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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ヘルザーグのしもべ (後)

昨日に引き続きまして、新年SS第二弾「ヘルザーグのしもべ」の後編を投下いたします。

お楽しみいただけましたら幸いです。


                   ******

「ただいまぁ」
夜遅くになってようやく自宅に帰ってくる澤倉麻弥(さわくら まや)。
通常のパトロール業務や出動待機などをやっていると、どうしても家に帰るのは遅くなる。
家族には自分がスパークファイターの一員であるなどとは口が裂けても言えないので、仕事で遅くなったと言うしかない。
もちろんダミー会社の社員という身分もあるので、ばれる恐れはないだろう。

「お帰りなさい。遅かったのね。うふふふ・・・」
「お帰りなさい、お姉ちゃん。ふふ・・・」
台所からいつものように顔を出す母茉莉乃と、珍しく自室ではなくリビングに居てテレビを見ている妹の美弥が出迎えてくれる。
「ただいまぁ。ああ、つっかれたぁ・・・」
麻弥はとりあえずはかばんを置き、タイトスカートのスーツ姿のままでソファにどっかりと腰を下ろす。
今日は戦闘もあったことで疲労が蓄積しているのだ。
スパークスーツによる消耗は半端じゃない。
「あらあら、食事の前にお風呂に入ってきたら? 上がってくるまでにはご飯の用意しておくから」
ソファでグッタリとしている麻弥に茉莉乃がそう勧める。
にこやかな笑みを浮かべているものの、その笑みはどこか冷たい。
「そうするか・・・ふう」
麻弥は立ち上がって自室に向かう。
着替えてお風呂に向かうのだろう。
その後ろ姿を見送り、茉莉乃と美弥は顔を見合わせてニヤリと笑った。

「はあ、きもちよかった」
バスタオルで髪を拭きながらお風呂から戻ってくる麻弥。
すでに食卓には食事の用意がされており、あとはもう食べるだけになっている。
「わあ、美味しそう。いただきます」
お腹が空いていた麻弥は髪を乾かすのもそこそこに食事を始める。
いつもの美味しい食事に麻弥は舌つづみを打ちながら食べていくが、やがて躰に異常を感じ始めた。
「え? あ・・・う・・・」
躰が急にしびれ、手にした箸も落としてしまう。
「な・・・に・・・これ・・・」
何が起こったのかわからない。
食事に何か混ぜられていたと言うのか?
「うふふふふ・・・」
「うふふふふ・・・麻痺毒が効いてきたようね」
冷ややかな笑い声に顔を上げる麻弥。
すると、彼女を見下ろすように冷たく見つめている母と妹の姿があった。
「お・・・かあ・・・み・・・や・・・」
「うふふふふ・・・その食事にはこの麻痺毒が入っていたのよ」
「うふふふ・・・ヘルザーグに歯向かうおろかなスパークピンク。毒入りの食事は美味しかった?」
「な?」
二人の様子が変であることと、自分がスパークピンクだと知られていることに驚愕する麻弥。
しびれる躰を鼓舞して何とか立ち上がろうとするが、椅子から腰を浮かせたとたんに倒れこんでしまう。
「無駄よ。この麻痺毒で動ける人間はいないわ」
「心配はいらないわ。お前をアクラーツ様の元へお連れするだけ。おとなしくするのね」
「あ・・・う・・・おかあ・・・さ・・・」
「うふふふふ・・・私はもうお前の母親などではないわ」
必死で母に向かって手を伸ばす麻弥に、茉莉乃はそう言い放ち、ゆっくりと着ているものを脱ぎ始める。
そのとなりでは美弥も同じように服を脱ぎ、二人で裸になっていく。
裸になった二人には胸に青い宝石のようなものが埋まっており、やがて二人が背筋を伸ばして右手を斜めに上げると、その宝石のようなものから青いもやが現れる。
何がなんだかわからない麻弥の目の前で、二人の躰にはもやがまとわりつき、全身タイツ状へと変化する。
頭から足まですっぽりと青い全身タイツに覆われた二人は、いつも麻弥が戦ってきたヘルザーグの戦闘員そのものだった。

「あ・・・あ・・・」
「「ヒィーッ!」」
驚愕に目を見開いた麻弥の前で、二人は戦闘員の奇声を上げる。
「ヒィーッ! これが今の私たちの本当の姿。私は偉大なるヘルザーグの女戦闘員!」
「ヒィーッ! 私もヘルザーグの女戦闘員。偉大なるヘルザーグに栄光あれ!」
「そ・・・んな・・・」
すでにしびれは全身に回り、もはや声を出すのも難しい麻弥。
それ以上に母と妹がヘルザーグの女戦闘員となってしまったことが衝撃だった。
「ふふふふ・・・どうやら完全に動けなくなったようね」
「ふふふふ・・・さあ、ヘルザーグのアジトに案内するわ」
二人の女戦闘員は、動けなくなった麻弥を両脇から抱えると、そのまま闇の中へと消えていく。
あとには無人となった部屋にテレビの音だけが響いていた。

