2chの「おにゃのこが改造されるシーン」及び、「おにゃのこ改造 byアダルト」スレに、最近またSSが投下されているのを見て、私も触発されてしまいました。
ということで、仮面ライダー初代より、ゲルショッカーの怪人にお出ましいただきました。
「おにゃのこ改造 byアダルト」にもイソギンジャガーのSSが載っていましたが、どうも似たような展開になってしまい申し訳ありません。
それではどうぞ。
ガラスに囲まれた温室。
年中南国の気温に設定されている温室内には、鮮やかに花を咲かせたサボテンの鉢植えが多数置かれていた。
そのサボテンをかいがいしく面倒を見ている一人の女性。
三十代後半の熟れた肉体を白衣に包んで書類にデータを書き込んでいる。
咲田景子(さくた けいこ)。
父の後を継いでサボテンの研究を続けていたのだ。
そのためこの温室には世界中から各種のサボテンが集められている。
「お母さん、ただいまー」
温室に一人の少女が入ってきた。
三つ編みにしたお下げ髪が可愛い少女だ。
「お帰りなさい、鮎美。あら? それは何?」
景子が鮎美の持ってきた小包に気が付いた。
「あ、これ? 知らなーい。玄関においてあったわ」
鮎美は白い箱を母親に差し出す。
何かしら?
景子は首をかしげたが、送り主も書いていない上に包装すらされていない。
「まさか爆弾ということは・・・無いわよね」
苦笑しながら中身を確認するために箱を開ける。
「あら、これは?」
「わあ、綺麗」
箱を覗き込んだ二人の前には、オレンジ色の丸い形のサボテンが入っていたのだ。
「見たこと無いサボテンだわ」
「きっと新種なのね」
二人が顔を見合わせた時、そのサボテンからいきなり白いガスが噴出してくる。
「えっ?」
「きゃぁー」
白いガスはすぐに二人の意識を遠くさせていく。
「あ・・・あゆ・・・」
くたっとなった娘に手を伸ばすものの、景子の目の前も暗くなっていってしまった。
『クックック・・・聞こえるか? 咲田景子よ』
箱の中のサボテンから声が聞こえてくる。
すると、倒れていた景子の目がゆっくりと開かれた。
『さあ、来るのだ。我がアジトへ来るがいい』
景子は無言でゆっくりと起き上がると、サボテンの箱を持ち、その指示に従って歩き出す。
倒れている鮎美を振り返りもせず、景子はそのまま温室を出て姿を消した。
いずことも知れぬ地下のアジト。
その正面にはかつてのワシのマークに新たにヘビがまきついて、より精悍となったマークが飾られている。
その前に立つのは全身を黒い軍服で固め、顔の左右に頬当ての付いた黒いヘルメットを被った男だ。
肩からは赤い飾り帯をかけ、胸には幾つもの勲章をつけている。
相当な実績を戦場で上げてきたのだろう。
その顔には自信が窺えた。
『ブラック将軍よ』
ワシとヘビのマークの中央が輝き、アジト内に声が響く。
「ハッ、お呼びですか首領」
ブラック将軍と呼ばれた男が乗馬ムチを振る。
『このような女を改造してどうしようというのだ』
首領の言葉にブラック将軍は背後を振り返る。
そこには手術台に寝かされた景子が手足を固定されていた。
「ご安心を。この咲田景子という女はサボテンの研究者。この女の肉体にはサボテンのエキスがたっぷりと沁み込んでいます。つまり、我がゲルショッカーの改造人間にうってつけの素体」
ゆっくりと景子の脇にやってくるブラック将軍。
その顎を乗馬ムチで持ち上げる。
「お前はこれより改造手術を受け、我がゲルショッカーの怪人となるのだ」
「えっ? そ、それは一体?」
目が覚めたときには手術台に寝かされていた景子には、何がなにやらさっぱりわからない。
「お前が気にする必要は無い。お前は黙って手術を受ければいいのだ」
「ええっ? い、いやです。いやぁぁぁ」
必死に首を振って逃れようとする景子。
だが、逃れられるはずも無い。
『ブラック将軍よ。改造を始めよ!』
「ハハッ。始めろ!」
ブラック将軍が大きくうなずき、配下の技術戦闘員たちに命令を下す。
「ギィッ」
