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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

全身タイツ仲間のはずが・・・ (後)

昨日に引き続き「全身タイツ仲間のはずが・・・」の後編です。

お楽しみいただけましたら幸いです。


どれぐらい待っただろうか・・・
一時間にも感じたし、数分だったのかもしれない。
もしかして私はここに捨てていかれたのだろうかと思ったころ、ドアが開いて黒い人影が出てきた。
それはとても奇妙な姿。
TVや雑誌などで見たことはあったけど、男の人が全身タイツを着た姿を間近で見るというのはなんともいえない奇妙なもの。
「待たせたね」
その声に私は目の前の全身タイツの人物が夫であることに気が付いた。
頭のてっぺんからつま先までぴったりとした黒い全身タイツに覆われている。
顔は目だけが覗いていて、鼻も口も布の下。
首元と目の周りだけが赤く縁取られている。
広い肩幅と厚い胸板があらわになってて、夫がこんなに引き締まった体をしているとは知らなかった。
腰には先ほど扉についていた奇妙な蟲のマークの付いたベルトを嵌めており、両手と両足は手袋とブーツを履いている。
本当に声を聞かなければ、私は彼が夫だとは思わなかったに違いない。

「さあ、おいで」
ちょっとぽかんと口を開けていた私をいざなうようにまた先に立って歩いていく夫。
真っ黒な背中がいつも見ている夫の背中とは思えない。
全身タイツって本当に躰のラインがあらわになるのね。
私も着るとあんな感じなのかしら。
ちょっと恥ずかしいけど、何だか着てみたくも感じてしまう。
私は何だか不思議な気分で後に付いて歩いていった。

そこは少し明るいホールのような場所だった。
ホールの奥にはやはりあの奇妙な蟲のマークがある。
そこには夫とまったく同じ格好をした男たちが何人かいて、私たちを全身タイツから覗く目で胡散臭そうに見つめていた。
そして何より驚いたのは、全身タイツじゃなくてなんと言うか・・・怪獣映画に出てくる怪獣のような格好をした人がいたことだ。
「ヒャイー! カーマキラ様、戦闘員174号、この女のことで報告いたします」
「キーラー! 言ってみろ!」
右手を挙げて話しかける夫に、両手を振り上げるカマキリの怪獣。
何だか本当に生きているみたいにすごくよくできているのね。
「ヒャイー! 実は、彼女は私の妻なのですが、この衣装を見られてしまいました」
「キーラー! リュゼーのことを知ったものは生かしては置けない。なぜ始末しない。こんなところにまで連れてきて!」
えっ?
始末ってどういうこと?
もしかして私殺される?

「お待ちくださいカーマキラ様。彼女はわれわれの仲間になってもよいと言っております。その言葉に嘘はありません」
「なに? リュゼーの仲間になるというのか?」
「はい。間違いありません。そうだな?」
夫が振り向いて私に確認する。
「は、はい。そうです。主人といっしょに皆様の全身タイツ仲間に入れていただければと・・・」
「キーラー! いいだろう。女戦闘員はいろいろな役目に使える。人数がいるに越したことはないからな」
「ヒャイー! ありがとうございます」
「キーラー! 早速この女を女戦闘員にするのだ。連れて行け!」
「ヒャイー!」
えっ? えっ?
な、何なの?
女戦闘員って何なの?
私をどうするつもりなの?
カマキリの怪獣の命令に、夫と同じ格好をした人たちが私の両手をつかむ。
そして引きずるようにしてどこかへ連れて行こうとする。
「あ、あなた・・・」
「おとなしくするのだ。すぐにお前にもわかるようになる」
私は夫から離され、部屋から連れ出されてしまった。

「いやっ! 何なんですか? いったい私をどうするつもりなんですか?」
両腕をつかまれて引きずるように連れて行かれる私。
「ヒャイー! おとなしくしろ」
「ヒャイー! 黙って来い」
夫と同じ黒い全身タイツの男性たちが私をがっちりつかんでいる。
「離してください。乱暴はしないで。私はただ主人とともに皆さんと全身タイツを楽しむものとばかり・・・」
どうして?
何でこんな乱暴なことされなくちゃいけないの?
でも、彼らは私にそれ以上何も言うことなく、別の部屋のドアをくぐらせられてしまう。
そこには丸いテーブルのようなものがあり、その周囲には何か病院で見かけるような機械類が置かれていた。
「な、何?」
「ヒャイー! 喜べ。お前の望みどおりわれらの仲間にしてやるのだ」
円形の台の周りにはまったく同じデザインで色だけ白い全身タイツを着た男性と女性がいて、なにやら機械を操作している。
女性のほうは形よい二つの胸とくびれた腰、丸いお尻のラインがすべてあらわになっていて、何だか裸よりもなまめかしい。
私も全身タイツを着るとあんなふうに全部ラインが出ちゃうのかしら・・・
それだとすごく恥ずかしい・・・
一瞬そんなことを考えた私だったが、男たちは私をその台のところまで連れて行くと、私を持ち上げるようにして台の上に寝かせ、両手両足を止め具で止めてしまう。
「いやっ! は、離してください! やめて!」
これはさすがに冗談では済まされないわ。
いくらなんでもひどすぎる。
こんなサークルは願い下げよ!
「やめます! こんなことされるならあなた方の仲間になんてなりません! 家へ帰ります! 離してください!」
「わめいても無駄よ。お前はリュゼーの女戦闘員になるの。光栄に思うことね」
白い全身タイツの女性が私のそばにやってきてそう言う。
全身タイツが躰にぴったりして美しい。
でも、こんなのはいやぁ!

