新年SS「かわいいは正義」の三回目、今日が最終回となります。
これまでも書いてきましたが、「男の子同士」のセックスシーンがありますので、そういうのが苦手な方はそっと閉じていただけますようお願いします。
一応折り畳みますが、ツイッター等に連携する場合、折り畳みが意味をなさないことがありますので、ご注意ください。
最後までお楽しみいただければと思います。
それではどうぞ。
カズ君が学校に来なくなった・・・
いったいどうしてしまったのだろう・・・
アパートに行ってみたけど、急に引き払ったって言われてしまった。
いったいどこに?
カズ君がいなくなってしまうなんて大変なこと。
アルファチームはどうなってしまうの?
世界防衛組織もカズ君の行方を見失ってしまったらしい。
定時通信もなく、ファイターブレスの位置測定も無効化されてしまっているみたい。
もしかしたらジャマフィアにつかまってしまったのではないかという話も出ている。
そんな・・・
カズ君がいなくなってしまったら・・・
私はどうしたらいいの?
聡美は不安でたまらない。
もしカズ君がジャマフィアに捕らえられているのだとしたら、一刻も早く救出しに行かなければならない。
でも、どうやって?
どこにいるのかもわからないのに・・・
焦りだけが募る。
今日も昼休みにいつもの校庭の片隅に行ってみる。
和希はいない。
和希のクラスに行っても、ここ数日休んでいるとだけ。
どうしてカズ君から目を離してしまったのか・・・
どうしてなんだかぼんやりしていたのを見過ごしてしまったのか・・・
放課後、いてもたってもいられずに聡美は街中をうろついてみる。
もしかしたら偶然にでもカズ君に会えるかもしれない。
そんなことを考えてしまうほど、聡美は動揺していた。
カズ君がいたからこそつらい訓練も耐えられた。
カズ君と一緒だからこそジャマフィアとの戦いにも耐えられた。
カズ君と一緒だったからこそ、アルファピンクでいられたのだ。
カズ君がいなかったら・・・
私は・・・
「うふふ・・・ねえ、ジャキュート様ぁ、パフェ食べたいと思いませんか?」
ジャキュートの腕を軽く引っ張る和希。
なんだかすごく楽しい。
どうしてボクは今までこの楽しさを知らなかったのだろう・・・
かわいい子がかわいい恰好をするのは当たり前。
ジャキュート様に選ばれたボクがかわいいのは当然のこと。
だからこうしてジャキュート様と楽しく出歩くことができる。
だって、ジャキュート様はかわいい子しかおそばに置かないのだから。
「ふふふ・・・パフェはいいけど、カズキは太るのが怖くないのかい?」
ジャキュートが意地悪くそう尋ねる。
もちろん本気でそう言っているわけではない。
「あうう、ジャキュート様の意地悪。太るのは嫌ですけど・・・かわいいパフェ食べたいです」
ちょっと困ったように口をとがらせる和希。
すっかり女性の格好が似合うようになった和希を見て、ジャキュートは笑みを浮かべる。
こうして街を出歩いても、カズキが男だと思う人間はそうはいないだろう。
今のカズキは学校の女子制服が良く似合っている。
薬の効果で男らしさはすっかり影を潜め、言葉遣いもすっかり女の子のようだ。
家で何度もかわいがったことで、カズキはもう彼の言いなりと言っていい。
ジャキュートのペニスを喜んでしゃぶり、彼にお尻を犯されて喜んでいる。
学校へ行くこともなく、彼の家で一日中女性の衣装を着て過ごしているのだ。
今ではもうその姿こそが自分の本当の姿だと認識しているだろう。
以前のかわいさを拒絶していた和希はもういない。
「わかったよカズキ。じゃあ、あそこのパーラーに行こうか?」
「ありがとうございます、ジャキュート様。ボクあそこのパフェ大好き」
嬉しそうに顔を輝かせている和希。
それがなんとも言えずかわいい。
傍から見ればどう見ても初々しく若い一組の彼氏彼女だろう。
「キャッ」
ウキウキ気分でジャキュートの腕にしがみついて歩いていた和希に、スーツ姿の中年男性がぶつかってしまう。
「おっと、すいません」
男性は礼儀正しく一言謝ると、急いでいたのか足早にその場を立ち去っていく。
その後ろ姿を和希は殺気のこもった目でにらみつける。
「もう・・・最悪・・・」
「カズキ?」
「ジャキュート様・・・ボク・・・赦せないんです。この世界はかわいくないものが多すぎます」
「そうだね。この世界は醜い。だからこそカズキがこの世界を導いていく必要があるんだ」
「はい。ジャキュート様」
ジャキュートは自分の思念波が浸透していることに思わず笑みを浮かべてしまう。
カズキは確実にかわいくないもの、ドロドロしたこの世界を憎み始めている。
そして彼の望み通りに、この世界を崩壊させていくだろう。
そうなればここもジャマフィアの支配下となる。
ジャキュートの手柄がまた一つ増え、コレクションも増えるのだ。
カズキはエル、リアに勝るとも劣らない傑作コレクションになるだろう。
メイドは二人いれば充分だから、カズキには主に戦闘面を担当させようか。
そのためにも・・・
ジャキュートは楽しみだった。
「あっ、あれは・・・」
雑踏の中で見知った人物を見かける聡美。
確かあれはカズ君の後輩で留学生のジャキュートという男子生徒だったはず。
隣には同級生なのか、とてもかわいい女の子を連れている。
デート中だと思うけど、彼ならカズ君のことを何か知っているかもしれない。
聡美はそう思い、ジャキュートに近寄っていく。
「あ、あの、ちょっとすみません」
ジャキュートたちに追いつき、背後から声をかける聡美。
「す、すみません。ジャキュート・・・君ですよね? 確か」
呼び止められて振り向いたジャキュートに改めて確認する。
「ええ、そうですよ。こんにちは淡桃先輩」
にこやかに応えるジャキュート。
その笑顔はやはり見る者を魅了する。
「よかった。実はちょっと聞きたいことが・・・」
「あ、聡美だ。どうしたの? 何か用?」
「えっ?」
突然ジャキュートの隣にいた女の子が自分の名前を言ってきたことに驚く聡美。
「あ・・・えと・・・あなたは?」
「えっ? いやだなぁ、聡美ったら。何かの冗談? ボクだよ。和希だよ」
くすくすと笑う女の子。
「えっ? えっ? えええええええっ??」
思わず驚いて声を出してしまう聡美。
確かに言われてみれば和希の顔に似ている。
それにしても今目の前にいる女の子と、聡美の知っている和希とは違いすぎる。
今目の前にいる女の子は、学校の女子用制服にスカートを身に着け、紺のハイソックスに学校指定のローファーを履いている完璧な女子高生なのだ。
聡美の知っている和希なら、何があったとしてもこんな格好をするはずがない。
「カズ君? 本当にカズ君なの?」
恐る恐る尋ねる聡美。
なんだか信じたくはない。
「そうだよ。いやだなぁ聡美。幼馴染でパートナーのボクの顔忘れちゃった?」
「そんなことない・・・けど・・・」
今の和希はかわいらしすぎるのだ。
躰付きもずいぶんと女の子らしい。
カズ君の妹か何かではないのだろうか?
