このところなかなか妄想を形にできなかった私に業を煮やされましたのか、お世話になっておりますjuntegral様より、投稿作品をいただきました。
タイトルは「mikoto」
少女がじわじわと変化していく姿をご堪能くださいませ。
それではどうぞ。
「ねぇーミコト知ってる、最近この辺で変な宗教が流行ってるらしいよ。」
「宗教?別に宗教くらい個人の自由じゃないの?」
「それがさー、結構ヤバそうなのよ、ウチの友達の友達がさぁ、その宗教にハマっちゃって高校中退したらしいの。」
「友達の友達って(笑)。なんで宗教にハマったくらいで学校やめちゃうのよ?」
「うーん、あたしも詳しくは知らないんだよ、なにせ友達もその子のこと話したがらないし・・・」
「へぇー、でもあたしはそーゆーの興味ないし、今はインターハイに向けて陸上に専念したいしね。」
「あはは、まぁミコトは大丈夫だよね、学力優秀、運動神経抜群のスーパーガールだもんね。」
「おまけに美人。」
「自分で言うなよ。まぁでも、ミコトは女のあたしからみても美人だと思うよ。でも色気ないよねー、その膝まであるスカートまずなんとかしたら?(笑)」
「うっるさいわねー、私は別に男とか興味ないし。」
「まぁ、ミコトは高嶺の花って感じで、釣りあう男もなかなかいないしねー。男もあんたみたいなお堅そうなのみたら逃げちゃうよ(笑)」
「ほっとけー。」
「ふふふ、じゃああたしは、ここで。バイバーイ。」
「バイバイ・・・、ったくぅ。」
「アンケートにご協力いただけませんか。」
カナと別れ、一人歩いていると若い女性に話しかけられた。
「え?」
「いま学生の意識調査アンケートをしてるんですよ。アンケートに答えてもらった方には粗品もご用意してますよ。」
「は、はぁ・・・」
「ありがとうございます、簡単に終わるアンケートです。あまり悩まず直観的に答えてもらって結構です。」
ミコトは若い女性からアンケート用紙が挟まれたクリップボードとボールペンを渡される
(あー、またこの手のアンケートかぁ・・・私ってなんでこういうの断れないんだろ・・・まぁなんかくれるみたいだし、すぐ終わりそうだしいっか・・・どれどれ・・・)
・興味のあること、悩みをもっていることに○をつけてください
・家族 ・友達 ・異性 ・趣味
・健康 ・美容 ・ファッション ・体型
・政治 ・経済 ・学問 ・宗教
(家族、○。友達、○。異性・・・そりゃ興味なくはないわよ・・・私だってピチピチの17歳だし・・・、○。でも陸上の部活で忙しいし・・・、趣味○。まぁこんなもんか。)
結局ミコトが○をつけたのは最初の4つだけだった。
「終わりました。」
「ありがとう・・・へぇ・・・やっぱりあなたくらいの年頃の子はみんな異性には興味あるのね・・・でもファッションや美容には興味はないのね・・・なるほど。」
「は、はぁ・・・」
(何この人失礼すぎない?・・・、せっかく答えてあげたのに・・・やっぱ立ち止まらなきゃ良かった・・・それに・・・)
ミコトは若い女性の全身を、舐めるように見る。
(すごい厚化粧・・・、シャツも胸がはだけてるし、スカートもすごく短いし、すごく香水臭い・・・全身から男大好きアピールがでるじゃない・・・私はあなた程男の子に興味ないし、今はインターハイに向けて陸上に専念したいし、あなたみたいに娼婦みたいな格好で、一日中男のこと考えてる暇はないの!)
