14周年記念シチュのみ超短編SSの一本目です。
タイトルは「私の仕事は教師です」です。
短い作品ですが、楽しんでいただければ嬉しいです。
それではどうぞ。
私の仕事は教師です
「おはようございます、先生ー」
「おはようございまーす」
学園の校門をくぐる私に、生徒たちが朝の挨拶をしてくる。
まだ朝のホームルームにはかなりの時間があるが、早い生徒はもう学園に登校してくるのだ。
「おはよう。みんな早いのね」
私は生徒たちににこやかに挨拶を返す。
生徒たちも笑顔で私に頭を下げ、自分たちの玄関へと向かっていく。
私は教職員玄関から校舎に入ると、ロッカールームで身支度を整え職員室へと向かう。
そう・・・
私の仕事は教師。
さあて、今日も一日頑張りますか。
一時間目はどのクラスからだったっけ?
そんなことを考えながら職員室へ向かう私。
『な、なんなんですかあなたは? いきなりやってきて今日からこの学園は俺のものって、出て行かないなら警・・・うっ!』
えっ?
私は思わず学園長室の前で立ち止まる。
今のは何?
この中からだわ。
何かあったのかしら?
私はそっとドアを開けて中を見る。
正面にある重厚な学園長の机の前に、どうやら男の人が立っているようだ。
学園長ご自身はその男の人の影になっているようではっきりとは見えない。
男の人は右手を学園長の方に向かって伸ばしている。
一体何をしているのだろう?
学園長の声もしなくなったようだけど?
「学園長、何かありました?」
私は室内に入って学園長に声をかける。
そして応接用のソファーをよけて学園長に近寄った。
「ん?」
私の声に男が振り向く。
男は学園長に向かって手をかざしていたらしい。
何なんだろう?
そもそもこんな朝早くなのにこの男の人は誰なのだろう?
「ハッ! あっ、三竹(みたけ)先生。だめっ! 逃げて!」
なんだかぼうっとしていたような学園長が声を上げる。
「えっ? でも・・・」
私の目が学園長の方に向いた時、男の手が私に向かってかざされる。
「あっ、えっ?」
突然頭の中にもやがかかったようになって、何も考えられなくなってしまう。
いったいこれは・・・
何が・・・起こったの?
「ほう、さすがに名門女学園だ。教師もかわいいじゃないか。そこに座っておとなしくしているんだ。いいな」
「・・・はい」
私の口が勝手にそう答え、私は応接用のソファに腰掛ける。
な、なんで?
いったい私は?
「今から俺がこいつの心の地図を塗り替えるところを見ているんだ。次におまえにもしてやるからな」
「はい」
また私の口が勝手に?
心の地図?
塗り替える?
いったいどういうことなの?
「くっ! か、彼女には・・・」
「無駄だ。お前はもう立てない。動きは封じた。おとなしく俺のものになるしかないのさ」
学園長が苦悶の表情を浮かべながら椅子から立ち上がろうとしている。
でも立てないのだ。
おそらく学園長も私と同じように躰の自由が利かないのだろう。
私も立ち上がって何とかしようとは思うものの、躰は一向に立ち上がろうとしてくれないのだ。
いったい私の躰はどうなってしまったというの?
「マップオープン」
男が学園長の額に向かって手をかざす。
すると、学園長の額の上の空間に長方形の地図のようなものが浮き上がる。
まるで複数の色で塗り分けられた世界地図のようなものだ。
えっ?
何なのあれ?
どうしてあんなものが?
「こ、これは?」
目を丸くして驚いている学園長。
「これはお前の心の地図さ。お前の心の中で何がどれだけの範囲を示しているかがわかるというわけだ。例えばこの海のように広がっている水色の部分。これはお前の社会性や道徳心を示している。結構広い範囲に広がっているから、あんたは正しさや公正さを重んじる人なんだろう」
男が学園長に説明する。
私の位置からは斜めでやや死角になっているので男の詳しい表情まではわからないが、その口元にはゆがんだ笑みが浮かんでいるようだ。
「わ、私の心?」
「そうだ。この水色の部分をこうやって、俺に対する盲目的な服従と崇拝を示す黒に塗ってしまうとどうなるかな?」
「えっ?」
えっ?
