FC2ブログ

舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

今年最後の更新です。

いよいよ今年も残り数時間になりました。
今年最後のSSを投下しますね。

今年最後の締めはローネフェルトに登場願いました。
皆様のご想像は合っていましたでしょうか?

ズン・・・ズン・・・
巨体が小刻みに振動している。
連邦軍の対空砲火だろう。
キャリフォルニアからの定期便と同じコースを取るなんて・・・
対空砲火に晒されるのは当たり前だわ。
『モビルスーツ隊、発進準備』
こんなところで?
陽動という言葉がいまさらながらに思い返される。
私はヘルメットと手袋を手に取り、モビルスーツデッキへと向かった。

「遅いんですわねぇ」
冷ややかな目で私を見つめてくるミナヅキ少尉。
先ほどの連邦軍の軍服ではなく、すでにジオンの軍服に着替えている。
「出撃には間に合うわ。何かご不満?」
「あはぁ、せいぜい生き延びてくださいねぇ。ご主人様が悲しまれるのを見たくないですからぁ」
そう言いながら彼女は07Bのコクピットのハッチを開ける。
「でもぉ、私は一向に構いませんけどねぇ。あははは・・・」
ふふんといった感じで笑みを浮かべるミナヅキ少尉。
「ありがとう。せいぜい後ろに気を付けることにするわ」
私は07Hのハッチを開けて乗り込むと、ヘルメットと手袋を身につけた。
これからの戦いは気を引き締めなくてはならない。
敵は連邦軍。
だが、それと同じぐらいアドラー少佐は油断がならないだろう。
どんな手で私を飼いならそうとするのか・・・
敵のど真ん中で支援も受けられずに孤立させ、恐れおののく姿を見てあざ笑うつもりか?
でも私は恐れたりしない。
敵の真ん中で少佐に助けを求めるぐらいなら、そのまま敵と刺し違えてやるわ。
『遅くなった。お前たち、準備はいいか?』
アドラー少佐が07C3に乗り込んで行く。
こうも統一の取れていない部隊も珍しいだろう。
整備兵の苦労がしのばれるわ。
「こちらローネフェルト。準備OKです」
『ミナヅキですぅ。OKですわぁ』
ヘルメットからミナヅキ少尉の声が流れる。
どこと無く甘ったれたような滑らかな声。
決して不快ではない。
なぜ彼女はこの部隊にいるのかしら?
捕虜として正式な待遇を受けることだってできるでしょうに・・・
それほどアドラー少佐が魅力的な男とは私には思えない。
何があったのだろう・・・
『こちらブリッジ。各機へ、射出まで30秒です』
『了解だ。二番機は続いているのか?』
『後続中です。まもなく降下ポイントへ到着です』
その声に私の手袋の中がじんわりと濡れてくる。
『聞いたとおりだ。山猫、まずはお前が降りろ。続いてアヤメ。最後に俺が続く。いいな?』
良くないとは言えないでしょうね。
モビルスーツを降下させるにはどうしても旋回や上下動をすることはできない。
つまりガウはまっすぐ一直線に飛ぶことになってしまう。
当然対空砲にとっては狙いやすいことこの上ない。
しかも連邦だってわかっているから、降下開始直前のハッチが開いた瞬間を狙ってくるのだ。
強烈な風圧を腹に食らってガウの速度がかなり落ちる上、ハッチから顔を出したモビルスーツを直撃できればその爆発はガウもろとも破壊する。
一番危険な瞬間と言っていいだろう。
その瞬間をいかに切り抜けるか・・・
腕の見せ所というわけか・・・
私はレバーを握り締め直した。

