先日記事にいたしましたコマンドマガジン日本版45号付録の「ロボジッツ」を、昨日ソロプレイしてみましたので、ちょっと会話ふうにアレンジしてリプレイ記事をば投下してみますー。(*´ω`)

「余はフリードリヒ二世。銀河帝国の皇帝フリードリヒ四世とは違うぞ。のちの世では『大王』とも呼ばれる18世紀のプロイセン王国の国王である。とはいえ、七年間も戦争を続けた『七年戦争』などいくつもの戦争を繰り返した王であるため、国民にとって良い王であったかどうかはわからぬ。できれば余も『一年戦争』ぐらいにとどめておきたかったのだが、当時はまだモビルスーツなどなかったのでな・・・」

「大王様、セットアップが完了いたしました」
「おお、ご苦労。この『ロボジッツ』はな、『七年戦争』のわりと序盤の1756年に行われたプロイセンとオーストリアとの間に起こった『ロボジッツの戦い』をシミュレートしたウォーゲームでな、我がプロイセンが勝利を飾った戦いなのだ。と、これはいったいどういうことだ?」
「どうかなされましたか大王様?」
「どうかなされたかではない! これでは敵も味方も何が何だかさっぱりわからんではないか?」
「ご安心ください大王様。青いユニットが我がプロイセン軍です」
「いや、これではどのユニットが歩兵か砲兵か騎兵かわからんではないか。どうしてこんな裏返しの初期配置になっているのだ?」
「これは当時戦場は深い霧が立ち込めていたようでして、両軍とも敵が近くにいることはわかっていたものの、どのような布陣をしていたかまではわからなかったことをシミュレートしているのでございます」
「霧か・・・では霧が晴れるまで待とうではないか。そうすれば両軍ともユニットが表になってはっきりするであろう」
「大王様、それはなりませぬ。史実の大王様はこの霧が立ち込める中で戦端を開いたのでございます」
「何てことしてくれんの? 当時の余は」

「大王様、ご覧ください。午前9時のターンをもって我がプロイセン軍が霧の中を前進し始めました」
「うむ。史実が霧の中で始まったというなら仕方がない。わが精兵たちをもってオーストリア軍を叩きのめすのみ。とはいえ、敵ユニットの戦力もわからんというのは不安ではあるな」

「大王様、敵と接触および丘の最頂上部のみ霧が晴れたため、敵ユニットの正体が判明いたしましたぞ」
「うむ。だがあの赤いユニットはなんだ? まさか三倍速いとか三倍強いとかいうのではあるまいな?」
「あれはオーストリア陣営に属するクロアチア軍ですな。特別ルールでほかの軍のユニットが自軍ターンに移動か射撃かしかできないのに対し、クロアチア軍ユニットだけは移動・射撃、射撃・移動、移動・移動、射撃・射撃と選べるようになっております」
「むう・・・だが1戦力ではそう大したことはあるまい」

「大王様のおっしゃる通りですな。我が軍の攻勢射撃とそれに続く白兵戦でクロアチア軍一ユニットを撃破し、一ユニットを潰走させましたぞ」
「当然であるな」
(この時点でルール間違ってました。移動後には攻勢射撃はできません。移動していない歩兵及び砲兵ユニットのみ攻勢射撃が行えます)

「続いてオーストリア軍のターンとなりました。オーストリア軍の司令官ブロウネ伯は早速前衛歩兵部隊を我が軍の前衛にぶつけてきましたぞ」
「ふっふっふ、今ルール間違いを把握したぞ。移動後には移動したユニットは攻勢射撃はできないのだ。逆に我が軍の防御射撃で返り討ちにしてくれる」
「大王様、オーストリア軍より軍使が到着しました。初期配置からやり直すべきだと・・・」
「バカめと言ってやれ!」
「は?」
「バカめだ!」
「はっ! オーストリア軍使へ! バカめ! バカめ! 以上!」

「大王様! 我が前衛歩兵部隊の防御射撃でオーストリア軍はかなりのダメージを受けましたぞ。しかし、その後の白兵戦に置いてはほぼ痛み分けとなり、双方ともに士気崩壊して潰走する部隊がいくつか出てしまいました」
「むう・・・あの数字やアスタリスクのマーカーは何なのだ?」
「はっ、数字はダメージを受けて失われた戦力となります。あの数字がユニットの戦闘力と同じになれば、ユニットは戦闘力を喪失したとして除去となります。アスタリスクは士気崩壊して潰走中を示すもので、のちの回復フェイズにおいて回復できればマーカーは外れますが、ずっと回復できなければそのまま盤端から逃げて行ってしまいます」
「回復が重要というわけだな」
「しかも、士気崩壊して潰走したユニットは、味方をも巻き込んで潰走していくので、連鎖的に潰走してしまうことも起こりえます」
「このころの戦闘らしいのう」

「次はわが軍の二ターン目だな。午前9時半というわけだ。それにしても霧はまだ晴れないのか?」
「平地まで完全に霧が晴れるのは12時の7ターンまで待たねばなりません」
「まだかなり先ということか・・・」

