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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

サソリ女の暗躍

先日投下いたしました超短編シチュのみSS「サソリ女の誕生」の続編というか夫を始末するシーンを書きましたので投下いたします。

虫も殺せないような人が改造されて怪人になってしまい、嬉々として残忍なことをするというのは皆さんお好きでしょうか?
私は大好きなので、こういうシーンを書いちゃいました。
私同様にお好きな方に楽しんでいただければと思います。(*´ω`)

それではどうぞ。


サソリ女の暗躍

カツカツと廊下に硬い足音が響く。
外骨格がハイヒールのブーツのような形になった彼女の足が立てる音だ。
それが何だかうれしく感じる。
自分の躰が硬いことの証明だからだ。
大きな鋏のようになった右手も、動かすとカチカチと硬質の音を立ててとても気持ちがいい。
早くこの鋏で人間の首を挟んでねじ切りたいものだと思う。
「キシュシュシュシュ・・・」
サソリ女は思わず笑みを浮かべていた。

「キィー!」
廊下にいくつかあるドアのうちの一つに、全身を黒尽くめの躰にフィットした全身タイツで覆った男が一人立っている。
この闇結社ヘルザロンの尖兵たる戦闘員の一人だ。
彼女の部屋を示してくれているのだろう。
右手を斜めに上げて彼女に敬礼する戦闘員を見ると、あらためて偉大なるヘルザロンの一員となった喜びを感じてくる。
彼女は選ばれた改造人間であり、彼ら戦闘員の上位に立つ存在なのだ。
彼らを生かすも殺すも彼女次第であり、そのことがサソリ女のプライドをくすぐってくる。

「ご苦労様。キシュシュシュ・・・」
サソリ女は戦闘員にそう言うと、示されたドアを開けて部屋に入る。
そこは簡素だが清潔な部屋になっていて、普段過ごすには何の問題もなさそうだ。
彼女はそのままベッド脇にある姿見のところへ足を進める。
そこに映るのは生まれ変わった自分の姿。
茶褐色の硬い外骨格に覆われた躰は、少々の攻撃にはびくともしない。
拳銃やライフルの弾程度では傷つきすらしないであろう。
右手の鋏は人間の首くらい簡単にへし折ることができるだろうし、お尻から伸びる毒針は象さえも殺す。
そのことが彼女にはわかっていた。
彼女は生まれ変わったのだ。
偉大なるヘルザロンの改造人間に。
そのことが彼女はとても誇らしかった。
だが・・・

サソリ女は腕を顔の前でクロスするようにしてゆっくりと下ろしていく。
擬態モードにチェンジするのだ。
ポーズと意識によるスイッチとで擬態モードが発動し、彼女を以前の改造される前の姿へと変えていく。
擬態モードは改造人間の姿を人間のように見せ、周囲に怪しまれないようにさせるもので、潜入や暗殺などの活動には欠かせない。
彼女が改造されたのも夫である地境亮一の暗殺のためであり、そのためには元の地境美知恵の姿に擬態することが一番確実であるのだから、そうするのだ。

ゆっくりと腕を下ろし終わった彼女の姿は、改造される前の地境美知恵の姿そのものとなっていた。
もっとも、その目は冷たく表情は浮かない。
「このような姿・・・任務でなければするものですか・・・」
柔らかく白い肌。
これではほんのちょっとしたことで傷ついてしまうだろう。
力だって弱く、身を守ることさえ難しい。
人間とはなんと醜くひ弱な生き物なのか。
このような存在であったことが呪わしくさえ感じる。
改造人間になれたのはなんと幸運だったのだろうか。
人間になど二度と戻りたくはない。

ベッドの上に畳んで置かれていた服を着る。
それはこのアジトに連れてこられたときに着ていたもの。
同じものでないと、どこでどう怪しまれるかわからない。
サソリ女は服を着て身支度を整えると、任務を果たすために部屋を出た。

「「「キィー!」」」
ワンボックスカーの前で三体の戦闘員たちが敬礼する。
そのワンボックスカーには見覚えがあり、どうやら彼女を連れ去った時に乗せられたもののようだ。
おそらくこの三人も彼女を連れ去ったうちの三人だろう。
あの時の彼女は恐ろしさしか感じなかったはずだが、今の彼女にとっては彼らは使い勝手のいいコマたちだ。
どのように使っても構わないだろう。
「行くわ。車を出しなさい」
「キィー!」
ワンボックスカーの後部シートに乗り込むと、戦闘員たちに命令する。
すぐに黒いワンボックスカーは地下駐車場を出て、夜の街へと走り出した。