「今、異性にモテるためのコツをレクチャーするセミナーをやってるんですけど、よかったら参加してみませんか?あなたにピッタリだと思いますよ?」
(この後に及んでまだこんなことを・・・私は今日はもう部活で疲れてるから休みたいのに・・・)
「結構です・・・それじゃあ。」
少し怒った口調で立ち去ろうとするミコト
「あ、待って、まだ粗品が・・・」
女性がミコトの腕をつかむ
「粗品は結構です」
ミコトが振り返る
「そんなこと言わずに、ねっ」
「プシュッ!」
「あ・・・」
さっきまで怒っていたミコトの顔が、みるみる弛緩していく。
「ふふ・・・、気持ちいいでしょ?どんな子でも一発で素直になれる素敵な香薬よ・・・」
女性の前でだらしない顔をして立ちすくむミコト
「一度だけでいいからセミナーに参加してくれない?いいでしょ?嫌だったら2回目からは来なくていいから、ねっ、お願い」
(そうだ、嫌なら2回目からいかなきゃ良いだけだし、それに、こんなに頼んでるのを無碍に断るのも悪いよね・・・)
「はい・・・わかりました・・・」
「ふふっ、そうそう、女の子は素直が一番よ。」
「こっちよ。」
「はい・・・」
(ガールズセンター・・・?ここでセミナーが行われているのね・・・)
「まずはこの部屋でこのセミナーについての説明があるから、退屈かもしれないけどすぐ終わるから安心して。」
「はい。」
「じゃあ、もうすこしここでまっててね。」
そういって若い女性は部屋を去って行った。
「一体何が始まるのかしら・・・、ここにきてる女の人たちも私と同じでセミナーに誘われた人みたいね」
教室には4人掛けの机が縦3横3の9個並べられていて、高校生から大学生くらいの若い女性たちが一つの部屋に集められていた。どの女性も美人だが、おとなしめで地味な女性ばかりだった。
(30人くらいかな?みんな結構美人だなー・・・)
「ガチャッ」
ドアを開け一人の女性が入ってくる。
(ま、またすごく濃い化粧ね・・・、やっぱりここの人達ってかなりヤバイ集団なんじゃ・・・、さっきはボーっとしちゃってついてきちゃたけど、カナも気になること言ってたし、この講義が終わったらすぐに帰らないと・・・)
「みなさん、はじめまして。わたくしはこの施設のスタッフの宮村まどかといいます。それではこの施設で行われているセミナーについてこれから私が説明します。まずこのセミナーで私たちが教えることは、男性にモテるためのコツです。」
(か・・・帰りたい・・・)
「男性にモテなくて悩んでいる女性は多いと思います。それは勘違いをしている方が多いからだと私は思うのです。これからセミナーを始めるにあたってあなた方に一番大事なことを言っておきます。」
「それは、『今時、おしとやかな女性はもてない』ということです。」
教室全体がざわつく。
「もちろんおしとやかで、貞操観念が強く、知的な女性が好きな男性もたくさんいますが、そういう女性は、高嶺の花という印象を与えやすく、しかもそういうおとなしいタイプの女性を好きな男性というのは、容姿や性格、趣向に問題のある方が多いのです。」
教室中の女性達がウンウンと頷く。
(たしかに、いつも教室の隅っこで数人で集まって2次元最高とかいってる男子はこういう女の子が好きそうよね・・・)
ミコトも思わずうなづいてしまう。
「努力しておしとやかな女性を演じても、結局気持ち悪い男にしか好かれないのは馬鹿らしいでしょう」
ミコトも含め、女性達が頷く。
「このタイプの女性は、まだ男性にモテるという点で救いがありますが・・・、えーとそこのあなた、名前は?」
(え、わたし?)