                   ******

「う・・・」
じょじょに意識が戻ってくる。
どうやら気を失っていたらしい。
躰のしびれは取れたようだが、両手両足が固定されているらしく動かせない。
たぶん捕らえられてしまったのだろう。
それに衣服も脱がされてしまったようだ。
これではいざ脱出というときに裸で逃げなくてはならないかもしれない。
麻弥はすっきりしてきた頭でそのあたりのことをすばやく考えた。

「目が覚めたようだな」
靴音が響き、甲冑を身にまとった男がやってくる。
その背後には青い全身タイツ姿の女戦闘員が二人したがっていた。
「あなたは、アクラーツ将軍!」
目の前にやってきたのが邪悪結社ヘルザーグのアクラーツだとわかり、麻弥は思わず身構えようとする。
だが、両手両足を固定されている今は磔状になっていて動けない。
「ククククク・・・我がヘルザーグのアジトにようこそ、スパークファイターのスパークピンク」
「くっ、私のことをどうして・・・」
「ククククク・・・我々の情報力を見くびってもらっては困るな」
「くっ・・・」
歯噛みする麻弥。
その目が背後の女戦闘員に向けられる。
「まさかその二人は・・・」
「ククククク・・・その通り。この二人はかつてのお前の母と妹だ」
「卑怯者! 二人は何の関係もないはずよ! 二人を元に戻しなさい!」
ありったけの憎悪を込め、アクラーツをにらみつける麻弥。
「ククククク・・・ああ言っているがお前たち、元の人間に戻りたいか?」
「ヒィーッ! いやです。私はもうヘルザーグの女戦闘員。人間などに戻りたくなどありません!」
「ヒィーッ! 私もいやです。私はヘルザーグの女戦闘員であることに喜びを感じています!」
アクラーツの言葉に二人は右手を上げてそう答える。
もはや女戦闘員と化した二人にとって、人間に戻るなどとは考えたくもないことなのだ。
「クククク・・・聞いたとおりだ。もっとも、二人が望んだとしても、戦闘員となった者を人間に戻すことなど我々にもできんことだがな。クッククク」
いやらしく笑うアクラーツに麻弥ははらわたが煮えくり返りそうな怒りを感じる。
「ゆるせない! あなたは絶対にゆるせないわ!」
「クククク・・・まあそういうな。すぐにお前も二人と同じようになる」
「えっ?」
いったいどういうこと?

「ククククク・・・スパークピンクのお前なら、普通の戦闘員よりも優秀な戦闘員になるだろう。お前は今日からヘルザーグの女幹部戦闘員となるのだ」
「私を女幹部戦闘員にですって?」
麻弥は驚いた。
アクラーツは自分をも戦闘員にしようと言うのか?
「ふざけないで! だれがお前たちの戦闘員になどなるものか!」
「ククククク・・・この二人もそう言ったぞ。妹のほうはお前とともに戦いたいとまで言った。だが、今の二人はヘルザーグの忠実なるしもべ。そうだな?」
「ヒィーッ! その通りです、アクラーツ様」
「私たちはヘルザーグの忠実なるしもべです。ヒィーッ!」
「お母さん・・・美弥・・・」
奇声を発しヘルザーグに忠誠を誓う女戦闘員たちに、麻弥は思わず目をそらす。
「心配するな。すぐにお前も心からヘルザーグに忠誠を誓うようになる。この戦闘員の核を埋め込めばな」
アクラーツが戦闘員の核を取り出す。
それは二人に埋め込まれた青いものとは別で、紫色に輝いていた。
「お前にはこの特別の核を埋め込んでやる。喜ぶがいい」
「いやぁっ! やめてぇっ! いやぁぁぁぁっ!」
必死にもがく麻弥の胸に戦闘員の核を押し当てるアクラーツ。
ずぶりと言う感触とともに核は麻弥の胸の谷間に埋め込まれる。
「ああ・・・あああっ!」
たちまち核からは紫色のもやが湧き起こり、麻弥の躰を包み込み始める。
そして麻弥の躰に張り付くと、ナイロンの布のように変化し、その躰を覆っていった。

