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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ドラキュラと呼ばれた男(7)

【訂正】 ドラキュラと呼ばれた男(5)でヴラド三世はハンガリー王となったフニャディ・ヤーノシュの息子マーチャーシュ一世の妹と婚姻を結びと表記いたしましたが、この時点ではまだ婚約をした段階であり、正式に結婚はしておりませんでした。
よってドラキュラと呼ばれた男(6)で義理の兄であるマーチャーシュ一世と表記いたしましたことも合わせ、お詫びして訂正いたします。
大変失礼いたしました。


ヴラド三世が十数万に及ぶオスマン帝国の大軍を追い払ったことは、キリスト教圏諸国ではまさに偉業でした。
このため、ヴラド三世は英雄として対オスマン帝国の指導者的人物として扱われるようになっていきます。
ヴラド三世自身も再度のオスマン帝国の侵攻に備え、また完全なるオスマン帝国の影響力排除のためにも国内の防備を固め、対オスマン戦を継続する心積もりでした。

しかし、オスマン帝国軍を追い払ったものの焦土作戦で国土が荒廃したことから、ワラキアの住民たちはもうこれ以上の戦争を望んではおりませんでした。
それは領地が荒廃した貴族たちも同じであり、彼らはヴラド三世がまだ戦争を続ける気であることに危機感を覚えます。
そこで貴族たちは、ヴラド三世をワラキア公の位から引き摺り下ろし、別の人物をワラキア公に据えることにいたします。
その人物とはヴラド二世の遺児であり、ヴラド三世の弟であるラドウでした。

ヴラド三世と違い、オスマン帝国に人質として残されたままだったラドウは、すでにすっかりオスマン帝国の人間になってしまっておりました。
美形でもあった彼はスルタンにも気に入られて重用され、今回のワラキア遠征にも従軍していたのです。
対ワラキアのための足がかりを残しておくべく主力後退後もドナウ河畔に駐留していたラドウのもとに、ワラキア貴族たちからの誘いの手が伸びるのはある意味当然のことでした。

ラドウとワラキア貴族が手を結んだことで、ワラキア国内はすぐに内乱となりました。
ヴラド三世は直属軍を率いて戦いますが、オスマン帝国の後ろ盾があるラドウの軍勢には抗しきれず、内乱はわずか三ヶ月ほどでヴラド三世の敗北に終わります。

ヴラド三世はワラキアから脱出し、ハンガリー王マーチャーシュ一世のもとに駆け込みました。
ハンガリー王から軍勢を借り、再度ワラキアに戻るつもりだったのです。
マーチャーシュ一世は一旦はヴラド三世の要請を聞き入れて軍勢を貸し与えますが、すぐに気が変わって今度はヴラド三世を捕らえてしまいます。

前回の対オスマン戦のときといい今回といい、マーチャーシュ一世の行動には当時の人々も疑問に思ったようで、キリスト教圏諸国の各国首脳たちも、英雄であるヴラド三世を捕らえるのはおかしいとマーチャーシュ一世に訴えますが、逆にマーチャーシュ一世はヴラド三世がオスマン帝国と内通していたとか、串刺し刑など残虐なことを行なう悪鬼のような男だというような書状を各地に送りつけ、これが今日に至るまでヴラド三世が残虐な吸血鬼であるというイメージを持たせる元となりました。

結局キリスト教圏諸国の訴えも実らず、この後十二年にわたってヴラド三世はハンガリーに捕らえられたままとなりました。
しかし、マーチャーシュ一世も思うところがあったのか、その待遇はそれほど過酷なものではなく、かなり自由に過ごすことが許されていたようです。
また、妹との正式な結婚も成立し、これを機会にヴラド三世も正教会からカトリックへと改宗いたします。

こうして虜囚とはいえ穏やかな暮らしをしていたヴラド三世は、このまま何もなければハンガリーの地で静かに余生を送ることになったのかもしれません。
しかし、状勢はそれを許しませんでした。

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  1. 2013/12/03(火) 21:04:30|
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