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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

エチオピア戦争(9)

1935年10月3日。
宣戦布告無しに始まった「(第二次)エチオピア戦争」は、イタリア軍の二方向からの侵攻で幕を開けました。
エミリオ・デ・ボーノ将軍率いる主力部隊はエリトリアから。
一方機動性に富むロドルフォ・グラツァーニ将軍率いる助攻部隊はソマリランドから侵攻します。
それぞれの目標は、デ・ボーノ将軍の主力部隊がエチオピアの首都アディスアベバであり、グラツァーニ将軍の助攻部隊はそれを支援しつつイタリアの勢力圏を増大させるというものでした。

デ・ボーノ将軍は、この侵攻のためにエリトリアの港マッサワから、エチオピアとの国境までの道路をトラックが通れるように改修しておきました。
また中間点のアスマラという地に補給所を設け、補給が滞りなく行えるようにしておりました。
そのため、開戦に際しても補給の面で問題となるようなことはありませんでした。

デ・ボーノ将軍率いるイタリア軍主力部隊は、怒涛の進撃でエチオピア国境を通過、エチオピア国内へと進みます。
しかし、迎え撃ってくるはずのエチオピア軍はおらず、イタリア軍は戦闘の無いまま丸二日間もエチオピア国内を無傷で進撃いたしました。

このエチオピア軍の反撃の無かった理由は、エチオピア皇帝ハイレ・セラシエ一世の考えによるものでした。
彼はイタリア軍の行動が間違いなくエチオピア侵攻であることを確認するために、各地の軍勢に対して国境より一日以上の距離をとるよう通達を出していたのです。

イタリア軍の軍勢が最初にエチオピア軍の軍勢と出会ったのは、アジクラットという町でした。
ここにはセラシエ皇帝の義弟であるラス・ググサ率いる部隊が駐屯していたのです。

ところが、このラス・ググサはデ・ボーノ将軍の買収に応じ、イタリア軍はここでも無傷でアジクラットを確保します。
エチオピア内部もセラシエ皇帝に忠誠を誓う者たちばかりではなかったのです。

アジクラットを占領したイタリア軍は、さらに進撃を開始しますが、ここでようやくエチオピア軍が立ちはだかりました。
ティグレ州防衛の任を帯びた、ラス・セイオーム率いる軍勢がイタリア軍を迎え撃ったのです。

洞窟や谷間、荒地を利用して防御するエチオピア軍に、イタリア軍は当初から苦戦を免れませんでした。
しかし、近代的な火力と兵力の多さが、次第にエチオピア軍を圧倒し、ラス・セイオームは部隊を後退させざるを得なくなります。

ラス・セイオームの部隊を後退させたイタリア軍は進撃を再開。
アジクラットから約80キロ進撃したところでいったん停止をいたします。
ここで再度補給所を設置し、進撃体制を整えるつもりでした。

10月7日、国際連盟はイタリアの軍事行動を侵略と断定。
イタリアに対して経済制裁を行うことを決定しました。
しかし、これは石油などの重要物資には適用されず、イタリアにそれほど影響を与えるものではありませんでした。
たとえ適用したとしても、アメリカなど国際連盟に未加盟の国から購入することができることに加え、英仏がドイツに対するのと同様宥和政策を行ったことによるものでした。

国際連盟はイタリア・エチオピア両国に和平案(ホーア・ラヴァル案)を提案しますが、この案は実質エチオピアの植民地化を容認するものと受け止められたため、エチオピアはこの提案を拒否します。
こうして国際連盟による戦争終結の努力はほとんど実を結ぶことはありませんでした。

とはいえ、この国際連盟の動きは、イタリアの首相ムッソリーニの危機感をあおることになりました。
ムッソリーニはこの戦争が長引くことで国際的に不利になることを恐れ、迅速にこの戦争を終結させようと考えます。

しかし、現地主力部隊の指揮官であるデ・ボーノ将軍は、急激な進軍は部隊に過重な負担を強いるとして後方支援体制を整えてからの進撃を主張。
補給所ばかりではなく、補給に使う道路の整備や前線飛行場の設置など長期にわたる後方整備を行おうと考えておりました。

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  1. 2010/11/11(木) 21:06:23|
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