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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

嘘・・・でしょ・・・

今日で丸一年半、日数にして549日間連続更新達成です。

何とまぁ、こんなにできるとは思ってもみませんでした。
やっぱり皆さんに見ていただけるという思いがここまでの連続更新をさせてくれましたんですね。

本当にありがとうございます。

アクセス解析をしても、大体24時間ごとにご訪問していただける方が多いようで、しかも22時から24時ぐらいが圧倒的です。
この時間になれば更新しているだろうと楽しみにされているのかなって思います。

これからもできる限り続けて行きますので、応援よろしくお願いいたします。


さて、今日はホーリードールを投下いたします。
お楽しみいただければ幸いです。

20、
助かった・・・の?
女子高生は一縷の望みを抱く。
カメレオンの化け物の注意が逸れ、彼女を押さえていた力が緩む。
その隙に彼女は何とか身をよじって逃げようとする。
しかし、緩んだとはいえ、ビーストの力にかなうはずも無い。
やはり逃げ出すことはできなかった。

「あなたたち、何者? すぐに出て行きなさい! ここはカメレオンビースト様の世界なのよ!」
すでに身も心も支配されてしまっている女性店員が少女たちに近寄る。
何者かは知らないが、邪魔をされるのは許せない。
彼女はカメレオンビーストによって授けられた鋭い爪をかざし、少女たちをにらみつけた。
「ビースト一体。ほか穢されし者二体を確認。浄化をしましょうドールサキ」
「ええ、闇に触れし者は浄化しないとね」
赤の少女の言葉に青の少女がうなずく。
その様子にいらだった店員は二人に対して爪を振るった。

ガキンという音を立てて、店員の爪が赤い少女の杖に阻まれる。
少女のどこにそんな力があるのか、か細い線の少女でありながら彼女の杖は爪を受け止めびくともしない。
「えっ?」
店員が気がついた時には、彼女の脇には青いレイピアの切っ先が埋まっていた。
ホーリードールサキの鋭い一撃が、ホーリードールアスミに向いていた店員の隙を突いたのだ。
「ガハッ」
店員はその場にずるりと崩折れる。
どす黒く濁った血が床に広がった。

「ヒイッ!」
思わず悲鳴を上げる女子高生。
これは悪夢。
そう思わずにはいられない。
化け物に襲われるのも悪夢なら、少女があっさりと人を殺すのも悪夢。
夢なら醒めて欲しいけど、床に広がる血だまりが、この悪夢がまだ続くことを示していた。
「あああ・・・」
すでに手足は自由になっている。
カメレオンの化け物が彼女から離れ、二人の少女に対峙していたのだ。
に、逃げなくちゃ・・・
彼女は必死に逃げ出そうとする。
でも恐怖が彼女を動けなくさせている。
べちゃ・・・
水たまりがプリーツスカートを濡らしている。
え? 何?
彼女が床に付いた手にもぬるい水が感じられる。
なんだ・・・ろう・・・
血ではない。
手に付いた液体は赤くは無いのだ。
気にはなるが、かまってはいられない。
彼女は少しでも遠ざかろうと後ろに下がった。

「グゲ・・・」
カメレオンビーストは飛び出た目をギョロつかせながら二人の少女に向き合う。
所狭しと並べられた洋服とマネキンが邪魔臭い。
「ゲ」
いきなり舌を伸ばして、ホーリードールアスミの右手に絡め、そのまま引き寄せる。
「サンダー!」
ホーリードールアスミは引き寄せられるままに右手を突き出し、そのまま呪文を発動させた。
杖の先から発せられた電撃が周囲にスパークを走らせ、カメレオンビーストの舌を焼く。
「ゲゲゲ・・・」
思わず舌を引っ込め、口元を押さえるカメレオンビースト。
その仕草が妙に人間臭さを感じさせた。
「次は私!」
ホーリードールサキがレイピアの切っ先を向けカメレオンビーストに飛び掛る。
いったん進路をそらせ、壁を蹴って角度を変えて勢いをつけ、そのまま突進するのだ。
無論ホーリードールアスミは援護を忘れない。
「フラッシュ!」
杖の先から光球を飛ばす。
その光の球はカメレオンビーストの前ではじけ、目をくらませた。
「グゲ」
カメレオンビーストはもはや本能に過ぎない行動を取る。
回避するために身をかがめたのだ。
「クッ」
ホーリードールサキのレイピアは、わずかの差でカメレオンビーストを捕らえることができずに背後のマネキンを突き貫く。
カメレオンビーストはそのまま脇へ転がると、ガラスで出来たショーウィンドウを破り外へ出た。
狭い店内での戦いに見切りをつけたのだ。

