四日間連続投下してまいりました250万ヒット記念SS「科学主任穂純」も、今日が最終回です。
穂純の堕ちっぷりを堪能していただければうれしいです。
どうかお楽しみくださいませ。
4、
「とりあえずはめてみなさい。文句は後で聞くわ。もっとも、文句なんて言わないと思うけど・・・」
ホズミの言葉に仕方なく三人はブレスレットを手に取ると、今まではめていたおしゃれな感じの片手用ブレスレットを左手からはずしていく。
今ひとつ納得いかないような表情を浮かべつつも、三人はそれぞれ両手に黒革にトゲのついたブレスレットをはめた。
「それじゃいくよ」
早智恵の言葉に美愛と佳乃がうなずく。
「「「装着!!」」」
三人の声がハーモニーとなり、それぞれの躰を光が包む。
最新の転送技術が強化スーツであるガーズスーツを転送し、三人の少女たちの周囲に送りこんでくる。
ガーズスーツはすぐさまそこで実体化し、三人の躰を覆うことで、三人はテラズガーズへと変身するのだ。
「装着完了って・・・えええー?」
装着し終わったガーズスーツに思わず早智恵は声を上げてしまう。
「な、何ですの、これは?」
「こ、これはいったい・・・」
美愛も佳乃も驚きを隠せない。
それもそのはず、彼女たちが身にまとったガーズスーツは、今までのガーズスーツとはまったく違うデザインだったのだ。
今までのガーズスーツは赤、青、黄色の三色をベースに白が一部取り入れられたもので、全身を覆うスーツにミニスカートが付き、ブーツと手袋、それにヘルメットが組み合わされるものだった。
それが今彼女たちが身に着けているのは、漆黒を基調としたものにほんの申し訳程度に赤、青、黄色が配色されたもので、デザインも大幅に変わっている。
膝上までの黒革のブーツはピンヒールタイプになっており、太ももの部分は網タイツになっている。
手袋はひじまでの長さの長手袋になっていて、手首のところには変身前と同様にトゲの付いたブレスレットがはまっている。
胴部は胸元の開いた黒いレオタードになっており、腰にもアクセントとして金属のトゲの付いたベルトが巻かれていた。
背中には小さなコウモリ型の羽があり、頭部のヘルメットは魔物が口をあけたようなデザインとなっていて、そのあいた口の部分がバイザーになっている。
魔物はそれぞれが微妙に異なってはいるものの、総じて瞳の細長い不気味な目をしており、邪悪な感じを漂わせていた。
「ほ、穂純博士、これは何なんですか?」
「いったいどうしてこんな・・・」
「これじゃまるで悪魔のようです。テラズガーズにふさわしいとはとても・・・」
三人は自分とほかの二人の衣装を見比べ、それぞれが同じような漆黒のスーツであることに驚いていた。
「うふふふ・・・よく似合っているわよ。お前たちの任務にぴったりだわ」
ホズミが笑っている。
「穂純博士!」
「任務って・・・こんな胸が開いたような格好は恥ずかしいですわ」
「これじゃまるで私たちのほうが邪悪な感じがするじゃないですか」
三人は次々に不満と疑問を口にした。
「お黙りなさい。これからはそういった威圧的な衣装のほうが都合がいいのよ。弱い上におろかな地球人でも、これなら自分たちの置かれた立場に気が付くでしょう。お前たちは今日から我ら神聖帝国のインペリアルソルジャーとして地球人を支配する尖兵となるのよ」
腕組みをして冷たい笑みを浮かべているホズミ。
「インペリアルソルジャー?」
「地球人を支配って?」
「な、何を言っているんですか穂純博士? それじゃまるで私たちが神聖帝国に仕えるみたいじゃないですか」
三人は何が何だかわからない。
いったい穂純博士は何を言っているのだろう・・・
「ええ、そうよ。お前たちには今日から神聖帝国の一員になってもらうわ」
「ば、バカなことを言わないでください」
「そうです。いくらなんでも冗談にしては性質が悪すぎます」
「私たちが神聖帝国の一員になるなんてありえません!」
思わず佳乃はヘルメットを脱ぎ捨てようとした。
こんなスーツは着ていられない。
冗談にしてもひどすぎる。
それとも、穂純博士は自分たちの地球を護るという気持ちを試すつもりなのだろうか・・・
「あれっ? 脱げない・・・」
ヘルメットが脱げないことに気が付く佳乃。
「えっ?」
あわてて早智恵も美愛もヘルメットを脱ごうとするが、やはり同じように脱げなかった。
