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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

陽光の中

お盆も終わりですね。
今日の札幌は曇りで過ごしやすかったです。

ちょっとだけ「グァスの嵐」更新です。
クラリッサはほぼ陥落。

18、
「い、イヤァァァァァァァァァァッ!」
悲鳴を上げてあとずさるクラリッサ。
その手には血に濡れたナイフが光っている。
何がなんだかわからない。
いったい自分は何をしたのだろう。
気がつくと目の前ではダリオが胸から血を流し、シャツが真っ赤に染まっている。
「ク・・・クラリッサ・・・」
苦痛に満ちた表情で彼女を見上げるダリオ。
何が・・・
何があったというの?
クラリッサは首を振る。
「あ・・・ああ・・・あああ・・・」
あまりのことに青ざめ、口も開くことができない。
「クラ・・・リッサ・・・」
ダリオが名を呼ぶ。
それはクラリッサにとっては地獄からの呼び声のように感じるのだった。

「来い」
クラリッサの腕をぐいと引くダリエンツォ。
カランと彼女の足元にナイフが落ちる。
そしてそのまま彼女は訳もわからずにダリエンツォに引かれるままに連れて行かれる。
ああ・・・
私は・・・
私は何をしたの?
私はいったいどうしちゃったの?
わからない・・・
何がなんだかわからないよ・・・
助けて・・・
誰か助けて・・・

がたんという音がして、クラリッサは自分が椅子に座らせられたことを知った。
「飲め」
目の前に差し出されるホットワイン。
湯気がほんのり漂っていい香りを発している。
「あ・・・」
両手で大事に受け取り、少し口に含む。
甘い味が口の中に広がり、気分を落ち着かせてくれるようだ。
クラリッサは今のことを忘れようとコクコクとワインを飲む。
温かいホットワインが全てを洗い流し癒してくれる。
ああ・・・
頭がぼんやりする。
とても気持ちがいい。
ふわふわして穏やかな気流の上にいるみたい。
「よくやった」
誰かの声が聞こえる・・・
よくやった?
何か褒められることをしたんだろうか?
そうだ・・・
私はナイフで人を刺したんだっけ・・・
あれは悪いことじゃなかったのかしら?
褒められていいのかな?
「お前は俺の言う通りにあの男を刺した。よくやった」
ああ・・・
嬉しい・・・
褒められると嬉しいわ・・・
言う通りにしてよかった・・・
「嬉しいか?」
「・・・はい・・・」
「いい娘だ。お前は俺のためにあの男を殺した。よくやった。俺も嬉しいぞ」
髪の毛が優しく梳かれ、唇にそっと触れるようなキスをされる。
ああ・・・
気持ちいい・・・
「恐れることは無い」
「お前は俺のものだ」
「俺の言う通りにすればいい」
胸に刻まれていく彼の言葉。
クラリッサはその一つ一つにうなずいていく。
「血を好きになれ。お前にはこれからもたっぷりと楽しいことをさせてやるからな」
にやりと笑うダリエンツォ。
クラリッサはそんな彼を虚ろな瞳で見つめているのだった。


「もうすぐサントリバルだ」
舵柄を握るエミリオが陽射しをさえぎるように手びさしで目の上を覆う。
心なしか声が弾んでいるように聞こえるのは、少しでも陽気にさせようとする彼の心の現われか。
船尾のエミリオのそばには、あれ以来ずっと後方を見続けている金髪の少女の姿があった。
「ミュー・・・」
エミリオはその姿を見ると心が痛む。
大事な人を失ったのだ。
きっと胸が張り裂けそうだろう・・・
まだ少女じゃないか。
これからどうするのだろう・・・
エミリオはそう思う。
身内の人はいるのだろうか?
きっと今頃は心配しているのではないか?
できればサントリバルで荷を下ろしたらこの娘を家まで送ってあげたい。
でも、フィオのことも優先しなくちゃならないからな。
エミリオはそんなことを考えながら舵を握っていた。

「ミューちゃん、そこは陽射しが強いわよ。こっちへ来ない?」
フィオレンティーナが襟元を少し肌蹴ながらパタパタと空気を送り込む。
無理も無い。
この陽射しだ。
気温はかなり高くなっているはず。
気をつけないと熱射病になりかねない。
と、思って見ていたエミリオの目に、フィオの健康そうな小麦色をした二つの胸の膨らみがちらりと入る。
「うわっ」
エミリオは思わず目をそらす。
もちろん彼だって女性の裸を見たことが無いわけではない。
港には売春宿だってあるのだ。
だが、こんなときに太陽の陽光の下で見るなど考えてもいない。
ついつい赤くなるエミリオ。
だいたいフィオレンティーナは無防備すぎるのだ。
若い女性であるという認識が少ないに違いない。
もっとも、それを指摘したら、むきになって胸を肌蹴そうだが。

「あ、ミューは大丈夫です」
かけられた声ににっこり笑みを浮かべて答えるミュー。
確かに汗一つかいてはいない。
ゴルドアンのようなバグリー人ならともかく、エミリオもフィオレンティーナもうっすらと汗をかいているのにだ。
暑さには強いのかもしれない。
「ミュー、暑さで倒れるといけない。日陰に入っていたほうがいいよ」
エミリオも心配する。
あれ以来ずっと立ちっぱなしなのだ。
神経が張り詰めているのだろうが、このまま無理させたらどうなるかわからない。
「ミューは・・・そうですね。わかりました」
何か言おうとしたミューだったが、彼女はこくんとうなずくとフィオレンティーナのいる日除けの天幕の下に入り込む。
「おーい、サントリバルが見えるぞ」
船首の方で帆を操っていたゴルドアンの声がする。
ファヌーはまっすぐにサントリバルに向かっていた。
  1. 2007/08/16(木) 19:17:57|
  2. グァスの嵐
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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