両手を大きく交差するゲルショッカーの敬礼をして、技術戦闘員はスイッチを入れた。
「いやぁっ!」
景子の両腕にチューブが差し込まれ、緑色の液体が流し込まれていく。
そのチューブの先には機械が接続され、その内部では南米の吸血コウモリが溶かされていた。
「あああ・・・」
全身を貫く痛み。
躰が全部バラバラになるような感じだ。
「あぐぅ・・・」
景子の躰がガクガクと痙攣する。
「クックック・・・この女の体内のサボテンのエキスと、南米の吸血コウモリが合わされば・・・クックック・・・」
満足そうにブラック将軍は笑みを浮かべた。
やがて景子の躰が変化を始める。
服が引き裂け、形のよい胸がとげのある緑色のサボテンの表皮に覆われていく。
すらっと伸びた脚はストッキングが破れ、茶色の剛毛が生えてくる。
右手はコウモリのような鉤爪ができ、左手は胸と同じようにサボテンの表皮と鋭いとげが生えてくる。
つま先とかかとは靴を履いたような形に変化し、美しかった顔は大きな耳を持つコウモリの顔へと変化していった。
咲田景子はゲルショッカーの改造人間になってしまったのだ。
「クックック・・・起きるのだ、サボテンバットよ」
両手両脚の戒めが解かれ、景子の躰が自由になる。
「う・・・あ・・・」
サボテンバットと呼ばれた景子がゆっくりと起き上がる。
「あ・・・あ・・・こ、この躰は一体?」
すっかり変わってしまった両手両脚に景子は愕然とした。
サボテンとコウモリの合いの子のような姿。
これが今の自分の姿だというのか?
「い、いやぁぁぁぁぁ」
両手で顔を覆い泣き崩れる景子。
あまりのことに言葉も出ない。
『むぅ、どうしたことだ。ブラック将軍よ、脳改造は行なわなかったのか?』
首領も驚いたような声を出す。
「クックック・・・ご安心を首領。この女には脳改造は必要ありません。いずれそれがわかってもらえるでしょう」
神経質そうに頬をひく付かせるブラック将軍。
だが、彼には彼の計算があるらしい。
『なるほど。では任せよう』
「お任せ下さいませ、首領」
恭しく一礼するブラック将軍。
「さて、いつまでも泣いていても仕方あるまいサボテンバットよ」
「わ、私はそんな名前じゃありません。私は咲田景子です。お願い・・・元に、元に戻して」
すがるようにブラック将軍を見上げる景子。
「クックック・・・その姿では娘に会うこともできまい」
ハッと息を飲む景子。
鮎美・・・
鮎美に会いたい・・・
でも・・・
でもこんな姿では・・・
「お願いです・・・元に戻して・・・」
「よかろう。お前が我が命令を果たせば姿を元にもどしてやる」
「えっ?」
景子の心に光がさす。
ブラック将軍は乗馬ムチでサボテンバットとなった景子の顎を持ち上げ、いやらしく笑みを浮かべた。
「どうだ? 悪い取引ではあるまい」
「・・・・・・わ、わかりました」
景子はうつむいてしまう。
けれど、元の姿に戻してやるという申し出には抗えなかった。
「クックック・・・なに、簡単なことだ。世界平和科学者委員会の会長と副会長を始末するのだ」
「世界平和科学者委員会の会長と副会長?」
「そうだ。どちらもお前には何の関係も無い人間だ。それをこなせばお前を元の姿に戻してやろう」
ブラック将軍の言葉に景子はうなずいた。
うなずくしかなかったのだ。
「・・・・・・わかりました。それが終われば元の姿に戻していただけますね?」
「約束しよう」
ブラック将軍は再びいやらしく笑った。
世界平和科学者委員会とは、ゲルショッカーの脅威に対するために、世界の平和を愛する科学者の力を結集しようという目的で作られたものだ。
その会長と副会長はゲルショッカーに一番抵抗している日本から選ばれた。
ゲルショッカーとしてはどうしても始末したい相手である。
サボテンバットに改造された景子がその始末を命じられたのだ。
『お前の左手のとげからは毒液が出るようになっている。その毒液は人間を生きたままサボテンへと変えてしまうのだ。殺すわけではないから安心しろ』
ブラック将軍の言葉が景子の脳裏によみがえる。
例えサボテンになっても生きている。
