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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

クリムゾン(2)

6周年記念SS「クリムゾン」の二回目です。

楽しんでいただけますとうれしいです。

それではどうぞ。


2、
「だが、お前のことを調べるうちに、俺は奇妙な感情を持つようになってしまった。お前が人間であることに困惑し、残念でならなくなってしまったのだ」
「残念?」
「そうだ。紅澤夕子よ、なぜお前ほどの能力を持った者が人間のような下等な存在でいるのだ? お前のような女はナイローンにこそふさわしいではないか」
「そんな・・・」
夕子は困惑する。
まさか敵であるコマンダーパープルから、自分の能力を認められるとは思わなかったのだ。
「いや、そしてそれ以上に俺はお前に魅力を感じていたのだ。その美しい姿。見事なプロポーション。ナイローンの女たちにもお前ほどのスタイルを持ったものはそうはいない」
「そ、それは・・・ありがとうというべきなのかしら・・・」
両腕を掴まれ、裸という屈辱的な状態に置かれながら、敵に褒めてもらうという奇妙な状況に夕子は戸惑っていた。
だが、褒めてもらって悪い気はしないのも事実だったのだ。

「紅澤夕子。お前の唯一の欠点はお前が人間であるということだ。目、鼻、耳、口などという器官を持ち、そのようなものに頼って外部情報を得なくてはならない下等な生物の人間であるということだけがお前の欠点なのだ」
「そんなことを言われても・・・」
思わず苦笑する夕子。
人間であることは彼女にはどうしようもないし、今まで人間であったことに疑問を感じたこともない。
「クククク・・・紅澤夕子よ、俺はいつしかお前を俺のそばに置きたくなっていた。俺のそばで俺に可愛がられ俺に尽くす女・・・そう、お前を俺の女にして俺のそばに置いておきたくなっていたのだ」
「ええっ?」
思わず声をあげてしまう夕子。
今までいろいろと褒め言葉を並べてきていたのは、自分の女にしようと考えていたからだというの?

「じょ、冗談じゃないわ。誰があなたの女になどなるものですか!」
身をよじって何とかベージュの女たちの手を振り解こうとする夕子。
だが、女たちにぎゅっと力を入れられてしまうと、やはり振りほどくことはできない。
「離して! 私は死んだってあなたの女になんかならないわ!」
もがきながらもキッと夕子はコマンダーパープルをにらみつける。
「だいたい私は人間よ! あなたたちのようなナイローンじゃないわ。下等な人間なんかを自分の女にしたりしたら気分が悪くなるんじゃないかしら」
夕子はあえて下等な人間と言ってみる。
敵の女として慰み者になるぐらいなら、死んだほうがマシなぐらいだ。

「ククククク・・・そうだな。確かに人間のお前を我が物にするつもりは無い」
「だったらさっさと殺したらどう?」
夕子は自分の思惑に相手が嵌まったと思い笑みを浮かべる。
これで敵の女になどならずにすむというものだ。
「ククククク・・・そう言うな。いいものを見せてやろう」
コマンダーパープルが指を鳴らす。
「いいもの?」
夕子の顔から笑みが消える。
いったい何を見せられるというのか?
夕子はこれから何が起こるかわからぬままコマンダーパープルを見上げていた。

『いやっ、はな・・・離して! いやぁっ!』
夕子の耳に聞きなれた声が聞こえてくる。
「えっ?」
ANファイターたちが絶賛する甘い声。
その声が悲鳴を上げているのだ。
「か、神原さん?」
思わず夕子も声をあげる。
すると暗闇の中に一糸まとわぬ姿の神原倫子が姿を現した。
「神原さん」
「あ・・・司令。助けて! 助けてください紅澤司令!」
必死に夕子に助けを求める倫子だが、その両腕はやはり夕子と同じくベージュの女どもに押さえられ身動きが取れないようになっていた。

「クッ・・・コマンダーパープル、彼女を放してあげて。私は・・・私はどうなってもいいわ。だから彼女を助けてあげて。彼女はただのオペレータよ。単なるオペレーター一人ぐらいどうってことないでしょ」
夕子も両腕をはずそうともがきながら、コマンダーパープルに訴える。
自分が狙われたことで巻き添えにしてしまったのだ。
何とか彼女を助けたかった。
「クククク・・・そうはいかん。そこでおとなしく見ているがいい」
コマンダーパープルが倫子に向かって手をかざすと、必死にもがいていた彼女の動きが止まってしまう。
「えっ? いやぁっ! 何で? 何で私がこんな目に遭うの? あなたたちの狙いは紅澤司令なんでしょ? だったら司令だけを狙えばいいじゃない! どうして私が司令のために巻き添えにならなきゃいけないのぉ!」
躰の動きを止められたことでパニックになったのだろう。
もう自分が何を言っているのかもわかっていないかもしれない。
だが、これが彼女の本音なのだろう。
もしかしたら彼女にとってはANT本部のオペレーターという仕事は、単に給料がよく見栄えがいいという程度の思いだったのかもしれない。
「神原さん・・・えっ? あれは?」
夕子は倫子の言葉に自分の無力感を感じながらも彼女を見つめていたが、倫子に別のベージュの女が近づいてきたことに気がついた。
そしてそのベージュの女がその手に同じベージュ色のものを持っていることにも気がついていた。

