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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

次の戦いへの布石

えーと・・・
調子に乗ってます。
昨日の続き的な話を書いちゃっています。
ガンダムネタで書くのがこんなに楽しいと思わなかったもので・・・
すみませんがいま少しお付き合いのほどを。m(__)m

「攻勢に出る? こちらから?」
俺は耳を疑った。
わざわざジャブローから派遣されてきたという大尉殿は突拍子もないことを言ってくれる。
「ええ、敵は我が軍のモビルスーツガンダムによって北アメリカ方面軍司令官ガルマ・ザビを失っています。敵の指揮系統が混乱している今こそこのアラスカ方面で攻勢に出てキャリフォルニアを圧迫するのです」
メガネの奥の瞳を輝かせながらとうとうと御説を披露してくれるキャサリン・パターソン大尉殿。
言っていることに間違いはない。
確かに敵の上層部の指揮系統は混乱しているだろう。
それに乗じて攻勢に出るというのも作戦として悪く無いと思う。
ただし、見合った戦力があればの話だ。
「大尉殿。お言葉ですがそれには戦力が不足していると思われます。補充は見込めるのですか?」
「もちろん。私はあなた方に無理をしろと言っているのではありません」
「それは助かる。で、どれだけの戦力が?」
俺と同様に戦車小隊の指揮を取っているオーソン・マクスウェル准尉が顔をほころばせる。
無理もない。
先日の戦闘では彼の小隊は二両しか残らなかったのだ。
戦力の補充は一刻も早く欲しいところだろう。
「ファンファン型ミサイルホバーに有線ミサイルバギーが六両。士気の高い負け知らずの若手の兵士たち。それにガンタンク型のモビルスーツが一機です」
モビルスーツが来る?
いよいよ我が軍にもモビルスーツが配備されるのか?
「詳細は追って指示しますが、三日後には攻勢に出れるようにしてください。いいですね」
「ハッ」
俺もマクスウェルも敬礼をして命令を受ける。
それしかできることはないのだから。

「補充ですか?」
缶詰の魚を飲み込みながら私はそう言った。
連邦軍は相変わらず美味しいものを食べている。
この缶詰だって鹵獲したものだが、その味は一級品だろう。
どだい私たちジオン人は魚をそうしょっちゅう食べられるものではない。
本国の漁業コロニーで作られる魚はとても高くておいそれとは手が出ない。
お母さんもぼやいていたっけ・・・
「ああ、君にもようやく新型が回せるぞ」
「新型?」
私は中隊長であるコーニッグ大尉に聞き返した。
06Jの後釜ということなんだろうか・・・
「ああ、先ほどファットアンクルが持ってきてくれた。MS-07Bグフというらしい」
「グフ・・・ですか?」
聞いたことがない機体だが、06Jみたく宇宙用から地上用にしてみました的な機体で無ければいいけれど・・・
「それと部下を一名預ける。いいな」
「あ、はい」
私は敬礼して大尉を見送った。
あとで新型を見てこようなどと柄にもなくうきうきしながら・・・

「大尉殿・・・これは?」
俺とマクスウェルの前には巨大な戦車が組み立てられていた。
「RX-75ガンタンク・・・ね・・・まさかこんな代物だったなんて・・・」
パターソン大尉も何か落胆したような表情に見える。
ジャブローで聞いていたのとは違ったということなのか?
「ただのでかい戦車じゃねえか」
「一応手らしきものはあるな」
マクスウェルにそう言ってやるが、気休めにもならない。
あのザクが自由に武器を持ち替えることができるのに比べれば、指さえ付いていないこいつは手なんていうものじゃない。
「単にロケットランチャーをつける場所がなかっただけだろ」
俺もそう思う。
「で、どうするんですか? 大尉殿」
「どうもこうもやるしかないでしょう・・・手持ちを駆使して攻勢に出るしかないわ」
メガネを指で直しながら大尉は不安を隠そうともしない。
「あのー・・・」
「なんだ!」
背後からの声にマクスウェルが荒々しく反応する。
「第18師団第2大隊第1中隊はこちらでしょうか・・・」
歯切れの悪いおどおどしたような尋ね方。
マクスウェルが一番嫌うタイプだな。
俺が振り返ると、そこには男女取り混ぜた軍服を着た高校生たちが居た。
「そうだけど・・・」
パターソン大尉が彼らを見回す。
「よかった。私たちは本日付で第一中隊に配属されました。以後よろしくお願いいたします」
「お願いいたします」
「お願いいたします」
口々にそう言って頭を下げて行く。
俺とマクスウェルは顔を見合わせ、パターソン大尉はがっくりとうなだれた。