『こちらブリッジ。降下どうぞ!』
『ようし、行けぇ!』
アドラー少佐の声を聞き私は07Hを前に出す。
ん・・・
訓練で一度乗ってみたものの、このホバー移動というのは慣れないと違和感を感じるわね。
私の07Hは文字通り滑るようにハッチの前に出て行く。
ガウのハッチが開いていき、猛烈な突風が吹き込んでくる。
固定されてない器具や工具が転がって行く。
「ローネフェルト、07H、行きます」
私は機体を空中に飛び出させた。
「クッ、お、落ちる」
急激な高度ダウン。
07Hのホバー能力とバックパックのバーニアノズルを全開にして降下速度を緩めて行く。
そしてスクリーンはさっきから悲鳴を上げている。
連邦軍の対空砲が撃ち上げてくる曳光弾が周囲で炸裂しているのだ。
赤や緑や黄色が花火のようにはじけて冷たい美しさを奏でていた。
爆風がわずかながらに機体を揺らす。
降下速度を微妙に変えながら私は足元の濃密なジャングルに向かって降下していった。
『うわぁっ!』
悲鳴とそのあとに続くがりがりという空電ノイズ。
二番機から降下した機体に対空砲が直撃したのだろう。
『ブラウスキー!』
一緒に居るはずのイ中尉の声のようだわ。
となるとやられたのはブラウスキー中尉ということか・・・
地面に付くまでにすでに一機を失うとは・・・
幸先が悪いわね。
私は暗澹たる思いに包まれた。

モビルスーツの背丈ほどもある樹木の間のわずかの開きスペースに私は07Hを滑り込ませる。
ホバー独特のふわっとしたなんともいえない不安定さが私を不安にさせる。
宇宙空間ではなくしっかりとした重力を感じるにもかかわらず、この身はどこかの星空にいるような錯覚すら覚えるのだ。
『あはぁ、ボケッとしていると殺られちゃいますわよぉ』
ミナヅキ少尉のその言葉にはっとなる私。
意外といい娘?
私は07Hを走らせる。
ホバー移動は足を動かす必要が無い。
その分高機動になるが、不安定さも増す。
私はモノアイを動かして周囲の敵情を探る。
樹木の間に巧妙にカモフラージュされた対空砲が見え隠れする。
ミノフスキー粒子下ではミサイルはロケット弾と変わりが無い。
それならば弾幕を張り、まぐれ当たりを期待するしかないのだ。
とはいえそのまぐれ当たりは無視できない。
特にご丁寧にコースを定めて爆撃に来るようなガウの編隊には。
「まずはこれを」
私は07Hのハンドマシンガンを対空砲目掛けて撃つ。
軽い断続的なショックが響き、曳光弾が対空砲に飲み込まれていく。
爆発が起きて吹き飛ぶ対空砲。
『山猫! ボケッとしてないで突進しろ! 後がつかえているんだ!』
アドラー少佐の怒号が響く。
「了解!」
私はそのまま07Hを滑らせた。

周囲の樹木が次々と吹き飛ぶ。
大口径砲の直撃だわ。
あのタンクもどきか?
間接砲撃ではない。
間接砲撃なら上から降ってくるはず。
ならば直接射撃。
どこかからこちらを見ているはず。
どこだ。
私はモノアイを回転させる。
居た!
樹木の間に上半身だけを出したタンクもどきと・・・あれは!
モビルスーツ!
連邦のモビルスーツか!
しかも二機もいる。
だが、ようやくこちらに気が付いたばかりのようなうろたえぶり。
タンクもどきの砲撃で撃破できると踏んでいたのか、戦闘体制が整っていない。
私はジャイアントバズを構え、樹木の陰から発射する。
命中率の低いバズーカは近づかなくては当たりづらいが、ロケット弾は見事に敵モビルスーツの腹を直撃する。
戦艦の装甲も破れるロケット弾だ。
そのHEAT弾頭は間違いなくモビルスーツの装甲をぶち抜いたはず。
敵モビルスーツは爆炎をあげて倒れこんだ。
「やったわ」
ホッとしたのもつかの間、赤い光線がそばの樹木に突き刺さる。
バカな・・・
ビーム?
連邦はモビルスーツにビーム兵器を持たせているの?
そんな小型のビーム兵器が存在するの?
ビームはHEATなど問題外の貫通力を持っている。
一発食らったらおしゃかだわ。
私はすぐにその場を移動して狙い撃ちされないようにした。

