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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

スペイン内戦(3)

モロッコで叛乱軍と合流し、その指揮官に収まったフランコでしたが、意気揚々とスペインに乗り込もうと思った彼の軍勢はいきなり出鼻をくじかれる形となりました。
モロッコとスペインの間にはジブラルタル海峡があり、地中海が彼らの前には横たわっていたからです。
当初叛乱軍は海軍の部隊が味方してくれるものと期待しておりましたが、案に相違して海軍の主たる部隊は人民戦線側についてしまったのです。
ファシスト側の右派勢力に付いたものもあったとは思いますが、フランコの部隊を対岸のスペインに送るには安全に海上輸送ができることが前提であり、海軍が味方にいないフランコの部隊はモロッコで立ち往生となってしまったのでした。

フランコの部隊がモロッコに足止めされている間に、スペイン本土では人民戦線側の攻勢が強まりました。
各地で沸き起こったファシスト勢力や叛乱軍の蜂起は、アナーキストや労働者たちなどが抵抗し、急速に鎮圧されつつあったのです。
叛乱軍側はモラ将軍の率いる部隊のいるスペイン北部の地域と、フランコ率いる部隊のいるモロッコに分けられてしまう状況に陥りかけておりました。

フランコはこのままでは人民戦線側に戦局を有利に進められてしまうと感じ、一刻も早いスペイン本土への上陸を果たそうと考えます。
そして彼の取った手段は、外部勢力の助けを借りるというものでした。
同じファシスト勢力であるナチス・ドイツと、イタリアの両国に軍事的な援助を依頼し、その力でスペインへ渡ろうとしたのです。

ドイツ及びイタリアにとっては、このフランコの申し出はまさに渡りに船でした。
ドイツもイタリアも内戦以前からスペイン国内のファシスト勢力にひそかに援助をおこなってきておりましたが、これによってよりいっそうスペインに対して影響力を行使できるようになるのです。
ヒトラーにとってもムッソリーニにとってもスペインとの同盟関係が構築できることは望ましく、地下資源の豊富さやスペインという国の位置的関係などからも、両国の援助でスペインにファシスト政権ができることは大いに歓迎されるべきものでありました。
そのため、両国とも即座にフランコの申し出を受け入れ、軍事援助をおこなうことを決めました。

1936年7月30日には早くも第一陣としてイタリア空軍の爆撃機がモロッコに到着。
続いてドイツ空軍の輸送機もやってきて、フランコの部隊をスペインへ輸送する作戦を開始します。
ドイツは外交的配慮から偽装会社を設立し、その会社を通じて軍事援助を行ないました。
これ以後ドイツは約一万人近くの義勇兵を送り込み、イタリアにいたっては約七万とも言われる数の義勇兵が内戦に参加することになります。
ファシスト側はこうしてドイツ、イタリア両国の援助を受けることになりました。

ファシスト側右派勢力がドイツとイタリアの援助を受けたことに対して、人民戦線側左派勢力は、当初英国とフランスの動向に期待しておりました。
しかし、英国は共産主義勢力の欧州内での拡大を恐れ人民戦線を援助しようとはしませんでした。
フランスは当時自らも人民戦線と名乗る左派勢力が政権を握っており、はじめはスペイン人民戦線政府側に軍事援助をおこなおうといたしましたが、英国からの圧力と国内でも右派と左派の分裂につながりかねないとの懸念から、ついに援助を断念。
ここに英仏両国は内戦に対して中立であるとの立場を表明いたしました。

ドイツとイタリアの協力でモロッコにいる部隊をスペインに空輸することができたフランコは、早速人民戦線側に対して行動を開始します。
1936年8月12日にポルトガルとの国境近くの都市バダホスにフランコの軍勢が突入。
15日にはこの都市を陥落させますが、その際二千人ほどの人民戦線側民兵を虐殺したとして悪名を響かせました。

とはいえ、スペインに上陸したフランコの軍勢は勢いを持続して進撃を続け、9月にはトレドを陥落させてモラの率いる軍勢と合流。
ここに叛乱軍は一つにまとまることができました。
そしてモロッコ以来のフランコのすばやい行動は叛乱軍内でも声望を集め、ついにフランコはファシスト右派勢力を取りまとめた新政権の元首に選ばれ、軍の総司令官も兼任することになりました。
以後新政権をファシスト政府、叛乱軍をファシスト軍と呼称します。

トレドを陥落させ、首都マドリッドを包囲する態勢を取り始めると、人民戦線側は苦境に立たされることになりました。
すでに世界各地からはフランコのファシスト勢力に対抗する反ファシスト義勇兵が人民戦線側には到着しており、それらはのちに国際旅団として活躍することになりますが、それ以上に人民戦線側としては外国の援助を必要としておりました。
中立の英仏の支援は望めないと判断した人民戦線は、共産主義の大国ソビエト連邦に支援を要請します。

この要請はソ連にとっても西ヨーロッパに影響力を広げる絶好のチャンスと思えました。
スターリンはすぐに人民戦線の要請を受けることを決め、ソ連製の武器弾薬を積んだ船舶が続々とスペインへ向けて出発します。
そしてそれだけではなく、数多くのソ連軍人が人民戦線軍の内部に入り込み、軍事行動を指導するようになっていきます。
スペイン内戦は、ここに独伊対ソ連の代理戦争へと発展することになりました。

(4)へ
  1. 2010/06/15(火) 21:31:19|
  2. スペイン内戦
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(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
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