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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ビースト

今日は早めの更新です。
ようやく闇側の体制が整いました。
これから光との戦いが始まるでしょう。

4、
会議室から現れた二人の姿に事務所の社員たちは息を呑んだ。
先頭に立って誇らしげに出てきた上坂美野里はまるで全裸であるかのような真っ黒な全身タイツに長手袋とハイヒールブーツといういでたちであり、そのあとに現れた荒蒔留理香にいたってはつややかなボンデージに怪しげなサークレットとマントを身に纏っていたのだ。
いったい何事かと思うのも無理はないであろう。
「き、君たち、その姿はいったい?」
所長の涌坂が驚いたように声を掛ける。
「黙りなさい! 今日からこの事務所はこのお方、デスルリカ様が支配することになるのよ」
鋭い視線を涌坂に向けるレディアルファ。
「な、何を言っているんだ、君たちは?」
涌坂が立ち上がり、二人に近づく。
いつもの二人とは違う。
いったい何があったというのだろう。
「上坂君、悪ふざけは・・・」
「やぁっ!」
近づいた涌坂をレディアルファは回し蹴りで蹴り飛ばす。
「ぐはぁっ」
もんどりうって倒れる涌坂。
「キャー」
事務所内に悲鳴が上がる。
「レディアルファ、殺してはだめよ。その男にはまだ利用価値があるわ」
デスルリカが冷ややかな目をころがっている涌坂に向けた。
「はい、デスルリカ様。ふふふ・・・命拾いしたようね」
ブーツのつま先で涌坂の腹に蹴りを入れるレディアルファ。
「グハッ」
涌坂はそのまま気を失ってしまった。
「所、所長!」
一人の女性デザイナーが涌坂に駆け寄る。
「ハッ!」
「キャン!」
レディアルファの蹴りが再び閃き、彼女も蹴り飛ばされてしまう。
「勝手なマネをするんじゃないわよ。」
レディアルファは倒れた女性のそばに立って見下ろした。
「や、やめてよ美野里」
「美野里? あはははは・・・」
足元で倒れている女性を見下ろしながら、レディアルファは高笑いする。
「あなたに美野里などと呼ばれる筋合いは無いわ。それに私はレディアルファ。上坂美野里などという人間であることなど捨てたのよ」
「みの・・・り・・・」
唖然としたように昨日までの友人を見上げる彼女。
「うふふふ・・・そういえば・・・」
いきなりブーツのヒールを倒れている彼女の肩口に食い込ませるレディアルファ。
「あぐぅ」
「あなた、以前私のアイデアを奪ってくれたわよねぇ」
「ええっ?」
ぐりぐりと加えられる圧力にヒールが食い込んで行く。
「忘れちゃった? リボンをつけることによって引き締まるって私が言ったのをあなたは奪ったでしょ」
「そ、そんな・・・あれは私だってそう感じたから・・・」
痛みに顔をゆがめながらも必死に訴える。
「お黙り! デスルリカ様、この娘殺しちゃってもよろしいですか?」
「ふふふ・・・殺したいんでしょう? 仕方ないわねぇ」
所長の椅子にゆったりと腰掛けて足を組むデスルリカ。
周囲の社員たちはあまりの事に声も出せないでいる。
「うふふ、ありがとうございますデスルリカ様。聞いたぁ? ねえ聞いたぁ? あなた殺してもいいんだって。殺してもいいんだってよ。あはははは・・・」
高笑いを続けながら、横たわる女性の顔面にブーツのヒールを振り下ろすレディアルファ。
ガスッガスッと言う音とともに血しぶきが飛び始める。
「やめ、やめて・・・上坂さんやめてぇ」
「黙って見ていなさい。騒ぐと・・・次はあなたよ」
「あ・・・は、はい」
見かねた若い女性が声を掛けるが、デスルリカの鋭い一瞥を浴びせられて言葉を失う。
「あはははは・・・どう、何とか言ったらどうなの? あっははははは・・・」
ヒールが振り下ろされるたびに血が飛び、やがて脳漿が飛んで周囲を汚して行く。
ピクピクと蠢いていた躰もやがて動きをやめ、物言わぬ骸と成り果てる。
「ふん、死んだようね。つまらない女」
まるで汚らわしいものを見るかのように見下ろし、ヒールの汚れを彼女の服になすり付けるレディアルファ。
「どう? 満足した? レディアルファ」
「はい、デスルリカ様。殺すって気持ちいいんですね」
にこやかに笑みを浮かべるレディアルファ。
「うふふ・・・当然でしょ。くだらない人間を殺すのは快感なのよ」
デスルリカもにこやかに微笑む。
その笑みはやはり妖しく美しい。

