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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

えっ? ロンメル? えっ?

1941年にはじまった独ソ戦は、双方の戦車の装甲と火力のシーソーゲームに大きな影響を与えました。

ドイツ軍は50ミリ砲装備の三号戦車でソ連軍の戦車を撃破可能と思っておりましたが、独ソ戦がはじまると、KV-1やT-34といったこれまで知られていなかった戦車が登場し、ドイツ軍はパニックに陥りました。

そこでドイツ軍は四号戦車や三号突撃砲の主砲を長砲身の75ミリ砲に変更したり、88ミリ砲搭載の重戦車ティーガーⅠを投入するなどして、何とかKV-1やT-34に対抗します。

一方ソ連軍もドイツ軍が武装を強化したりティーガーⅠを投入してきたりしたことで、対抗上戦車の強化を図らざるを得なくなり、T-34の主砲を強化したT-34/85や、85ミリ砲装備のSU-85自走砲を投入してドイツ軍と対峙します。

こうした装甲と火力のシーソーゲームに打ち勝つため、ドイツは88ミリ高射砲をさらに強力にした長砲身の88ミリ対戦車砲を開発します。
この88ミリ対戦車砲はティーガーⅠの56口径長88ミリよりも長砲身で71口径長もあり、およそありとあらゆるソ連軍戦車を撃破可能というものでした。

しかし、当然のことこの88ミリ対戦車砲はがっしりして巨大で重く、牽引車で牽引するにしてもそう簡単に動かせるような代物ではありませんでした。
そうなるとどうしても自走化を考えざるを得ません。
ドイツ軍はこの88ミリ対戦車砲を搭載する自走砲を製作することにいたします。

最初に製作されたのは当時量産されていた三号戦車と四号戦車の部品を使った自走砲用車台に88ミリ対戦車砲を載せたものでした。
これは四号戦車の器をベースに三号戦車の駆動部分を使ってエンジンを中央部に移したもので、同じ車台を使ったものに150ミリ自走榴弾砲フンメルがありました。

この三号四号戦車車台に88ミリ対戦車砲を搭載した自走砲は、所期にはホルニッセと呼ばれましたが、のちにはナースホルンと呼ばれ、その強力な主砲で活躍をいたします。
しかし、重量の関係等から装甲の薄いオープントップにせざるをえず、敵弾を一発でも食らうと即撃破されてしまう防御力に難のある車両でした。

そこでドイツ軍は、1943年に量産が開始された最新鋭の戦車パンターの車台にこの88ミリ対戦車砲を搭載することを考えます。
パンターの車台であれば、88ミリ対戦車砲を積んだ上に周囲を装甲で覆っても耐えられると踏んだのです。
こうして1943年の年末にパンター戦車の車台を使った88ミリ対戦車砲を搭載した戦車駆逐車(駆逐戦車)が完成しました。
ヤークトパンター

この駆逐戦車は、パンターが採用した傾斜装甲をそのまま上部まで伸ばしたような正面装甲の真ん中に88ミリ砲が突き出しているような形となり、敵弾に対する防御効果は大きいものでした。
事実当時のソ連を含む連合軍側の戦車で、この駆逐戦車の正面装甲を撃ちぬくのは至難の業だったといいます。
撃破するには装甲が薄く傾斜角も少ない側面や後面から攻撃するしかありませんでした。

この駆逐戦車はヤークトパンターと呼称され、量産が開始されました。
ヤークトとはドイツ語で狩猟のことだそうで、狩りをする豹ということになります。
ヤークトパンター2

攻撃力と防御力にすぐれたヤークトパンターでしたが、弱点はやはり砲塔を持たないことでした。
そのため主砲を敵に向けるために頻繁に車体を動かす必要があり、どうしても足回りの故障が多発したのです。
また、後期ドイツ軍の主力戦車となったパンターの車台を使っていたため、どうしても戦車型のほうを優先せざるを得ず、ヤークトパンターを数多く作ることができませんでした。
そのため全部あわせても生産数は400輌ほどだったといわれ、ソ連軍や連合軍の戦車数に対抗することはできませんでした。

ですが、戦場で敵戦車と砲火を交えた場合、少なくとも一方的にやられるというようなことはなく、多くの敵戦車を撃破したことは間違いないようです。
88ミリ対戦車砲の威力の賜物でしょう。

ヤークトパンターはそのスマートなデザインからファンも多く、人気のあるドイツ軍の駆逐戦車です。
ある年代以上の方には正式名称のヤークトパンターではなく「ロンメル戦車」という名称を思い出す方も多いのではないでしょうか。
これはタミヤ模型がヤークトパンターのプラモを出すときに、なじみのある名称にしたほうが売れると判断したからだそうで、実際私も正式名称のヤークトパンターはかなり後になって知りました。
実際にはロンメル将軍が開発にかかわったこともなければ、愛称としてロンメルと呼ばれていたこともないそうです。

今日はこんなところで。
それではまた。
  1. 2012/02/21(火) 21:05:00|
  2. 趣味
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

「ヤークトパンター」はAH「パンツァー・ブリッツ」の箱絵にも描かれてましたね。SF的とも言えるようなカッコ良さで非常に絵になるデザインだと思います。
  1. 2012/02/22(水) 19:52:19 |
  2. URL |
  3. 富士男 #-
  4. [ 編集]

>>富士男様
確かにSF映画に出てきてもいいようなデザインですよね。
人気があるのもうなずけます。
  1. 2012/02/23(木) 00:31:11 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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