1865年4月、4年の長きに渡って続けられたアメリカ史上最大の内戦、「南北戦争」は終わりを告げました。
これによってリンカーン大統領が提唱した「奴隷解放宣言」により、アメリカから黒人奴隷というものは解消され、1868年には黒人を含むすべてのアメリカ国民に平等の権利を与えるという憲法修正第14条が発効されることになりました。
しかし、表面上黒人に対する差別がなくなったのと対象的に、この時点でこの「アメリカ国民」に該当しない人々が合衆国内に多数おりました。
アメリカ先住民族、当時の言葉で言う「インディアン」です。(以下記事内ではインディアンと表記)
アメリカの白人たちは、かつては先住民であるインディアンが多く暮らす中部から西部地域にはあまり関心を持たず、それほど交流することもありませんでした。
しかし、南北戦争が終わったことで、じょじょに広がっていた中西部への進出が増大したことにより、白人とインディアンたちの接触も増えていきました。
また、西部での金鉱脈発見やバイソンなどの動物資源を確保しようとする人々と、そういった動物や鉱物資源のある土地に住むインディアンたちとの軋轢は日を追うごとに激しくなり、白人とインディアンの武力衝突も増えて行ったのです。
そういった武力衝突が増えてくると、必然的に白人側の住民保護のためにアメリカ陸軍が動くことも多くなり、陸軍内にはインディアンに対する憎悪が芽生えていくことになりました。
南北戦争で北軍勝利に多大な貢献をし、その後陸軍大臣となったウィリアム・シャーマンも、北軍の将軍として名を馳せ、ミズーリ軍管区司令官となっていたフィリップ・シェリダン将軍もインディアンに対してはいい感情を持っておらず、シェリダン将軍にいたっては、「よいインディアンは死んだインディアンだけ」というような言葉すら言ったと伝わっております。
それに対し、南北戦争の英雄で、その後大統領に就任していたユリシーズ・グラントは、政治的な面からインディアンに対する融和策をとっておりました。
しかし、このグラントの融和策は白人社会内でも批判が集まり、グラント派と反グラント派が対立するような状態でした。
このグラント派と反グラント派の争いに巻き込まれた一人の青年将校がおりました。
その名をカスター。
ジョージ・アームストロング・カスターといいました。
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- 2013/10/11(金) 21:03:38|
- カスター隊の壊滅
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先住民は人間にあらず、アメリカの当時の感覚は本当にそうだったようですね。
カスターですか、昔の西部劇では卑怯なインディアンの策略で命を落とした悲劇の軍人みたいに書かれることが多かったのですが。現実はね・・・・・・・
アメリカの闇を象徴する西部開拓時代楽しみにしております。
- 2013/10/11(金) 23:43:18 |
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- あぼぼ #-
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コメどうも! クレクレの皆さんがやっといなくなったのでホッとしちょります。 わははは。
またよろしく。
- 2013/10/12(土) 12:02:46 |
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- アミーゴ寺崎 #-
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>>あぼぼ様
いつの世もそうですが、状況が変わると評価ががらっと変わるという人は多いですよね。
カスターも西部劇の時代とともに去っていった人なのかもしれません。
>>アミーゴ寺崎様
いつもながら素敵な画像でしたー。(*´ω`)
- 2013/10/12(土) 21:13:16 |
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- 舞方雅人 #-
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