「逃がすか!」
あとを追って飛び出して行くホーリードールサキ。
続いて外へ出ようとしたホーリードールアスミは、ふと壁に張り付くようにして彼女たちの闘いを見ていた女子高生に気がついた。
「生きているようですね」
ホーリードールアスミは構えていた杖をおろし、彼女に近づく。
「あ・・・あなたは一体・・・」
赤い宝石の嵌まったサークレットに赤いミニスカート型のコスチューム。
赤い手袋とブーツ。
まるでアニメの世界から抜け出て来たような少女がそこにいる。
「魔法少女・・・なの?」
言ってから女子高生は馬鹿なことをと思ってしまう。
そんなことがあるわけ無い。
空想の世界が現実にあるわけが・・・
「私はホーリードールアスミ。闇を打ち払う光の使徒」
ホーリードールアスミは何の感情も持たないかのような抑揚の無い言葉で自己紹介をする。
「ホー・・・リー・・・ドール?」
お人形なの?
「あなた・・・闇に触れましたね」
「えっ?」
女子高生は何のことかわからなかった。
「闇に触れし者は闇に穢されし者」
すっとホーリードールアスミの杖が持ち上がる。
「ヒッ!」
女子高生の顔から血の気が引いた。
「浄化します。コロナ」
女子高生の躰を覆う灼熱の火柱が立つ。
なぜ自分が焼け死ぬのかを理解することもなく彼女は一瞬にして炭化した。
そして、それを見届けることすらせずに、ホーリードールアスミはホーリードールサキのあとを追っていた。

「キャアー!」
「うわぁ~!」
夕方の商店街に悲鳴が上がる。
ブティックのショーウィンドウが突然割れ、トカゲとも人間とも付かない化け物が飛び出して来たのだ。
化け物は突き出た目をギョロつかせ、豊かな胸を揺らしながら、周囲をものともせずに壁を登り始める。
驚いた人々の目の前に、今度は青いミニスカート型コスチュームの少女が現れる。
少女は青いレイピアを持ち、周囲を確認すると、壁をよじ登っている化け物を見つけ、少し考える。
すぐに少女は通りの向かい側にあるビル目掛けて走り出すと、そのビルの壁を蹴って飛び上がった。
そして通りをはさんだビルとビルの間を、まるで忍者か何かのようにお互いの壁を蹴りながら上って行く。
やがて少女と化け物はビルの屋上に消えていき、地上の人から見えなくなる。
人々が唖然としていると、ブティックの中から炎が上がる。
そして青い少女が姿を現し、先に屋上へ消えた少女のあとを追った。
人々はただ顔を見合わせるだけだった。

「追いかけっこはお終い」
ビルの屋上に先回りするホーリードールサキ。
壁をよじ登ってきたカメレオンビーストを待ち構えていたのだ。
「ゲゲ・・・」
だが、ホーリードールサキの目の前で、よじ登ってきたカメレオンビーストの姿が周囲に溶け込んで行くように消えて行く。
「えっ? ど、どこに?」
周囲を探るホーリードールサキ。
「うふふふふ・・・」
ホーリードールサキの頭上から声がする。
「クッ」
すぐさま後ずさり、距離を取って確認する。

頭上の貯水タンクの上には二人の人影が立っていた。
片方は漆黒の全身を覆う皮膜のような全身タイツに身を包んだ大人の女性。
手には大きな両手で持つ斧を持っている。
もう片方は漆黒のレオタードを身に付けた少女。
彼女も手には巨大な鎌を持っている。
二人はともに冷たい笑みを浮かべながら、ホーリードールサキを見下ろしていた。
「闇の女たち・・・」
ホーリードールサキの透き通った瞳に憎しみのような感情が一瞬浮かぶ。
「ドールサキ。ビーストは? あっ」
遅れて上がってきたホーリードールアスミも貯水タンクの上にいる二人の姿に目が行った。
「うふふふ・・・そろそろ今晩はかしらね、光の手駒たち」
優美な曲線を誇らしげに晒しているレディアルファ。
その横ではレディベータも闇の微笑みを見せている。
「私は大いなる闇の女デスルリカ様の配下、レディアルファ。以後よろしく」
「私は知っているわよね。同じくレディベータよ」
ブラディサイズを構え、今にも飛び降りそうなレディベータを、さりげなくレディアルファが抱き寄せる。
「レディアルファにレディベータ・・・」
「闇の女たち・・・」
ホーリードールサキとホーリードールアスミの二人は自分たちの前に現れた闇のしもべたちを目に焼き付けた。
  1. 2007/01/16(火) 22:01:18|
  2. ホーリードール
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:10
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コメント

連続更新記録達成おめでとうございます~
549日ですかァ 私には真似できません
これからホーリードール(20)をご馳走になります

これからも記録更新頑張って下さい。
もちろん、こっそり闘志を燃やしつつ応援しますw
  1. 2007/01/16(火) 22:43:15 |
  2. URL |
  3. xsylphyx #YvDg.tqU
  4. [ 編集]

