っていい。
なので、ごく限られた者のみが、ブラックマルスのメンテナンスに立ち会うことができるのだった。
だが・・・

「ピッ・・・」
ブラックマルスの目が虚ろになり、周囲の機械類が稼働を始める。
「始まったか?」
「ああ・・・メンテナンスモードに切り替わった」
ラボ内のメンテナンスルームにいる二人の技師が顔を見合わせる。
もちろんこの二人も改造を受けており、戦闘員と同じ黒い全身タイツにゴーグル型のモニターグラスを目のところにかけているが、その上から白衣を着て技術科学班員であることを示している。
「ラッキーだな。まさか今晩メンテナンスが入るとは」
「ああ、シフトが入っててよかったぜ。それにしてもそそるお姿だ」
「まったくだ。こんな裸をそのままさらしてくれるなんてたまらんぜ」
しげしげとブラックマルスの肢体を眺める二人。
高級な美術品を見るというよりは、モデルグラビアを見るようなものだろう。
まさに美の化身と言っていい。

「ふ・・・いつも俺たちブラックマルス様から命令されてるけど、こうなるとただのエロ人形だよな」
虚ろな目をして呆けたように立ち尽くしているブラックマルスを腕組みしながら見ている二人。
「まったくだ。それにしてもエロい」
一人がゆっくりと近づいていく。
「おい、触るなよ。バレたら殺されるぞ」
もう一人が止めようとするが、近づいた方が首を振る。
「なんだ? お前はブラックマルス様のメンテに立ち会ったの初めてか? 大丈夫だ。これも役得さ」
そう言ってそっとブラックマルスの躰を触っていく。
「うおお、柔らけぇ。いいモン持ってますなぁ、ブラックマルスさまぁ」
最初はお腹のあたりを撫でていたものが、だんだんと大胆になり両手でたわわな胸を持ち上げていく。
ずっしりとした柔らかい胸の揉み心地がたまらない。
「本当か? お、俺にも・・・」
もう一人も恐る恐る近づくと、その柔らかな太ももに手を這わせていく。
「柔らけぇ・・・プラスチックでできているのにすごく柔らけぇ」
「だろぉ? ここも素敵だぜ。まさに名器ですよ、ブラックマルス様」
彼女の股間に指を差し入れる技師。
指に絡みつくような温かく柔らかい感触が伝わってくる。
「ピッ」
その指の動きが刺激となったのか、ブラックマルスの口から電子音が出て、二人を驚かせる。
「ア・・・アリガトウゴザイマス」
おそらくガンマ任務モードの時の反応が出たのだろうが、二人の技師は思わず顔を見合わせて安堵した。
ブラックマルスが起動したかと思ったのだ。
もし起動していたとすれば、二人の命はなかったであろう。

「ふう・・・驚かせやがる」
「ああ・・・だが、ありがとうございます、だってよ」
緊張の解けた技師たちが笑う。
「へへへ・・・ブラックマルス様がお望みならば、いつでもお相手いたしますよ」
「俺も俺も。へへへへ・・・」
再びブラックマルスの躰を触り始める技師たち。
その様子をワラアクーは監視カメラのモニター越しに見つめ、仮面の下で笑みを浮かべていた。
彼らをとがめるつもりはない。
いずれこういうことをする奴がいるだろうとは最初から思っていたことだ。
むしろ、大事なものをぎりぎりまで他人に汚されるというそのことが彼を興奮させるのだ。
もちろん一線を超えるようなことは許されない。
彼女の躰を犯そうとするものは容赦しない。
だが、彼女の躰を無遠慮に見つめ、触れ、撫でまわすぐらいのことはいくらでもして構わなかった。