本当に正真正銘のカズ君なんだろうか?
「どうして? どうしてそんな恰好を?」
「どうしてって? うちの学校の制服ってかわいいでしょ。だからジャキュート様に用意してもらったの。どう? 似合う? かわいい?」
そう言ってにこやかにくるっと回って見せる和希。
スカートがふわっと広がっていく。
「どうして? どうして女子の制服なんか・・・どうして?」
「もう・・・どうしてどうしてって、聡美こそどうしちゃったの? かわいいものがかわいい服を着るのは当たり前でしょ。たまたまそれが女子の制服だったからって、それがかわいい服ならかわいいボクが着るのは当然じゃない!」
少しむっとしたように腰に手を当てる和希。
「だって・・・だってカズ君はあんなにかわいいって言われることを嫌っていたじゃない! あんなに女の子に間違われることを嫌がっていたじゃない! それがどうして・・・」
聡美はまだ信じられない。
これは何か、カズ君とジャキュート君が自分をからかっているのではないだろうか?
「そうだったかもしれないけど、そんなの昔のことじゃない。ボクはジャキュート様にかわいいことこそが素晴らしいって教えてもらったの。ボクはかわいい。だからこそボクはジャキュート様に選ばれて、ジャキュート様のコレクションになれたんだよ」
「ジャキュート・・・様って・・・」
「ジャキュート様はボクのご主人様なの。ジャキュート様はこの世界をかわいいもので満たそうとしているの。だから、ボクはジャキュート様のためにこの世界をかわいいものが支配する世界にするの!」
「カズ君・・・本気で言ってるの?」
聡美は愕然とする。
カズ君はいったいどうしてしまったというのだろう・・・
「ジャキュート君、あなた・・・あなたなの? カズ君をこんな風にしたのはあなたなの?」
それまでニヤニヤと二人のやり取りを聞いていたジャキュートに向き直る聡美。
「ふふ・・・そうですね。カズキはかわいいですから。ボク好みにしちゃいました」
「そんな・・・ひどい! カズ君に何をしたの? カズ君をどうしようっていうの?」
ニヤニヤと笑ったまま答えるジャキュートに聡美は怒りを感じてくる。
カズ君をこんなふうにしてしまうなんて赦せない。
「カズキが言ったでしょ。この世界をかわいいものが支配する世界にするって。そしてその世界をボクにくれるって。これでこの世界もボクのもの。ひいては星団結社ジャマフィアのものになるっていうことさ」
「なっ? ジャマフィア? あなたジャマフィアの?」
ジャマフィアの名前を聞き、すぐに身構える聡美。
だが、和希は黙ったまま動かない。
「ええ。ボクは星団結社ジャマフィアの幹部の一人ジャキュートです。以後お見知りおきを」
「くっ! アルファピンク! スーツイン!」
聡美は右手のファイターブレスを胸のところでかざし、変身に備える。
だが、反応がない。
「えっ? スーツイン!」
再度ファイタースーツの転送を頼むが、全く反応がない。
「無駄ですよ。すでにファイターブレスはカズキのものをもらって解析しました。転送は妨害してます」
「そ・・・んな・・・」
あまりのことに衝撃を受ける聡美。
カズ君が・・・
そんな・・・
「くっ! ファイタースーツがなくても・・・」
聡美は改めて身構える。
少しでも相手にダメージを・・・
でも、どうやって・・・
「心配はいりませんよサトミ。あなたには別の人生を与えてあげます。ボクの手駒としての人生をね」
「えっ?」
「さあ、少し眠りなさい。ボクがあなたを調整して、素敵な戦闘ユニットにしてあげます」
ジャキュートの目が輝き、すっと手をかざす。
「あ・・・」
その目を見た途端、聡美の意識は闇に飲まれた。
******
「んちゅ・・・んん・・・ん・・・くちゅ・・・」
一心にジャキュートのペニスをしゃぶっている和希。
その恰好は女子生徒の制服姿のままだ。
口いっぱいにジャキュートのモノの味が広がって、何とも言えず幸せを感じる。
舌の這わせ具合でピクピクと口の中で動いてくれるのも嬉しい。
「んん・・・ぷあ・・・ん・・・んんん」
まさにドピュッという擬音がピッタリな感じで口の中に白濁液が放出される。
ねばつく美味しいザーメンを味わいながら飲み干していく和希。
もうすっかりザーメンを味わうことにも慣れ、ジャキュートにザーメンを出してもらうことが喜びとなっていた。
「ふふ・・・だいぶフェラが上手になったね、カズキ」
美味しそうにザーメンを飲み干した和希の頭をそっと撫でてやるジャキュート。
「ああ・・・ありがとうございます。ジャキュート様」
まるで主人に頭をなでられた子犬のような表情の和希。
「今日はごめんね。せっかくの美味しいパフェを食べるチャンスだったのに」
あの後ジャキュートは、気を失った聡美を抱えてタクシーを呼び、三人でマンションに帰ってきたのだ。