「次!」
思わず口にしてしまう。
バズーカの弾数は限られている。
それをいかに効率よく使って行くのか。
私は木立の間を滑り抜けながら、連邦軍のモビルスーツに狙いをつける。
トリガーボタンを押すと、ジャイアントバズはバズーカの名に相応しくないほどの反動を残してHEAT弾を発射する。
盲滅法ビーム砲を撃ちまくっていたモビルスーツは次の瞬間には四散していた。
護衛のモビルスーツを失ったタンクもどきは、キャタピラを軋ませて後退を始めるが、逃がしはしない。
私は再びジャイアントバズを構えて発射する。
主砲を撃ちながら後退して行くタンクもどきだったが、バズーカの弾は直撃し破壊する。
「これで三つ。残弾は・・・」
私は残弾を確認する。
ジャイアントバズは残り三発。
私は今後の指示を仰ぐことにする。
「こちらはローネフェルト。敵の抵抗に遭いましたがこれを排除。敵の抵抗はさほどではありません」
『ようし! いいぞ、山猫。そのまま目標地点まで突破するんだ!』
アドラー少佐の声が流れてくる。
空電の雑音からするとそれほど遠くは無いらしい。
「命令は了解しましたが、当方残弾少なく長時間の戦闘は不能。武器筒の投下は行なわれたのでしょうか?」
武器の回収無しでは戦えない。
突進するならそれなりの装備を整えなくては。
『武器筒の回収は許可できない。武器筒は本隊に必要だ。山猫は山猫らしく現地調達せよ』
「な・・・」
私は歯噛みした。
奴は私が泣き付くのを待っている。
ここで私があられもなく助けてくださいご主人様と言うのを待っているんだ。
誰がそんなセリフを吐くものか。
「ローネフェルト了解。目標地点までの突破を行ないます」
『ああ、せいぜい励むことだ。助けが欲しかったらすぐに言え。助けてやるぞ』
「ありがとうございます」
私は吐き捨てるように言って通信を切る。
「さて・・・」
私は破壊したモビルスーツの残骸に近づいた。
残念なことに彼らはビーム兵器を使っていて、火薬式のマシンガンは使っていない。
これでは奪っても使うことはできない。
「困ったものね・・・ザクマシンガンでも無理やり持ってくればよかったかしら」
いけないいけない。
コクピットでの独り言が多いかも。
それにしても武器も持たせずに突進しろとはね。
私は07Hを再び走らせた。


今年はここまでです。
お付き合いくださりありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。

それでは皆さん、よいお年を。
空風鈴ハイパー
今年はお世話になりました。いつも楽しませていただくと同時にコメント欄にお邪魔させていただいてます。来年もヨロシクお願いします。SSもミリネタも楽しみにさせていただきます。ではまた。良い御年を・・・。
12月31日 23:41

舞方雅人
>空風鈴ハイパー様
こちらこそお世話になりました。来年もよろしくお願いしますねー。
12月31日 23:50

ALTION
 あけましておめでとうございます。昨年はSSなどでお世話になりました。今年も良い年になりますよう・・。
1月1日 0:24

姫宮 翼
あけましておめでとうございます。降下時に既に一機爆散しましたね。まぁ運が悪かったんでしょうね。てっきり、ローネフェルトさんが誤射と言ってアドラー少佐のコックピットを撃ち抜いたり。またアドラー少佐がローネフェルトさんを不利にするために援護射撃の誤射だといって腕や脚部を狙うかと思っていましたが・・・・・・。そんなの明らかに味方がわかっちゃいそうですよね(笑
1月1日 16:53