「コマンダーパープル! 彼女に何をするつもり? やめさせて!」
「おとなしく見ているのだ、夕子よ」
コマンダーパープルは夕子を一瞥し、そのまま倫子に手をかざし続ける。
おそらくこれで倫子の動きを封じているのだ。
「いや! いやぁっ! 何それぇ!」
倫子の前に立つベージュの女が手にしたベージュ色のものを広げる。
それは夕子や倫子の両腕を押さえているベージュの女たちが身に着けているベージュ色の全身タイツだった。
「ベージュの・・・全身タイツ?」
「クククク・・・そういうことだ。我らはナイローンスキンと呼んでいるがな」
夕子の疑問に笑いながら答えるコマンダーパープル。

「いやぁっ! やめてぇっ! いやぁっ」
狂ったように泣き喚く倫子。
だが、コマンダーパープルのせいで躰はまったく動かない。
もがくことさえできないのだ。
そんな倫子にベージュの女たちが群がり、彼女にベージュの全身タイツを着せていく。
「いやぁっ! 私何にもしてないのにぃ! いやぁっ!」
動けない倫子は、まるで着せ替え人形が衣装を着せられるかのように全身タイツを着せられていく。
両足から腰、そして両腕を通され、頭からはすっぽりとマスク部分が覆いかぶさる。
そして背中の開いた部分が閉じられると、倫子の躰はすっぽりとベージュ色の全身タイツに包まれる。
それを夕子はただ黙って見ているしかなかった。

「クククク・・・これでいい」
コマンダーパープルがかざしていた手を下に下げる。
すると倫子の躰が自由に動くようになったと見え、倫子は必死になってもがき始めた。
「ああ・・・いや・・・脱がして・・・脱がしてぇ・・・」
全身タイツを着せられた倫子からベージュの女たちが離れていく。
その場に放り出された倫子は、必死になって着せられた全身タイツを脱ごうと躰のあちこちをまさぐるが、どうにも脱ぐことができないらしい。
「ああ・・・あああ・・・ああ・・・ん・・・」
「神原さん! えっ?」
見ていることしかできない夕子は、せめて声だけでもと思い彼女を呼ぶが、そのときじょじょに倫子の様子が変わってきたことに気がつく。
先ほどまで必死に脱ごうとしていたはずなのに、彼女はいつしか全身タイツに覆われた自分の躰を愛撫し始めていたのだ。
「ん・・・んん・・・はあん・・・何これぇ・・・気持ちいい・・・気持ちいいわぁ・・・」
両手で全身を撫で回しうっとりとした声をあげる倫子。
ベージュ色の全身タイツに包まれたまま寝そべるように横になると、そのまま両手で躰を撫でていく。
それと同時にうめき声も上げなくなり、夕子の左右にいるベージュの女たちのように無言になっていったのだ。
「神原さん・・・あなた・・・」
夕子は目の前で起こっていることに愕然とした。
ナイローンの多数を占めるベージュの女たちは、得体の知れない存在などではなく、こうして人間から作られたというのか?

やがて無言でゆっくりと立ち上がる倫子。
その姿はもはや周囲にいるベージュの女たちとなんら変わらない。
先ほどまでマスクをかぶせられたように顔の凹凸があったものが、今はすっかりなくなってまるでタマゴのようにつるんとした頭部になっている。
おそらくちょっと位置が入れ代わっただけで、もう彼女を見分けることはできないだろう。

立ち上がった倫子は、今まで彼女を押さえていたベージュの女たちと一緒にコマンダーパープルのところにやってくる。
そして全員がいっせいに右手をスッと上げ、ナイローンの敬礼をした。

「クククク・・・それでいい」
敬礼したベージュの倫子のあごを持ち上げるコマンダーパープル。
「お前はもう我らナイローンのベージュの一員。これからはナイローンにその身をささげるのだ。いいな」
「ナイローン!」
誇らしげに声をあげる倫子。
いや、もう彼女は神原倫子ではない。
目も鼻も耳も口もなく、顔の凹凸すらなくなったタマゴ形の頭部を持つベージュ色の女。
ナイローンの女戦闘員ベージュになってしまったのだ。

「そうやって・・・そうやってベージュの女たちを増やしていたというの? まさか・・・まさかナイローン全員が、元は人間だと?」
「そうではないが、我らの仲間を増やす手段の一つではある」
ベージュとなった倫子のあごから手を放し、夕子に向き直るコマンダーパープル。
倫子を含むベージュたちは、手を下ろし、そのまま彼の背後に直立した。