「いいえ。あの状況では仕方ありませんし、パフェはまた後日の楽しみにできますから」
ぺろりと唇を舐める和希。
「それよりもジャキュート様・・・」
「ん? なんだい?」
「彼女は・・・聡美はどうなるのですか?」
和希の表情がやや曇る。
「気になるかい?」
「はい・・・」
出し終わった後のジャキュートのペニスを丁寧にウェットティッシュで拭い、ズボンの中にしまっていく和希。
「心配はいらない。彼女を傷つけたりはしないよ。いま彼女には調整を受けてもらっているんだ。調整が終わったら、またカズ君カズ君ってカズキを追いかけてくるようになるよ」
「本当ですか?」
パアッと表情が明るくなる和希にうなずくジャキュート。
マンションまで聡美を連れ込んだジャキュートは、そのまま彼女をエルとリアに渡し、星団結社ジャマフィアのアジトに持っていかせたのだ。
今頃は科学チームの手で彼女の改造が行われているだろう。
完成が楽しみだとジャキュートは思う。
「ところでカズキは、やっぱりボクがジャマフィアの一員だということに驚いたかい?」
そう言ってニヤッと笑うジャキュート。
「えっ? は、はい・・・少し・・・」
確かにジャキュートがあのジャマフィアの幹部ということに和希は驚きを感じてはいた。
「それじゃ、ここを出て世界防衛組織の元に戻り、ボクと戦うかい?」
ジャキュートの問いに和希はゆっくりと首を振る。
「いいえ。ボクはもうジャキュート様のコレクションの一つです。それに、ジャキュート様の方が正しいと思うんです。この世界は醜いもの、かわいくないものが多すぎます。ジャキュート様の言うとおり、世界はかわいいものに支配されるべきなんです」
「それは本心かい?」
彼の前にぺたんとお尻を落として座っている和希のあごを、人差し指で持ち上げて顔を上げさせるジャキュート。
「はい。本心です、ジャキュート様。ボクはこの世界の醜いもの、かわいくないものを排除して、ジャキュート様にささげます」
「それでいい。この宇宙はかわいいものこそが善。かわいいものこそが正義。だからこそボクが支配する」
端正な顔に冷たい笑みを浮かべるジャキュート。
「はい。かわいいは正義。ジャキュート様のために」
うっとりとその顔に見惚れる和希。
彼の中ではもはやジャキュートこそがすべてだった。
「それでいい。立ってこちらに来なさいカズキ」
「はい」
すっと立ち上がる和希。
そのまま椅子に座っているジャキュートに近寄る。
「スカートを持ち上げるんだ」
「はい」
制服のスカートの裾をつかみ、持ち上げる。
かわいいショーツがあらわになり、和希の頬が少し赤くなった。
「ひゃっ!」
小さく声を上げる和希。
ジャキュートの手が和希のショーツを下げたのだ。
そしてそのままその手が和希の小さな小さなおちんちんの先端をさする。
「ふふふふ・・・ずいぶんとかわいいおちんちんになったね。睾丸も体内に吸収されちゃって、もう子供を作ることもできない。それでよかったの?」
「は・・・はい・・・ジャキュート様にかわいいって言ってもらえるだけで・・・それだけでもう・・・」
「ふふふふ・・・小指の先ぐらいの大きさしかないのにピクピクしてるよ。これでも勃起しているのかな?」
笑みを浮かべながらジャキュートは手を動かすのをやめない。
「はあ・・・あん・・・そ・・・そうです・・・勃起してますぅ・・・」
「ふふふ・・・それでも出るものは出る。ジャマフィアの科学チームが作った薬は面白いだろ? まあ、出るのはただの白い水みたいなものだけど、結構需要もあるんだ。もっとも、カズキみたいにかわいい子は稀だからね」
「ひゃっ・・・は・・・はうう・・・」
ジャキュートの指に翻弄され、必死に快楽を押し殺すカズキ。
「出したい?」
「ひ・・・ひゃ・・・は・・・はい・・・」
もういつイッてしまっても不思議はないぐらいだ。
「イくんだ、カズキ」
「ひゃ・・・は、はいぃ・・・」
ジャキュートに言われ、ピクピクと体を震わせて小さな小さなおちんちんからピュクピュクと薄い水のような精液を出してしまう和希。
「ふふふ・・・そんな小さなおちんちんなのにいっぱい出たね」
「ああ・・・はいぃ・・・」
放心したような表情の和希を見てジャキュートは笑みを浮かべる。
「それじゃ今度はベッドでしよう。お尻をたっぷりかわいがってあげる」
ジャキュートはそう言うと椅子から立ち上がって和希を抱え上げ、ベッドルームへと向かうのだった。
******
薄暗い中、大きなシリンダーのようなガラスの円筒がほのかな輝きを見せていた。
中には透明な液体が満たされ、一糸まとわぬ女性が液体の中に浮いている。
躰全体が液体に覆われ、鼻も口も液体の中であるにもかかわらず、彼女の胸は前後に動いており呼吸が確保されているのがわかる。
