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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

グレイバー蛇足(3)

3回目となります。
それではどうぞ。

3、
「和泉? 本当に・・・和泉な・・・の?」
「さっきからそう言っているわ。聡明なお姉ちゃんならわかるでしょ」
ああ・・・
あの笑顔だわ・・・
明るく暖かな和泉の笑顔・・・
ああ・・・
でも・・・
でも・・・
「和泉・・・どうして・・・」
どうしてあなたはルインの手先に・・・

「うふふ・・・私は選ばれたの」
「選ばれた?」
和泉の顔には誇りが満ちている。
「そう。私はルインに選ばれた。ルインによって生まれ変わったの。森嶋和泉は確かにあの時死んだと言ってもいいわ。今の私はルインの女幹部インビーナ」
クッ・・・
私は唇を噛む。
せっかく和泉に会えたというのに・・・
和泉が生きていたというのに・・・
「和泉、目を覚まして! あなたはルインに利用されているだけだわ! あなたはインビーナなんかじゃない! 森嶋和泉なのよ」
「あはははは・・・違うわ。この衣装を見て。素晴らしいでしょ? 私はインビーナ。ルインの女幹部インビーナ。森嶋和泉なんて女なんかじゃないのよ」
和泉は今の自分をよく見て欲しいかのように立ち上がってくるくると回って見せる。
黒のアンダーウェアが躰に張り付き、赤いアーマーがこの暗がりでも輝いている。
私はそれを複雑な思いで見るしかない。
「和泉・・・あなたはもう・・・」
私は首を振った。
和泉はやはりあの時死んだのだ。
ここにいるのは暗黒組織ルインの女幹部インビーナ。
もう・・・
もう私の妹じゃない・・・

「そんな顔をしないでいいわ。もうすぐお前もルインの一員になるのだから。」
すっかりインビーナとしての冷たい笑みを浮かべ、彼女は私を見下ろしてくる。
「なっ?」
どういうこと?
私もグレイバーにするつもり?
「秋奈ちゃんや美智代ちゃんと同じく私もグレイバーにするつもり? あいにくだけど私は彼女たちとは違うわよ」
どうやったかはわからないけど、黙ってルインの言いなりにはならないわ。
彼女たちオペレーターと違って、私は正規の訓練を受けているんですからね。
拷問や自白剤などに対する訓練だって受けているわ。
「ふふふ・・・お前はグレイバーなどにはしないわ。お前は私の姉。能力だってそれ相応なもの。時と場合によってはお前こそがインビーナになっていた可能性だってあったのよ」
そんな・・・
冗談じゃないわ。
誰がルインの手先なんかに・・・

インビーナがパチンと指を鳴らす。
今まで後ろに控えていたグレイバーが、先ほどインビーナに渡された包みを再度インビーナに手渡した。
「ふふふ・・・これをご覧」
インビーナが包みを広げて見せる。
「な、」
私は言葉を失った。
広げられたそれはインビーナの着ているような全身を覆う漆黒のウェアだったのだ。
しかも、胸と腰周りには赤茶色の硬そうなアーマーが付いている。
インビーナの着ているものと違うのは、そのアーマーの面積がほぼ上半身全体を覆うようになっているらしいのと、頭からすっぽり被るヘルメットのようなものがあることだ。
「ふふふ・・・これはルインビーストのスーツさ。お前はこれを着てわがルインのルインビーストになってもらう」
まさか・・・
そんなバカなことが・・・
これを着せられたら暗黒組織ルインの怪人になってしまうというの?
そんなバカな・・・
「ふふふ・・・信じられないみたいね。でも、お前たちセーバーチームが倒してきたルインビーストは全てこのスーツによって生まれ変わった女性たちだったのよ」
インビーナの言葉に私はショックを受ける。
なんてこと・・・
グレイバーも怪人も、もとはみんな人間だったなんて・・・
中枢部の連中は知っていたの?
知っていて隠していたの?
なんてこと・・・
そんなことって・・・

