最近でこそ英国軍の軍用糧食にコーヒーが入れられるようになってきたとのことで、英国人もコーヒーを嗜むようになってきたそうですが、英国というと紅茶というイメージはまだまだ衰えることはないでしょう。
しかし、1850年代までは英国でもコーヒーは紅茶と等しく国民に愛されていた飲み物でした。
1820年代にコーヒーは値下がりし、日常的に飲むことのできる飲み物になりました。
1840年代にはロンドンだけでも二千件を越えるコーヒーハウスがあったそうです。
国民一人当たりの年間消費量も、紅茶の0.65キログラムに対し、0.8キログラムと、コーヒーの消費量のほうが多かったのです。
しかし、1870年代から1880年代にかけて、着実にコーヒーの消費量は減っていきます。
英国民にとってはコーヒー離れが加速していったのです。
理由は二つありました。
一つは紅茶の生産量が増えて、価格が低値安定したことで、庶民にとって買い求めやすくなったことと、逆にコーヒー豆が虫害などで高騰し、コーヒーを作っていたコーヒー園が紅茶生産に転換するなどでコーヒーが手に入りにくくなったということ。
もう一つは、第二次世界大戦中日本でも行なわれましたが、チコリやドングリなどで作られた代用コーヒーが本当のコーヒーに混ぜて売られていたこと。
しかもそれは合法なことでした。
混ぜ物に対しては、政府も何度か規制しようとしたようでしたが、結局規制することができなかったばかりか、かえって混ざっていることを表示すればいいということになって、混ぜ物コーヒーが当たり前になってしまったのです。
純コーヒーとして売られているものでさえ、よくて25%の混ぜ物が入っていたそうですので、コーヒーがまずい味であったのは紛れもない事実だったようです。
安くて美味しい紅茶が手に入りやすいのに、高くてまずいコーヒーを飲む人はよほどの人でしょう。
このために英国人はコーヒーを飲まなくなっていったのです。
ヴィクトリア朝時代を通して英国人にとって紅茶はなくてはならないものになりました。
それは戦場においても同じことだったのです。
紅茶と英国人のつながりはこうしてできたんですね。
それではまた。
- 2007/06/20(水) 21:34:55|
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ちょっとでも変なものが混ざっていたら大きな問題になる昨今ですが、混ぜ物が合法に売られていたというのはさすがに酷いですね。英国人が紅茶に鞍替えするのも納得いきます。
ちなみに僕はコーヒー派です。
- 2007/06/20(水) 22:17:59 |
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- metchy #-
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ほへー。それじゃあ誰も飲まなくなりますわねw
ちなみにジャックも紅茶は大好きですわよ。
勿論ティーはアールグレイ一択!www
まずはティーポットを温めて…ってメンドクセエwww
そんな時間はありませんわ! そこで三角じゃないティーパックを取り出し…って…あら?
あ、切れてたの思い出しましたわwww
もう、暑いしメンドクサイし麦茶でいいですわwww
JAPANの夏と言えば氷の浮いたキリリと冷えた麦茶ですわwww
あー、水出し楽チンw
- 2007/06/21(木) 03:53:14 |
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- ジャック #-
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>>metchy様
まさにタイムリーな話ですね。
ひき肉偽装が問題になっているのに比べれば、当時はあまり問題視されなかったのかも。
どっちにしてもまずいコーヒーじゃ飲みたくないですよね。
>>ジャック様
まさにそれも紅茶が支持された一つの要因なんですよ。
今ではなかなか信じられないこと(インスタントがあるから)ですが、コーヒーよりも紅茶の方が手軽に飲めてめんどくさくないというのも理由だったそうです。
キンキンに冷えた麦茶もいいですねー。
- 2007/06/21(木) 21:55:13 |
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- 舞方雅人 #-
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