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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

二式で錦を飾る

高校野球決勝戦が終わりました。
最後まであきらめなかった佐賀北高校に勝利の女神が微笑みました。
八回の満塁ホームランはすごかったですね。
あそこで誰もが出たら・・って思い、誰もが出るとは思わなかったでしょう。
両校ともお疲れ様でした。
広陵残念でしたね。

さてさて、昨日は米軍のPBYカタリナを取り上げましたが、いつもコメントを下さる空風鈴様が二式大艇についてコメントを残してくださったので、今日はその二式大艇を取り上げたいと思います。

川西財閥が中島飛行機から技術者を引き抜く形で作られた川西航空機株式会社が作り上げた傑作飛行艇、それが九七式大型飛行艇(九七大艇)でした。

エンジン四機を搭載した翼をカタリナと同じようにパラソル式に胴体の上に取り付けた九七大艇は、爆弾2トンも搭載でき、長距離哨戒能力にも優れた優秀な大型飛行艇でした。

しかし、航空機の発達により、早晩九七大艇も陳腐化するであろうことを考慮した海軍は、九七大艇をさらに上回る能力を備えた大型飛行艇の製作を川西航空機に命じます。

これはもう、零戦と同じく当時の航空機の限界を大幅に超える注文でありました。
最大時速385キロの九七大艇も当時は高速と言われたものでしたが、新型飛行艇に求められたのは最高時速444キロ以上というものであり、これは海軍の当時の主力戦闘機九六式艦上戦闘機と同等というものでした。
航続距離も偵察時で7400キロメートル、爆弾搭載時でも6500キロメートル以上が求められ、これは双発爆撃機である一式陸上攻撃機や米軍の重爆B-17よりも五割増しという途方も無いものでした。
さらに自機防御用に20ミリ機関砲を搭載することや防弾装備をすることなど、まったくもって無茶と言える要求だったのです。

しかし、川西航空機はこの要求をほぼクリアする優秀な大型飛行艇を完成させました。
九七大艇を設計した菊原静男技師を中心とした川西航空機の設計班がやり遂げたのです。

昭和16年に初飛行したこの大型飛行艇は、二式大型飛行艇(二式大艇)と命名され、日本海軍の長距離哨戒機兼攻撃機として配備されます。

昭和17年3月には、ハワイ真珠湾を二式大艇三機が空襲。
その長距離攻撃能力を遺憾なく発揮します。

さらに搭載した20ミリ機関砲で敵大型機と空中戦を行なうこともあり、哨戒中のカタリナや、B-17などと銃撃戦を交わし、撃墜したことも少なくなかったと言います。

しかし、やはり制空権の無い空では戦闘機の集中攻撃を受けることが多くなり、戦争後半は多くが撃墜されてしまいました。
終戦時にはわずか四機が残るのみだったと言います。

カタリナと違って優秀なレーダーを持つこともなく、連合軍の潜水艦にとっての脅威とはなりえませんでしたが、日本軍の数少ない長距離哨戒、輸送、攻撃のできる大型機であり、日本の大型航空機の中ではもっとも優秀な機体といえるかもしれません。

二式大艇は戦後使われることはありませんでしたが、カタリナとはまた違った戦後の歩みを残しました。

川西航空機は戦後新明和工業となり、二式大艇の設計を手がけた菊原技師の手で戦後の日本の対潜哨戒飛行艇であるPS-1が作られるのです。

二式大艇で得られた技術を最大限に取り入れたPS-1は世界でも最優秀と言える飛行艇であり、電子装備の陳腐化により対潜哨戒機としての役目は終えましたが、高い波でも離着水ができる二式大艇譲りの能力は救難飛行艇として最適で、海上自衛隊はUS-1として導入。
離島などからの患者輸送や、遭難船舶からの人命救助等大活躍をしていることは皆様ご存知の通りです。

さらに新明和工業は後継機としてUS-2を開発。
二式大艇は今に至るまでその系譜を保ち続けているのです。

カタリナとは違いましたが、二式大艇も優秀な飛行艇でした。
しかも、攻撃ではなく森林火災消火用や、救難用として命脈を保っているというのが、何か嬉しくなりますね。

それではまた。
  1. 2007/08/22(水) 20:37:51|
  2. 趣味
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

くっ!さすがに駄洒落の切れが違いますね(苦笑)
でもネタにしてくださってありがとうございます。
いやしかしほんと、二式大艇ってもっと脚光を浴びてよい機体だと思いますよ。
飛行艇という機種は目立たないせいで地味な印象ですけど、世界水準をはるかに超えた性能とその先進性という点で見れば文句無く
「大戦期の日本の航空機の中で最もインパクトのあった機体」
ですよね。
大戦期の日本の航空技術の粋にして最高傑作といってよいのでは?

今もその系譜を伝えてるってのがまた嬉しいですね。
優れた機体はいかに敵を苦しめたか?で評価される兵器としてより、どれだけの命を救ったか?で評価される存在であって欲しいもんです。
  1. 2007/08/22(水) 23:17:42 |
  2. URL |
  3. 空風鈴ハイパー #-
  4. [ 編集]

決勝戦は本当に手に汗握りました・・。
8回裏の逆転満塁ホームランが出たときには
思わず「おおおおお」と叫んでしまいました。
佐賀北ナイン、本当にお疲れ様と言いたいですね。
  1. 2007/08/23(木) 00:09:20 |
  2. URL |
  3. grendy #-
  4. [ 編集]

西の名機のあとは、東の名機。バランスがいいですね。
最後の一節が、ぐっと引き締めています。
で、タイトルに目をやると、あらー ^^;
第3弾を期待しています!
  1. 2007/08/23(木) 00:17:04 |
  2. URL |
  3. うおP #-
  4. [ 編集]

>>空風鈴ハイパー様
いえいえ、お代官様にはかないません。(笑)
日本の航空産業は当時も今もそれほど劣るものでは無いと思います。
新明和のUS-2は救難機として諸外国にも売り込みたいとのことですので、採用する国があればいいなと思いますね。

>>grendy様
審判の判定にいろいろと思うことがあるようですが、判定が不利だったから打たれた、有利だったから打てたというものでもないと思います。
運も実力のうち。
佐賀北は運を引き寄せることができ、広陵は運をつかめなかったということでしょうね。
両校の戦いは球史に残ると思います。
佐賀北おめでとうございました。

>>うおP様
駄洒落タイトルはなかなかできるものではないですから。(笑)
第三弾は何にしましょ。
  1. 2007/08/23(木) 21:08:59 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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