「ピッ・・・メンテナンス終了。再起動シマス」
慌てて技師たちがブラックマルスから離れる。
つながっていたケーブル類が外れ、表情が引き締まり、目が焦点を合わせていく。
「ん・・・メンテナンス終了。異常なし」
メンテナンスハンガーからゆっくりと降りるブラックマルス。
「外部チェックの方はどうか?」
「キーッ! 問題ありません。ブラックマルス様ご自身のデータと一致しております」
技師が慌ててモニターにデータを映し出す。
やれやれ、バレてはいないようだ。
「ブ、ブラックマルス様、首領様より命じられておりましたパーツの試作ができております。チェックをしていただいてもよろしいでしょうか?」
もう一人はあらかじめ用意してあった新パーツを取り出してくる。
もともと以後の作戦用に作成を命じられていたものだから、この際チェックをしてもらえばいいと考えたのだ。
「ん、いいわ」
「それではお手数ですが、もう一度メンテナンスハンガーに乗っていただけますか?」
「わかったわ」
ブラックマルスは指示に従い、再度メンテナンスハンガーに乗る。
「それでは失礼して」
技師が彼女の背中にモニターチェック用のケーブルを取り付ける。
こうして新パーツの適合具合を外部チェックするのだ。
「今回のパーツは、ブラックマルス様の右腕に暗殺用の内蔵火器を仕込むものです。現時点では小型化が完了しておりませんのでブラックマルス様の腕より一回り大きくなってしまってますが、動作チェックが問題なければ小型化すればいいだけとなりますので」
「わかったわ」
躰を固定し右腕を差し出すブラックマルス。
技師がその腕を二の腕部分で外し、そこに新しいパーツの基部を差し込んでいく。
「ピッ・・・パーツ認識・・・正常」
「いかがですか?」
「悪くないわね。これなら問題なく使えそ・・・ピッ・・・ピピピピッ」
笑みを浮かべていたブラックマルスの表情が変わる。
「ブラックマルス様?」
「ピッ・・・ピピピピピ・・・エエエエラーガ・・・ガガガ・・・」
「ブラックマルス様!」
「ピピピピ・・・セーフティモード起動・・・シマス」
再びメンテナンス時と同じように無表情となるブラックマルス。
二人の技師がとりあえず再チェックを行う。
「よし、ブラックマルス様・・・いや、ここは・・・」
技師が言いかけて途中でやめる。
「BM-03、接続状況はどうだ?」
普段とは違う高圧的な口調だ。
もう一人の技師もその意図に気が付く。
「ピッ、接続ハ正常二動作シテイマス。問題アリマセン」
抑揚の無い電子音声で答えるブラックマルス。
その表情も無表情で目も虚ろである。
「どうやら一時的なもののようだな。再起動してもらえば大丈夫そうだ」
「やれやれ・・・それにしてもやっぱりいい女だぜ」
「ああ・・・首領様がうらやましい」
「まったくだ」
二人の技師はホッとして顔を見合わせた。

「キーッ! お疲れ様でした、ブラックマルス様」
「お前たちもご苦労。時間まで任務を続けるように」
「ハッ」
敬礼する二人の技師に背を向けラボを後にするブラックマルス。
メンテナンスが終了したことを首領様に報告しなくてはならない。
そしてそのあとはアルファ任務モードに切り替え、的島弥生として仮の住まいへ戻り、学校へ行く子供の世話をしなくてはならないのだ。
また一日が始まる。
ブラックマルスにとっては毎日が忙しい日々だった。

END

以上です。
あおばさん、このたびは素敵なイラストを拝見させていただきありがとうございました。
また、SSの掲載を許可してくださり、ありがとうございました。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2019/12/15(日) 20:00:00|
  2. 改造・機械化系SS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:9
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コメント

独占欲の強い首領かと思いきやギリギリ奪われそうになるのを喜ぶあたり、充分な変態ですなw

元のイラストも素敵で良かったですねぇ(*´ч`*)

息子は普通の主婦を演じる為の道具なのか、もしくは後に息子も機械と融合するのかまたは戦闘員になるのか
妄想が捗りますなぁ(//∇//)
  1. 2019/12/15(日) 21:11:43 |
  2. URL |
  3. IMK #-
  4. [ 編集]