                  ******

やがて住宅街の一角に停車する黒いワンボックスカー。
そのスライドドアが開き、中から一人の女性が現れる。
「あなたたちは待機していなさい。いいわね」
「キィー!」
車の中にそう言うと、彼女はかつての我が家へと歩き出す。
「ふふ・・・懐かしの我が家・・・か・・・今は懐かしくもなんとも思わないけどね」
くすりと冷たい笑みを浮かべる彼女。
以前の地境美知恵ならばそのような表情を浮かべることはまずなかっただろう。

玄関の呼び鈴が鳴った時、地境亮一は脱兎のごとく玄関へと飛びだしていた。
こんな時間になるまで妻の美知恵が帰っていないなど、普通では考えられなかったからだ。
もし今晩一晩戻ってこないようなら、警察に行くことも考えていたぐらいだったのだ。
だから、玄関を開けてそこに妻の美知恵が立っているのを見た時には、思わず安堵の溜息を洩らしたぐらいなのだった。

「美知恵・・・よかった・・・よかった・・・」
「遅くなってごめんなさい、あなた」
しおらしくうつむいて見せる美知恵。
「うんうん。とにかく入って。話はあとだ」
「ええ、そうね」
美知恵は夫の後について家の中に入る。
そしてそのままリビングに行くと、亮一はぐったりとソファに深く腰を下ろした。
「よかったぁ・・・もしかして事故かなんかに巻き込まれたんじゃないかと心配したんだ。無事でよかった」
「ふふふ・・・ええ、大丈夫よ。私は何の問題もないわ」
「うん、よかったよ。でも、どうしてこんなに遅くなったんだい?」
亮一にとっては気になるところだ。
いったいなぜこんなに遅くなったのか?

「ふふふ・・・それはね、とても念入りにじっくりと改造手術をしていただいたおかげなの。だから時間がかかってしまったのよ」
リビングの入り口に突っ立ったままで笑みを浮かべている美知恵。
「えっ? 手術? 手術っていったい?」
「うふふふ・・・私は偉大なる闇結社ヘルザロンによって改造手術をしていただいたの。おかげで私は改造人間に生まれ変わったのよ」
「な、何を言ってるんだ?」
いつもと違う様子の妻に戸惑う亮一。
いったいどうしたというのだろうか?
「私はもうくだらない人間などではないわ。今本当の私の姿を見せてあげる」
そう言って彼女は服を脱ぎ始める。
「み、美知恵・・・いったい?」
突然服を脱ぎ始めた妻に驚き、思わずソファから立ち上がる。
「うふふふふ・・・見て、これが今の私の本当の姿よ。キシュシュシュシュ・・・」
何もかも脱ぎ捨てた美知恵は、両腕を顔の前でクロスするようにしてゆっくりと下ろしていく。
擬態モードが解除され、彼女の躰がみるみる外骨格に覆われていく。
亮一があっけにとられている間に、美知恵の躰は元のサソリ女の姿へと変貌していた。

