ドイツ陸軍Ⅵ号重戦車。
言わずと知れた「ティーガーⅠ」です。
日本ばかりではなく全世界の戦車ファンにとって、非常に人気のある同車ですが、舞方にとっても好きな戦車の一つですね。
前面装甲厚100ミリ。
側面&後面装甲厚80ミリ。
この側面&後面装甲厚ですら、4号戦車の後期型の前面装甲と同じです。
主砲は高射砲より転用された56口径88ミリ戦車砲kwk36。
無論その威力は折り紙付きでした。
1942年、レニングラード地区において初の実戦参加をしますが、当時のソ連軍の主力戦車たるT-34の76ミリ砲では、相当な近距離に至らなくては正面はもとより側面装甲でさえも撃ちぬけないものでした。
一方ティーガーの主砲の88ミリ砲は1000メートルの距離でT-34の正面装甲を撃ちぬく威力があり、まさに遠距離砲戦をする限りティーガーは一台も失わずにT-34を片っ端から撃破することが(あくまで理論上は)可能だったのです。
しかし、ソ連軍はすべての砲は対戦車砲であるという考えを持っている国です。
45ミリの対戦車砲から、76ミリの野砲、果ては122ミリや150ミリの榴弾砲までもが直接照準でティーガーを狙ってくるのです。
そこでティーガーのマニュアルには「敵に対するときには食事時にしなさい」と書いてありました。
これは敵の食事中に襲撃しろと言っているのではありません。
食事時、すなわち敵を10時半(朝食)1時半(昼食)4時半(間食)7時半(夕食)の方角に置くように車体を調整する、そうすることによってティーガーの垂直装甲は傾斜装甲と同じく敵弾を斜めに受けることになり、見かけの装甲厚が180ミリにも達するため、たとえ150ミリ砲といえども貫通は至難のわざとなるということなのです。
小林源文先生のマンガなどでも、「昼飯の時間にしろ」などというセリフがでてきますが、それはこういうことを意味しているんですね。
ティーガーは精密機械であり、運用にはさまざまな苦労があるのですが、ドイツ軍の戦車兵と整備兵は、それらの苦労をものともせずにこの猛獣を飼いならして使っていったのです。
わずか数両のティーガーは、戦場に姿を見せたとたんに伝説と化し、敵兵の心胆を寒からしめたものでした。
ただ、ティーガーはあまりにも高価に過ぎましたね。
パンター二台分の費用はやはり高かったのでしょう。
生産台数はわずかに1300両ほど。
数がモノを言う戦争という消耗の中では、あまりにも数が少なすぎました。
虎についてはいずれまた書きますね。
それではまた。
- 2007/02/03(土) 21:50:02|
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| コメント:2
ふっふっふ、虎ですか。とうとうそのジャンルに来ましたね。
きっと色んな意味で
「世界で最も名を知られた戦車」
ですよね。
様々な伝説に彩られたあの角張ったシルエットはなんとも
「敵弾をものともせず突き進む無敵の王者」
ってイメージと相まって(あくまでイメージですが)カッコ良いですよね。
しかし色んな伝説、逸話を聞けば聞くほど、無敵伝説の裏にあった
「あんなデリケートかつ複雑かつ手間のかかる代物を運用した乗員と何回でも直し続けた整備部隊の苦労」
が忍ばれますよね(笑)。
「壊れないんじゃなく、壊れても壊れても直してるんだー!」
っていうとこが。
さすがは職人の国、ドイツの製品ですよね(笑)。
ともかく逸話の多い戦車ですから、続きを楽しみにしてますよー。
ヴィットマンとか、カリウス、バルクマン、虎のエース達のある意味劇画的と言って言いような活躍ぶりなんかも是非取り上げちゃって下さい!
- 2007/02/03(土) 23:23:47 |
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- 空風鈴ハイパー #-
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>>空風鈴ハイパー様
誰もが知っていると言っても過言じゃないほど有名な戦車ですよねー。
あんな使いづらいデリケートな戦車をよくもあそこまで使いこなしたものですよ。
ドイツ人には頭が下がりますね。
虎に関してはチョコチョコと書けたらなぁって思っておりますです。
- 2007/02/04(日) 21:42:22 |
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- 舞方雅人 #-
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