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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

ボロディノの戦い

昨日の記事で訂正ですー。

とくめー様のおっしゃるとおり、初期のロシア軍の撤退を指揮したのはバルクライ・ド・トーリという将軍でした。
とくめー様、ご指摘ありがとうございました。
うろ覚えはだめですねー。
申し訳ありません。m(__)m

ロシア軍の焦土戦術は確かに効果的ではありました。
しかし、さほど戦いもせずに土地を明け渡して後退するというのは、ロシア貴族や兵士にとっては忍耐の必要なことでした。

しかも、撤退をしてフランス軍に好き勝手をさせているのは、皇帝に命じられた司令官とはいえ外国人だったバルクライ・ド・トーリです。

ロシア兵士たちはとにかく一戦をしてフランス軍を打ち破りたかった。
何もしないまま後退だけでは士気が落ちるだけでした。

皇帝アレクサンドル一世は政治的に見てもこれ以上の後退は避けたいと感じ、ついにバルクライを解任します。
そして、あまり仲のよくなかったクトゥーゾフを抜擢。
総司令官に任じました。

クトゥーゾフも総司令官として一戦することは必要だと感じていました。
これ以上の士気の低下は看過しがたかったからですし、もはやフランス軍はモスクワの手前まで来ていたからです。
ロシアの名誉のためにも戦う必要がありました。

しかし、クトゥーゾフは老練です。
減少したとはいえ、無敵のフランス軍にはまだ勝てないであろうことも見て取っていました。
だから、彼は負けないことに徹し、軍勢をできるだけ保持したまま頃合いを見て撤収することを考えていたのです。

クトゥーゾフは決戦の場にモスクワから百キロほどのボロディノという寒村に陣を敷きました。
この瞬間、小さな村ボロディノは歴史に名をとどめることになったのです。

一方ナポレオンもロシア軍との決戦は望むところでした。
のらりくらりと逃げ回るロシア軍がついに決戦を仕掛けてきたのです。
ここで完膚なきまでにロシア軍を叩きのめせば、これまでの損害も無駄ではありません。
アレクサンドルもナポレオンの前に屈するでしょう。

偵察により、ロシア軍はボロディノ村近くのラエウスキー高地とセメノウスカヤ高地に大砲を中心とした防御陣を敷いて、フランス軍を迎え撃つということがわかりました。

当然ナポレオン麾下の将帥はがっちりと固められた陣地へ攻撃するおろかさを訴え、迂回して背後からの包囲を進言します。

しかし、何度となく包囲が完成する前にロシア軍に逃げられていたナポレオンは、せっかく決戦しようと陣を敷くロシア軍が、またしても逃げてしまうのではと恐れます。

結局ナポレオンは正面攻撃を命令。
1812年9月7日、世に言うボロディノの戦いの幕が切って落とされました。

攻めるフランス軍は十三万。
これを右翼、中央、左翼の三つに分け正面から突進します。

守るロシア軍は十二万。
これもセメノウスカヤ高地を中心とした陣地で、ただ闇雲に砲撃を浴びせ守ります。

お互い奇策もなく単なる正面からの殴り合いといった感じの戦闘は、まさに泥仕合の様相を呈します
それでも多大なる損害をものともせずに進むフランス軍はじわじわとロシア軍を圧倒。
ロシア軍はついにセメノウスカヤ高地の一部を奪われます。

時間は午後二時ごろ。
まだ日没までは時間があります。
ここでフランス軍の切り札とも言うべき親衛隊を投入して、一気にけりをつけることはできたはずでした。

しかし、ナポレオンは首を振ります。
親衛隊の投入により、ロシア軍がまたしても逃げてしまうのではという恐怖があったと言われます。

結局親衛隊の投入は行なわれず、戦いは日没まで両軍決定打の出ないまま殺し合いのみが続くという状況でした。

一戦し、負けないまま引き上げるという目的を達したクトゥーゾフは、当然のごとく軍を引き上げます。
ただし、その損害は少なくなく、戦場を離れ得たロシア軍は八万にまで撃ち減らされておりました。

一方フランス軍は戦場にとどまり、見かけ上の勝利を得ます。
しかし、フランス軍も二万五千を失い、十万ほどまでになっていました。

9月14日、ロシア軍が引き上げたモスクワにナポレオンは入場します。
ナポレオンはようやくロシアの首都を手に入れたのでした。

しかし・・・
それは凄まじい敗走の始まりでした。

それではまたー。
  1. 2007/02/26(月) 21:49:35|
  2. 趣味
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

ドキドキワクワク…

ジャックがナポレオンの話で好きな堕ち部分がもうすぐ始まるのかしら?

サボテンバットの時に書き込みし忘れてすみませんわw

続き楽しみに拝見させて頂きますわねw
  1. 2007/02/27(火) 04:09:06 |
  2. URL |
  3. ジャック #-
  4. [ 編集]

>>ジャック様
今日の記事はいかがでしたか?
ナポレオンの堕ち部分というのはどのあたりのことでしょう?
書いてほしい記事がありましたらリクエストよろしくお願いいたしますー。
  1. 2007/02/27(火) 22:03:44 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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(まいかた まさと)と読みます。
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