「キシュシュシュシュ・・・」
「わぁっ! ば、化け物!」
思わず叫ぶ亮一。
目の前で美しかった妻がサソリの怪物になってしまったのだ。
「失礼な男ね。この素晴らしい躰が化け物ですって? 私から見れば人間の方がよほど醜い生き物だわ。キシュシュシュシュ・・・」
口元に笑みを浮かべ、ゆっくりと亮一に近づくサソリ女。
「み、美知恵は・・・美知恵はどうしたんだ?」
「キシュシュシュシュ・・・言ったでしょ。地境美知恵などという女はもういなくなったわ。私は生まれ変わったの。今の私は闇結社ヘルザロンの改造人間サソリ女よ!」
「そ、そんな・・・」
じわじわと近づいてくるサソリ女ににらみつけられ、亮一は身がすくんでしまったのか足が動かない。
「私の使命はヘルザロンの邪魔者であるお前を始末すること。お前が生きていては邪魔なのよ」
「や、やめろ! やめてくれ!」
必死に後ずさる亮一。
だが、すぐに壁に背中が付いてしまう。
「キシュシュシュシュ・・・無駄よ。お前はすでに私の姿を見た。ヘルザロンの改造人間の姿を見たものは生かしてはおかないわ」
サソリ女の右手が突き出され、亮一の首を挟み込む。
「ぐ、ぐわぁっ!」
「キシュシュシュシュ・・・このまま首をねじ切られるのと、象をも殺す猛毒の毒針に刺されるのとどっちがいいかしら?」
「た・・・助け・・・」
何とか鋏を外そうと必死に両手でサソリ女の腕をつかむ亮一。
「おしゃべりはここまでよ。お前には感謝しているわ。お前の妻だったおかげで、こうして私はヘルザロンの改造人間にしていただくことができたんですもの。ありがとう。うふふふふ・・・死ねっ!」
ひゅんと音を立て、サソリ女の尻尾が亮一の首筋に突き刺さる。
「グハッ!」
毒針から毒が注入され、見る間に顔色が紫色となって腫れあがり、口から泡を吹いて絶命する亮一。
「うふふふふ・・・私の毒の味はどうだったかしら? キシュシュシュシュ・・・」
掴んでいた鋏を外し、床に転がった死体を蹴り飛ばすサソリ女。
死体はすぐにぼこぼこと泡立ちはじめ、どろどろになって溶けていく
やがてじゅうたんに人型の跡と着ていた服が残るだけで、亮一の死体はきれいさっぱりと消え去ってしまった。
「キシュシュシュシュ・・・死体がなくなれば人が殺されたとは誰も思わない。夫婦でどこかへ行ったものと思うでしょうね」
サソリ女は満足そうにそう言うと、かつての我が家を後にして新たな自分の居場所へと戻るのだった。

エンド

いかがでしたでしょうか?
今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2019/05/18(土) 20:15:36|
  2. 改造・機械化系SS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
<<決死の反撃がドイツ軍を打ち破る | ホーム | 涙よー海へ帰れーーー♪>>

コメント

改造されてしまった女性が悪の怪人として活躍する姿は良い物ですね~。
改造前とのギャップを楽しむ事が出来て本当に良いです。
亮一さんが着ていた服は不審な点を残さない為に後で戦闘員が処理するんでしょうね。
執筆お疲れ様でした!
  1. 2019/05/18(土) 21:59:03 |
  2. URL |
  3. MAIZOUR=KUIH #gCIFGOqo
  4. [ 編集]

おおっ!やっぱりこういう展開は堪りませんねぇ。

かつての自分が知ったらどれほど嘆き悲しむことか。それを平然と、いや、悦びすら感じて実行するこの凶悪な変貌ぶり、最高です。

続編、ありがとうございました!
  1. 2019/05/18(土) 23:32:20 |
  2. URL |
  3. 満ゲツ #-
  4. [ 編集]

>>MAIZOUR=KUIH様
もとは優しかったであろう女性が冷酷な悪の怪人になっちゃうのっていいですよねー。
服に関しては、脱ぎ散らかされたように見える服だけが残されていても、それほど不審がられなさそうなので、おそらくそのままかと。

>>満ゲツ様
悪に染まって冷酷なことを平気でしちゃうのはたまらないですよねー。
こういうの大好きなのですー。(*´ω`)
  1. 2019/05/19(日) 18:05:48 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

遅くなりましたがお疲れ様でした。
続編も書いてくださるとはありがたやー。

いつも以上に改造後の意識の変化が描かれたいへん美味しい。
戦闘員へのエリート意識とかあまり見ないので新鮮。
恐れてた戦闘員一気に飛び越してコマ扱いとは改造人間様々ですなあ。
夫への冷徹さもいいなー、再会して即処分!
きっと改造人間の背景にはこんなドラマがたくさんあるのだろうなあ。
ありがとうございました!
  1. 2019/05/24(金) 08:25:09 |
  2. URL |
  3. くろにゃん #rC5TICeA
  4. [ 編集]

>>くろにゃん様
コメントありがとうございますー。
改造人間の傲慢さみたいなものが出ていれば幸いですー。
(´▽`)ノ
  1. 2019/05/25(土) 21:00:38 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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