fc2ブログ

舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

諸君、お茶の時間だ

第一次世界大戦で威力を発揮した兵器に機関銃がありますが、塹壕の一画に据え付けられ、ホースから水を撒くがごとく銃弾を吐き出す機関銃は、突撃する兵士にとっては恐怖以外の何者でもありませんでした。

その機関銃から身を守りつつ前進するために考えられたのが、初期の戦車なのですが、それはまた別の話。

この湯水のように銃弾を発射する機関銃ですが、気をつけないとならないのが銃身の加熱でした。

たいていの機関銃は、ライフル銃と同じく銃身にライフル(螺旋の溝)が刻んであります。
銃弾がこの溝によって回転しながら銃口を飛び出て行くことで、銃弾がまっすぐ飛んでいくのです。

当然、銃弾が溝によって回転する時には、摩擦によって熱が発生します。
一発二発ではどうということもありませんが、機関銃のように数多くの銃弾を撃ち続けるようになると、その熱も膨大なものになり、銃身はやがて真っ赤に焼けてきます。

銃身は金属で作られます。
金属は熱を受けると膨張し、柔らかくなってゆがみを生じてしまいます。
加熱された銃身は柔らかくなってゆがみ、すぐに磨耗してしまいます。
そうなれば銃弾はまっすぐ飛ばず、命中を期待できなくなってしまいます。

それを防ぐには、銃身を冷やしながら撃つのが一番ですが、軽機関銃のようにタタタンタタタンと断続的に撃つ機関銃であれば、放熱用の金属フィンなどでの空気冷却でも充分なのですが、ダダダダと陣地で連続的に撃ち続けなくてはならない重機関銃ですと、空冷では間に合わない状況になってきます。

そこで、ハイラム・マキシムなどは機関銃の銃身を水の入ったスリーブで覆ってしまう水冷機関銃を製作します。

英軍も水冷重機関銃を採用しており、ヴィッカースのMK1が部隊に配備されました。

水冷重機関銃は、水と弾丸があれば長時間にわたって撃ち続けられるため、陣地防御用の重機関銃としては相当に有効なものでした。
弱点は、水の入る冷却用スリーブや複水缶などが重量がかさみ、重くなってしまうことで、いったん布陣した後は容易に陣地変換ができないことでしょう。

ヴィッカースも例外ではなく、銃本体が18キロ、三脚が22キロもあり人力での搬送は大変だったでしょう。

しかし、性能はそこそこで、一分間に五百発の銃弾を撃つことができ、銃身も一分間二百発の速度で撃つのであれば約一万発の発射に耐えられる上に交換もたやすかったそうです。

冷却水は約四リットル入り、約三千発撃つと沸騰してその後は千発ごとに一リットルぐらいずつ蒸発していくそうで、水の補給が不可欠でした。
砂漠の戦いでは必要なのは飲料水ばかりでは無いんですね。

もっとも、どこへ行ってもお茶を嗜む英軍は、ドイツ軍など敵軍に向けてひとしきり撃ったあと、沸騰した冷却水でお茶を淹れていたとのことで、さすが英国人というところでしょうか。

それではまた。
  1. 2007/06/17(日) 21:52:23|
  2. 趣味
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<イラストをいただきました | ホーム | 悔しいなぁ・・・>>

コメント

そう言えばあんなシーンが……

最新技術を盛り込んで開発されたはずの「お宝兵装」も、いざ運用するとなるとけっこう手垢にまみれていくようですね。重機関銃の冷却の問題は、空冷式のものでもあるようで、前線の兵士はわりと臨機応変に工夫して運用していたようです。
昔見たマンガに、最新式の重機関銃を盗んだゲリラが嬉々として撃ちまくってるシーンがありました。そんな中に

「ちいっ! 銃身が焼けた!」
「小便だ! 小便をかけろ!」

ってなワケで、大の男が数人機関銃の銃身に小便をひっかけながら、なおも撃ちまくってるシーンがありました。
どんなマンガだったのか、タイトルもストーリーも忘れてしまったけど、前線では今でも開発者が目を覆わんばかりの運用をされてる武器があるんでしょうね。

銃撃の最中に尿意を催す兵士も、考えてみればスゴイけど……。
  1. 2007/06/18(月) 00:08:09 |
  2. URL |
  3. 妖人 #-
  4. [ 編集]

そういえばこんなシーンもw

ほえ~…確かに無駄にならない活用法ですけれど飲んでも大丈夫なのかしら?w

ともあれそういえば映画「トランスポーター2」(だったかしら?w)でバカスカ撃ちまくった、2丁のイングラムの熱を持った銃身で、相手を挟み込むシーンで「うわッ熱ッ!www」と思ったものでしたわw この発想は無かったな~と、もう一度「うわッ熱ッ!www」の部分まで巻き戻して再生してしまいましたわw

もー、今時、銃も本来の使い方では主人公やボスクラスには全く当たらないからこんなナンセンスなアクションに利用されて(面白いんですけれどw)可哀想ですわ…w
  1. 2007/06/18(月) 04:08:54 |
  2. URL |
  3. ジャック #-
  4. [ 編集]

ジャック様もコメントされているように、「飲んで大丈夫なの??」って思ってしまいました。
いえ、構造的に大丈夫であったとしても、前の機銃担当のおしっこが入っているかもしれないし^^
  1. 2007/06/18(月) 17:36:33 |
  2. URL |
  3. うおP #-
  4. [ 編集]

>>妖人様
銃身を冷やすのに小便というのは聞いたことありますね。
実際は銃撃戦の最中ではなく、敵軍がいったん後退して再攻撃を迎え撃つ間だったと思います。
まあ、一番いいのは焼けた銃身を冷えているのと交換して、脇に置いて冷やしておくのがいいんでしょうけどね。

>>ジャック様
排出される空薬莢も結構熱を持っているんですよね。
ある機関銃だったかサブマシンガンは、伏せ撃ちした時に、空薬莢が真上に撃ち出されるため、頭上に落ちてきて大変な目にあったとか。
最近の映画の銃撃シーンはふざけすぎですよねー。

>>うおP様
うんうん、冷却水が清潔である保証ないですからねー。
まあ、前線ではお湯を沸かすのも大変だったでしょうから、手近に沸騰した水があるなら使おうよってことになったのかも。
お茶無しではいられない英国軍らしいです。
  1. 2007/06/18(月) 21:47:45 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://masatomaikata.blog55.fc2.com/tb.php/438-100f5306
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

カレンダー

08 | 2023/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

時計

プロフィール

舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

ブログバナー


バナー画像です。 リンク用にご使用くださってもOKです。

カテゴリー

FC2カウンター

オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理人にメールなどを送りたい方はこちらからどうぞ

ブログ内検索

RSSフィード

ランキング

ランキングです。 来たついでに押してみてくださいねー。

フリーエリア

SEO対策: SEO対策:洗脳 SEO対策:改造 SEO対策:歴史 SEO対策:軍事

フリーエリア