女性はまだやや幼さの残る顔立ちをしており、眠っているかのようにその目は閉じられていた。
ただ、彼女の頭には両側のこめかみのあたりに赤いこぶのようなものができていた。
それは複雑な網目模様を持っているようにも見え、さながら昆虫の複眼のようでもある。
また、彼女の躰には黒や黄色の縞模様のようなものが浮かび上がっている。
そして、時折彼女が躰をぴくっと震わせる様子を、一人のメイドが見つめていた。
「様子はどうだい、エル?」
メイドの背後から声がかけられる。
すぐに振り向いて一礼するエル。
ご主人様の声を聞き間違えるはずがないのだ。
「はい。順調に変化してきております。あと一日ぐらいかと」
「ふむ・・・」
エルの言葉にうなずき、ガラスの円筒のところに行くジャキュート。
「ふふ・・・サトミ、もうすぐ君は生まれ変わる。ボクのかわいいしもべになるんだよ。そしてこれからはカズキともどもボクのために働くんだ」
円筒の中の聡美に語り掛けるようにつぶやくジャキュート。
また、聡美の躰がぴくっと震える。
「ふふふふ・・・素敵な戦闘ユニットになるんだよ。カズキも待っているからね」
そうつぶやいて、ジャキュートは愛しむようにそっと手をガラスのシリンダーにあてた。
「リアの方の準備はどうなっているのかな?」
「はい。あちらもそろそろ出来上がるとのことです」
エルの返事を背中で聞きながらジャキュートはうなずく。
ジャゴーワンも愚かなやつだ。
正面切ってとか正々堂々とかそんなことを言っているから負け続けるのだ。
これまでは力で押し切れたのかもしれないが、押し切れない相手にいつまでも力で向かって行っても勝てるはずがない。
強い相手なら取り込んでしまえばいいのだ。
強ければ強いほど取り込んでしまえば強力な手駒になる。
カズキもサトミもかわいくて強い手駒になるだろう。
そうなればこの地球も・・・
ジャキュートの顔には笑みが浮かんでくるのだった。
******
大きな姿見。
ボクは毎日何度となくこの姿見の前に立つ。
鏡の中から見つめ返してくるボク。
このボクの姿をジャキュート様はかわいいって褒めてくれる。
それがすごくうれしくて、ボクはもっともっとかわいくなろうと思えてくる。
エルさんやリアさんにお化粧も教わった。
着ているものもかわいいものばかりそろえている。
いただいた薬のおかげか、ボクの躰は以前よりも柔らかさが増しているようにも思える。
おちんちんもすごく小さくなっちゃって、今ではショーツの上から見ても膨らみなんかほとんど感じない。
まるで小指の先っぽぐらいになって、おしっこするときも女の子と同じように座ってやるのが普通になった。
それがなんだかより女の子のようにかわいくなったみたいで嬉しい。
今ではレオタードなんかも女の子と同じように着ることができる。
胸もなんだか、少しだけ膨らんだみたい。
もちろん女の子のような大きな胸じゃないけど。
今日はフリルのついたひらひらのワンピース。
髪も少し伸びてセミロングくらいになった。
だからもうかつらなんて使わなくてもいい。
その髪にカチューシャを着けてまとめている。
もう男の服なんて着る気にはなれない。
男の服はかわいいものがほとんどないんだもん。
やっぱりかわいい服は女の子の服だよね。
ボクはだから女の子の服を着る。
女の子の服を着たボクが街を歩くと、多くの人がボクのかわいさに見惚れてくる。
それがなんとも言えず嬉しい。
中にはボクに声をかけてくる男の人もいたりするけど、ボクはかわいい人にしか興味がないから、ジャキュート様以外の男の人はいらない。
ボクにはジャキュート様だけいてくれればいい。
醜いものはいらない。
かわいいものだけでいい。
ジャキュート様はかわいいものこそが世界を支配するべきだという。
ボクもそう思う。
かわいいものこそが強く、そして正しい。
かわいいは正義。
かわいいものこそが支配者にふさわしい。
ボクもその一人に選んでもらえた。
ジャキュート様のコレクションにしてもらえた。
だからボクは世界を支配する。
ボクの力で世界を支配し、ジャキュート様に差し上げるんだ。
きっとジャキュート様は喜んでくれるだろう。
だからボクは・・・
ボクは・・・
エルさんもリアさんも、ジャキュート様にお仕えする前はそれぞれの星を代表する戦士だったんだって。
エルさんはデンダル星の勇者エルディザー。
リアさんはオザーン星の戦士リアマイザー。
でも、二人ともジャキュート様に選ばれ、コレクションに加えてもらった。
そして、かわいさに目覚め、ジャキュート様に忠誠を誓ってジャキュート様のためにそれぞれの星を支配して差し出したんだって。
今では二人ともとてもかわいいメイドさんだ。
ボクもいずれはジャキュート様のメイドになるのかな?
