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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

クリミア戦争(18)

1855年7月、セバストポリのマラホフの塔で守備隊を指揮していた、ナヒモフ海軍提督が連合軍の射撃により戦死。
守備隊の士気を大いに殺いでしまいます。
包囲下のセバストポリでは、じょじょに絶望感が広がり始めておりました。

「クリミア戦争」に参戦している列強とは言うものの、英仏とロシアの差は大きなものでした。
補給に苦しんでいるとはいえ、バラクラヴァの港から塹壕のある前線まで簡易鉄道を敷いて運用する英軍に対し、ロシア軍は国内の移動もままならず、徒歩と馬車に頼る行軍と補給線は、それだけで大きな損害を与えておりました。

ロシア軍の兵士はほとんどが農奴であり、その軍務は二十五年間にも及ぶものでした。
その上地主や貴族は、農奴の中でも働きのよくないものを懲罰的に軍務に就かせるということが多く、兵士の質は低いものだったのです。
また、街道の整備もほとんどなされておらず、ロシア各地から集められた兵士がクリミア半島まで移動するのは大変な困難を伴うものでした。
そのためにロシア軍はクリミア半島に戦力を集めていく最中に、なんと約三十万人もの兵士が疲労、飢え、寒さ、病気などによって死亡したといいます。
まさに想像を絶する数でした。

その膨大な犠牲の上に、ロシア軍はクリミア半島に約二十万人の兵力を集めます。
クリミア半島のロシア軍司令官ゴルチャコフ公は、この兵力を持って再度連合軍の包囲を崩そうと試みます。

1855年8月16日未明。
垂れ込める霧の中から、リプランジ将軍率いるロシア軍約七万が、セバストポリより東に向かってのびているツェルナヤ河沿いのフランス及びサルディニア軍の陣地に強襲を仕掛けました。
不意を突かれた形になったフランス軍とサルディニア軍は浮き足立ち、一時は大混乱に陥ります。

ロシア軍の攻撃は一時は成功するかと思われましたが、フランス軍とサルディニア軍の反撃が始まり、突出したロシア軍は四方から銃砲撃を受ける形になってしまいました。
ロシア軍はこの連合軍の逆撃に耐えることはできず、損害が続出。
ついに攻撃を断念して撤収せざるを得ませんでした。

この「ツェルナヤ河の戦い」は、ロシア軍の最後の大規模反撃でしたが、連合軍約三千の死傷者に対し、ロシア軍は約一万二千もの死傷者を出す大損害を受けてしまいました。
この攻撃失敗により、ロシア軍内にはますますあきらめムードが広がったといいます。

8月19日。
800門を超える連合軍の大砲がセバストポリに向けて砲撃を開始します。
海上は英国海軍を中核とする連合軍海軍が制圧し、陸上もほぼ包囲されてしまっているセバストポリには、もはや物資が到着することもなく砲弾も食料も底をつき始めておりました。
そのため、ロシア軍は大砲を撃ち返したくてももう撃てなくなってきておりました。

三日間に及ぶ砲撃はロシア軍の兵約五千人を戦死させ、多くの負傷者を生み出しました。
ロシア軍も散発的な反撃を行ないましたが、もはや連合軍に大きな被害を与えることはできませんでした。

9月5日。
連合軍の最後の総攻撃が開始されました。
フランス軍総司令官ペリシエ将軍は、前回の総攻撃失敗に懲り、なおも大砲の到着を待とうと考えておりましたが、会議は総攻撃決行に決まったのです。

またしても三日間に及ぶ砲撃が繰り返され、9月8日の正午には歩兵の突撃が開始されました。
もはやマラホフの塔までは25メートルを残すまでになった攻撃用坑道を始め、各堡塁に接近する攻撃用坑道も残り50メートルほどにまでなっており、満を持した約五万七千の連合軍兵士が突撃命令に坑道を飛び出していったのです。

この突撃に対するロシア軍の反撃はなおも激しく、連合軍兵士はばたばたと撃ち倒されてしまいます。
それでも、英軍、仏軍、サルディニア軍の兵士は倒れた味方を乗り越えて堡塁に攻めかかりました。
マラホフの塔にはフランス軍が攻めかかり、マクマオン将軍指揮の約三万三千がロシア軍の猛烈な射撃をかいくぐって突入します。
血で血を洗う激戦が行なわれ、七千三百もの死傷者を出しながらも、ついにフランス軍はマラホフの塔を攻め落とすことに成功しました。

これに引き続き、サルディニア軍も小凸角堡を占領。
英軍の大凸角堡への攻撃は約二千の損害を出して撃退されたものの、マラホフの塔の占領はほぼセバストポリの命運を決するものでした。

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  1. 2009/05/02(土) 21:34:45|
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