「第二ターンの両軍の動きです。大きな動きはありませんでしたが、潰走したオーストリア軍を追って我が軍の一部が突出したほか、オーストリア軍のターンに水色のハンガリー軍騎兵が我が軍に攻撃を仕掛けてきたぐらいでしょうか」
「ここでゲーム上では午前10時だがお昼になったんだったな。120シリーズとは120分でゲームが終わるのではなかったのかね?」
「セットアップを金曜日に済ませていたのに、すでにこの時点でゲーム開始から二時間ですね」

「大王様、大変です! 我が軍の第三ターンとなったので、前衛歩兵部隊に敵に接敵を命じましたところ、なんと敵の第二陣は砲兵部隊でした」
「砲兵など蹴散らせばよいではないか!」
「しかし、砲兵は射程が短いほど火力が増加します。隣接ヘクスですとその火力はユニットに印刷された数値の3倍ですぞ!」
「なんと! あの赤いユニットなど問題にならないではないか! 赤い三倍野郎はこいつらだったのか!」

「敵の砲兵の防御射撃を食らい、我が軍前衛はかなりのダメージを負ってしまいました。しかし、ダイス目が軒並み悪かったのが救いでしたな」
「うむ。砲兵は火力は大きいが白兵戦になると士気値が足されないうえに後退もできない。なのでダメージを負った歩兵部隊や騎兵部隊が決死の白兵戦で敵砲兵を蹴散らすということも起こるわけだ」
「今回も痛いダメージでしたが、敵砲兵もかなり除去いたしました」

「大王様、四ターン目まで終了しました。小川のこちら側はほぼ敵軍を駆逐し、残った敵はごく少数です。ロボジッツ村も大半を占領することに成功しました。しかし、この状況になっても小川の向こうのオーストリア軍が動きませんな」
「あれはルールで動けないのだ。霧が平地まで完全に晴れるか、小川の隣接ヘクスにプロイセン軍ユニットがやってこないと動けないとルールに書いてある」
(厳密には小川を超えられないだけで、小川を超えなければ移動しても問題ない)
「ブロウネ伯は歯噛みしているでしょうな」
「とはいえ、こちらも戦力が結構減らされた。無傷のオーストリア軍本体相手は結構きついぞ。今のうちにオーストリア軍を迎え撃つ体制を整えるのだ」
「はっ!」

「うーむ・・・第5ターンになったというのに一向に霧が晴れん! 小川の向こうではドンパチ戦いの音が聞こえてくるというのに状況がさっぱりわからん! これでは動けないではないか!」
「ブロウネ伯! 大変です! 小川の対岸にプロイセン軍が現れました! 我がオーストリアのターンですがいかがいたしましょう?」
「いかがいたしましょうだと? やっと敵が現れたのではないか! ようやく我らの出番が来たぞ! 者ども! 我らオーストリアの栄光のために前進!」
「ブロウネ伯! すでに対岸には敵の砲兵が待ち構えて!」
「なんだと!!」

「大王様! オーストリア軍主力が反撃に出ました! 小川を超えてこちらに向かってきます!」
「敵が小川と湿地に足を取られているところを砲撃するのだ。先ほどのお返しをしてやれ!」
「おお、オーストリア軍にかなりのダメージを与えましたぞ!」

「ブロウネ伯! 我が軍は小川を超えようとしたところで次々とプロイセン軍の砲撃や防御射撃を受け大きなダメージを負ってしまいました。もはや戦力は少なく、ロボジッツ村を占領し返す望みはごくわずか。潔く投了なさるか、テーブルをひっくり返すしか道はありません」
「不名誉な二者択一だな。テーブルをひっくり返すのは性に合わん。投了するとしよう」
「はっ」
ということで、霧が晴れる前にオーストリア軍が崩壊となりました。
プロイセン軍の勝利です。
初プレイだったのでいろいろとルール的な間違いなどもありましたが、楽しくプレイができました。
でも、120分でプレイするのは難しいぞ。(笑)
今日はこんなところで。
それではまた。
- 2019/02/03(日) 18:00:00|
- ウォーゲーム
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>これでは敵も味方も何が何だかさっぱりわからんではないか
オリジナルの「ロボジッツ」ではユニットの裏は全部真っ白でしたので、私はプロイセン軍の裏に青い旗、オーストリア軍の裏に赤い旗を書いてプレイしました。
- 2019/02/03(日) 22:00:01 |
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- 富士男 #-
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各種ネタまみれで楽しく読ませていただきました。
いきなりの霧は再現とはいえ驚きですね、こういうのもあるとは。
当時は本当どうなっていたのかな?
「バカめと言ってやれ!」や赤くない三倍野郎は吹きました。
ルールが変わってるだけにやりがいありそうですなあ。
- 2019/02/09(土) 20:41:01 |
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- くろにゃん #rC5TICeA
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