学園長の声は私の声だ。
黒に塗る?
色を塗り替えるなんてできるというの?
この男はいったい何者なの?
男が右手の人差し指を、男が心の地図と呼んでいるものに置いてその表面をなぞっていく。
すると、水色の部分が指の動きに合わせて黒く染まっていく。
「はひぃ? あ・・・あああ・・・い、いや・・・」
学園長が突然目を見開いて苦悶の表情を浮かべる。
「が、学園長・・・」
私は必死に躰を動かそうとするが、躰は全く動いてくれない。
かろうじて声だけが出せたので、何とか学園長に声をかける。
わずかの間に地図からはすっかり水色の部分がなくなり、そこが真っ黒に塗りつぶされてしまう。
あれが本当に心の地図だったとして、塗りつぶされてしまったらどうなるの?
学園長はどうなってしまったの?
「学園長・・・」
私は再度か細い声しか出せない中で学園長を呼ぶ。
「はあ・・・はああ・・・」
苦しそうに肩で息をする学園長。
だが、すぐにその呼吸が落ち着いていく。
「はあ・・・はあ・・・ふふ・・・うふふふふ・・・」
学園長の顔に笑みが浮かぶ。
「学園長?」
「ああ・・・心配はいらないわ、三竹先生。もう大丈夫だから」
私に向かってほほ笑む学園長。
だが、その笑みがいつもと違うことに私は気が付いた。
何かとても冷たい笑みのように感じたのだ。
「どうかな? 俺の言うことがわかっただろう?」
「はい。あなた様はとても素晴らしいお方です。先ほどまでのご無礼をどうかお赦しください」
うっとりとした表情を浮かべて男を見上げる学園長。
まさか・・・そんな・・・
本当に心が塗りつぶされて書き換えられてしまったというの?
「ふふふふ・・・まあ、お前にはこれからいろいろと俺の手駒になってもらわなくてはな。ほかにもいくつか塗りつぶさせてもらうぜ」
「はい。どうぞご自由になさってくださいませ。私の心はあなた様のものです」
学園長のあまりの変化に私は愕然とする。
そんな・・・学園長が・・・
いったいどうしたら・・・
男は次々と学園長の心の地図を塗り替える。
家族に対する愛情を表すというピンクを無関心の白に。
学園の生徒たちに対する慈愛の紫色を性的欲望を表す黄色に。
そして清楚さを好む赤を淫靡さを好む藍色へと塗り替えていったのだ。
もはや学園長の心の地図は、最初の色合いとは全く違う色合いへと変わってしまっていた。
「これでいい。躰の自由を戻してやろう」
地図の塗り替えを終わった男は、再び手のひらをかざして地図を消す。
そして学園長の額を指先でつんと突いた。
「あん・・・ありがとうございます。その・・・ええと・・・」
「俺のことはご主人様と呼べ。いいな?」
「はい。かしこまりましたご主人様」
席を立ち、男の足元で三つ指をついてひれ伏す学園長。
その様子に男は満足しているようだった。
「さて、今日からこの学園は俺が支配する。いいな?」
「もちろんです、ご主人様。父から受け継いだこの学園は今日からご主人様のものです」
うっとりと男を見上げほほ笑んでいる学園長。
昨年この学園を先代学園長の急死によって受け継いだ時、この学園は父の宝だったので、しっかり受け継いでいくと言ったあの学園長は消え去ってしまっていた。
「お前にはいろいろと俺の手足となって働いてもらう。いいな?」
「はい、もちろんです。ご主人様」
「ではそろそろ朝の職員会議の時間だろ? 行ってこの女が遅れる旨伝えてこい」
男が腕時計を見て、私の方に目を向ける。
「かしこまりましたご主人様。職員会議に出て三竹先生は遅れると伝えてまいります。うふふ・・・」
「が、学園長・・・」