「ふう・・・」
食事のあとの散歩としゃれ込む。
中央のランディングゾーン付近のハンガーでは煌々とライトが点いてモビルスーツの整備作業が行なわれているようだ。
私はそちらの方へ足を向ける。
MS-07B・・・
どんな機体なのだろう。
どうしよう・・・
なんかわくわくしている・・・
ああん・・・どうしよう・・・
私は知らず知らず足を速めてハンガーへ駆け込むようにたどり着く。
かまぼこ型のハンガーは立ったままのモビルスーツを整備するために天井がとても高い。
その入り口で歩哨に立っている若い兵士たちに答礼を返し、私は中に入っていった。
そこにあるのは六機のモビルスーツ。
二個小隊の定数が揃っている。
いつ以来だろう、定数が揃ったのは。
いつも二個小隊で四機あればいいほうだったのに。
しかもその中央に青いモビルスーツがいる。
両肩からはまるで天を突くように先の尖ったスパイクが生えていて、背中には驚いたことに中世の戦士のような剣を背負っている。
左腕には06Jなんか問題にならないぐらいの大きい盾を装備して・・・?
指先が・・・無い?
左手の指先は中途半端な位置で途切れて穴が開いているわ・・・
あれは一体?
それに右手にも手首のところに大きなボックスがついている。
あそこから何かが出てくるみたいだけど・・・
「来ましたね、ローネフェルト中尉」
「えっ? あっ」
私が振り返ると整備中隊の技術中尉がやってくるところだった。
「あれがMS-07Bグフです。どうですか?」
技術中尉は私の隣に立つとグフを見上げてそう言った。
「青はこのあたりでは目立ちますね。グリーンにしてくれると助かるんですが」
「残念ですがそれはできかねます。この青は一応は電磁波吸収塗料でして、上に塗ってしまうと意味をなさないんですよ」
私の提案をあっさり断ってくれる技術中尉。
ミノフスキー粒子を撒けばそのあたりは気にしなくても良さそうだし、音響センサーや熱源センサーはごまかしようが無いと思うんだけどな・・・
「あの左手の指は取り付け前?」
「それも違います。あれはこのグフの自慢の一つだそうでして機関砲が仕込んであるようです」
仕様書をめくりながら答えてくれる技術中尉。
「宇宙空間の戦闘でMS-06Cが戦闘中に武装を失うという事態が頻発しましてね。固定武装が欲しいという要望に答えたそうです」
それは単にマシンガンやバズーカを手放してしまっただけの事だと思うけど・・・
「マシンガンやバズーカは持てるの?」
「そりゃあ、持とうと思えば持てないことも無いでしょうが・・・右手にもヒートロッドという武器がありますから必要ないでしょう」
そうかしら・・・
武器はいつでも多い方がいい。
ザクのいいところはその手持ち武器の多さだと思うのに・・・
「それと装甲も厚くなっています。コクピットの直撃でもなければそうそう戦闘力を失うことはありませんよ」
確かにそう・・・
でも先日の戦闘では的確にそこを狙われたわ。
「ローネフェルト中尉殿」
呼びかけに私は振り向く。
そこには地上だというのに真新しいノーマルスーツに身を包み敬礼をしている栗色の髪の少女がいた。
「あなたは?」
「はい。このたび中尉殿の貴下に配属されましたパトリシア・ノイマンです」
少女はそのつぶらな瞳をまっすぐに私に向けてきた。

「目標はここよ。ジオンの前線基地」
パターソン大尉が地図上の一点を指差す。
林の中に作られたジオンの拠点だ。
先日の連中をもそこを中心にこちらに攻勢を仕掛けてきたのだった。
「今度はこちらからということですか・・・」
「ええ、そうよ。ここを放っておけばアラスカでのにらみ合い状態が続いてしまうわ。それは避けたいし・・・ヨーロッパから敵の目をこちらに向けたいし・・・」
「ヨーロッパから?」
マクスウェルが聞き返した。
「ええ、これは絶対に秘密にして欲しいんだけど・・・もしどこかで話が聞こえたら私はあなた方を疑うからそれでもいい?」
「結構ですよ。聞かせて下さい」
俺は何となくパターソン大尉に親近感を持った。
普通はこういった重要なことは教えられるもんじゃない。
「ええ、近いうちにヨーロッパで一大反攻作戦があるわ。そのために各地の我が軍は策動して敵の目をひきつけることになるの。ここでもアジアでもアフリカでもよ」
「なるほど・・・それで戦力も整わないうちに攻撃に出ろ出ろって言うわけだ」
マクスウェルの言葉に俺と大尉はうなずいた。
どちらにしても待っていれば戦力が増えるという保証も無いし、敵がガルマ・ザビの戦死から立ち直ってしまいかねない。
俺たちの中隊だけじゃなくどの中隊だって戦力は乏しいし、この際贅沢は言っていられないか・・・
「大尉殿、航空攻撃である程度叩けないんですか?」
「だめね。近くにジオンの前線飛行場があるわ。24時間体制で偵察哨戒機が飛んでいるからすぐに迎撃されちゃうの」
「それで納得がいきましたよ」
そうだったのだ。
この近くでは比較的ミノフスキー粒子の濃度が薄い。
無線通信もわりとやりやすいんだが、それがなぜか引っかかっていたのだ。
偵察機の能力を発揮するためにわざとある程度しか撒いていないのだとすると話はわかる。
「となると、あながちあのデカブツも無意味じゃないか・・・あいつならかなりの射程があるからな」
「そういうこと。私たちは林を迂回しこの地点まで進出。師団の攻撃にしたがって側面から砲弾を叩き込む」
パターソン大尉は林の外周を囲む丘陵地に印を付ける。
そこからならあのガンタンクの主砲弾で前線基地を射程内に納められるのだ。
「敵の航空索敵にはこちらもディッシュで対抗するわ。TINコッドとフライマンタが陽動をかけてドップ隊を引きつける。その間にできるだけ進出するためにも明日の夜には出発よ」
「夜間行軍ですね? 了解です・・・が・・・」
一抹の不安がよぎる。
やってきたばかりの連中はまだこのあたりに不慣れで右も左もわからない。
そんな状態での夜間行軍は迷子続出になりかねない。
かと言ってライトを煌々と点けての夜間行軍では何の意味も無い。
「バーナード准尉の言いたいことはわかるわ。新米たちのことでしょ?」
「ええ」
「仕方ないわね。いつかはやってもらわなければならないんだし、私が最後尾でできるだけサポートするわ」
「わかりました」
俺はうなずくしかできなかった。