「それでは女戦闘員への改造を始める」
白い全身タイツの男性のほうがそう言うと、女性が太い注射器を手にする。
中には黄色い液体が入っていて、毒々しい色を見せていた。
「ま、まさかそれを?」
私は身をよじって逃げようとするが、手足を固定されてて動けない。
そうしているうちに白い全身タイツの女性が私の腕に注射器をつきたてる。
「痛い!」
「おとなしくしなさい。これはあなたの肉体を強化する薬品よ。これでお前の躰はプロレスラーでも簡単に殺せるようになるわ」
「殺す? いやっ! そんな恐ろしいこと!」
私は思わず首を振る。
次の瞬間、私の躰がとても熱くなってきた。
「何これ? 熱い・・・」
「お前の躰が強化されているのよ。心配要らないわ。すぐに適合し、強化された肉体に順応するはず」
「強化って・・・そんな・・・」
な・・・何なのいったい?
私の躰はどうなっていくの?
そうしている間にも躰の火照りは激しくなり、私は思わずうめいてしまう。
「肉体改造は順調。強化度合いは80%」
「洗脳作業に入ります」
白い全身タイツの男女が何か言っている。
洗脳って・・・何?
お願いだから家に帰して・・・

やがて白い全身タイツの男性が、私の額にリング状の金属を取り付ける。
「な、何? きゃぁぁぁぁ!」
女性のほうがスイッチを入れると、いきなり私の頭の中に光の奔流が流れ込んできて、私は思わず悲鳴を上げる。
光はたちまちのうちに私の頭の中をかき混ぜていき、私は何が何だかわからなくなる。
まるで私が細かい紙切れに粉砕されていくかのよう。
ねじれ、ちぎれ、粉々になっていく。
いやぁ・・・
助けて・・・
誰か助けて・・・
私は頭の中で光が駆け巡っているのにもかかわらず、闇の中へと飲み込まれていった・・・

私は光に包まれている。
何だかとても気持ちがいいわ。
まるで胎児になってお母さんのお腹の中にいるみたい。
この光は何なの?
リュゼー
リュゼー
リュゼー?
ああ・・・そうだわ・・・
この光はリュゼー。
偉大なるリュゼー。
世界を支配するリュゼー。
リュゼーこそが世界を支配する組織。
すべての人類はリュゼーにひれ伏すの。
ごく一部の人間だけが選ばれ、リュゼーの一員となって下等な人間たちを支配する。
私はそのリュゼーに選ばれた存在になれたんだわ。
私はリュゼーの一員。
リュゼーのためなら何でもする。
リュゼーの役に立たない人間は始末する。
リュゼーの邪魔をする人間は殺す。
リュゼーに必要ないものは破壊する。
すべて当然のこと。
私はリュゼーの女戦闘員。

「ん・・・」
私はゆっくりと目を開けた。
いつの間にか気を失っていたらしい。
無様だわ。
リュゼーの女戦闘員としてあるまじき事ね。
気をつけなくては・・・

「目が覚めたようね」
女白戦闘員が私に声をかけ、手足の止め具と額のリングをはずしてくれる。
「はい・・・」
私は躰を起こす。
全身に力がみなぎっているわ。
これなら人間を殺すことなどたやすいことね。
「そこの装備を身につけ、ホールに行きなさい。わかっているでしょ?」
「ヒャイー! もちろんです」
私は右手を上げて服従の声をあげると、立ち上がってすべての服や下着を脱ぎ、用意されたものを身に着ける。
黒の全身タイツを手に取り、背中のファスナーを開けて足を通す。
両足から腰へとたくし上げ、胸を収めて両腕を通し、頭部のマスクをかぶってファスナーを上げる。
全身がタイツに包まれて気持ちがいい。
これがリュゼーの戦闘員の姿。
私にふさわしい衣装だわ。
私は両手に手袋を嵌め、両足にブーツを履く。
最後はリュゼーの蟲のマークの付いたベルトをつける。
何だか女戦闘員として完成したようで、とても気持ちがいい。
私はリュゼーの女戦闘員よ。
「ヒャイー!」
私は思わず右手を上げて服従声を発する。
気持ちいいわぁ。
私は全身に走る快感を感じながら、首領様に挨拶するためにホールへと向かった。