でも、エルさんやリアさんのように上手にメイドをこなせるかな。
姿見の前でくるりと躰を回して見せる和希。
おかしなところはない。
これならジャキュート様の前に出ても大丈夫だろう。
和希はうんと小さくうなずくと、ジャキュートの待つジャマフィアのアジトへと向かう。
いつも暮らしているマンションと、アジトの間には特殊な回廊が作られており、外へ出ることなく行くことができるのだ。
和希はその回廊につながる扉を開けた。
「お呼びでしょうか、ジャキュート様」
司令室内に入ってくる和希。
薄暗い室内には様々なモニターが明滅している。
その中央にある一段高くなった席に座っているのはジャキュートだ。
彼のそばには今日はリアが静かに立っていて、いつでも彼の指示に応えられるように侍っている。
世界防衛組織の人間がこの部屋に入ることなど通常は考えられないだろう。
だが、和希にとっては、世界防衛組織の日本支部などよりも、今ではこちらにいるほうが当たり前だった。
「やあ、来たね、カズキ」
にこやかに和希を迎えるジャキュート。
その笑顔を見ただけで、和希はドキドキしてしまう。
「ジャキュート様・・・」
まるで名前を呼ばれた子犬のように彼のそばに行く和希。
「リア、あれを」
「かしこまりました」
一礼してジャキュートのそばを離れ、室内の片隅に置かれたトランクケースを持ってくるリア。
そしてそのトランクケースを和希の前にもってきて広げる。
その中にはふわふわの毛で覆われた黒い塊が入っていた。
「これは?」
「カズキのために用意した衣装だよ。身に着けてみて」
「あ、はい」
ジャキュートに言われ、トランクから中身を取り出す和希。
すると、最初は毛の塊と思われたものが、いくつかの衣装やパーツであることに気が付く。
「ここで・・・ですか?」
和希の問いに無言でうなずくジャキュート。
ちょっと恥ずかしいが、ジャキュート様の命ならその通りにするしかない。
和希は少し頬を赤く染めながら、着ていた服を脱いでいく。
柔らかく女性のようなラインとなった和希の躰があらわになる。
胸が小さいことや小さい小さいおちんちんがあることを除けば、それは女の子の躰と言っても通じるだろう。
カズキの躰がそこまで変化していることに、ジャキュートは満足を覚える。
あとは彼も戦闘ユニットとして完成させるだけだ。
トランクの中の衣装を身に着けていく和希。
やがてすべてを身に着けた和希の姿は、かわいらしい黒猫娘になっていた。
頭には猫の耳の形をしたカチューシャ型のセンサーが付き、目の部分はそこからのデータを表示する黒いスキーゴーグルのようなモニターグラスで覆われる。
躰は胸の部分と腰回りが毛で覆われた黒いレオタード。
両手は二の腕から先が猫の手のような肉球付きの長手袋になっており、もちろん鋭い爪が出し入れできる。
両足も太ももから下は猫の足のようなもこもこした毛で覆われたブーツになっていた。
お尻には長い尻尾が付いており、和希の意思で動かすこともできる。
まさに和希はかわいらしい黒猫娘の姿だったのだ。
「わあ・・・」
思わずくるりと回りながら自分の姿を見下ろす和希。
見た目に反して、すごく力も湧いてくる。
「君たちの装備していたファイタースーツを解析して作らせた、新しいカズキ専用のファイタースーツだよ。この姿の時はジャマフィアの戦闘ユニット“ブラックキャットカズキ”だね」
ジャキュートが和希ににっこりと笑みを向ける。
「ブラックキャットカズキ・・・ボクはブラックキャットカズキです。どうですか? ボク、かわいいですか? ジャキュート様」
甘えるように両手を胸の前で猫のように丸め、上目遣いでジャキュートを見る和希。
「うん、とてもかわいいよ。ブラックキャットカズキ」
「わあい。嬉しいですぅ。ジャキュート様ぁ・・・なんだかブラックキャットカズキは猫のせいかジャキュート様のおチンポミルクが飲みたくなっちゃいましたぁ。にゃーん」
ジャキュートの足元にすり寄り、甘えた声を出す和希。
「ふふふふ・・・もう、カズキは甘えん坊だなぁ」
「だってぇ・・・ボクもうジャキュート様のおチンポ大好きなんですぅ。お尻もお口もジャキュート様のおチンポが欲しくてたまらないんですぅ」
躰をもじもじさせる和希。
「後でかわいがってあげるから立って」
「はぁい。わかりました、ジャキュート様」
ちょっと残念に思いながらも立ち上がる和希。
尻尾がプラプラと揺れていた。
「うん、それでいいよ。カズキに新しいボクのしもべを紹介しなくちゃね。きっとカズキもよく知っている人だよ」
「えっ?」
知っている人?
「リア、ビーメを呼んで」
「はい、ジャキュート様」
リアがまたしても一礼し、入り口から出ていく。
「失礼いたします」
少しして入口の方から柔らかく優しい声が聞こえ、カツコツと足音が響いてくる。
ゆっくりと司令室内に入ってきたのは、確かに和希がよく知っている顔だった。
「えっ、聡美?」
だが、和希の知っている聡美とは全く違う躰をしている。
入ってきた女性の姿は、胴体が黒がベースで胸の部分が黄色と黒の同心円状になっているレオタードのような衣装に包まれ、両手はひじから先がかぎ爪のある黄色と黒の縞模様の長手袋に、両足も黒と黄色の縞模様のロングブーツになっている。
そしてお尻の部分には大きく膨らんだ蜂の腹部が付いており、先端には鋭い針が覗いていた。
頭部は顔こそ元の聡美の顔をしていたが、目の部分はゴーグルで覆われたうえに、両方のこめかみのあたりには巨大な赤く丸い複眼ができており、額からは触覚も伸びている。
まさに聡美は蜂と人間の合わさったような蜂娘になっていたのだ。
「ジャキュート様、お呼びにより参りました」
すっとひざまずいて頭を下げる蜂娘。
「うん。気分はどうだい、ビーメ?」
「はい。とてもいい気分です。このような素敵な躰に調整していただきありがとうございます」
ゴーグルの奥から、まるで崇拝する対象を見るかのような眼差しがジャキュートに向けられる。
「ビーメ、そこにいるのは君のかつての仲間。そしてこれからは君の主人となる方だ。挨拶をしなさい」
「はい」
こくんとうなずく蜂娘。
「えっ?」
和希は驚いた。
ボクが・・・彼女の主人?