「あなた・・・歳はいくつ?」
レディに歳を聞くのは心苦しい。
だけど明らかに彼女は少女だ。
学校を出ているのかさえ疑わしくなる。
「は、はい。じゅ、十七歳です」
「じゅ、十七?」
私は息を飲んだ。
本国の人的資源の払底はここまで深刻なのか?
「ハイスクール生じゃない・・・」
「あ、でも訓練はきちんと受けていますし・・・それに私・・・志願兵ですから」
まっすぐな眼差し。
恐れも何も無い。
「志願ですって? どうして・・・」
私にはわからない。
私のように徴兵期間中に戦争が始まったのならともかく、自ら彼女のような少女が志願するなんて・・・
「我が家では長子は男女問わず強くあらねばならないんです。ですから私も」
「あなたの父親をここへすぐに呼びなさい! 私がひっぱたいてやるわ!」
「父は宇宙です。艦隊を率いて戦っています」
パトリシアの目が険しくなる。
自分の決めた道だから父は関係ないというように・・・
「わかったわ。ごめんなさい。でもいいこと? 私の命令には絶対服従。いいわね?」
「はい!」
彼女の背筋がピンと伸びる。
「グフの操縦は?」
「え? は、はい。シミュレータでの訓練は受けています」
「なら、これはあなたが乗りなさい」
私はそう言って背後の青い機体を指し示す。
目立つ色だが06Jよりは生き残る確率が高いはず。
少なくとも私より動かし方を知っているだけましだろう・・・
「で、でも・・・」
「これは命令よ。私は乗りなれた機体の方がいいの。ということだからこの娘用に調節してあげてください技術中尉殿」
「いいんですか?」
今まで黙って聞いていた技術中尉がにやりと笑う。
「いいのよ。ザクよりははるかに生残性が高いんでしょ?」
「それはそうですが・・・」
「ならこの娘に乗ってもらいたいわ。コーニッグ大尉にもそう言っておきますから」
私はそう言ってこの基地内を案内するためにパトリシアの手を取った。
空風鈴ハイパー
「指先なんて飾りです、お偉いさんにはそれがわからんのです」(笑)ないない・・・。グフですか・・・。一瞬「ああっ!ローネフェルトさんが女王様に!」と思っちゃいました(笑)。パトリシアさんが乗るんですね・・・。しかし「ガンタンクVSグフ」のMS戦は想像つかないですね。接近戦になったらGTは瞬殺されそうな気が・・・。「08小隊」の「グフカスタム」と「量産型ガンタンク」ってのはありましたが・・・。きっと都合良くコクピットの前面装甲が裂けてパイロットが対面するんですね(笑)。 しかし想像すればするほど「ムチで戦車なぎ払うグフ」って絵は一方的な展開になりそうな・・・。
11月22日 9:09

舞方雅人
>空風鈴ハイパー様
「おほほほほ・・・跪いて私の足をお舐め!」といいながらムチを振るうグフは見たくないですなぁ。(笑) 08小隊は意識しちゃいますけど、今回はグフ対ガンタンクになるかどうか・・・なんせバーナードもローネフェルトもそれぞれのメカに乗りませんので。下手すると一瞬でリタイヤもあるかもしれませんです。
11月22日 22:02

漆黒の戦乙女
こんばんわオデッサ前の話ですねこのタイミングならグフは最新ですねグフから女王様が連想される…イメージが、グフに乗るのは男って感じでしたからまったく想像できませんでしたね(最初はランバラルという漢、MSVでもマ・クベ専用、運命だとオレンジ色) ノイマンちゃんがキャラ・スーンみたいな性格ならありえるかなぁとも思いましたけどねw
11月23日 22:53

舞方雅人
>漆黒の戦乙女様
キャラ・スーン様にグフ。なんかピッタリハマり過ぎですね。パットちゃん(パトリシアの愛称)はおとなしめの娘のはずですから、「ムチを振るう女王様」にはならないと思いますよー。(笑)
11月24日 8:41
  1. 2005/11/21(月) 22:33:36|
  2. ガンダムSS
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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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