「私をあなたの女にするって言ってたけど、私も神原さんと同じようにベージュにするつもり?」
「む? クックックック・・・」
夕子の質問に笑い出すコマンダーパープル。
「お前をベージュにだと? そんなことをするものか」
「えっ?」
「ベージュは盲目的に命令に従ういわば人形のようなもの。そのようなものにお前を変えたとて面白くもなんともない。お前にはしっかりとした自我を持ち、その上で俺の女になってもらわねばならんからな」
「そんな・・・」
夕子は青ざめた。
自らの意思でこの男にひざまずくようになるというのか?
そんなことはありえないと思うものの、コマンダーパープルの背後に忠実に立っているベージュの一人になってしまった倫子のことを考えれば、自分もそうなってしまうことは充分に考えられる。
だが、敵の司令官の女になるなんて死んでもいやだ。
でも、今の状況ではおそらく死ぬこともできそうに無い。
舌を噛み切ったって人間は死ねるものではないのだ。
どうしたらいいの・・・

ぱちんと指を鳴らすコマンダーパープル。
それに合わせてベージュの一人が新たにたたまれた布を持ってくる。
コマンダーパープルはそれを受け取ると、夕子の前で広げて見せた。
「赤い・・・全身タイツ・・・」
それは血の色にも似た少し暗めの赤の全身タイツだった。
「ククククク・・・そうだ。お前のために特別に用意したナイローンスキン。クリムゾンのナイローンスキンだ」
「それを私に・・・」
「そうだ。お前はこれを着て俺の可愛いクリムゾンになるのだ」
「ああ・・・いやっ、そんなのいやっ! いっそ殺して! 殺しなさいよ!」
夕子は死に物狂いで暴れ始める。
何とか両腕を振りほどき、この場を逃げ出すのだ。
背後から撃たれようが斬られようがかまわない。
むしろ殺してもらいたいぐらいなのだ。
そのためにもとにかく両腕を押さえているベージュから逃れなければ・・・

「ククククク・・・無駄なことだ」
クリムゾンのナイローンスキンを傍らのベージュに手渡すと、コマンダーパープルが暴れる夕子に向かってスッと手をかざす。
「ああ・・・」
たちまち躰が動かなくなる夕子。
全身がまるで何かに固められたかのようにピクリとも動かせなくなったのだ。
口までも動かせなくなってしまい、死ねないまでも抵抗の意味で舌を噛み切ることすらできはしない。
「あ・・・ああ・・・」
「クククク・・・お前の場合には口も動かせなくしたほうがよかろう。いままで何人もの人間の女どもにナイローンスキンを着せてきたのだ。中には舌を噛もうとした奴もいたが、そんなことをしても苦しいだけだぞ。どうせナイローンの一員になれば口など消滅してしまうのだ。舌を噛み切ったところで意味は無い」
ああ・・・そんな・・・
身動きもできずコマンダーパープルの言葉を聴くしかない夕子は絶望に打ちひしがれる。
夕子が失踪したことは今頃ANT本部でも騒ぎになっているだろうが、おそらく居場所がわかっていないであろう現状では、ANファイターたちが助けに来てくれるとは思えない。
夕子の胸に絶望が募り、目から涙が一筋零れ落ちた。

「ククククク・・・心配するな」
コマンダーパープルが右手をかざしたままで、左手の指で夕子の涙をぬぐう。
「このようなものを流す必要ももうなくなる。すぐにお前の心もナイローンにふさわしいものとなるのだ。お前の顔は嫌いではないが、やはりお前には目も鼻も口も耳も無いほうが美しい」
「う・・・うう・・・」
「さあ、ナイローンスキンを着せてやれ」
あごでベージュたちに命じるコマンダーパープル。
「「「ナイローン!」」」
すぐにベージュたちが夕子に群がり、動かせない手足を勝手に動かして暗い赤色の全身タイツを着せ始める。
この中には先ほどまで人間だった倫子も混じっているのだろう。
着せられてしまえば自分もナイローンにされてしまうのだ。
「ああ・・・あああ・・・」
口も動かせないのでいやだと叫ぶこともできない。
どうすることもできない無力さに、夕子は打ちひしがれていた。

ベージュたちは夕子の片足ずつを持ち上げて足を通し、たくし上げるようにして全身タイツを腰まで持ち上げると、今度は片腕ずつそでに通していく。
自分の躰が得体の知れないものに包まれていくことに、夕子はおぞましさを禁じえない。
だが、自分の躰なのに自分の力では動かせないのだ。
「うう・・・ううう・・・」
夕子はただうめくことしかできなかった。

両手両足が覆われると、必然的に首から下がほとんど全身タイツに覆われることになる。
着せるための入り口である背中はまだ開いたままだが、前はもう暗い赤色に覆われてしまっていた。
やがてベージュの一人が、夕子の首のところに溜まっていた頭部のマスク部分を持ち上げて、夕子の頭にかぶせていく。
「うう・・・あああ・・・」
夕子は何とか抵抗しようとするものの、身動きができない状況ではどうしようもない。
夕子の頭にマスク部分がかぶせられ、目の前が暗い赤に染まっていく。
呼吸も若干息苦しくなり、マスク越しに息をするしかない。
そして最後に背中が閉じられ、夕子の全身は暗い赤色の全身タイツに覆われた。
  1. 2011/07/18(月) 21:10:38|
  2. クリムゾン
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