「これは?」
「ど、どうして?」
戸惑う三人。
今までのスーツは着用していた状態でも、ヘルメットを脱ぐことはいつでもできたのだ。
「無駄よ。そのスーツはこちらが解除しない限り脱げないわ。うふふふふ・・・」
「は、博士・・・」
「ど、どうしてしまったんですか、博士?」
「わ、私たちをどうするつもり?」
穂純博士の異様さに恐怖を感じる三人。
「言ったでしょ。お前たちは神聖帝国のために働くインペリアルソルジャーになるの。今からお前たちをそのように洗脳してあげる」
「せ、洗脳?」
「私たちを洗脳?」
「や、冗談はやめてよ。そんなことできるはずが・・・」
思わず一二歩後退る三人。
今はもう目の前の穂純博士がまったく理解できない化け物のような気がしていた。
「うふふふふ・・・それができるのよ。そのヘルメットには洗脳装置が仕掛けてあるの。私がスイッチを入れればその洗脳装置が働くわ」
「せ、洗脳装置?」
「ど、どうしてそんなものが?」
「うふふふふ・・・私がワゼック様のために作ったの。ワゼック様はその装置で私を洗脳してくださったわ。今では私はワゼック様と神聖帝国の忠実なるしもべなのよ。うふふふふ・・・」
不気味に笑うホズミ。
三人の背筋が凍りついた。
「なるほど・・・そういう趣向であったか」
奥の扉が開き、スーツ姿の男が入ってくる。
「だ、誰?」
とっさに身構えるテラズガーズの三人。
「あら、もう出ていらっしゃったのですかワゼック様? 私のほうから呼びに伺いましたものを」
入ってきた神能姿のワゼックに微笑むホズミ。
「わ、ワゼック?」
「ワゼックだって?」
三人が驚く。
まさか神聖帝国の大幹部であるワゼックがここにいるなんてありえないはずなのに・・・
「ええ、そうよ。この方こそ偉大なる神聖帝国の皇子ワゼック様。お前たちのご主人様になられるお方よ」
ホズミが入ってきたワゼックを紹介する。
「ククククク・・・直接的にはお初にお目にかかる、テラズガーズの三人よ。それにしてもなんとも魅力的なコスチュームではないか。わがしもべにふさわしい」
スーツ姿を解き、漆黒の鎧姿に戻るワゼック。
彼がこの状況を楽しんでいることは、その冷たい笑みを浮かべた表情からも明らかだった。
「クッ、プリムラ! 早く非常ベルを!!」
「わかった!」
基地内に異常を知らせる非常ベルを押そうと、すばやく壁のスイッチに向かおうとする早智恵。
それをガードするように美愛と佳乃が身構える。
「無駄よ」
ホズミが手元のスイッチを押す。
とたんに三人のヘルメットに電磁パルスが走り、三人はその場に頭を抱えてくず折れた。
「うあぁぁぁぁぁ・・・」
「きゃあぁぁぁぁぁ・・・」
「うわあぁぁぁぁぁ・・・」
三人の絶叫が響き渡る。
全身を貫くような苦痛が彼女たちを襲っているのだ。
その中でパルスがじっくりと彼女たちの脳に突き刺さり、心を歪めていくのである。
「うふふふふ・・・ワゼック様、どうぞ」
ホズミがマイクを渡す。
このマイクで三人に暗示をかけるのだ。
最初は自分でやろうと考えていたホズミだったが、こうしてワゼックが姿を現した以上、彼に三人を洗脳してもらうほうがいいと思ったのだ。
「ククククク・・・お前たちよ、よく聞くのだ。お前たちは神聖帝国の忠実なるしもべ」
ワゼックがマイクに向かって話しかける。
その声は洗脳装置となった三人のヘルメットを通して、三人の脳に刻み込まれていく。
「うあぁぁぁ・・・わ、私は・・・神聖帝国の・・・」
「あああ・・・し、神聖帝国の・・・しもべ・・・」
「ち、違う・・・しもべなんかじゃ・・・」
床に転がりもだえ苦しむ三人の少女たち。
みな頭を抑えて必死に刷り込みに耐えていた。
「ククククク・・・苦しむことはない。お前たちは神聖帝国の一員。弱きものを支配する尖兵、インペリアルソルジャーなのだ」
「私たちは・・・ああ・・・ち、違う・・・神聖帝国の・・・一員・・・一員・・・神聖帝国の一員・・・」
「私たちは弱きものを支配なんて・・・支配・・・支配・・・支配する・・・」
「や、やめてぇ・・・私たちを洗脳しないでぇ・・・私たち・・・インペリアル・・・ソルジャー・・・私たちはインペリアルソルジャー・・・」
「そうだ。お前たちは神聖帝国のインペリアルソルジャー。力こそがすべて。弱きものには死か服従を」
「私たちは・・・インペリアルソルジャー・・・」