その言葉は景子をすごく精神的に楽にさせていた。
殺せと命じられれば、景子はどうしても躊躇うだろう。
苦しんだ挙句に任務に失敗しかねない。
ブラック将軍はそれを見越していたのだ。
夜。
世界平和化学者委員会の会長宅は、当然のように厳重に警戒されている。
ゲルショッカーに狙われるのはわかりきっているのだ。
最大級の警備をするのは当然だ。
「ギィ、会長は自宅におります。しかし、門にも外周にも警備の人間がうろついております」
青紫の全身タイツに身を包んだゲルショッカーの戦闘員が景子に報告する。
「キキィ。そう・・・わかったわ。お前たちは警備員を引き付けなさい」
景子は戦闘員たちに指示を下す。
この任務は彼女が中心となって行なわなければならない。
そのため、戦闘員たちへの命令も彼女が行なえるのだ。
「ギィ」
腕をクロスして戦闘員たちが散らばっていく。
やがて、警備員たちの動きが慌ただしくなり、その気配が少なくなっていく。
ふふ・・・上手く行ったようだわ。
自分の考えが上手く行くのは気持ちがいい。
戦闘員たちは彼女の命令に手足のように従ってくれるのだ。
彼女は心置きなく任務に専念できるだろう。
塀を簡単に飛び越える。
すごい・・・
こんなに躰が軽いなんて・・・
景子は改造された自分の躰にあらためて驚きを感じた。
こんなにすごいとは思わなかったのだ。
塀を越えた景子はそのまま建物の屋根に飛び移る。
そして窓をこじ開けて侵入した。
うふふ・・・簡単なものね・・・
何か気分がいい。
こんなに簡単だとは思いもしなかった。
これなら何度やってもいいかもしれない。
天井からぶら下がるようにして会長の部屋に入り込む。
ふふ・・・
まったく気が付いていないようね。
初老の会長はデスクに向かって一心に何かをやっていた。
背後の天井にぶら下がる景子にはまったく気が付いていない。
ふふ・・・
ゲルショッカーにとってあなたは邪魔なの。
殺しはしないからおとなしくサボテンになっておしまいなさい。
景子はスッと会長の背後に立つ。
さすがに気が付いたのか、会長は振り返った。
「な、何者だ、君は?」
驚いて椅子から腰を浮かせる会長。
「キキィ! 私はゲルショッカーの改造人間サボテンバット。おとなしくサボテンになっておしまい!」
驚くほど素直に景子は自らをサボテンバットと名乗ることができた。
もちろんこれから会長を始末しようという時に咲田景子などと名乗るつもりもなかったが、サボテンバットと名乗ることが、これほど簡単だとは思わなかったのだ。
私は・・・サボテンバット?
違う違う・・・
でも今はそんなことを考えている場合では無い。
命令に従い会長をサボテンにする。
今の彼女にとってはそれが全てだった。
「キキィ」
景子は会長に掴みかかると、右手のコウモリの爪でがっちりと押さえ込み、左手のサボテンのとげを突き刺す。
あ・・・
景子の躰に快感が走る。
とげから毒液が流されるとき、景子は言いようも無い快楽を感じたのだ。
「うわぁっ」
会長の躰が痙攣し、とげを刺されたところからみるみる緑色に変色して行く。
嘘・・・
景子はあまりのことに驚いた。
サボテンにするとは聞いていたが、これほど劇的な変化を起こすとは思わなかったのだ。
やがて会長の躰はとげの生えたサボテンとなってしまう。
それはまさに人間の形を保つかのように丸い頭部と手足を持ったサボテンであった。
ああ・・・
それを見た景子は名状しがたい感情が沸き起こってくるのを止められなかった。
素敵・・・
サボテンになった会長はすごく素敵だった。
サボテンの研究をしていた彼女にとって、サボテンは愛すべき存在だった。
わずらわしい人間関係よりも、サボテンに熱中している方が好きだったのだ。
その彼女の目の前には人間である事をやめ、サボテンとして生まれ変わった会長が転がっていた。
生きているのは間違いない。
だが、物も言わず動くこともできない植物のサボテンとなった。
会長はもはや何も考えることも思い悩むことも無い。