「カズキ様。私は偉大なる星団結社ジャマフィアの一員にしてジャキュート様の忠実なるしもべ。そしてこれよりはカズキ様のしもべでもあります戦闘ユニットの蜂娘ビーメです。どうぞよろしくお願いいたします」
立ち上がりぺこりと頭を下げる蜂娘ビーメ。
「あ・・・うん。よろしく。え・・・と・・・聡美・・・だよね?」
和希が何となく戸惑ったように尋ねる。
「はい。以前はそのような名で呼ばれておりました。そして愚かにも世界防衛組織の一員アルファチームのアルファピンクとして、偉大なる星団結社ジャマフィアに歯向かうなどと言うマネをいたしておりましたが、このたび寛大にもジャキュート様による調整を受け、戦闘ユニット蜂娘ビーメとして生まれ変わることができました」
にっこりと笑顔を見せるビーメ。
その笑顔は以前和希が見慣れていたものと同じだ。
「そうだったんだ。じゃ、聡美・・・じゃなかった、ビーメもこれからはジャキュート様のために働いてくれるの?」
「もちろんです。私の第一の主はジャキュート様。ジャキュート様のためなら何でも致します。ですから、ジャキュート様がカズキ様にお仕えせよとおっしゃられる以上、私はカズキ様のためにすべてをささげるつもりです」
「そうなんだ。ありがとうビーメ。よろしくね」
やはり今まで一緒にいてくれた聡美がこれからも一緒というのは、和希にとっても心強い。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。カズキ様」
ビーメも心からの笑顔を和希に向ける。
調整で第一の忠誠対象をジャキュートにされたとはいえ、和希に対する思いは消されたわけではないのだ。
「二人とも、挨拶が終わったところでこっちを見てくれる?」
「あ、はい」
「はい、ジャキュート様」
二人が彼の方を向いたところで、ジャキュートは司令室内のいくつかのモニターを切り替える。
すると、二か所ほどで戦闘が行われている映像が表示され、それに伴って各地の世界防衛組織の支部があわただしい動きを見せていることも映し出される。
「これは?」
「この世界の各地に張り巡らせたモニター機能による映像だよ。ボクの前任のジャゴーワン将軍もこのあたりまでは作っていたのさ」
ふっと前任者を思い浮かべるジャキュート。
その彼も今頃は・・・
その思いが彼の背筋を寒くする。
だからこそ、この星の支配に失敗するわけにはいかないのだ。
「将軍は正々堂々という戦いに意義を見出す方だった。もう少し違う戦い方もあっただろうに・・・」
「ジャキュート様?」
和希がちょっと首をかしげる。
「何でもない。ちょっと軽めに戦闘ユニットを二体ほどガンマチームとデルタチームのところに送り込んでやった。久しぶりの戦闘で世界防衛組織も少し慌てたようで、各支部への緊急警報が飛んでいる。もちろん日本支部は大慌てで必死に君たちの行方を捜しているよ」
ジャキュートの説明に、和希とビーメは顔を見合わせてくすっと笑う。
二人にしてみれば、もう世界防衛組織の日本支部などどうでもいいのだ。
「そこでさ。せっかくだから君たち二人には世界防衛組織の日本支部にお戻りいただこうかと思うんだ」
「えっ?」
「戻る・・・とは?」
一瞬ここを追い出されるのかと驚く二人。
「おそらく、今頃日本支部は必死に君たちの代わりを生み出そうとしているはず。その前に君たちの手で日本支部をつぶしてくるんだ。今の君たちならできるよね?」
「あ・・・はい、もちろんですジャキュート様」
「ご命令のままに、ジャキュート様」
そういうことかと気づいた二人は思わず笑みが浮かんでしまう。
ジャキュート様の命で出撃する。
それがなんだかとてもワクワクする。
世界はかわいいものが支配するのだ。
そう・・・
ボクたちのようなかわいいものが。
かわいいは正義なのだから・・・
******
『う・・・あ・・・こ、ここは?』
以前聡美が入れられていたのと同じガラスのシリンダー内に女性が一人入っている。
一糸まとわぬ裸体がさらけ出されているが、その姿はなかなかに美しい。
まだ液体は入れられておらず、そのために中の声がスピーカーから流れてくるようになっていた。
「目が覚めました? 司令」
シリンダーの前に立つ二人の人影。
一人は胸の部分と腰回りがふわふわの毛で覆われた黒いレオタードを身に着け、両手は手の部分が猫のような肉球と爪のついた二の腕からの黒い長手袋を着けている。
両足も同じように猫の足を模した感じのロングブーツを履いており、お尻から垂れ下がる尻尾がゆらゆらと揺れている。
頭には三角形の猫耳カチューシャが嵌められており、目の部分はスキーゴーグルのようなものが覆っていた。
もう一人はそれとは全く異なり、胴体部分を胸の部分だけが黄色と黒の同心円状となった黒いレオタードのような躰にぴったりした衣装で覆い、両手を黄色と黒の横縞の入った長手袋で、両足は膝上まであるこれも黒と黄色の横縞のロングブーツを履いている。
頭はかわいらしい女性の顔だが、目の部分はやはりスキーゴーグルのようなもので覆われ、両側に赤く丸い複眼のようなものがあり、額には触覚も伸びていた。
そしてこの二人こそが、世界防衛機構の日本支部を壊滅させた二人だったのだ。
『ひっ! あなたたちはジャマフィアの・・・』
意識を失う寸前まで敵対していたジャマフィアの戦闘ユニットたちの姿に躰を固くするシリンダー内の女性。
彼女は世界防衛組織の日本支部の女性司令官であり、日本エリアの防衛の責任者だったが、アルファチームが行方不明という非常事態に対処が間に合わず、ついに司令部を失うという目に遭ったのだ。
それにしても秘密とされてきた日本支部の位置がなぜジャマフィアにバレたというのかが、彼女にとっては衝撃だった。
それはとりもなおさず、行方不明となっているアルファレッドとアルファピンクが、ジャマフィアの手に落ちたということを示していたからだ。
