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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

いいところで

賞味期限間近のお蕎麦を茹でましたー。
うーん・・・まずい。(笑)
やっぱり時間が経っちゃっているからかなぁ。

さて、シスターアンナ第三回目ですー。
お邪魔虫が登場か?

3、
「アクバー様。シスターアンナをお連れいたしました」
牢獄兵によって居館の広間へ通される。
豪華なシャンデリアやテーブルの上の花瓶、壁に飾られた絵画などが目を奪う。
いずれも町の人々から搾取したり、近隣の村々から略奪してきたものだ。
もちろんアクバーたち魔物に美をめでる趣味は薄い。
これは単に自分たちに力の誇示に過ぎないのだ。
シスターアンナは広間の中央に進み出て、奥の玉座に腰掛けるアクバーをにらみつけた。
「私に用があるそうですね、アクバー」
「なんと無礼な口の聞き方だ、女! アクバー様をなんと心得るか!」
アクバーの両脇に控える二人の魔物。
ドグマとゾゾゲルのうち、ドグマがいきり立つ。
魔術師のいかつい顔がさらに憤怒の表情を浮かべていた。
「私にとって敬うべきお方は神様のみです。あなたたちを敬う理由などありません!」
「ぐぬぅ。このアマが」
「やめよドグマ」
アクバーが手を振って制する。

彼にとっては目の前のシスターのこの気高さが結構気に入っていたのだ。
神に仕える気高き女性。
それは裏を返せば、大魔王様へも同様に心からお仕えする気高き女魔族としての資質を持っているということに他ならない。
惜しい・・・
実に惜しい・・・
常日頃アクバーはシスターアンナのことをそう思ってみていた。
あの女が魔物であったなら、わしは一も二もなく妻にするために誘惑しておったものを・・・
先日まではそんなふうに思っていたものだったのだ。
だが、過日牢獄の町の状況を報告するために大魔王デスタムーアの下へ出向いた時に全ては変わった。
牢獄の町の状況は悪くはない。
人間どもは魔物によって支配され、おとなしく暮らしている。
だが、絶望の度合いが低いのだ。
大魔王デスタムーアにそのことを咎められ、原因を追究されたときにアクバーはシスターアンナのことを持ち出さざるを得なかった。
「始末せよ」
大魔王の言葉は簡潔だった。
だが、アクバーは躊躇ってしまった。
シスターアンナに惹かれてしまっていたからだ。
出来ればあの女をそばに置いておきたい。
もちろん相手は人間。
魔族である彼にとっては伴侶にするなど思いもよらないことだ。
しかし、それでもできればアクバーはシスターアンナを目の届くところに置いておきたかったのだ。
神などに仕える僧侶や尼僧などは忌々しく汚らわしい存在だ。
しかし、シスターアンナという女だけはアクバーにとっては別だったのだ。

アクバーは何度も考えていた。
いっそのことシスターアンナを他の人間どものように牢獄兵としてしまうのはどうか・・・
だが、そのたびに首を振る。
いかんいかん・・・
それではただの人形に過ぎなくなる。
わしが欲しいのは人形ではない。
わしが欲しいのはわしの妻にもなれるような気高く邪悪な女魔物だ。
牢獄兵のような人形ではない。
何かいい知恵はないものか・・・

そんな時に大魔王デスタムーアの居城で見つけたのが一冊の文献だった。
もちろんアクバーは読書など真っ平だったが、背に腹は変えられない。
何か妙案が無ければシスターアンナを自らの手で始末しなくてはならなくなる。
何かいいアイディアは無いかと思って蔵書を漁っていたのだ。
これだ!
ほこりを被った魔道書。
その一ページにその方法が載っていた。
『魔物のたましい』
それはそう名付けられたアイテムだった。
このアイテムを使うことによって、かつて数が少なかった魔族はたくさんいた人間の中から相応しい者を魔物とすることにより数を増やしたのだという。
これこそが求めていたものだ。
アクバーは狂喜乱舞した。
これでシスターアンナを魔物としてしまえば問題は解決する。
アクバーは早速『魔物のたましい』を作ることにしたのだった。

