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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

カスター隊の壊滅(5)

インディアンの大軍の中で孤立したカスター隊は、何とか窮地を乗り切るしかありませんでした。
しかし、挟み打つ予定のインディアンに逆に南北から挟み込まれた格好になったカスター隊に逃げ場はありませんでした。
カスター隊は混乱し、戦場は乱戦模様となっていきます。
そんな中、指揮を取っていたカスターにも銃弾が命中。
カスターは落馬して息を引き取りました。

混戦の中で指揮官を失ったカスター隊に勝機は全くありませんでした。
カスター隊の残りの者たちはインディアンに追い立てられ、全滅させられてしまいます。
200名を超える兵士たちが戦死いたしました。
一方インディアン側にもそれなりの損害は出ており、スー族だけでも戦死傷者は300名近かったといいます。

カスター隊を壊滅させたインディアンたちは、さらにリノ隊やベンティーン隊の残存兵力に対して攻撃を仕掛けようとしましたが、ギボン将軍の部隊が到着したことで後退。
ギボン将軍とテリー将軍は壊滅したカスター隊の遺体を回収し、こちらも後退。
ここに「リトルビッグホーンの戦い」は終了します。
戦いの開始からはわずか二時間ほどのことだったといいます。

南北戦争では計算づくの突撃といわれたカスターがなぜ無謀な突撃をしたのでしょうか。
インディアンを侮り、自身の強運を過大に信じ、過去の栄光を取り戻そうと焦ったということかもしれません。
戦いを生き延びたリノ、ベンティーン両名の証言によれば、カスター隊は銃弾も満足に持たせていなかったといいます。
各人は124発ほどの弾薬しか持たず、一方後方の馬車には2万5000発以上の弾丸が積まれたままだったそうです。

それに対しインディアン側は銃器の数で約四倍ほどもあったのではないかと見られ、人数も最低でも1800人はいたといいます。
人員数でも武器の量でもカスター隊を圧倒しておりました。
まさにカスター隊は袋叩きにあってしまったといえるでしょう。

カスター隊の壊滅は白人社会に大きな衝撃を与えました。
上記したようにインディアン側の損害も決して少なくはなく、戦闘の結果としてカスター隊が壊滅したということだったのですが、新聞等は「インディアンによる奇襲を受け虐殺された」と報じました。
この結果、白人社会ではインディアンに対する怒りが湧き起こり、合衆国陸軍はその後より強力にインディアンに対する武力行使を行なっていくことになります。
また、戦場を脱出した副官のマーカス・リノは敗戦の責任を押し付けられ、リノ隊の失態がカスター隊の壊滅につながったと報じられました。

「リトルビッグホーンの戦い」以後、カスターは皮肉にも望んでいた名声を勝ち得、英雄としてもてはやされました。
カスター隊の悲劇はあの「アラモ砦の悲劇」と同様にアメリカ国民を揺さぶり、その進む方向を一定にする働きがあったのです。
アラモ砦の悲劇によってアメリカはメキシコとの戦争で広大な土地を奪い取ることに成功します。
カスター隊の壊滅によって今度はインディアンから広大な土地を奪い取りました。
アメリカにとってカスター隊の壊滅はまさに都合のいい出来事だったのかもしれません。

カスターの評価は1970年代まで英雄としてもてはやされましたが、その後はインディアンたちの発言力が強まり、白人社会の反省もあって逆に批判がなされるようになりました。
とはいえ、おそらく今後ともカスターの名は語り継がれていくのではないでしょうか。
アメリカの歴史の中の一コマを彼は確実に作ったのですから。

カスター隊の壊滅 終

                   ******

参考文献
「リトルビッグホーン」 歴史群像2002年4月号 学研

参考サイト
「Wikipedia ジョージ・アームストロング・カスター」
「Wikipedia リトルビッグホーンの戦い」


今回もお付き合いいただきましてありがとうございました。
  1. 2013/10/22(火) 21:13:09|
  2. カスター隊の壊滅
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
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コメント

