来月からいよいよ司馬遼太郎先生の書かれました「坂の上の雲」がNHKでドラマ放映されますね。
今からあの作品がどう映像化されるのか、楽しみなところであります。
「坂の上の雲」が扱っているのは「日露戦争」です。
明治になって近代化した日本が大陸に手を伸ばし、同じく膨張政策を採っていたロシアと衝突。
1904年についに戦争という形になってしまうわけですが、その「日露戦争」をゲームとして扱ったのがこちらでした。

エポック社で出版された「日露戦争」です。
「日露戦争」を取り扱ったゲームは外国製のがいくつかあったのですが、このゲームが出た当時、国産で「日露戦争」を扱ったのはこのゲームが最初だったと思います。
初めて出たのが、1981年ごろだったでしょうか。
日本でもウォーゲームがブームとなったころでした。
このゲーム、実は私はそれほどやりこんだゲームではありません。
プレイ回数も片手で数えられるぐらいではないでしょうか。
でも、多くの人にプレイされたゲームであり、今もって魅力あるゲームとして語り継がれているゲームだと思います。
ルールはそれほど難しいものではありません。
基本的に移動して戦闘して再編成してという手順を両軍で繰り返すだけ。
ただ、ルールは難しくなくても、勝利のためのプレイはなかなか難しいというのが当時から今に至るも言われるゲームです。
このゲームは最初に盤上に配置される部隊は結構少ないのです。
そこで日本軍ロシア軍双方ともに本国から部隊を盤上に増援として送ってやらなくてはなりません。
その増援はポイントで表され、そのターンのポイントを使って部隊を購入していくのです。
たとえば、日本軍の二ターン目のポイントは16ポイントです。
その16ポイントをどう振り分けるかは、プレイヤー次第なのです。
最強の9-8(戦闘力-移動力)部隊は4ポイント必要です。
4-8部隊ならば2ポイントですみます。
足の速い騎兵部隊2-10も2ポイントですが、こちらは数が全部で三つしかありません。
これをどう振り分けるかで、盤上に現れる部隊数は変わるのです。
9-8を4つ登場させるのか、9-8を2つに4-8を4つ登場させるのか、はたまた部隊の損耗を回復させるためにポイントをいくらか取っておくのか。
これによって盤上の戦況は変わります。
ロシア軍も同様に増援をポイントで購入して登場させてきます。
さらにこのポイントはイベントによって減少します。
日本軍は、ロシアのウラジオストック艦隊や旅順艦隊によって輸送船が沈められ、ポイントが減ってしまうかもしれません。
ロシア軍は、日本の明石大佐がロシア本国で行なっていた妨害工作が成功し、本国からのポイントを減らしてしまうかもしれません。
こういったさまざまな要素が絡み、なかなか勝利するのは難しいといわれるのでしょう。
だからこそ今でも人気があるゲームなんだと思います。
ただし、古いゲームであるがゆえか、ルールが少々不明瞭な部分があるようです。
対戦前にはお互いにルール確認が必要なようです。
この箱入りのエポック社から出たバージョンはとっくに絶版であり、その後国際通信社がコマンドマガジンの付録として再販しましたがそちらも絶版。
ですが、11月末の「坂の上の雲」放映にあわせるかのように、国際通信社から再び再販されるようです。
もし、興味をもたれる方がおりましたら、お手に取られてみるのもいいかもしれません。
「これがウォーゲームというものなのか」とお一人でも興味を持っていただければ、記事を書いた身としてはすごくうれしいことです。
それではまた。
- 2009/10/20(火) 21:09:41|
- ウォーゲーム
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