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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

違う場所で活躍

先日、アメリカ製の装輪装甲車スタッグハウンドのことをご紹介いたしましたが、どのような兵器もタイミングが合わないとなかなか活躍ができないというのは何もスタッグハウンドばかりではありません。

それでも、スタッグハウンドはまだ発注元の英国が引き取ってくれたのでよかったのですが、そうならないものも中にはあるわけでして・・・

1941年に第二次世界大戦に参加した米軍は、急遽さまざまな兵器の開発を行なうこととなりましたが、その中には陸軍からの要望で対戦車自走砲の開発も含まれておりました。
そこで米軍は量産され始めていたM3兵員輸送ハーフトラックの車台に、75ミリ砲を搭載した対戦車自走砲を試作し、試験します。

この対戦車自走砲は手っ取り早く作られた割には悪くない能力を持っており、満足するとまではいかないものの充分使い物になると判断されました。
主砲の貫通力は当時の独軍の三号戦車や日本の九七式中戦車に対しては充分なものだったのです。

この対戦車自走砲は量産されて米軍に配備され、そこそこの活躍をおさめました。
それを知った英国は、不足している自軍の対戦車自走砲にこのM3ハーフトラック改造の対戦車自走砲を取り入れようと考えます。

とはいえ、主砲の75ミリ砲はもともと野砲であり、装甲貫徹力は決して高いものではありませんでした。
また、もともとフランス軍の野砲であったため、英軍の装備体系とは弾薬の種類などが違い補給面などで混乱をもたらす可能性もありました。
そこで英軍は、この対戦車自走砲の主砲を自軍の6ポンド対戦車砲(口径57ミリ)に変更し、搭載することを主張します。
この6ポンド対戦車砲は装甲貫徹力もすぐれ、米軍も対戦車砲としてライセンス生産しており、主砲の変更は可能と考えられたのです。

米側はこの申し出を受け入れ、M3ハーフトラックに57ミリ対戦車砲M1(6ポンド対戦車砲のライセンス生産版)を搭載した自走砲を開発しました。
搭載方法は前述の75ミリ対戦車自走砲とまったく同じで、操縦席の後ろに砲架を設置し、その上に57ミリ砲を搭載するというものでした。
SU-57.jpg

試作車は1942年5月には完成し、T48のナンバーを付けられて試験に供されました。
試験の結果は小改良は必要なものの、充分に実用になるとされ、T48は量産が開始されることとなりました。

しかし、このT48が順調だったのはここまで。
1942年12月から量産に入ったT48でしたが、数がそろったのは1943年の5月ごろ。
スタッグハウンドの項でも述べましたが、英軍にとってはもう危機を脱した頃であり、このT48もさほど必要とはされなくなっていたのです。
SU-57(2).jpg

962輌が生産されたT48でしたが、英軍に引き渡されたのはそのうちのたった30輌にしか過ぎませんでした。
しかもその30輌も、引き取られたあとで57ミリ砲を取り払い、普通の兵員輸送車に再改修されるという有り様でした。

結局、残ったT48が向かったのはソ連でした。
レンドリースで650輌がソ連に引き渡されたのです。
これはソ連にとってはありがたいことでした。
1943年といえば、まだまだドイツ軍と苦しい戦いをしていたソ連にとって、それなりの装甲貫徹力を持つ57ミリ砲を装備した対戦車自走砲はまだまだ活躍する余地があったのです。
SU-57(3).jpg

ソ連に引き渡されたT48はソ連風にSU-57と呼ばれたとも言いますが定かではありません。
ともあれソ連軍の手でT48は活躍することができました。
その意味では開発は無駄にはなりませんでした。

残った280輌ほどのT48はアメリカ軍が試験等のために1輌装備した他は、英軍同様すべて主砲を取り払って兵員輸送車に再改修されました。
そのため、T48はソ連軍以外では見かけることがない対戦車自走砲となりました。

T48もスタッグハウンド同様に悪い車輌ではありませんでした。
むしろ能力的には良好と言ってもいい車輌でした。
しかし、タイミングが合わなかったために米英軍では使われることがなかったんですね。
ソ連軍に使ってもらえたのは本当に幸いでした。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2014/02/05(水) 21:04:41|
  2. 趣味
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

日本軍も装甲は捨てて自走砲に専念すれば・・・
どのみち戦場に届く前に船が沈められるのがオチかな?
物にしろ人にしろ活躍できる場所に恵まれるというのは大事なんだなと最近思うようになりました
歳取ったのかなw
  1. 2014/02/05(水) 22:18:16 |
  2. URL |
  3. あぼぼ #-
  4. [ 編集]

>>あぼぼ様
日本軍の場合は機械化そのものがあんまり力入れられませんでしたからねぇ。
場所、時、そういうのに恵まれるというのもある意味運なのかもしれませんねぇ。
  1. 2014/02/06(木) 21:14:34 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
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