ただのサボテンとなったのだ。
なんて素晴らしいのかしら・・・
景子は思わず屈みこんでサボテンを愛撫する。
とげがちくちくするのがなんとも言えず素敵だ。
ああ・・・
なんて素敵なの・・・
人間をサボテンにする。
それはなんて素晴らしいこと。
もはや苦しみも悲しみも感じることは無い。
太陽の光を浴びてただただ立ち尽くせばいいのだ。
これほど素晴らしいことがあるだろうか・・・
うふふふ・・・
景子の中で何かが歪んで行く。
彼女の唇が釣りあがり、妖しい笑みが浮かぶのだった。
「会長、お茶が入りました」
ドアがノックされ、秘書と思われる若い女性が入ってくる。
だが、サボテンバットの姿を見て持っていたトレイを取り落とした。
「キャー!」
「見たわね? お前もサボテンになるがいいわ」
景子は躊躇いもなく秘書を捕まえるととげをさす。
秘書はあっという間にサボテンへと変わり果てた。
「うふふ・・・うふふふふ・・・」
静かになった室内にサボテンバットの笑い声が響いていた。
******
数日後、会長に続いて副会長もサボテンに変えたサボテンバットがアジトに帰還する。
「キキィ。ただいま戻りました、ブラック将軍」
誇らしげに胸を張り、ブラック将軍の前に跪く。
「よくやったぞサボテンバット。これで世界平和化学者委員会は無力化した」
満足そうに目を細めるブラック将軍。
「キキィ。お褒めの言葉、ありがとうございます」
サボテンバットが嬉しそうに答える。
「これでお前は我が命令を遂行した。こちらも約束を果たさねばならないが、まだ元の躰に戻りたいかな?」
サボテンバットはしばし黙った後、首を振った。
「いいえ。これほどすばらしい躰にしていただいて、今では感謝しております。元の躰になど戻りたくはありません」
サボテンバットの言葉にブラック将軍はうなずいた。
「そうだろう。お前は人間などを超えた改造人間なのだ。その躰を誇りに思うがいい」
「はい。私はゲルショッカーの改造人間サボテンバット。これからもゲルショッカーのために身も心も捧げます」
景子はこの数日で変わってしまっていた。
改造された肉体に酔いしれ、その能力に惚れ込んでいた。
人間をサボテンにする能力が何よりも彼女を喜ばせた。
彼女は副会長襲撃の際は警備員も全てサボテンにしてしまうほどだったのだ。
もはや咲田景子としての意識はなく、サボテンバットであることに喜びを感じ、そう呼ばれることに誇りを持つようにすらなっていたのだ。
「サボテンバットよ。心からゲルショッカーに忠誠を誓うお前に会わせたい人物がいる」
ブラック将軍のムチがアジトの出入り口をさす。
「会わせたい人物?」
「そうだ。連れて来い!」
ムチが振り下ろされると出入り口が開き、戦闘員に両腕を掴まれた少女が入ってきた。
「いやぁっ! 離してぇ!」
「鮎美?」
入ってきたのは彼女の娘の鮎美だった。
両手を掴まれた鮎美は恐怖に打ち震えていた。
「クックック・・・そうだ、お前の娘だ。会いたかっただろう」
「キキィ。はい。会いたかったですわ」
サボテンバットが前に進み出る。
「キャァー! 化け物ぉ!」
だが、鮎美はサボテンバットの姿に悲鳴を上げる。
「鮎美・・・・・・ふふ・・・うふふ・・・」
一瞬戸惑ったサボテンバットだったが、すぐにある感情が浮かんできた。
可愛いわ・・・
この娘もサボテンになれば・・・
もっと可愛くなるに違いないわ・・・
「助けてぇ! 誰か助けてぇっ」
「キキィ。おとなしくしなさい、鮎美。すぐにあなたもサボテンにしてあげるわ」
サボテンバットの左手のとげが鮎美に向けられる。
「クックック・・・娘をサボテンにすることができるまでになったか。これでサボテンバットの完成だ」
「キャァーッ!」
ブラック将軍の目の前で、サボテンバットのとげが鮎美に突き立てられるのだった。
- 2007/02/21(水) 21:46:31|
- 怪人化・機械化系SS
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