私が何かを言おうとする間もなく、スッと立ち上がり、私の方を見もせずに部屋から出て行ってしまう学園長。
「あ・・・」
もうあの学園長は先までの学園長じゃない・・・
私はそのことを思い知らされる。
「さて、三竹先生って言ったね?」
男が私の方にゆっくりと近づいてくる。
「あ・・・」
「なに、怖がることはない。学園長を見ただろ? すぐに君も俺のことを崇拝するメスになる。ふふふふふ・・・」
男がスッと手を上げる。
「いやっ! いやぁぁぁぁっ!」
私は必死にそう叫んでいた。
******
すがすがしい朝。
今日もまた一日が始まる。
うふふふふ・・・
今日も楽しい一日になりそう。
私は思わず笑みが浮かぶ。
「おはようございます」
「おはようございます、先生」
かわいい生徒たちが朝の挨拶をしてくる。
「おはよう。今日も早いわね」
私も笑顔で生徒たちにそう答える。
もちろん品定めも忘れない。
私の出勤時間と同じくらいに登校する生徒たちはもうほとんど把握したはずだけど、どこかに見落としがあるかもしれないものね。
やはり容姿のいい娘は高値が付くとご主人様もおっしゃっておられるし。
獲物の選定は私たちに任せるとのうれしいお言葉ですもの、しっかり品定めをしなくちゃ。
殿方に喜んでいただけるメスを用意しないとね。
あの日から二ヶ月余り。
あの日を境に私は以前の私ではなくなった。
素晴らしいご主人様にお仕えするメスとして生まれ変わったのだ。
そのことが私にはとても誇らしく、またうれしい。
今の私はご主人様のために生きるメス。
ご主人様のためなら何でもするの。
そうすればご主人様に喜んでいただけるのだから。
ああ・・・
ご主人様のことを思うだけで幸せな気持ちになれるわぁ。
あら?
見かけない娘がいるわ。
うふふ・・・容姿的には合格ね。
そろそろ今の娘も手を離れそうだし、次はあの娘でもいいかも。
うふふふふ・・・
「おはよう。えーと・・・」
私はその娘に声をかける。
「あ、おはようございます三竹先生。二年C組の小野原(おのはら)です」
二のCか、どうりであんまり見ない娘だと思ったわ。
Cの授業は吉原先生の担当ですものね。
「あんまりこの時間には見ないようだけど、今日は早いんじゃない?」
「あ、はい。今日はテニス部の朝練があって」
なるほど。
テニス部の娘なのね。
でも、テニスなんかよりももっといいことを教えてあげるわ。
うふふふふ・・・
私は彼女と別れると職員玄関へと向かう。
これからが楽しみだわ。
早速学園長に報告しなくては。
もちろんご主人様にも。
「失礼します。三竹です」
「あら、おはよう。朝からこっちに顔を出すなんてどうしたの?」
私が学園長室に入ると、床にぺたんと座っていた学園長が顔を上げる。
どうやらご主人様にフェラチオをしていたらしい。
口の端に注いでいただいたばかりの精液がちょっと付いている。
私もお昼休みにいただかなくちゃ。
「おはようございます、ご主人様、学園長。先ほど次のメスにふさわしい娘を見つけましたのでご報告に」
「あらそう。じゃあ資料を用意して提出してちょうだい。どんな娘か楽しみね」
立ち上がってご主人様のそばに行く学園長。
形よい胸を露出した真っ赤なボンデージ姿がとてもお似合いでうらやましい。
脚もすらっとしてて、太ももまでのブーツがとても映えている。
ご主人様が好みとおっしゃるのも無理はない。
もちろん学園長も今では旦那さんも子供もどうでもよくなり、ご主人様のためだけに尽くしている。
「はい。用意しておきます」
「あ、そうそう。新しいパンフレットのデザインができたのよ。見て頂戴」
私が立ち去ろうとすると、学園長は机の上にあったパンフレットのデザインを私に渡してくる。
