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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

軽巡「ブリュメル」

今日はちょっと時間を作ることができたので、宇宙に上がったローネフェルトを投下しますねー。
楽しんでいただければ幸いです。

無重力・・・
体を支えるものが何も無い世界。
コロニーで生まれ育った私には馴染み深い世界。
この浮遊感も久し振りだけど、何か懐かしい。
モニターに広がる宇宙空間。
星々のきらめきは地上で見るよりもずっと多く、まるで深淵に飲み込まれてしまいそう。
「お姉さま・・・」
背後から声を掛けられる。
いつの間にかこの呼び方に慣れてしまった自分が怖い。
「アヤメ、お姉さまはやめにしてって言ってるでしょ」
私はもう何度言ったかわからないセリフを吐く。
言ってやめてもらったためしは無いのだけども。
「うふふふ・・・はぁい、お姉さまぁ」
アヤメはまるっきりやめる気が無い様子で私に擦り寄ってくる。
このじゃれ付く猫のような仕草にも、腕の中の暖かさも慣れてしまった自分が怖い。
「まったく・・・アヤメは甘えん坊なんだから・・・」
私はそっとアヤメを抱きしめる。
ノーマルスーツ越しでもアヤメの体温が感じられるような気がするのは気のせいかしら・・・
ゆっくりとロールを続けるHLV。
その中で私はそっとアヤメに口付ける。
軌道上での会合までまだ楽しむ時間は充分にあった。

ゆっくりと近づいてくるムサイ級軽巡洋艦「ブリュメル」。
初期の頃のタイプではなく、砲塔を二基に減らした簡易量産型のタイプ。
砲塔を二基に減らしただけでどれほどの量産効果が上がるのか私にはわからない。
けど、砲撃力の低下に見合うものとも思えないけれど・・・
ブリュメルはゆっくりとベクトルを合わせるためにロールを行ないつつ近づいてくる。
そうすることによって全周走査を行ないつつHLVの回収を行なうのだ。
このHLVに乗っているのは人間ばかりではない。
キリマンジャロにあったモビルスーツのうち、宇宙での使用に耐えるものを搭載してあるのだ。
それらをすべて回収して帰投する。
おそらくはそういう命令が出ているはず。
自艦を危険に晒さない限り回収を優先しなければならないでしょうね、ブリュメルの艦長は。
『間もなく本船はブリュメルとランデブーを行ないます。全乗員はノーマルスーツを着用してドッキングに備えてください』
アナウンスが流れ、私は再びノーマルスーツを身につける。
モニターに映っているブリュメルはもうスクリーンいっぱいにまで広がっていた。
私はベッドに寝ているアヤメをそっと揺り起こした。

ハッチを開けるとそこはもう何も無い空間。
その何も無い空間の向こう側にブリュメルのハッチが開いている。
私はトンと床を蹴り、躰を空間に躍らせる。
途端に私は上下左右の無い空間に放り出され、目の前のブリュメルのハッチにたどり着くまではなすすべも無く漂うだけしかできなくなる。
ブリュメルのハッチでは担当員が手を伸ばしてくれていて、私はその手をがっちりと掴む。
そして躰をひねると、私はブリュメルのハッチに躰を入り込ませた。
『ようこそブリュメルへ。乗船を許可いたします』
担当員が敬礼をして私を迎え入れる。
「ありがとう。私はアマリア・ローネフェルト大尉。以後よろしくね」
私も敬礼を返し、奥へ通じる通路をリフトグリップで移動する。
勝手知ったるなんとやら。
私も第一次降下作戦前までは同じムサイ級軽巡の「アウリア」に乗っていたのだ。
どこをどう行けば格納庫に出られるかぐらいはすぐわかる。
あのHLVが搭載してきたモビルスーツが格納されるはず。
いったい何を搭載してきたのか見ておきたいわ。
私は足早に格納庫へ急いだ。

『固定作業急げ! 連邦のパトロールが来る前に離脱するんだ!』
『搬入はあと一機です!』
さまざまな声が飛び交うブリュメルのモビルスーツ格納庫。
私は躰を手すりに引っ掛け、勢いを止める。
搬入されてきている機体は三機。
真新しいグリーン塗装に塗られたばかりの06F2。
砂漠塗装から塗り直されたのだろう。
後は見たことの無い機体だわ。
「ねえ、ちょっと」
私は格納庫の整備要員に声をかける。
『はい、あっ、何でありましょうか?』
呼び止められた整備兵が私の階級章に驚いて敬礼する。
「私は今のHLVで来たアマリア・ローネフェルト大尉なんだけど、あの機体は何なのか知ってる?」
『ああ、はい。右の機体が地上試験に回されたYMS-11。左の機体はザクの改良型でMS-06FZですよ』
「YMS-11?」
聞いたことの無い機体だわ。
でも、全体のフォルムは何となくザクの改良型を思わせる。
『ええ、何でもマグネットコーティングとやらで、駆動をスムースに行なえるようにしたザクらしいですよ。確かアクト・ザクって言ったかな』
「アクト・ザク・・・」
どちらかというと黒に近いようなグレー塗装は精悍さを感じさせるわね。
私はこのアクト・ザクに乗ってみたいと思った。