「グレイバー320号、387号。このスーツをあの女に着せなさい。優しく着せるのよ」
「「ルーィ!」」
右手を胸のところで水平にするルインの敬礼を躊躇いなく行い、グレイバーとしての鳴き声も出す二人。
もうあの娘たちはグレイバーになってしまった・・・
そして、あのスーツを着せられたら・・・
私もルインの化け物になってしまうというの?
「クッ」
私は必死に躰を動かそうとする。
お願い。
少しでもいいから動いて!
でも、私の躰はピクリとも動かない。
首から下はまるで鉛の塊のよう。
どうしたらいいの・・・

「ふふふ・・・盛逸司令、おとなしくしてくださいね。もっとも、身動きできない状態でしょうけど」
グレイバーの黒く塗られた唇が妖しく微笑んでいる。
これがあの優しくて兄思いの秋奈ちゃんだなんて信じられない。
「クッ、やめて! やめなさい二人とも! 目を覚まして!」
私はどうにもならない躰に歯噛みしながら、何とか思いとどまってもらおうとする。
でも、二人は手際よく私のブラジャーばかりかショーツまでも脱がせてしまった。
ああ・・・
私は思わず目をつぶる。
恥ずかしさと悔しさとで言葉が出ない。
どうしてこんな目に遭わなければならないの?
お願い・・・
誰か助けて・・・

私の右足がそっと持ち上げられる。
「えっ?」
私は何をされるのかと思わず目を開けてしまった。
「あっ」
私の目の前には、グレイバーが広げた漆黒の全身タイツのようなスーツがあった。
その背中の部分は広げられ、そこに私の右足が通されようとしていたのだ。
「いやぁっ! お願い、やめてぇっ!」
私はもう、ただ叫ぶ。
秋奈ちゃんや美智代ちゃんがグレイバーになってしまったのと同じように、このままでは私もルインビーストにされてしまう。
そんなのはいや。
そんなのはいやよぉ・・・

「ヒッ」
すべすべした肌触りが私の右足を伝ってくる。
私の右足がスーツのタイツ部分に滑り込むように入れられていくのだ。
何これ・・・
それは今まで穿いたどんなストッキングやタイツよりも肌触りがよく感じる。
うああ・・・
背筋をゾクゾクとさせる快感・・・
そう、これは快感だわ・・・に私は声を失った。
「ふふふ・・・気持ちいいでしょ? お姉ちゃん」
相変わらず冷たく妖しい笑みを浮かべているインビーナ。
その視線が私を絡め取っていた。
「ああ・・・何これ・・・」
するすると右足が覆われる。
見た目はゴムのラバースーツのような感じさえしたのに、まったく皮膚に張り付く感じがしない。
でも、適度な圧迫がスーツを着ているという快感を私に伝えてくるのだ。
「次は左足ですよ。盛逸司令」
「ああ・・・」
私はグレイバーたちのなすがままに左足を持ち上げられる。
そして、右足と同じようにスーツに左足が通される。
ああ・・・
気持ちいい・・・
気持ちいいよぉ・・・
私はもう何も考えられない。
ただただ、この快感をもっと味わっていたい。
躰が動かないことなんて、もうどうでもよかった。

両足を通されたスーツは私の太ももまでを覆い、ピッタリと密着する。
腰を浮かせられ、股間と腰周りをスーツに覆われた私は、下半身を走るゾクゾクする快感にもう翻弄されっぱなしだった。
やがて二人のグレイバーは私の右腕、次に左腕をスーツに差し入れ、肩を覆うようにして胸と腹部をスーツに密着させる。
「どうですか盛逸司令? 着心地は?」
「はあん・・・ああ・・・いいです・・・」
まるで夢を見ているみたい。
こんな気持ちいいスーツは生まれて初めてだわ。
「もっと締め付けられたいですか?」
グレイバーの問い掛けに私は無言でうなずく。
もっとこのスーツに包まれたい。
私はそう思ったのだ。
すると、きゅっと背中が引き締まる感じがして、胸と首周りが密着した。
「ふふふ・・・背中の開口部が閉まりましたよ。盛逸司令は自らこのスーツを着たんです」
そう・・・なの?
私自身で?
ああ・・・
気持ちいい・・・