今度印刷する予定の学園の新しいパンフレットだ。
『21世紀の新しいメス奴隷育成を目指して』
学園の写真をバックに大きな文字が載せられている。
『当学園では、お客様の細かいご要望にも応じた21世紀型のメス奴隷を安定的に供給いたします』
『清楚、従順、高技術はもちろんのこと、サディスト、マゾヒスト、淫乱などもご要望に応じしっかりとした授業を行います』
『ぜひ、当学園のメス奴隷をお試しください。きっとご満足いただけるはずです』
うちの生徒たちがいかに優秀なメス奴隷であるかを訴えるものになっているのね。
担当教師として学園長と私の写真まで。
ボンデージ姿で生徒に授業を行う写真が載っているわ。
「それを裏社会に撒いていく。需要はあるだろうからな。高値で売れるようなメス奴隷を作ってくれよ」
応接用のソファに座ったご主人様がにやりと笑う。
「かしこまりました」
「お任せくださいませ、ご主人様」
私は改めて身が引き締まる思いでご主人様に頭を下げた。
******
「それでは失礼します」
放課後、私は雑務をほかの先生に押し付けて職員室を出る。
これは学園長が私に与えてくれた特権。
もちろん学園長にそう命じたのはご主人様に他ならない。
それに・・・今では学園長に意見するような教師は、ご主人様に地図を塗り替えられ、学園長の言いなりにするようにされている。
この学園はご主人様のもの。
ご主人様のために存在するのよ。
ボイラー室のわきにある備品倉庫。
今ではここは私たちの新たな教室になっている。
もちろん、だれもが自由に入れる場所ではない。
ご主人様と学園長、それに私が認めた生徒たちだけが入ることができる特別教室だ。
『誰?』
私が入り口をノックすると、中から学園長の声がする。
もうすでに始まっているようだ。
「私です。三竹です」
私がそう返事をすると、中から鍵が開けられる。
そしてドアが開き、朝と同様真っ赤なレザーのボンデージを着た学園長が出迎えてくれた。
「お疲れさま。早く着替えてらっしゃい」
「はい、学園長」
私は学園長のわきを通り抜け、用意されたロッカーで服を着替えていく。
スーツを脱ぎ捨て、本当の私へと変身するの。
うふふふふ・・・
躰にぴったりした黒革のボンデージタイプのレオタード。
胸の部分がくり抜かれていてあらわになってしまうけど、むしろそれが誇らしくさえ感じちゃう。
両手には二の腕までもの長さのある黒革の長手袋。
そして両脚には太ももまでのロングブーツを履いていく。
うふふふふ・・・
ロッカーの鏡に映る本当の私。
さあ、今日もしっかり生徒にメス奴隷としての喜びを教えてあげないとね。
私は乗馬鞭を手に教室内へと入っていく。
すでにそこにはご主人様と学園長がいて、学園長に促されご主人様の靴を舐めているメス奴隷が一人。
もう一人は、私の授業を今か今かと待ち望んで、首輪だけの姿で正座している。
いい娘ね。
すぐにたっぷりとかわいがってあげるわね。
私はこれからの楽しい授業を思い、ぺろりと舌なめずりをする。
さあ、殿方に喜んでもらえるメス奴隷となるための授業を始めましょうか。
うふふふふ・・・
そう・・・
私の仕事は教師なの。
END
いかがでしたでしょうか。
よろしければ感想コメントなどいただけますとありがたいです。
明日はシチュのみ超短編SSの二本目を投下しようと思います。
どうぞお楽しみに。
それではまた。
- 2019/07/18(木) 21:00:47|
- 催眠・洗脳系
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