                   ******

「ただいま」
玄関で戦闘員174号の声がする。
偽装職から戻ってきたみたいね。
「お帰りなさい。ヒャイー!」
私は玄関まで出迎えて右手を上げる。
「ヒャイー! ただいま女戦闘員31号」
うらやましそうな表情で私を見る戦闘員174号。
うふふふふ・・・
それはそうよね。
彼は偽装職に行っていたので、戦闘員の衣装は着ていないんだもの。
私は戦闘員174号の妻という役割で専業主婦という設定だから、室内ではいつでもこの女戦闘員の格好でいられるわ。
これ以外の衣装なんか着る気になんてならないもの。
女戦闘員でよかったわ。

「ふう・・・やはりこの格好が一番だ。女戦闘員31号が仲間になってくれたおかげで、家ではいつでもこの格好でいられるのがありがたい」
戦闘員の全身タイツに着替えてきた戦闘員174号がホッと一息ついている。
うふふふふ・・・
早くリュゼーが世界を征服し、いつでもどこでもこの格好でいられるようにしたいわね。
それでくつろいでいるところ悪いんだけど・・・
「アジトから指令が来たわ。カーマキラ様が今夜行動を行うって」
「む、それはすぐに行かないと」
「ええ、私はいつでもOKよ」
私は戦闘員174号にうなずく。
「ヒャイー! リュゼーのために!」
「ヒャイー! リュゼーのために!」
私たちは右手を上げて任務の前の服従の声を出す。
世界をリュゼーのものにするためにはさまざまな妨害を排除しなくてはならない。
そのために私たち戦闘員がいるのよ。
リュゼーの邪魔をするものは皆殺しにしてやるわ。
私は戦闘員174号とともに、闇に包まれた町をアジトへと向かうのだった。

エンド

いかがでしたでしょうか?
よろしければ感想などいただけますとうれしいです。

それではまた。
  1. 2016/03/08(火) 21:02:51|
  2. 洗脳・戦闘員化系SS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

お疲れ様です
夫婦ともに堕ちて更に立場が同格と言う舞方さんが今までお書きになられたSSとは変わったパターンのendでしたね
これまでだと堕ちた妻に旦那が始末されるか飼い慣らされるパターンが多かった様に感じたのでこのオチは新鮮でした
個人的には一方的な支配よりはこういう共存共栄(?)の関係性が好みと言うのもありますがw

近年では舞方さんのSSは季節の風物詩的な要素もあるので次回作を待ちながら季節の変わり目を迎えたいと思います
  1. 2016/03/08(火) 21:21:17 |
  2. URL |
  3. 新殿 #-
  4. [ 編集]

SS執筆お疲れ様ですー。
夫婦揃って戦闘員として働く事が出来るようになれて、
旦那様は幸せ者ですねー。
奥さんが深入りしなければこうはなりませんでしたし。

それからやはり洗脳されて変わりゆく心の描写は良い物ですね。
最近あちらこちらの悪堕ちSSを見てると即堕ちが多いように感じて物足りなかったので、
久々に満足させていただきました。
ありがとうございます。
  1. 2016/03/08(火) 23:15:45 |
  2. URL |
  3. MAIZOUR=KUIH #gCIFGOqo
  4. [ 編集]

同じように改造・洗脳されているはずなのに、旦那さんの方に隙が多く感じるのは気のせいでしょうか(笑)

「いつも一緒だね」と思っていたのもつかの間、このままでは奥さんの方が先に上のほうへ行ってしまうのではないかと心配でなりません…
  1. 2016/03/08(火) 23:20:11 |
  2. URL |
  3. g-than #-
  4. [ 編集]

皆様コメントありがとうございました

>>新殿様
普段の私だとなかなか書かないエンディングですよねー。
最近は異形化したりしても仲いい夫婦もいいかなぁと思っておりますので、またこういう話も書くかもしれません。
季節物もそろそろ書かねばー。(笑)

>>MAIZOUR=KUIH様
お久しぶりです。
旦那にとってはまさに望んだとおりの結果かもしれませんね。
堕ちに関してはこれも即堕ちに近いとは思いますけど、やはり思考が変わっていくところは書きたいですね。
こちらこそお読みいただきましてありがとうございました。

>>g-than様
旦那さんさっさとヒーローに倒されちゃいそうですよねー。
でも奥さんは「役立たずね」とか言って切り捨てそうで怖いかも。(笑)
  1. 2016/03/09(水) 21:11:31 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #fR9d3WYs
  4. [ 編集]

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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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