いいですねぇ、未亡人メカ怪人……
この危うげな雰囲気と退廃的な空気がたまりません…
あおばさんの絵も合わさって興奮しちゃいます!
  1. 2019/12/15(日) 21:17:47 |
  2. URL |
  3. そうみょん #XqmaFjCg
  4. [ 編集]

元絵も凄く好みでドキドキ物ですが、ストーリーが付くと更に引き込まれますね~
シングルマザーとしての顔を維持する為に息子さんを…っていうのはもう良すぎます。
  1. 2019/12/15(日) 22:33:40 |
  2. URL |
  3. g-than #-
  4. [ 編集]

感想です( ´∀`)

メカ未亡人、エロいですね~
元のイラストも素敵でした。
ママは永遠にあの若さを保っているのか~
首領もその内に自らをメカ化しそうですね。
パーツ交換で蜘蛛女になったり、部下の悪さとか、首領の覗き見とか、てんこ盛りで楽しかった。
お疲れ様でした🎵
  1. 2019/12/15(日) 23:05:19 |
  2. URL |
  3. sen-goku #rFnOs2i6
  4. [ 編集]

すばらしいSSでした。ただこれだけあれこれ切り替えの機能でいじられ続けられたらいつか精神が破綻しそうな気もしますなー。息子の存在が彼女の心が壊れないでいられる支えなのかもしれない
  1. 2019/12/16(月) 01:09:55 |
  2. URL |
  3. あぼぼ #-
  4. [ 編集]

母親モード・女幹部モード・性奉仕人形モード・メンテナンスモードと色々な顔が見れるとはなかなか多機能で美味しいですね~。
あおばさんのイラストも可愛くてそれでいてしっかり機械へと堕とされているので良いです!
楽しませていただきました!
  1. 2019/12/16(月) 03:20:37 |
  2. URL |
  3. MAIZOUR=KUIH #gCIFGOqo
  4. [ 編集]

皆様コメントありがとうございます

>>IMK様
首領様は自分が寝とったからこそ、寝取られるぎりぎりの背徳感を味わいたいのかもしれないですねー。
息子君は多分そのうちママをハッキングして寝取ってくれると思います。(笑)

>>そうみょん様
あおばさんのイラストはホント素敵ですよねー。
こんな美女が機械化されて言いなりなんて萌えますです。

>>g-than様
対外的なことで生かしておいた息子が、いずれママを奪っていくのではないかと妄想しておりますー。

>>sen-goku様
ちょうどいい歳の差になったので、いずれ機械化して永遠に彼女と暮らそうと思っているはずでしょうねー。
たぶんその最大の敵は正義のヒーローではなく息子になるのではないかと妄想。

>>あぼぼ様
すでに壊れていると言えば壊れているのでしょうから、息子との情事もプログラム通りなのかもしれません。
彼女にとってはすべてがもう作りものなのでしょう。

>>MAIZOUR=KUIH様
モード切替は機械化の醍醐味ですよねー。
スイッチのオンオフでガラッと変わるのがたまりませんです。
  1. 2019/12/16(月) 20:58:52 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

元絵ともにとても楽しませてもらいました。
かつては母、妻としてとても愛に満ちた女性だったろうに
今では無機質に首領の命令に従う姿がとてもそそられますねえ。
首領も独占欲が強いようでいて他人に弄ばせて興奮したりいい趣味してます(笑)
息子との関係もそういう命令なのじゃろか?
部下に色々されるとこいいいですねー。
お疲れ様でした。
  1. 2019/12/16(月) 21:47:56 |
  2. URL |
  3. くろにゃん #rC5TICeA
  4. [ 編集]

>>くろにゃん様
コメントありがとうございます。
やはり機械化とか改造とかはギャップが魅力ですよねー。
息子に対しては元イラストのツイートにもありました通り、首領の命で誘惑し、刷り込みを行っているという設定です。
でも、いずれ息子君がママをハッキングして自分好みにしちゃうのではないかという話も。(笑)
  1. 2019/12/16(月) 22:02:47 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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