漆黒の戦乙女
ついに始まったジャブロー攻略作戦…ギレンならここで終わらせることも不可ではないんですがねw制空権を確保していても、降下は大変でしょうからね…これで何機か落ちたっていわれてましたし弾薬補給無しですか…まぁ、この人ならこういうものを理由にしてきそうですよねあからさまだけど一応筋は通った理由ですから、目的は敵MSの破壊ではなくてジャブローの占領で素から内部での戦いに貴重な弾薬は使いたいっていう理由なら…ねさて、ローネフェルトさんはこの危機をどう乗り越えるのかが気になりますね同時に少佐の最後もw そういえば、先月発売されたグレートメカニックに一年戦争のエース特集がありましたライデン少佐からアムロまで、MSVで設定のある人まで載ってましたで、その中に山猫のパーソナルエンブレムを持っている人がいたようなんです一応この人はアフリカ大陸がおもな戦場だったそうですが…山猫さんが他にもいたとは…というのがみた時の感想でしたねwついでに、アムロがテレビ版で撃墜した機数を数えたと言うものもあったんですが、彼すごいですね合計131機撃墜でMA8の戦艦8…この人本当にバケモノ級ですねそれだけジオンが攻撃を集中していたって言うわけなんでしょうけど
1月1日 22:52

舞方雅人
>ALTION様
あけましておめでとうございます。今年も楽しんでいただけるように頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。

>姫宮 翼様
それはまったく考えていませんでしたねー。ww誤射は戦場には付物ですからそういった手もありえますね。でも、アドラーはあくまでも救いの手を差し伸べる役割ですからあからさまなことはしないでしょう。これからはわかりませんが。(笑)

>漆黒の戦乙女様
そうでしたか~。山猫はもしかしたら使われているかなって思ったことは思ったんですが、やっぱりいましたか。ジオンには女性のエースパイロットっていたんでしょうかね?ローネフェルトには頑張って欲しいものです。
1月1日 23:10

漆黒の戦乙女
ジオンの女性エース、一応シーマが挙がっていますねそれ以外はみんな男ですかね…後知っているものがあるとすれば、漫画のブルーデスティニーで戦闘機のりの女性エースがいましたね多分機体はTINコッドかな?とりあえずフライマンタっぽくはなかったような気がしますが…異名はオデッサの荒鷲となっていましたねまたここで面白いものを見かけました高機動型ザクの前期型MS06-R1の生産数が56機とか、後期型のR2はリックドムとのコンペで敗れて4機しか作られなかったとか…1機はジオニックが保管して残りは実戦投入されたとか(ちなみに1機はライデンさんが使用してました) 後とても悲しいお知らせが、今ローネフェルトさんが使用しているグフ飛行型なんですが、航続距離が物足らなくて本部が無茶な強化をさせてテストでエンジントラブル続出、ついに紹介されていたエースさんが乗った機体が空中で爆発…ローネフェルトさん大ピンチ?後パトリシアさん、今は回復しましたかな?戻ってきた後、ローネフェルトさんが引き取った(りしてるとやっぱりうれしいかもw)ミナヅキ少尉の影響をもろに受けて彼女も女王様になった…りしたら笑うかもwこれでローネフェルトさんグフカスタム、二人がグフで小隊名女王様隊…暴走しすぎましたね(^_^;)
1月1日 23:47

舞方雅人
>漆黒の戦乙女様
シーマ様がいましたねー。オデッサの荒鷲やR2が4機のみというのは私も知っていますが、飛行試験型が爆発・・・は知りませんでしたね。パトリシアはいずれ復活する予定です。アヤメについては・・・ローネフェルトが引き取って欲しいという声が他からも。ww意外と人気が高いのかな?女王様隊はすごいかも。
1月2日 0:11
  1. 2005/12/31(土) 20:53:05|
  2. ガンダムSS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<謹賀新年 | ホーム | 12月31日>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://masatomaikata.blog55.fc2.com/tb.php/390-20bda37f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

カレンダー

11 | 2019/12 | 01
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

AquariumClock 2

プロフィール

舞方雅人

Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

ブログバナー


バナー画像です。 リンク用にご使用くださってもOKです。

カテゴリー

FC2カウンター

オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理人にメールなどを送りたい方はこちらからどうぞ

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

ブログ内検索

RSSフィード

ランキング

ランキングです。 来たついでに押してみてくださいねー。

フリーエリア

SEO対策: SEO対策:洗脳 SEO対策:改造 SEO対策:歴史 SEO対策:軍事

フリーエリア