「くふふふ・・・司令、ボクたち二人に見覚えはありませんか?」
「司令は私たちにとてもよくしてくれました。だから、ジャキュート様が司令を生かしたまま連れてくるように命じられ、すごく嬉しかったんですよ」
『えっ? ど、どういう・・・?』
黒猫っぽい女怪人と蜂っぽい女怪人。
そんな二人に見覚えなど・・・
だが、二人は彼女のことを司令司令と日本支部の司令官と知っているようだ。
それに・・・声が・・・
まさか・・・
まさか・・・
『あなたたち・・・まさか和希君と聡美ちゃん・・・なの?』
スピーカーから中の女性の声が流れる。
「そうですよ。ボクたちのことを忘れちゃったんですか?」
そう言って目の部分をカバーするゴーグルを上にあげるブラックキャットカズキ。
「カズキ様、きっと私たちの姿が以前とはちょっと違いますからでは」
そう言ってビーメも自分のゴーグルを上にあげて目元をさらす。
「そうかなぁ? そんなに変わってないと思うけど」
ビーメに言われて自分の姿を見直す和希。
黒いレオタードやもふもふのブーツを身に着けているだけで、かわいいのは何も変わっていない。
『そ、そんな・・・二人がジャマフィアの一員に? どうして? どうしてこんなことを?』
狭いシリンダーの中なので、背中をガラス面に押し付けるようにして立たされていた女性だったが、目が覚めたことで両手で胸と股間を隠すようにしながらもしっかりと立ち上がる。
そして、目の前の黒猫怪人と蜂怪人のゴーグルを外した顔が、記憶の中にある顔と一致したことに愕然とした。
「どうしてって、これからかわいいものが支配しようというこの世界に、世界防衛組織なんて必要無いからですよ」
「この世界はこれからは偉大なる星団結社ジャマフィアの名のもとに、ジャキュート様が治められるのです。そのために邪魔なものは排除いたします」
黒猫と蜂が冷たい笑みを浮かべている。
『そ・・・そんな・・・二人とも目を覚まして!』
「違いますよ、司令。ボクたちは目を覚ましたんです。ジャキュート様の言う通りこの世界には醜いものが多すぎる。だから、かわいいボクたちがかわいいもので世界を支配するんです。そうすれば世界はかわいいものだけになり、醜いものや不要なものは消え去っていく」
和希の言葉にガラスの向こうで青ざめる女性。
先日までアルファチームのリーダーアルファレッドとして活躍してきた和希とは全く別人としか思えない。
『和希君・・・あなたはもう心まで歪められてしまったのね・・・もう、以前のあなたはどこにもいなくなってしまったというの・・・?』
「そんなことないですよ。ボクは自分がかわいいことをあらためて教えてもらったんです。そして世界にはもっとかわいさが必要ということも。司令にもその手伝いをしてもらいますね」
手袋に付いた猫の肉球でシリンダーをそっと撫でる和希。
『えっ? 私に? わ、私をどうするつもりなの?』
「うふふふ・・・喜んでください司令。司令は生まれ変わるんです。これから調整を受けて、身も心も新たになり、星団結社ジャマフィアの素敵な戦闘ユニットになるんですよ」
まるで彼女の頬を舐めるかのように、シリンダーのガラスをペロッと舐めるブラックキャットカズキ。
『そ、そんな・・・私も怪物にするつもりなの?』
「怪物とは失礼ですわ司令。私たちは怪物などではありません。司令だって調整が終われば、生まれ変わったことをきっと感謝するはずですわ」
ややムッとした口調で言うビーメ。
彼女にしてみれば怪物呼ばわりは心外なのだ。
『いやぁっ! そんなの嫌よぉっ! いっそ殺してぇっ!』
だが、シリンダーの中で首を振りながら叫ぶ彼女にはその言葉は届かない。
「うふふふ・・・大丈夫です司令。調整が終われば人間だったことなど思い出したくもなくなりますわ」
ゆっくりとスイッチのもとに向かうビーメ。
すでにこの装置のセッティングは完了し、あとは起動させるだけなのだ。
『お願い! やめてぇっ!』
悲鳴のような叫びがスピーカーから流れる中、ブラックキャットカズキがうなずき、ビーメはスイッチを押すのだった。
******
「あ・・・あん・・・だ、ダメです・・・ああん・・・」
ベッドに横たわり、悩ましげに喘ぎ声をあげるビーメ。
その下腹部には覆いかぶさるようにして和希がおり、彼の舌がビーメの秘芯を刺激しているのだ。
「うふふ・・・ビーメのここ、かわいい」
舌先でつつくようにして優しく刺激する。
それだけでもうビーメの躰はピクピクと反応してしまうのだ。
「カ・・・カズキ様ぁ・・・」
「おいしいよ、ビーメ」
あふれてくる愛液を舌で掬うようにして舐めとっていく。
ジャキュートのペニスを舐めるのも大好きだが、こうして女の子の秘部を舐めるのも楽しいものだ。
舌の動きがダイレクトにビーメの躰を反応させる。
その快感をビーメは味わいつつ歓喜に打ち震えていた。
「カ・・・カズキ様ぁ・・・嬉しい・・・嬉しいですぅ」
「嬉しい?」
和希が顔を上げると、ビーメの目からは涙があふれている。
「はいぃ・・・私は・・・私はぁ・・・ずっとカズキ様とこうなりたいと願っておりました・・・それが叶って、嬉しいんですぅ・・・ああん」
それは本心からのこと。
聡美だったころから、彼女はカズ君と結ばれたいと願っていたのだ。
それがビーメとカズキとなった今叶ったことに、彼女は幸せを感じていた。
「クスッ・・・ビーメったら、そんなことで嬉しいなんて。かわいい」
秘部を舐めるのをやめ、躰をずらしてビーメの顔と自分の顔の位置を合わせる和希。
そしてそっとビーメにキスをする。
「一緒に気持ち良くなろ」
「はい・・・カズキ様」
二人は躰の位置をずらし、まるで女性同士が秘部を合わせるような感じでお互いの躰を重ねていく。