「み、ミコトです。」
「ミコトさん、あなたのような『おしとやか』というより、男勝りで、色気のない、サバサバしたタイプの女性は、残念ながらどの層の男性にも需要がありません。」
(ガーン・・・!、キッパリ言われちゃったよ・・・、まぁ、わかってはいたけど・・・、でも、じゃあどうすればいいの・・・)
マドカの言葉を素直に受け止め、悲しそうな顔をするミコト。施設に来る前吸いこんだ薬の効果がまだ少し残っているのか、あるいは教室全体の雰囲気に流されてか、彼女の話術に翻弄されてか、おそらくはその全てであろう。ミコトはいつの間にかこの怪しい組織の術中に嵌ってしまっていた。
「あなたも男にちやほやされたいでしょ?」
「はい・・・ちやほやされたいです。」
「あなたも普段は興味ないフリをしてるけど、本当は男が大好きなんでしょ?」
ミコトをじっとみつめながらマドカが言う。
(あぁ・・・そうなのかもしれない。私は本当は男の人が大好きなんだわ。)
「はい・・・男が大好きです。」
「でも残念だったわね、あなた今のままじゃ、ちやほやどころか、相手にもされないわ」」
(そんな・・・)
「じゃ、じゃあ、私はどうすればいいんですか?」
マドカは洗脳のプロで、相手の女性の思考を口先だけで意のままに操ることができた。
「安心しなさい、あなたは幸運よ、今日セミナーにきて本当に良かった。これから積極的にセミナーに参加すれば大丈夫よ。あなたには期待してるわ。がんばってね。」
(あぁ、このセミナーに参加して本当に良かった・・・、マドカさんも私に期待してくれてる・・・、頑張って積極的にセミナーに参加しなきゃ・・・)
「ここにいるみなさんも、私の言う通り従えば全て上手くいくわ。あなた達は本当に運が良いわ。」
暗い顔をしていた女性達の表情が、パァーっと明るくなる。
「さぁみなさん、わたしとここにきたみなさんとの出会いに感謝し、みんなで拍手しましょう」
「パチパチパチパチ・・・」
教室中に盛大な拍手が鳴り響く。教室中の女性は、すでにマドカの言いなりになってしまっていた。もちろんミコトもその一人である。
(あぁ、みんなで拍手するのって何故か気持ちいいわぁ、みんなと一緒に頑張らなきゃ・・・)
「パチパチ・・・」
「ん・・・」
ミコトをセミナーに勧誘した女性スタッフが、ドアの窓から中の様子を覗く。
(あらあら、ミコトちゃん、あんな嬉しそうに拍手しちゃって・・・すっかり堕ちちゃったか。正直、彼女はマドカさんでも扱うのは難しいと思ったんだけど・・・。まぁマドカさんは心の隙を突くのが上手だからコロっと操られちゃったんだろうね。)
「・・・というわけで、あなた達みたいなタイプの女性には、良い男は寄ってこないというのはわかったわね。つまり全く逆のタイプの女性になれば良いのよ。そう、ケバくて派手で、色気のある女性にね。」
ミコトはマドカの言葉に聞き入っていた。
「そういうわけでこれから実習を行うわ、そうね、ちょうど30人いるし10人ずつ3グループを作って別室に移動してもらいましょうか。じゃあそこの10人は私についてきて、そこの10人はあちらの女性に、そこの10人はあちらの女性に、それぞれついて行ってね。」
ミコトのグループはマドカが担当することになり、ほかの2グループはこのセミナーの卒業生が担当することになった。
「では、この部屋に入って円卓に座って少し待っていてください。」
マドカがそう言うと、ミコトのグループの女性達が部屋に入っていく。
「あ、ミコトさんは私に着いてきてちょうだい。」
「はい。」
(え、なんで私だけ?)
疑問に思いながらもマドカについていくミコト。
「実は、あなたには、このグループのリーダーになってもらいたいの。」
歩きながらミコトに話しかけるマドカ。
「リーダー・・・ですか?」
「ええ、リーダーと言ってもやることは簡単な指揮をとったり、みんなのお手本となるようなことをしてもらうだけよ。あなたにはすごく期待しているから、あなたにして欲しいの。どう?やってくれるかしら?」
(さっきの言葉はお世辞じゃなかったんだ。本当にマドカさんは私に期待してくれてる・・・。マドカさんはこの施設の中でも一番偉い人だし・・・そんなすごい人が私にして欲しいだなんて・・・嬉しい!)