躰中に広がっていく紫のもや。
それと同時に麻弥の頭の中に何かが流れ込んでくる。
それは麻弥の心を冷たく冷やしていくかのようだ。
ま・・・負けてたまるものか・・・
必死で抵抗する麻弥。
ヘルザーグは・・・ヘルザーグは邪悪な存在・・・
ヘルザーグは地球を征服し、人類を支配しようとする連中・・・
ヘルザーグは私の敵・・・
麻弥は必死にそう思いこみ、何とか女戦闘員にされるのを防ごうとするが、じょじょにその考えがいびつに歪んでいきはじめていることに気が付かない。
ヘルザーグは・・・ヘルザーグは偉大な存在・・・
ヘルザーグは地球を征服し、人類を支配するすばらしい組織・・・
ヘルザーグは私のすべて・・・
私はヘルザーグのしもべ・・・
私は・・・
私は・・・

しばらくして手足の拘束がはずされ、床に崩れ落ちる麻弥。
その全身は紫色の全身タイツにすっぽりと覆われ、目のところだけが覗いている。
その目の周りには黒い隈取がなされ、胸のところには紫色の戦闘員の核が輝いていた。
足はハイヒールのブーツ状に変化し、腰には大きなバックルの付いたベルトが巻かれている。
色が紫色であることを除けば、アクラーツの背後に立っている二人の女戦闘員と同じ姿に麻弥は変ってしまったのだった。
やがて麻弥はゆっくりと目を開ける。
その目は冷たさをたたえ、温かみを感じさせない目だ。
そして麻弥はゆっくりと立ち上がると、アクラーツの前に進んでいく。
「ククククク・・・さあ、お前が何者なのか言ってみるがいい」
アクラーツの言葉にこくりとうなずき、スッと右手を斜めに上げる麻弥。
「ヒィーッ! 私は偉大なるヘルザーグの女幹部戦闘員。ヘルザーグに永遠の忠誠を誓います。ヒィーッ!」
奇声を上げて誇らしげに胸を張る麻弥。
いや、すでに彼女は身も心もヘルザーグの女幹部戦闘員へと生まれ変わっていた。
「ククククク・・・そうだ、それでいい。今日からお前はヘルザーグのしもべ。我が命に従うのだ」
「ヒィーッ! もちろんです、アクラーツ様。どうぞ何なりとご命令を」
「うむ。これからお前は他のスパークファイターを始末するのだ。残りの男どもなどどうでもいいからな」
「ヒィーッ! お任せくださいませ。以前の澤倉麻弥の姿で近づけば彼らも油断するでしょう。その隙に必ず」
以前の仲間を始末しろという命令に目を輝かせる女幹部戦闘員。
アクラーツの命令に従うことこそ今の彼女の喜びなのだ。
「クククク・・・その二人をお前に与えよう。手足として使うがいい」
「ヒィーッ! ありがとうございます。お前たち、今日からは私の命令に従いなさい。いいわね」
「「ヒィーッ! かしこまりました。何なりとご命令を」」
二人の女戦闘員が右手を上げて忠誠を誓う。
「それでいいわ。着いてきなさい」
「「ヒィーッ!」」
女幹部戦闘員は二人を従えると、任務を果たすために部屋を出る。
おそらく彼女たちならうまくやるだろう。
「ククククク・・・これでまた三人一緒に過ごせるのだ。ヘルザーグに感謝するのだな」
三人を見送ったアクラーツは、そういって笑うのだった。

END


いかがでしたでしょうか?
よろしければ感想コメントなどいただけますとうれしいです。

それでは本年もよろしくお願いいたします。

  1. 2015/01/04(日) 21:03:49|
  2. 洗脳・戦闘員化系SS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
<<カッとなって(Squad Leaderのソロプレイを)やった・・・反省はしていない | ホーム | ヘルザーグのしもべ (前)>>

コメント

幹部戦闘員ということはその後で脱皮なりして幹部怪人の可能性も期待できますね

二夜連続の投稿お疲れ様でした
  1. 2015/01/04(日) 21:20:51 |
  2. URL |
  3. 25 #-
  4. [ 編集]

相変わらず素晴らしい

「シチュだけの・・・」とは言え、シチュだけでここまでの良作を書き上げる創作力は相変わらず素晴らしいですわ!
これからもSSの創作に期待しています。
次は怪人化ですよね!
  1. 2015/01/05(月) 02:28:29 |
  2. URL |
  3. 沙弥香 #-
  4. [ 編集]

コメントありがとうございます

>>25様
活躍次第では怪人化や女将軍としての再改造もありそうですね。

>>沙弥香様
あけましておめでとうございます。
いわゆるチンコ勃ちそうなシーンだけを書いていると言っても過言ではないので。(笑)
自分がしこりたくなるシチュを入念に書いているまでなのですー。(笑)
  1. 2015/01/05(月) 21:27:56 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #fR9d3WYs
  4. [ 編集]

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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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