和希の小さな小さなペニスでは普通のセックスはできないが、こうして女性同士のようにすることで、お互いに快感を得ることができるのだ。
「ああ・・・ああん・・・」
「ああん・・・気持ちいい・・・」
二人はむさぼるように快感を楽しんでいく。
やがて二人の嬌声が部屋の中に響いていった。
******
「ジャキュート様、今よろしいでしょうか?」
司令室のドアが開き、ブラックキャットの姿をした和希が入ってくる。
その背後にはビーメが影のように付き従っていた。
「カズキ? どうしたの?」
司令室でエルからいくつか報告を受けていたジャキュートは、途中でエルの報告を遮る。
「はい。新たなる戦闘ユニットが完成しましたので、連れてきました」
ビーメとともにすっとひざまずき、一礼するブラックキャットカズキ。
「ああ、世界防衛組織日本支部の司令官だった女性だね」
「はい。今は過去の行いを悔い改め、星団結社ジャマフィアの戦闘ユニットに生まれ変わりました」
「ふふふ・・・それでいい。入らせて」
ブラックキャットカズキの報告に笑みを浮かべるジャキュート。
「はい。ビーメ、彼女を呼んで」
「はい、カズキ様」
ビーメがうなずき、立ち上がって司令室の外に向かう。
やがて、ビーメに先導されるようにして、一人の女怪人が入ってきた。
その姿はまさにあでやかなバラの花。
その顔は咲き誇る一輪のバラの花になっており、目も鼻も耳も口もない。
だが、花びらの一つ一つが高度なセンサーのような役目を果たしており、空気のかすかな動きや熱、においなどを感じて周囲の状況を伝えてくるため、むしろ目や耳などよりも周囲の状況を把握できる。
そして花びらを振動させることで言葉を発することもできるのだ。
躰は以前の知的美女のボディラインをそのまま維持しているかのような柔らかで魅力的なカーブを緑色のレオタードで覆い、足には膝上までの緑のロングブーツを、両手にも二の腕までの長さの緑の長手袋をはめ、躰全体を棘のついたバラの茎が巻き付いたような姿をしていた。
そのバラの女怪人は、ビーメに付き従い、ジャキュートの前まで来るとすっとひざまずいて一礼する。
「ジャキュート様。私は偉大なる星団結社ジャマフィアの戦闘ユニット、バラ女ローザでございます。どうぞよろしくお願いいたします」
バラの花の顔を上げ、ジャキュートにあいさつをするバラ女ローザ。
「ふふふ・・・素敵な姿になったね、ローザ。気分はどうだい?」
「はい。とてもいい気分でございます。このような素晴らしい躰に生まれ変われて幸せです」
バラの花びらを微妙に振動させ音声を作り出すローザ。
彼女にとって今の言葉は心からのものだ。
「これからはボクのために働いてくれるかい?」
「もちろんでございます。私は偉大なる星団結社ジャマフィアの戦闘ユニット、バラ女ローザですわ。私のすべてはジャマフィアとジャキュート様のために。どうぞ何なりとご命令を」
「うん。それでいい。カズキ、彼女は君が使うんだ。いいね?」
「はい、ジャキュート様。世界をジャキュート様のものに」
ジャキュートの言葉にこくりとうなずく和希。
「うん、頼んだよ、カズキ」
目の前で跪く三人に満足するジャキュートだった。
******
「あ・・・あん・・・あん・・・」
犬のように四つん這いになって、お尻をジャキュートに犯してもらっている和希。
その顔は快楽にとろけ、気持ちよさげに火照っている。
「ふふふ・・・すっかりお尻のセックスが気に入ったみたいだね、カズキ」
背後から荒々しく突き入れていくジャキュート。
自分が変えていったかわいい男の子を犯すのは彼にとっても喜びだ。
「は、はいぃ・・・ジャキュート様にお尻を犯してもらうの大好きですぅ・・・ああん」
まるで女の子のようにかわいい喘ぎ声をあげる和希。
彼が今身に着けているものも、いつものようにかわいい女の子の下着だ。
「ふふふ・・・でも、最近はビーメとも楽しんでいるんでしょ? ビーメとの疑似レズセックスとボクとのお尻セックスとどっちが好き?」
「ああん・・・そ、そんなの選べないですぅ・・・どっちも好きぃ」
ガンガンと突かれるたびに躰を揺らしてあえぐ和希。
「正直に言わないと止めちゃうよ」
意地悪く突くのをゆっくりにしちゃうジャキュート。
「ああ・・・そんなぁ・・・ジャキュート様ぁ・・・言います・・・ジャキュート様とのお尻セックスがいいですぅ・・・ああん・・・お願いしますぅ」
あっさりと前言を翻しておねだりしちゃう和希。
もう彼はジャキュートとのお尻セックスなしではいられないのだ。
「ふふふ・・・まあいいか。ベータチームを崩壊させてきたご褒美をあげなくちゃね」
再び腰を突き上げ始めるジャキュート。
「ああん・・・ありがとうございますぅ」
お尻の奥まで突き上げてくるジャキュートのペニスに歓喜の声を上げる和希。
「ふふふ・・・かわいいよ、カズキ」
「あん・・・ありがとうございます。もっともっとかわいくなりますぅ。ジャキュート様好みのかわいい子になりますぅ。かわいいことこそが正義・・・かわいいは正義ですぅ・・・ああーーん」
和希の小さい小さいペニスから薄い白濁液がほとばしる。
それとほぼ同じタイミングでジャキュートも和希の中に放出する。
二人のかわいい男の子たちは、存分に快楽を楽しむのだった。
END
いかがでしたでしょうか?
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
よろしければ感想コメントなどいただければ大変うれしいです。
それではまた次作でお会いいたしましょう。
今年も「舞方雅人の趣味の世界」をよろしくお願いいたします。
- 2019/01/04(金) 21:00:00|
- かわいいは正義
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