「や、やります!私がんばります!」
マドカの口車にまんまと乗せられ、快諾してしまうミコト。
「あなたならそう言ってくれると思ったわ。頑張ってね。それじゃあ、まずあなたはみんなのお手本になってもらうわ。」
そういって立ち止まりドアノブに手をかける。
「さぁ、はいって」
(この部屋って・・・)
「あなたにはみんなのお手本として、まず化粧をしてもらうわ。」
「は、はい・・・」
「自分でやったことはある?」
「ないです・・・一度も・・・」
ミコトはおしゃれには無縁だった。中学から陸上を始めて、それから陸上一筋で生きてきたからだ。高校にもなると周りの女の子も化粧をしだしたりスカートを短くしたし始めたが、ミコトはそんな男に媚びを売るような格好は嫌っていた。
「じゃあ、今回はわたしが特別にしてあげるわ」
「ポンポン、パフパフ、スッスッ」
「ベースはこんなもんね。次はアイシャドーよ。」
ミコトはそっと紫のアイシャドーのひかれたマドカの顔を覗く
(すごい濃いアイシャドー・・・わたし初めてだし、いくらなんでも、あんなに濃くは塗らないよね・・・)
「目を閉じて」
マドカは、そっと目をとじたミコトに青色のアイシャドーをべっとりとしつこく瞼から眉毛の下にかけて塗っていく。そして仕上げに濃い青紫のアイシャドーを目の際に目尻から目頭にかけて塗っていく。
「よし、できた。」
その後マスカラをつけ、チークをつけ、眉毛を描き、最後に青紫色の口紅をつけた。
「ミコトちゃん、できたわ、ホラ。」
そういってミコトに鏡を差し出すマドカ
(これが・・・あたし・・・?)
「ふふふ・・・ミコトちゃんの顔、すごくいやらしいわ。でもとっても似合ってるわよ・・・」
「そんな・・・わたしはこんな子じゃ・・・」
「何言ってるの、今のあなたすごくかわいいわよ、これなら男の子もあなたのことを意識してくれるわ。」
「でも・・・」
「ふふ、まだ自信が持てないみたいね。まぁ、いいわ。さっきの部屋に戻りましょう。みんなが待ってるわ。」
(どうしよう・・・、でもマドカさんは私に期待してくれてるし、私はみんなのリーダーだし、お手本にならないといけないのに・・・)
「みんな、待たせたわね。ミコトちゃんがこのグループを代表して化粧をしてくれたの。みんなの感想を聞かせてあげて。」
もじもじと部屋にはいるミコト。
「わー・・・素敵ぃ・・・」
「かわいい・・・」
「いいなぁ・・・」
突然、円卓に座って待っていた女性達から感嘆の声が上がる。
「え・・・」
ミコトもこんな反応を予想していなかったのか、驚いてしまう
それもそのはず、普通の人間ならこの異常とも言える厚化粧をみて不快に思うことはあっても、憧れたり、かわいいと思ったりすることはない。
実は、この部屋にいる女性は、ミコトを含む4人を除く全てが、この組織の息のかかったサクラなのだ。しかし、ミコトがそんなことに気づくはずもなく、彼女達の言葉を真に受けてしまう。やがてサクラでない女性達も雰囲気に流され、次々にミコトを褒め始めた。
(嘘・・・みんな私に憧れてるわ・・・そんなに素敵かしら・・・。)
壁にかかっているスタンドミラーに映る自分をみつめるミコト
「かわいー・・・」
「ミコトちゃん、似合ってるよ!」
「うらやましい・・・」
彼女達の声を聞いていると、どうみてもケバケバしくて妖艶なこの厚化粧が、ミコトにとってとても素敵なものに思えてきた。
(あぁ・・・でも、良く見るとこの化粧、結構いやらしくて素敵だわ・・・。ふふ・・・やっぱり女は、すこし娼婦なくらいが素敵なのね。なんでこんな簡単ことに気付かなかったんだろ。馬鹿みたい。このセミナー受けて本当に良かったわ。ふふ、ケバい化粧大好き・・・)
いつのまにかミコトは、スタンドミラーに映る自分をうっとりと見つめていた。
