今はもう無いと思うんですが、岩波書店からかつて輪切り図鑑というものが出ておりました。
いくつか種類があったようですが、私も帆船と中世の城の二冊を持っております。
中でも帆船の輪切り図鑑はすごく面白くて、結構勉強になりました。
これは1800年ごろのイギリスの帆走戦列艦を輪切りにしたもので、ウォーリーを探せのように艦内から一人の人物を探す楽しみもついています。
例えば暗くじめじめした船内ですが、意外と陸上で生活していた人たちと同じぐらいの病気にかかる率だったらしいですね。
これは船内の生活が結構規則正しいのと、当時の陸上に住む方々が健康に注意を払えるほど経済的に余裕がなかったことに起因するらしいです。
また、船首部分に穴の開いた椅子があって、それがトイレになったとのことなんですが、全乗組員約800名に対しわずか6個しかなく、いつも誰かが座っていたようですし、海が荒れたときには波にさらわれたりすることもあったようです。
ビスケットが主食として使われたんですけど、ウジやゾウムシがわくことが多く、船員はそれを落としてから食べるのが普通なんですが、一応はビスケットの袋の上には魚が置かれていて、ウジが魚にたかったところを捨てて、少しでもウジを減らそうとはしていたらしいです。
そんなビスケットに豆のスープ、塩漬けの肉の塩を抜いたもの、硬いチーズ・・・こんなのが軍艦の食事だったようです。
でも、こんな食事でも陸の人々の食事よりよかったらしく、海軍は食事がいいという評判が立ったというのですから驚きですよね。
船員の楽しみの一つにアルコールがあるのは皆さんもお判りと思いますが、英国海軍では水割りのラム酒を船員に支給していました。
これは飲みすぎを防ぐためとも、支給量をケチるためとも言われますが、エドワード・バーノン提督が始めたことのようで、彼がいつも身につけていたグログラムという生地のコートからグロッグと呼ばれるようになりました。
このグロッグを飲み過ぎてふらふらになることをグロッギーといい、それがなまって行くうちにグロッキーとなり、泥酔やパンチなどを受けてふらふらになることをグロッキーと言うようになったとのことですね。
いろいろと面白い話がほかにもありますので、またいずれ紹介したいと思います。
それではまた。
- 2006/08/31(木) 22:09:41|
- 本&マンガなど
-
| トラックバック:0
-
| コメント:3
船の輪切り図鑑ではありませんが、静寂も何かの輪切り図鑑を見た記憶があります。
いつも思いますが図鑑って最高の資料ですよね。
もちろん文字情報もいいですが、図鑑のほうが絵があって記憶に残るから好きです。
そういえば舞方さん、最近メッセにいませんがどうしたのでしょうか?
- 2006/08/31(木) 22:48:52 |
- URL |
- 静寂 #8U7KPG92
- [ 編集]
私も昔、もうちょっとショボい輪切り図鑑持ってたような……
グロッキーの語源はまさに90へぇーですね。
しかしもっとびっくりしたのが軍艦の食事です。そんなもん食べて戦ってたんですか。しかもオカの食い物より良いとはこれいかにw
腐ったビスケットなんかより新鮮な魚を食べればいいと思うんですが、これは素人考えでしょうか。軍艦は戦闘中に釣りしてられないだろうし、焼くのにも薪がいるだろうし。
せめてもうちょっと早く寿司の作り方を教えてやれば良かったですねw
- 2006/09/01(金) 00:06:34 |
- URL |
- 安奴隷 #tHX44QXM
- [ 編集]
>>静寂様
図鑑は見ているだけで楽しいですよね。
百科事典は大好きでした。
メッセは最近ちょっと自粛しておりました。
そのうちまたお会いしましょうね。
>>安奴隷様
感心していただいてありがとうございますー。
こうして書いたもので感心してもらえるのは嬉しいですよね。
魚は釣れた時にはもちろん食卓が豊かになったそうですが、全員分は難しかったのでは無いでしょうか。
お寿司は・・・食べるのかなぁ。(笑)
- 2006/09/01(金) 22:10:57 |
- URL |
- 舞方雅人 #-
- [ 編集]