「さあ、パーツを付けますね」
グレイバーたちの手には赤茶色の硬質な素材で作られたようなブーツや胸当てが握られている。
あれを私に付けるんだ・・・
私はぼんやりとそう思う。

真っ黒に覆われた私の足。
その足を伸ばして赤茶色のブーツが履かせられる。
ひざまで届くロングブーツは、つややかに光ってつま先も細くヒールも高くてかっこいい。
両足ともブーツに覆われると、私の足は黒と赤茶色のコントラストが素敵だった。
「うふふ・・・感じますか? つま先もヒールの先までも司令の足と一体化したのが」
えっ?
一体化?
ああ・・・
そう言われれば感じるわ。
このブーツが私の足。
つま先もヒールも私の躰なんだわ・・・

グレイバーたちは次に私の腰周りを覆うアーマーと、胸当てを付けて行く。
それらが付けられるたびに、私の躰は赤と黒に染められていく。
そして、右腕の先には、先端が左右に広がる大きなハサミになっている手袋が付けられる。
「慣れるまでちょっとかかるかもしれないですけど、慣れればまったく違和感なくなりますよ」
ああ・・・そうなのかしら?
私は嵌められた右手を動かしてみるが、やはり躰の自由がまだ利かない。
「左手は指先が鋭い爪になっています。獲物を引き裂くには好都合ですよ」
左手にも肘まで覆う赤茶色の手袋が嵌められて、つややかな爪が光っていた。
「うふふふ・・・最後はヘルメットですよ」
そこだけが覗く黒く塗られた唇に笑みを浮かべ、グレイバーは赤茶色のヘルメットを私の前に差し出した。

それは奇妙なヘルメット。
耳まで頭部をすっぽり覆う形をし、目のところが黒いバイザーになっている。
よく見ると、ヘルメットの上にサソリがへばりついているような形をしており、後ろにはサソリの尻尾がたれていた。
バイザーの部分はサソリの両のハサミが保持するような形になっていて、つまり被ると頭の上にサソリが乗る形となる。
私はそれを奇妙な思いで眺めていた。
被せて欲しい・・・
早くあれを被りたい・・・
あれと一体になりたい・・・
私はそんなことを思っていたのだ。

「あ・・・」
私の頭にヘルメットが被せられる。
短くした肩までの髪もヘルメットに包み込まれ、バイザーに覆われた私の視界が真っ暗になった。
「あうっ」
私の頭に激痛が走る。
まるでヘルメットに付いたサソリの脚が、私の頭に食い込んだかのよう。
八つの針が頭に刺さったみたいな痛みに私は頭を押さえようとしたけど、手足はまったく動かない。
反射さえも抑えられているんだわ。
いけない・・・
なんかぼうっとしちゃっていたわ・・・
こんなものを着せられてぼうっとしちゃうなんて・・・
どうやら痛みは治まったみたい。
目を開けたせいか、周りもよく見えるわ。
この部屋ってこんなに明るかったのね。
気がつかなかったわ。
  1. 2007/08/04(土) 19:36:39|
  2. グレイバー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

森迫指令がほぼ完全にルインの手先となってしまいましたね。
インビーナが妹として姉と接する姿と、女幹部として敵の指令と接する姿のギャップがいい感じですね。
指令も言われたことに素直に同意するほどスーツの虜になってしまって・・・。
明日がラストですか。グレイバーの完結編(自分で勝手にそうしてしまいましたm(__)m)はどうなるのか?
  1. 2007/08/04(土) 21:38:16 |
  2. URL |
  3. metchy #-
  4. [ 編集]

>>metchy様
盛逸司令という存在からルインビーストになってしまうそのあたりを楽しんでいただければと思います。
最後まで読んでいただいての感想も下さいませー。
  1. 2007/08/05(日) 19:31:14 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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