「さて、あなたたちにはこれから新しい世界を築くために働いてもらうわ」
無言で息を飲んでいる社員を前にデスルリカは穏やかに語りかける。
「あ、新しい世界とはなんだ。お前はいったい何が望みなんだ」
男性社員の一人が恐る恐る尋ねる。
「お前だって? デスルリカ様に無礼な!」
すぐさまレディアルファの右手の甲がその男の頬を張り飛ばした。
「レディアルファ、むやみに傷つけるものではないわ」
「あ、す、すみません、デスルリカ様」
デスルリカにたしなめられたレディアルファはすっと男から離れる。
「私の望み? そんなの決まっているじゃない。この世界を闇に染めることよ」
「世界を闇に・・・だと?」
いぶかしげな表情をする男性社員。
「お前たちにはこれから新たな世界を教えてあげるわ。うふふふふ・・・」
冷たく妖しい笑みを浮かべるデスルリカ。
「新しい世界?」
「そうよ。今教えてあげるわ」
そう言うとデスルリカの周囲から真っ黒な闇が吹き出して行く。
「うわぁ」
「きゃあ」
闇は薄く広がり、部屋中に広がって行く。
やがて闇は周囲の空気と一体化し、部屋の隅に逃げた社員たちにまとわり付いていく。
「うふふふ・・・デスルリカ様の素晴らしい闇よ。存分に味わいなさい」
その様子をレディアルファはにこやかに見つめていた。
「ああ、いやぁ」
「う、うわ、うわわわ」
広がってくる薄闇から逃れようと部屋の隅に押し込められていく社員たちだったが、やがて一人また一人と闇が覆っていく。
「ああ・・いやぁ・・・いや・・・い・・・や・・・」
「う、ううう・・・」
空気と一体化した闇は社員たちの呼吸とともに彼らの体内に吸収されていく。
「ああ・・・あは・・・あは・・・ん・・・はあ・・・」
「あ、ああ・・・躰が・・・躰が熱い・・・」
闇を吸い込んだ社員たちはすぐに頬を上気させ床にへたり込んでしまう。
「あ・・・あはあ・・・うふう・・・欲しい・・・欲しいよぉ・・・」
「ああ・・・女・・・女が欲しい・・・やりてぇ」
やがて社員たちは淫らにあられもなく手近な異性を求め始める。
周囲の異常さもまったく気にせずにセックスを始めてしまったのだ。
もちろんこの事務所は圧倒的に女性が多い。
異性が手近にいなかった女性たちは、なりふり構わずに同性に身を任せその秘部を愛撫しあう。
デスルリカとレディアルファの見ている前で社員たちは単なるオスとメスになり、あられもない姿を晒して快楽をむさぼって行くのであった。
「うふふふ・・・ごらんレディアルファ」
「はい、浅ましいですわ。人間の欲望を解放してやるのは素敵なことですわね」
所長に椅子に座ったデスルリカのそばに寄り添うように立つレディアルファ。
「うふふふ・・・あとは・・・」
デスルリカの冷たく妖しい笑みがその場を支配した。