「力こそが・・・力こそがすべて・・・」
「弱きものには・・・弱きものには死か・・・服従を・・・」
ワゼックの言葉を無意識的に繰り返すようになっていく三人。
じょじょにその声はうつろになり、苦しんだ様子も治まってくる。
「ククククク・・・いい感じになってきたようだな。お前たちは神聖帝国のインペリアルソルジャー。皇帝陛下に忠誠を誓い、俺とホズミに従うのだ。そして弱きものを支配するがいい」
「私たちは神聖帝国のインペリアルソルジャー」
「皇帝陛下に忠誠を誓い、ワゼック様とホズミ様に従います」
「弱きものを支配し、服従させます」
ワゼックの言葉が三人の脳に焼き付けられ、三人の思考は変わってしまう。
もはや苦痛はなく、ただ、ワゼックの言葉を繰り返すのみであった。
「さあ、立ちなさい、インペリアルソルジャーたち」
ホズミの命令にゆっくりと立ち上がる三人の少女たち。
バイザーの下から覗く口元には、冷たい笑みが浮かんでいる。
「うふふふふ・・・言葉による暗示とともに、わが神聖帝国に必要な冷酷さも送り込んであげたわ。もうお前たちは地球を守るテラズガーズではなく神聖帝国のインペリアルソルジャー。そうよね?」
「はい。私たちは神聖帝国にお仕えするインペリアルソルジャーです」
「皇帝陛下に永遠の忠誠を誓い、ワゼック様とホズミ様の命令に従います」
「力こそがすべて。弱きものには死か服従を」
直立不動の姿勢で答える三人の少女。
ワゼックとホズミに対する忠誠心を植え込まれた今、二人の命令は絶対なのだ。
「うふふふふ・・・それでいいわ。早智恵、お前は今日からソルジャーワイバーン。美愛はソルジャーサーペント。佳乃はソルジャーバジリスクとして地球制圧のために働きなさい。いいわね」
「「「はい、ホズミ様」」」
声をそろえて答える三人。
もはやそこには地球を守るという意識は存在しなかった。
「ククククク・・・なんとも頼もしい少女たちよ。これでテラズガーズは壊滅したも同然だな」
「はい、ワゼック様。ですがもう一人、ワゼック様のお役に立つ女を用意いたしますわ。この娘たちの指揮を執るのにふさわしい女を・・・うふふふふ・・・」
ホズミが妖しい笑みを浮かべるのを、ワゼックは頼もしげに見つめていた。
『桃子、いる? 入ってもいいかしら?』
インターコムから穂純博士の声がする。
「穂純さんですね? どうぞ」
いつものように何の疑いもなくホズミを通してしまう桃子。
だが、室内に入ってきたホズミたちの様子がいつもと違うことに戸惑いを覚えてしまう。
整列するかのようにホズミの後ろに立つ三人。
いつもの陽気な感じはなく、むしろ冷たい表情で桃子を見つめてくるのだ。
いったいどうしたというのだろうか・・・
「ど、どうしたの? みんな・・・なんか様子が変よ」
「うふふふ・・・彼女たちは洗脳され生まれ変わったわ。もはやこの娘たちはテラズガーズなどではないの。わが神聖帝国の忠実なしもべ、インペリアルソルジャーになったのよ」
ホズミがくすくすと笑っている。
「な、何を言っているんですか、穂純さん? いったい何の・・・」
桃子の背中を冷たいものが走る。
たった数十分の間に、何かが劇的に変化してしまったような感じだった。
「お前たち、桃子に生まれ変わった姿を見せてあげなさい」
「「「はい、ホズミ様」」」
すっと両手のブレスレットを掲げる三人。
「「「装着!!」」」
一瞬にして三人の姿が変わり、インペリアルソルジャーとしての姿になる。
「ひっ」
息を呑む桃子。
三人は今までとはまったく違う漆黒の衣装を身に着けていたのだ。
「うふふふ・・・インペリアルソルジャーワイバーン」
「くすくす・・・インペリアルソルジャーサーペントですわ」
「インペリアルソルジャーバジリスク。神聖帝国に栄光あれ」
三人が新たな名を名乗るのを見て、桃子はただ唖然とするばかりだった。
「これは・・・」
「言ったでしょ。この娘たちはもう神聖帝国の一員。地球支配の尖兵たるインペリアルソルジャー」
「穂純さん、あなたはいったい」
桃子がホズミをにらみつけるが、ホズミはまったく意に介した様子もない。
「うふふふふ・・・私は神聖帝国のワゼック皇子様付き女秘書官ホズミ。これが私の本当の姿よ」
ホズミが桃子の前でメガネを外して白衣を脱ぎ捨てる。