(さっきのファンデーションに入っていた催眠暗示パウダーのせいで、厚化粧が大好きになっちゃったみたいね。馬鹿な娘。フフ・・・)
その後、ミコトは毎日部活が終わるとセミナーに通い、どんどん嵌り込んでいった。
通い始めてしばらくして、セミナーを行っているのが、ケバビッチ教という教団であることをマドカから告げられた。しかし、宗教だったからと言ってミコトは嫌な顔もせず進んで毎日通い、もっと教団のために時間を使いたいと思い、部活もやめてしまった。
「ふふ、今日も、お化粧ばっちりだわ。いってきまーす。」
ミコトは薄めの化粧を施し家を出る。マドカに、学校にはあまり濃い化粧で行かないように、と言われていたからだ。制服のシャツは、わざと一つ小さいサイズをきて、第3ボタンまではずし、胸を強調し、スカートは膝上25cmと、歩いているだけでチラチラ下着が見えるほど短い。
「毎日毎日学校があるから大変ねぇ・・・、あんなくだらないところ行っても行かなくても同じなのにね。車には気をつけるのよ。」
ミコトの母、ユイがタバコを燻らせながらミコトを見送る。
ミコトの母、ユイも、最初娘が化粧をしているのを見た時はすぐにやめるように説得していた。厳しい母だったので、どうにかやめさせようと、ミコトが毎日通っていると言うガールズセンターに出向いたが、あっという間にマドカに洗脳され、いまでは、ミコトが部屋で化粧をしているのを見ると『今日も頑張ってるわね。』と勉強を頑張る娘を励ますかの様に、声をかけるようになった。また、ユイ自身も、吸わなかったタバコを吸うようになり、夫への態度も冷たくなった。さらに、昼間は家事をさぼり、厚化粧を施して近所のパチンコ屋に行き、タバコを吸いながらスロットをうったりと、家事も料理もしつけも良く出来た母親の面影は消えていた。しかし、そんなユイでも、ミコトのことは大好きなのは変わらないようだ。
登校途中、電車の中や街でサラリーマンや、男子学生がミコトの姿をチラチラ横目で見る。
(ふふ、みんな私をみてるわ。男ほど単純な生き物はいないわね。でも、見られるのって気持ちいいわぁ・・・)
『娼婦のようないやらしい格好で男に媚びへつらうことが、女にとっての幸せ』という教団の教えを、マドカから教え込まれていたミコトにとって、性的な目で見られることが嬉しくて仕方なかった。
「ミコトちゃんって変わったよね・・・」
「うん、前はもっと男勝りな感じで、かっこよかったのに・・・」
以前まで仲良くしていた友達も、変わり果てたミコトと距離を置くようになった。
「あ、メイちゃん、マコちゃんおはよー。」
「お、おはよう・・・ミコトちゃん。」
「おはよー・・・」
「あれ、どうしたの?元気ないね。何か悩みでもあるの?それだったら、こんど私が言ってる自己啓発セミナーに参加してみない?」
「ミコト!、あんたそうやって友達まで変な宗教に誘うのやめなよ!メイ、マコ。あたしと、ミコト二人にさせて。」
「う、うん。」
二人はその場を後にする。
「あ、カナじゃん。久しぶりー。カナも一緒にくる?」
相変わらずヘラヘラとしているミコト。
「行かないし、あんたも行かせない。最近様子がおかしいと思ってたけど親友まで巻き込もうなんて異常よ!やっぱり変な宗教にハマったのね。さっさと宗教なんてやめなよ。」
「なんでカナにそんなこといわれなきゃだめなの?なにしようとあたしの勝手でしょ。」
そういって去っていくミコト。
「待ちなさいよ!ミコト・・・はやく目を覚まして・・・」
その後、ミコトは、セミナー料、教団が売っている法外な値段の化粧品、お布施、さらにはいままで着たこともないような派手な服や、バッグを買うためにホステスや風俗嬢として夜は働くようになり、客の男や、店の経営者、一緒に働いている女友達との付き合いから、酒やタバコも嗜むようになった。夜の仕事が終わっても、悪友と遊んでいると朝帰りになってしまい、学校にも行かなくなっていた。