「レディアルファ。あなたの力を見せて御覧なさい。あの男に」
床に倒れている涌坂を指し示すデスルリカ。
「うふふ・・・かしこまりました、デスルリカ様」
笑みを浮かべて涌坂に近づくレディアルファ。
彼のそばに立つと、気を失っている涌坂の脇腹を蹴りつける。
「起きなさい!」
「う、あ・・・」
痛みに顔をしかめ、目を覚ます涌坂。
「う・・・いったい・・・」
「お前にも新たな世界を与えてあげるわ」
レディアルファは跪くと、そっと涌坂を抱きかかえた。
「う、な、何を」
「うふふふふ・・・」
笑みを浮かべたままレディアルファは涌坂の頭を両手で押さえてキスをする。
「も、もがっ」
いきなり口をふさがれた涌坂は驚いて口を離そうとするが、驚くべきことにレディアルファの力は強く引き剥がすことができない。
「む、むぐぐぐ・・・」
もがく涌坂の口の中にレディアルファの舌が割り込んでくる。
それは生き物のように口の中を蠢き、涌坂の舌を絡め取ってくる。
やがて濃厚な甘い液体が涌坂の口に流れ込んできた。
「お、おおお・・・」
なすすべもなくその液体を飲み込まされていく涌坂。
「うふふ・・・これでお前は・・・」
口を離しほくそえむレディアルファ。
「う、ううう・・・」
涌坂の表情が変わる。
「う、うがぁ・・・か、躰が熱い」
胸を掻き毟るように服を肌蹴ていく。
「うふふふ・・・始まったようね」
「ええ、ご覧になっていてくださいませ。うふふふ」
涌坂から離れデスルリカのそばに寄り添うレディアルファ。
その間に涌坂は苦悶の表情を浮かべながら胸を掻き毟っていた。
やがてその躰がぼこぼこと波打ってくる。
「う、うがああ・・・」
涌坂はうめき声を上げながら変わっていく。
腕はメリメリと太くなり、体格も膨れ上がっていく。
「ぐ、ぐわああああ」
足も太く頑丈になり、人の1.5倍ほどの体格のゴリラのような毛むくじゃらの大男が出来上がっていく。
「うふふふ・・・この男は腕力にや体力に対する欲望があったようね」
「ええ、常日頃から体調を気にしていましたから」
「この筋肉バカが欲望のままに暴れまわるのは見ものでしょうね。うふふふ・・・」
「はい、デスルリカ様。うふふふふ・・・」
いまやビーストと呼ばれる闇の魔獣となった涌坂を前に二人の女の笑い声が響いた。

「あれ? 私ってどうしていたんだっけ?」
紗希はきょとんとして周囲を見回した。
隣には同じくきょとんとした表情で立っている明日美がいる。
「よくは覚えていませんが、何か夢を見ていたような気が」
不安そうな表情で紗希の方を見る明日美。
「うん、私もそうなんだよね。二人して立ったまま寝ていたかなぁ」
「それは無いと思いますわ、紗希ちゃん」
明日美は苦笑する。
「あ、そうだ。早く給食食べに行かなきゃ」
はっとしたように生き生きとした表情になる紗希。
「そうですね。早く参りましょう。お腹が空きましたわ」
二人は連れ立って廊下を歩いていく。
その胸には見慣れないペンダントがぶら下がっていた。


姫宮 翼
闇の力で邪悪な感情が増幅しているんでしょうね。踏み殺しましたね。アルファさん。こうやって、ビーストを増やしまた素質のある女性は下僕にするんでしょうか?そして、操られて光の戦士になった小学生が戦うと言う。実に面白そうなお話だと思います。
1月4日 21:42

漆黒の戦乙女
闇側の戦力が着々と増えていくんですねw光側も同じように増やすことが普段ならできないけど今回はやろうと思えばやれそうな人ですからねぇ(笑なんだか家に帰ったらいきなり戦闘開始になりそうな緊迫感がありそうな気がしますねw闇に対して容赦しないホーリードールだから、親兄弟ですら消し去りそうな感じですしね…気配を感知した瞬間デストロイモードに突入しそうな感じが…
1月5日 9:05

舞方雅人
>姫宮 翼様
もう心の奥底まで邪悪に染まっていますからねぇ。ちょっと残酷でしたが踏み殺しちゃいました。基本はこうやってビーストを増やし、それをホーリードールが倒して行くという形でしょうね。
>実に面白そうなお話だと思います。
ありがとうございますー。

>漆黒の戦乙女様
現時点では考えてはおりませんが、サキやアスミが倒されたら即座に補充しちゃうでしょうね。家庭での即バトルは楽しそうですね。(笑)
1月6日 8:42
  1. 2006/01/04(水) 13:22:10|
  2. ホーリードール
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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