だがそのアイテムの作り方はちんぷんかんぷんだった。
作り方も材料もどの文献にも載っていない。
当たり前だ。
かつての魔族にとっては当たり前だった代物。
どこででも手に入るものにわざわざ作り方を書いておくだろうか。
例えば空気がどういうものかを書いた文献があっても、空気の作り方を書いた文献はまずないだろう。
アクバーは途方に暮れた。
ドグマやゾゾゲルはアクバーよりも知識量は少ない。
アクバーの知らないことを知っているわけがない。
万策尽きたアクバーは大魔王デスタムーアにそのことを話してみた。
意外にも大魔王デスタムーアはアクバーの話を黙って聞いたばかりか、追って使者を使わせるから普段どおり町を支配せよとの仰せだったのだ。
アクバーは半信半疑ながらも黙って町へ戻ってきた。
そしてついに先日大魔王デスタムーアより『魔物のたましい』が届けられたということだったのだ。

「シスターアンナよ。今日はお前に我がプレゼントを受け取ってもらいたくて呼んだのだ」
「プレゼント? そのようなものいりません。それよりも町の人々に対する嫌がらせを今すぐにやめてください」
毅然として言い放つシスターアンナ。
内心の恐怖をひた隠しにしているのは間違いないが、それでも震えもせずに立っている。
「嫌がらせ? 嫌がらせなどとんでもない。我らは普通に人間どもと接しておるのだ。それがどうかしたのかな?」
「ふざけないで下さい! あなた方のやっていることは弱いものいじめです。町の人々だって生きているんですわ。あなた方の都合で勝手にしないで下さい」
シスターアンナの言葉にアクバーはにやりと笑う。
やはりこの女は素晴らしい。
「黙って聴いておればいい気になりおって!」
ドグマがずいっと前に出る。
「ヒッ」
やはりどうしても躰がすくんでしまうシスターアンナ。
目をつぶってクルスを握り締めている。
「よさないかドグマよ!」
アクバーが一喝すると、ドグマは驚いて下がる。
その姿をゾゾゲルは冷ややかに見ていた。
「クックック・・・どうもこいつは魔術師のくせに血の気が多くていかん」
立ち上がるアクバー。
そのままシスターアンナに近づいていく。
「シスターアンナよ。わしはお前が気に入っておる。だから受け取るのだ。わしのプレゼントを」
「えっ?」
シスターアンナは驚いた。
アクバーが気に入っている?
この私を?
そんなことって・・・
「なに、たいしたものではない。ちょっとした薬のようなものだ。いつまでもお前が美しくあるようにな」
「そのようなもの必要ありません。永遠の美などあるはずが無いのですから」
シスターアンナが首を振る。
おそらくこのままでは彼女に『魔物のたましい』を植え付けるのは困難だろう。
だが、アクバーは引き下がらない。
このチャンスを逃すわけには行かないのだ。
「ドグマよ。そこにある黒い粒を持ってくるのだ」
「ハ、ハハッ」
ドグマが慌ててデスクの上にある黒い粒を取ろうとする。
パキッ!
「?」
「!」
乾いた音がして黒い真珠状の粒は割れていた。
「あ、あわわわ、こ、ここれは」
「なんと『魔物のたましい』が壊れた?」
ドグマは腰を抜かさんばかりに驚き、ゾゾゲルも色を失う。
だが、デスクの上の割れた球体からはもぞもぞと蠢くピンク色の芋虫のようなものがうねっていた。
「おお、どうやら孵化したようだな。心配はいらん。もともとそれこそが本当の『魔物のたましい』なのだ」
アクバーが早く持ってくるように手招きする。
「さ、左様で?」
ドグマが恐る恐る蠢く芋虫を摘み上げ、アクバーのところへ持ってきて手渡した。
「さあ、これを飲むのだシスターアンナ」
「ええっ?」
冗談でしょう?
こんな不気味なものを飲み込めというの?
シスターアンナは首を振る。
「の、飲めません、こんなの飲めません!」
「飲むのだシスターアンナ!」
シスターアンナの手を取り、引き寄せるアクバー。
顎に手を掛けて無理やり飲ませようと口をこじ開ける。
「い、いや、いやぁっ!」
必死に躰をよじって振りほどこうとするシスターアンナ。
あのような不気味な虫を飲むなんて出来ないのだ。
「飲むのだシスターアンナ。これを飲めばお前の心は我ら高貴な魔族のものとなり、やがてはその身も相応しい魔物となる。きっと美しい魔物に生まれ変わるだろう。我が妻に相応しい」
「いやぁっ、誰か、誰か助けてぇっ!」
シスターアンナの悲鳴が響き渡った。