そこには漆黒に銀のトゲの付いたボンデージレオタードを身に着け、黒の長手袋と膝上までのハイヒールブーツを履いた神聖帝国の女幹部の姿があった。
このボンデージレオタードは、自らが開発した自分専用の強化スーツである。
無論適合者である三人が着ているソルジャースーツには及びも付かないが、それでも充分にホズミの力を増幅してくれるのだ。
「そ、そんな・・・穂純さん・・・あなたは・・・」
「うふふふふ・・・今日でテラズガーズは壊滅するわ。でも心配は要らないの。桃子にも私と一緒に来てもらうから」
桃子を見つめ、妖しく微笑むホズミ。
「ふざけないで! 誰があなたと一緒になど」
机の中の拳銃を取り出そうとする桃子。
だが、それを見たインペリアルソルジャーの三人が、すばやく桃子を取り押さえてしまう。
「あっ、やめて! は、放しなさい! 手を放して!」
取り出そうとした拳銃を取り上げられ、床に組み伏せられてしまう桃子。
強化スーツを着たインペリアルソルジャーに生身の人間がかなうはずがない。
「うふふふ・・・怖がることはないわ桃子司令」
「ええ、すぐに桃子司令も神聖帝国のすばらしさがわかるようになります」
「桃子司令もワゼック様とホズミ様の忠実なしもべになるんですよ」
「いやっ! そんなのはいやぁ!」
必死にもがく桃子に、ホズミが洗脳装置のリングをはめる。
「いやぁっ!!」
「うふふふふ・・・さあ、生まれ変わるのよ。桃子」
ホズミの手がスイッチを押した。
******
「ああ・・・ん・・・ワゼック様のおチンポ最高ですわぁ・・・しゃぶってもしゃぶってもまだおしゃぶりしたくなっちゃいますぅ」
うっとりと蕩けたような表情でワゼックのモノを口にするホズミ。
漆黒のボンデージ姿が美しい。
いまや神聖帝国の女幹部として、ワゼック皇子付き女秘書官ホズミのことを知らぬものはいないぐらいだ。
もちろんワゼックの性のお相手も充分に勤め、ワゼックにとって必要不可欠の女になっている。
「ん・・・うふふふ・・・ご覧くださいませ、ワゼック様」
ワゼックのモノから顔を上げ、スクリーンになっている壁面を指し示すホズミ。
そこには赤茶けた星が映し出されている。
宇宙空間を進む魔空城の次なる目標だ。
「我が神聖帝国の新たなる支配地となる星ですわ。もはやあの星もワゼック様のもの同然」
「ククククク・・・またお前たちの力を見せてもらうとしようか」
ホズミの肩を抱き寄せ、その髪を撫でてやるワゼック。
あのあと地球はあっという間に神聖帝国の支配下となり、地球人は奴隷として帝国のために働いている。
それもホズミやモモコたちインペリアルソルジャーの働きがあってこそだ。
「お任せくださいませ、ワゼック様。コマンダーモモコ、資料は用意できている?」
「はい、ホズミ様。こちらに」
カツカツとハイヒールブーツのかかとを鳴らし、神聖帝国の戦闘指揮官となったコマンダーモモコがやってくる。
ホズミの作ったインペリアルソルジャー同様の漆黒のスーツを身にまとい、ヘルメットのバイザーから覗く口元には冷たい笑みを浮かべていた。
「うふふふ・・・さしたる戦力は持っていないようですわ。インペリアルソルジャーの力があれば、制圧はたやすいことかと」
資料を見たホズミがぺろりと舌なめずりをする。
弱きものを屈服させるのは実に気持ちがいいこと。
歯向かうものは皆殺しにしてしまえばいい。
それもまた楽しみの一つなのだ。
「コマンダーモモコ、インペリアルソルジャーたちを引き連れてあの星を制圧しなさい。ワゼック様にささげるのよ」
「かしこまりましたホズミ様。どうぞお任せくださいませ」
コマンダーモモコが一礼して振り返る。
「ワイバーン、サーペント、バジリスク、ホズミ様のご命令よ。あの星を制圧しなさい。いいわね」
「「「はい、仰せのままに」」」
ひざまずいていた三人が一礼して一斉に立ち上がる。
その口元には、これからの侵略が楽しみであるかのように、妖しい笑みが浮かんでいた。
END
いかがでしたでしょうか?
よろしければ、拍手やコメントなどをお寄せいただけますととてもうれしいです。
お読みいただきましてありがとうございました。
それではまた次作でお目にかかりましょう。
- 2010/12/27(月) 21:03:31|
- 科学主任穂純
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