70年代以降はベトナム戦争の反省などもあってこうした歴史を問い直す機運があったんでしょうね。

しかし、シャーマン将軍などの上層部にとってカスターは結局、便利に使える鉄砲玉でしかなかったわけですね・・・。

  1. 2013/10/23(水) 20:49:05 |
  2. URL |
  3. 富士男 #-
  4. [ 編集]

>>富士男様
ベトナム戦争の影響は大きそうですね。
おっしゃるとおりシャーマンもシェリダンもカスターは使えるという認識でしかなかったのかもしれませんね。
  1. 2013/10/23(水) 21:06:33 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

連載お疲れさまでした。
自分はカスターさんというと『Xボンバー』のカスター大尉が真っ先に思い浮かぶくらいで(w、ほぼ無知だったのですが、米国史の暗部ということで興味深く拝読しました。
英雄に祭り上げられ、世論が形成(操作?)されて…という流れが、今から見ると痛ましい感じがします。
いわゆるインディアンの人たちは西部劇などでは石斧をもって襲ってきますが、ちゃんと銃を使った近代戦をしていたというのもなるほどです。悲惨なで一方的な結果に終わった民族紛争、というイメージを得られたように思います。戦術みたいなところはどのくらい近代的だったんでしょうか。
  1. 2013/10/24(木) 09:01:04 |
  2. URL |
  3. maledict #gR92Clc.
  4. [ 編集]

>>maledict様
コメントありがとうございます。
戦術的には南北戦争という一大戦争を戦い抜いてきておりますので、ほぼ第一次世界大戦前としては最高レベルの戦術を把握していたものと思われます。
しかし、やはりインディアンが同じレベルとみなせなかったのか、それほど凝った戦術を用いていたようには思えないですね。
  1. 2013/10/24(木) 20:58:56 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

お返事ありがとうございます!質問をちょっと補足すると、「インディアン」の人たちは銃という近代的な武器を装備していたということなのですが、戦い方の方の近代化はどのくらい進んでいたのかな、ということでした。言葉足らずですみません。
  1. 2013/10/24(木) 21:53:44 |
  2. URL |
  3. maledict #gR92Clc.
  4. [ 編集]

>>maledict様
失礼しました。白人側でのことかと思ってました。
資料を見る限りではインディアン側もわりと(当時として)近代的な戦いをしていたようですね。
とはいえ、戦闘後の戦死者に対しての皮をはいだり耳に穴を開ける等の行為は行っていたようですので、そういった面から前近代的な野蛮人というイメージが作られてイッたのかもしれません。
  1. 2013/10/24(木) 22:18:47 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

なるほど~。考えてみると既存のイメージ以外、知らないことだらけだと気がつきます。『ダンス・ウィズ・ウルブス』という映画はインディアン(ネイティブアメリカン)側に立った映画でしたが、その辺の描写はどうでしたっけ。



…ところで、不謹慎ながら全然違う話ですが、コメントの最初でちょっと言及したXボンバーのカスター大尉、SSの元ネタになりうるキャラですよね。主人公の訓練学校時代の教官で、敵に捕まってサイボーグ化されて主人公たちの敵に…という。このままだともう一つですが、この人を女性に置き換えてみるとか、敵の女幹部ブラディマリーも、改造前は正義の女戦士やら清楚なお姫様やらだったのではと妄想したりとか…。(実は本編をちゃんと見ていないのですが。)
  1. 2013/10/25(金) 02:11:07 |
  2. URL |
  3. maledict #gR92Clc.
  4. [ 編集]

>>maledict様
ダンス・ウィズ・ウルブズは今もう一度見直すと結構違う印象を持つかも知れないと言う気がします。
かといって見直すかというとそうでもないのですが。ww

Xボンバーは私も見ていないのですが、サイボーグ化というのはそそりますねぇ。(*´ω`)
  1. 2013/10/25(金) 20:41:40 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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