実は、ケバビッチ教団の真の目的は、世界平和などではなく、若い女性を洗脳し信者をつくり、主に化粧品や、派手なアクセサリーを高値で信者に売りつけて、儲けることである。それ故ケバビッチ教に嵌ると、ほとんどの信者が化粧品やアクセサリーを買うためにお金を作るために、水商売に身を落としてしまい学校を辞めてしまう。また、信者が教団以外から化粧品や、アクセサリーを購入することはない。『教団の売っている化粧品やアクセサリーが、もっとも女を魅力的にする』と教え込まれているからだ。そう、ケバビッチ教団とは典型的な破壊的カルトなのだ。
「ふふ、流石ミコトちゃん。私が見込んだだけあって、素晴らしい女になったわね。」
マドカは、つい最近まで優等生だったミコトが娼婦のようないやらしい格好をしているのを見て、満足していた。紫のアイシャドーに青紫色の口紅、髪は金髪に染め、胸やお腹の露出した服を着ている。さらに、右胸には蝶のタトゥーが彫られ、おへそにはピアスが光っている。すっかり教団員としての風格も出てきて、いまではセミナーの既卒生となり、マドカの右腕として、勧誘活動などに励んでいた。
「すべてマドカ様のおかげです、あのセミナーを受けずに、今でも陸上なんて汗臭いことをやっていたらと思うとぞっとしますわ。あのころの私は本当に馬鹿でしたわ。ただ走ったり、跳ぶだけの競技の何が面白いのかしら・・・ふふふ・・・」
「ふふ・・・、そう言ってもらえると嬉しいわ。」
そういってマドカは机の上にあるタバコを一本取り火をつけた。
「マドカ様、ワタシも吸ってもいいですか?」
「あら、あなたもタバコを吸うの?全然構わないわよ。はい」
マドカは自分のタバコを一本ミコトに差し出す。
「あ、私、自分の持ってますから、大丈夫です」
「へぇ、普段から吸ってるのね。お家でも吸うの?」
「はい。自分の部屋でいつも吸ってます。灰皿もインテリアとして結構部屋に合うんですよ。机に一つとベッドの枕元に一つ。すぐ吸いたくなるから取りに行かなくて済むように二つ用意してるんです。」
笑いながらタバコに火をつけるミコト
(まだ17歳なのに、そんな嬉しそうにタバコの話なんかしちゃって。ミコトちゃんって、本当にかわいいわぁ)
「お母さんもマドカ様に会ってからタバコを吸うようになったんですよ。でも、毎日リビングでスパスパ吸ってるから、お父さんが仕事終わって帰ってくると、煙たそうな嫌そうな顔をして、タバコをリビングで吸うのはやめてくれ、って言うんですよ。どこで何をしようが、お母さんの自由なのに!マドカさんもそう思いません?」
「そうね、どこで吸ってもお母さんの自由ね。」
「あんまりムカついたから、次の日、お父さんがいないうちにお母さんと二人で、お父さんの部屋でタバコを吸って、タバコ臭くしておきました。その日からお父さんはタバコに関して何も言わなくなりましたわ。お母さんも、"あいつはほんとに昔からヘタレな男だったわ、なんであんな男と結婚したんだろう"、って、笑っちゃいますよね、ふぅ・・・」
ケラケラと笑いながらタバコを吸うミコト
「ウフフ・・・、笑っちゃうわね。」
ミコトの他愛のない話もしっかり聞いてやるマドカ。マドカは人の心を操るのが上手なだけあって、聞き上手でもあったので、ミコトはマドカをお姉さんのように慕っていた。
「ふぅー、タバコおいしい・・・、マドカ様と一緒に吸えていつもよりおいしいですわ。」
「私もよ、ミコトちゃん・・・。」
おわり
まさに私の大好きなエロケバ化。
タバコも吸うようになって最高です。
お母さんも堕ちちゃっているのがいいですね。
juntegral様、ありがとうございました。
大変楽しませていただきましたです。
それではまた。
- 2010/05/15(土) 21:34:50|
- 投稿作品
-
| トラックバック:0
-
| コメント:10