1年半おめでとうございますー&お疲れ様ですー。
毎度のSS更新にはお世話になりつつ(笑)、頭が下がる思いです。
大戦時のアメリカのごときその生産力で生み出されるSSと連続更新の両立はすごいの一言です。
これからも続けられるだけ続けていきましょうね、お互いに(笑)。
なんかこうなるともう
「更新が止まったら身辺に何かあったんじゃないかと心配されるレベル」
ですしね(笑)。
ともあれ、おめでとうございますー。では。
  1. 2007/01/17(水) 00:00:11 |
  2. URL |
  3. 空風鈴ハイパー #-
  4. [ 編集]

1年半連続更新とは、三日坊主が多い僕から見たら頭が下がる思いですm(__)m。

ホーリードールは久しぶりの光と闇の戦いでしたね。お互いの初顔合わせ?も済んだことですし、これから本格的な戦いに入っていくのでしょうか。
ところで、サキの台詞で「逃がすか!」ってありますけど、ホーリードールって言葉遣いが荒いところもあるし、意外に残酷ですね。普通は光=正義って感じ(偏見?)ですけど、そういうことを感じさせないですよね。
  1. 2007/01/17(水) 12:55:20 |
  2. URL |
  3. metchy #-
  4. [ 編集]

今年になってからこれが初めての書き込みですね…挨拶ものすごい遅れてしまいました、申し訳ありません

本当に敵、そしてそれに少しでも関わったものは滅していく…すごい存在ですよね
なんとなく黙示録とかそういう世界のような感じがしています…詳細を知っているわけではないので間違っている可能性大有りなんですが
  1. 2007/01/17(水) 20:58:57 |
  2. URL |
  3. 漆黒の戦乙女 #c4EIgJbw
  4. [ 編集]

>>xsylphyx様
ありがとうございます。
これからもできるだけ続けていきますので、応援よろしくですー。

>>空風鈴ハイパー様
そうなんですよね。(笑)
更新が無かったら「なんかあった?」と心配掛けちゃいますですね。
まあ、心配掛けないように頑張りますですー。ww

>>metchy様
結構紗希ちゃんの地が出ている部分もあるのかな。
元気印少女ですからねー。
正義と悪ではなく、あくまで光と闇の戦いであり、どっちも正義でどっちも悪なんでしょうね。
残酷だなって思っていただければ、意図したものが伝わっているかなって思いますです。

>>漆黒の戦乙女様
お久し振りです。
あけましておめでとうございます。
そうなんですよねー。
闇に触れただけで浄化の対象となる。
すごく極端だと思います。
それをなんとも思わなくさせているゼーラ。
恐ろしいですよねー。
  1. 2007/01/17(水) 22:10:55 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

遅くなりました。
一年半達成おめでとうございます!
毎度のことながら、SSの量とミリタリー・歴史の
知識の深さには驚かされます。
だからこそ、人気もあるのだと思います。
これからも頑張って、10年、100年と(笑)
続けていってくださいね。応援してます!
  1. 2007/01/17(水) 23:04:21 |
  2. URL |
  3. grendy #-
  4. [ 編集]

ブルログに五ながら文はいつも見ています.
何の用事なのか接続がならない場合も少しありますね.
たびたび来ることができなくて申し訳ありません.
  1. 2007/01/18(木) 08:29:15 |
  2. URL |
  3. ベルクルド #-
  4. [ 編集]

>>grendy様
おかげさまで多数の方々に見てもらえているみたいです。
これからも頑張って続けていきたいと思っておりますです。
応援よろしくお願いしますね。

>>ベルクルド様
回線の状態によっては繋がらない時がありますね。
そんな状態であるにもかかわらず、訪問してくれてすごくうれしいです。
顔を出していただけるだけで光栄ですので、お気になさらないで下さいね。
  1. 2007/01/18(木) 22:27:36 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

お久しぶりです。舞方さん。

今回も拝読させていただきました。
「穢れ」に触れた物がさらに「穢れ」を蔓延させるといった思考で動いているのでしょうね。
これは殲滅ですね。ホーリードールは敵に少しでも関係ある者を一人残らず殲滅するでしょう。
次は戦闘描写でしょうか?楽しみにまっています。

後、ロンメルの「バトルアクス」とレディアルファの両手持ち戦斧は何かあるのでしょうか?
  1. 2007/01/21(日) 21:15:06 |
  2. URL |
  3. 姫宮 翼 #0iyVDi8M
  4. [ 編集]

>>姫宮 翼様
お久し振りです。
光にとっては闇の増大は許せないことなんでしょうね。
ちょっとでも触れたものは浄化するという意識なのでしょう。
戦闘シーンは苦手なのですが、頑張って書いていきますです。

英軍のバトルアクスとレディアルファの両手斧とは特に関連は・・・
無いはずだよなぁ。(笑)
  1. 2007/01/21(日) 22:15:44 |
  2. URL |
  3. 舞方雅人 #-
  4. [ 編集]

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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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