「待てーっ!」
アクバーの居館に声が響き渡る。
ドアを蹴破って入ってくる四人の男女。
いずれも武器を携えていて、とても穏やかに話し合いに来た様子ではない。
「き、貴様らはヘボヘボにハッサン! 確か牢獄に入れたはず」
ドグマが杖を構える。
「ああ、確かに前は不覚を取って牢獄に入れられたさ。でもな、町の人たちが開けてくれたんだよ!」
「所詮牢獄兵ごときでは私たちには歯が立ちませんわ」
剣を構える若い男と杖を構える若い女。
「さあ、シスターを放してもらおうか!」
巨体をゆすってばくれつけんの構えを取る男。
「さもないとメラミの一撃を食らわせるわよ」
もう一人の女性も杖を構えて呪文をいつでも唱えられるようにしている。
「ああ・・・」
彼らの姿を見てシスターアンナはホッとする。
神様・・・
感謝いたします。

「無粋な奴らめ。ここをアクバー様の居館と知ってか?」
長柄の剣を構えるゾゾゲル。
「今度こそ牢獄ではなく地獄へ送り込んでやるわ」
ドグマも呪文をいつでも唱えられるように杖を侵入者たちに向け直した。


空風鈴ハイパー さんの投稿:
あー!舞方さん!蕎麦の古いのは止めた方が・・・。
そうめんは古いのが良いそうですが、以前お医者に聞いたんですが
「さば・そば、前者であたるのも酷いけど、後者の場合命に関わる可能性があるよ、実際毎年幾人か死者も出てるし・・・」
との事です。古い蕎麦は止めた方が・・・ってもう召し上がられたんですね・・・。
くれぐれもお腹壊されませんように。
お腹の中に入りこむのは「シスターアンナにとっての魔物のたましい」だけにしてくださいね(笑)。

くそーしかし無粋な勇者御一行ですね、せっかくの良い所をー!このすん止め感どうしてくれよう(笑)。
思わず、アクバーになった気持ちで、「おのれ、この無粋な輩どもめ!」と思いました。

それにしても名前といい、まるで「ダイの大冒険」の偽勇者御一行みたいですね(笑)。
魔物シスターアンナが勇者を篭絡するのを楽しみに待ってますよー。
5 月 18 日

静寂 さんの投稿:
最後のシーンは牢獄の町でのクーデター起きたシーンですね。
ゲームではアクバーが倒され、次の日デスタムーアに石化と変化の魔法をうけてクリムト以外全滅するんですよね。
シスターがどう堕ちるか期待してます。

P.S.
どうでもいいことですが、主人公一行がアクバーと戦うときはドグマ&ゾゾゲルは別の場所にいました。
いたのはデビルアーマー系が2体だったはずです。
5 月 18 日

yukki さんの投稿:
くそぅ、これからいい感じになっていくという時に、勇者め!w
シスターアンナが勇者達と戦うってのも面白いかも。

確かにリースをグーグルで調べても出てこないですね(泣)
あの公式絵が個人的には相当いいんですが。

次回凄く期待してます!w

5 月 19 日

姫宮 翼さんの投稿:
いやいや、普通に堕ちてくれるかと思いましたがここで勇者ご一行の登場ですか。
それにしても部下が良い感じですね(笑
普通なら剣を持ったほうが血気盛んそうですが、魔法使いのほうが血気盛んとは。
冷静な剣士は私も結構好きですから愛着もてます。
この後シスターがどうなるのかますます楽しみです。
5 月 19 日

舞方雅人さんの投稿:
>>空風鈴ハイパー様
お腹は大丈夫でしたよー。
ご心配をお掛けしました。
古い蕎麦はヤバいんですね。
勉強になりました。

無粋と思ってくれましたか~。
ゲームじゃこのような感じなんですよねー。
まったく考えて欲しいものです。(笑)
ちなみにヘボヘボは私が良く使う主人公ネームです。(笑)

>>静寂様
そうだったんですか~。
もう記憶がごっちゃになってて・・・
十年も前のゲームを記憶だけで書こうとしてもだめですねー。
いろいろなサイトを覗いて資料集めしたんですが、アクバー戦にドグマ&ゾゾゲルがいなかったとは思っていませんでした。
ご指摘ありがとうございました。

>>yukki様
シスターアンナが戦うことは無さそうですが、これから勇者をいたぶるぐらいはするかもです。
まったくいいところで乗り込んでくるんですからねぇ。
そのぐらいは当然でしょう。

>>姫宮 翼様
ドグマとゾゾゲルの性格的なことに関しては私の考えですので、そう言ってくださると嬉しいですね。
冷静な剣士も血気盛んな剣士もありますが、血気盛んな魔術師は確かに少ないかもしれないですね。
シスターこれからには私自身も大いに期待しています。ww
5 月 19 日
  1. 2006/05/18(木) 22:36:04|
  2. デビルアンナ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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