『そこ! 何をサボっているの?』
パイロット用ではない一般兵用のゆったりしたノーマルスーツを身につけた士官がこちらにやってくる。
そのゆったりしたノーマルスーツの上からでも大きな胸が柔らかいラインを形作っているのがわかる。
そんなことを考えて私は苦笑した。
『す、すみません艦長! こちらの大尉殿に搬入したモビルスーツの説明をさせていただいておりました』
『こちらの大尉に?』
整備兵が敬礼して私を紹介するのを、胡散臭そうに受け取る士官。
階級は少佐だがこのブリュメルの艦長?
「失礼しました。HLVから移乗しましたアマリア・ローネフェルト大尉です。勝手に艦内をうろつき申し訳ありません」
私は敬礼して正面を向く。
『えっ? マリー? マリーなの?』
えっ?
私をマリーと呼ぶ人は少ないわ。
いったい?
『私よ、私。アウリアまで一緒だったリーザ・オスハイマーよ』
少佐がガシッと私の肩を掴む。
「リーザ! っと、オ、オスハイマー大尉?」
私は驚いた。
士官学校時代からアウリアまで一緒だったリーザ・オスハイマーなの?
『今は少佐よ。それにそんな呼び方じゃなくて、士官学校時代と同じくリーザでいいわよ』
バイザーの向こうでいつもと変わらぬ笑顔を見せてくれるリーザ。
階級こそ彼女が先んじているものの、私たちはよく一緒に居たものだ。
彼女は艦船勤務を望み、私はパイロットを志望した。
その甲斐あってか、彼女は巡洋艦に配属され、航海長から今や艦長となったわけね。
「リーザ・・・おめでとう。艦長になったのね?」
『ありがとう。ごめんね、今は作業中だから。発進したら部下を呼びにやらせるわ。それまで艦内でくつろいでいて』
そう言ってリーザは身を翻す。
『そこ! 固定作業にいつまでかかっているの? 発進するわよ!』
『もう終わります』
整備兵たちの声を背に私は格納庫を離れることにした。

30分後、HLVを二つのエンジンの間にはさみこんだブリュメルは発進した。
連邦軍パトロール艦隊の出現も無く、作業を無事終えたブリュメルは粛々と航海を続けて行く。
その行き先がどこになるのか私は知らない。
空風鈴ハイパー
アヤメさんとローネさん、馴染んでますね(笑)。
もう完璧百合ーな関係でしょうか?なんといってももう
「血をわけた姉妹」
みたいなものですからね。
新キャラリーザさんも含めた3人で・・・むふふ、失礼(汗)。

しかしアクトザクですか・・・またマイナーな所を・・・。
相当なガンダマーでなければ知らない機体名ですよね。
むりやりザクをMCしなくても・・・MC・・・なんかそそるものが(笑)。
失礼しましたー。
3月1日 22:45

ALTION
まず、お詫びを・・・j.mは私です。HNを間違えて記入しました。良くやります。こういうの
 アクト・ザクはマイナーから抜け出してきた感があります。最近、商品として出ていますし。
ガルバルディ(α)やデザートジム、バストライナーなどよりマイナーではなくなっている気がします。TV版Zに出ていますしね。それはそうとして、この年代の作品てのは、質より量を重視したものが目立ちますね。ガンダム然り、仮面ライダー然り・・・それより以前の1対1の決闘スタイルから変わってきたように思います。

個人的に疑問に思うのですが、百合とレズの違いって、あるのでしょうか?
3月2日 21:52

漆黒の戦乙女
あははwこの二人の関係も変わってきたようですねw
この先はこれが母艦となるのかそれともザンジバル辺りが出てくるのか…艦長も変わってしまうか変わらずに行くかなど気になりますね

アクトザクがでてくるとは考えてなかったですね
この時期だとまだ一機しかいないと思ってたのでここにも出てくるとは…
ローネさんは乗れるのかな?
3月3日 10:20

舞方雅人
>空風鈴ハイパー様
三人でむふふ・・・ですか。いいですねぇ。
これにパトリシアが絡んだりしたら・・・もう大変。(笑)
MCはそそられますねぇ。(笑)

>ALTION様
HNのマチガイなんて気にしないでくださいね。
アクト・ザクはほんのちょっぴり知られてきているかもしれないですね。
百合とレズの違い・・・何なんでしょうね。

>漆黒の戦乙女様
当面はこのブリュメルが母艦になりそうです。
沈まなきゃいいけど・・・(笑)
アクト・ザクがこの時期一機しか無いとは知りませんでした。(汗
まあ、地上で試験を行なっていたということで。(笑)
3月4日 0:19

漆黒の戦乙女
えと、すみません
実はアクトザクが一機のみとかそういうのはまったく知らないんですよ
ただゲーム作品で一機だけ出てきたのを見たことがあっただけなので、それしか送られてないんじゃないのかと思ったので
ペズン計画の機体って一年戦争での活躍とかまったく聞いたことが無いし、ペズンの位置自体も(私自身は)分かっていないので一機しかきていないんじゃないのかなと思ったわけでして
3月4日 8:40

舞方雅人
>漆黒の戦乙女様
そうでしたか~。
お気になさらず。
自分もただマイナー機で、それなりに強そうな機体を考えたらアクト・ザクにたどり着いただけですので。
まっとうに考えたらゲルググの方がはるかに使い勝手がいいでしょうね。
やっぱり初期型ゲルググに乗せた方がいいかなぁ。ww
3月4日 23:36
  1. 2006/03/01(水) 21:53:33|
  2. ガンダムSS
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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