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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

エイミー様登場

セミの種類も結構ありますよね。
鳴き方もさまざま。

セミ女さんはどんな鳴き方をするんでしょうね。
やっぱり「みーんみーん」が一番かなぁ。

それではセミ女の二回目です。

2、
「先生、恵畑先生~」
制服姿の女生徒たちがやってくる。
その手には綺麗な包みを抱えているところから察するにお昼のお誘いだろう。
「恵畑先生はお昼はどうするんですか?」
「良かったら私たちとご一緒しませんか?」
色とりどりの包みを抱えている女生徒たち。
その表情は柔らかで屈託の無い笑顔を向けてくる。
誘ってくれるんだわ、嬉しいなぁ・・・
紀代美は素直に嬉しくなる。
大学をでてまだ間もないこともあるせいか、紀代美は結構生徒たちに人気があった。
女生徒たちはニコニコしながら紀代美の返事を待っている。
「もちろんいいわよ。どこで食べましょうか?」
「わあ」
パアッと表情がほころぶ女生徒たち。
あ・・・
私はこの笑顔を見るために教師をしているんだわ・・・
紀代美は幸福感を感じていた。

「あ・・・」
ひんやりした空気が頬を撫でる。
暗い部屋で目を覚ます紀代美。
夢?
今のは夢だったの?
紀代美は頭を振って起き上がろうとする。
「えっ?」
その時になって紀代美は気がついた。
両手両脚が固定され、台のようなものに寝かされているのだ。
「ど、どうして?」
紀代美は何がなんだかわからない。
そういえば私は・・・
妖しげな紫色の女の人に・・・
記憶を呼び戻す紀代美。
私は誘拐されたんだわ・・・
どうしよう・・・
身代金なんか払えないよぅ・・・
それよりも逃げ出さなくては・・・
紀代美はまず自分の状態を確認する。
痛いところは無い。
どこも怪我をしている様子は無い。
もちろん躰を起こすことすら出来ないので、目で見たわけではないが、首を回してみたところ問題は無さそうだ。
それよりも問題は、どうも服を脱がされているようなのだ。
上に白いシーツのようなものをかけられているが、ひんやりしてスースーする。
両手と両脚は手首と足首のところで固定されている。
金属ではなく革のベルトみたいだけど・・・どちらにしても引きちぎったり出来ない以上変わりは無い。
はあ・・・
逃げられないわ・・・
首を振る紀代美。
どうしよう・・・
不安だけが頭をよぎる。

「お目覚めのようね。恵畑紀代美さん」
ドアが開いて灯りが差し込んでくる中、人影が現れて声がする。
「だ、誰ですか? どうして私を誘拐したんですか?」
首を横に向けて灯りの方を見る紀代美。
「うふふ・・・当然の疑問ね」
入ってきたのは女性が二人だった。
緑色の髪をポニーテールにした躰の線を強調するような上下セパレートの服と網タイツの女性と、青い髪の毛をまとめ、ミニスカート型の服を着た童顔の女性。
そのあとから数人の肌が紫色の女性たちが入ってくる。
彼女たちはなにやらパネルやスイッチを操作して、機械類を作動させているようだ。
「ここは我が組織S・S・Bの秘密アジト。そして私はS・S・Bの化学主任のプロフェッサー・エイミー。よろしくね」
そばへやってきたポニーテールの女性が自己紹介をする。
「プロフェッサー・エイミー・・・」
紀代美は驚いた。
まだ20代前半と思われるその女性がプロフェッサーとは思えなかったのだ。
それに衣装も奇抜すぎる。
どこの大学だって彼女の服装は顔をしかめるだろう。
「彼女は私のサポートをしてくれている副官子(ふく かんこ)。私ともどもよろしく。いずれあなたの上官となるのだからね」
「エイミー様、私の名前は・・・」
官子の抗議を無言でにらみつけるエイミー。
「あ、あはは・・・はい、そうです。私は副官子です。あはは・・・」
冷や汗を流しながら一歩後ずさる官子。
その表情からもこの冷たい笑みを浮かべているプロフェッサー・エイミーと名乗る女性が厳しい人物であることがよくわかる。
「これからあなたは私の改造手術を受けるのよ」
「改造手術?」
一体何のことだろう・・・
私をどうするつもりなのだろう・・・
紀代美は彼女を見下ろして笑みを浮かべているこの女性がとても恐ろしく思えた。

「官子。改造モチーフは決まっていたでしょ? 準備は出来ているの?」
「あ、はい、エイミー様。今回の作戦には音波を使用しますのでセミを使います」
官子がすでに機械にセットされているボックスの中の昆虫を指し示す。
そこには透明なケースに捕らわれた数匹のセミが蠢いていた。
「ヒッ!」
紀代美はつい顔をそむける。
鳴き声は聞きなれていて別に嫌悪感を抱くものではないのだが、六本の足を動かして蠢く複数の昆虫の姿は気色悪さを感じさせるものなのだ。
「うふふ・・・夏休みの昆虫採集よろしく可愛い戦闘員たちが林の中で採ってきたセミなのよ。毛嫌いすること無いじゃない」
エイミーが手にしたムチで紀代美の顔をそっと自分に向けさせる。
「それにね・・・うふふ・・・あのセミたちはあなたと一緒になるのよ。あなたはセミ女となるの」
「セ、セミ女?」
紀代美は青ざめた。
狂っている・・・
この人は何か狂っているわ・・・
それともこれは何かの撮影にでも巻き込まれたの?
だったら早く解放してよ・・・
「今回の作戦には複数の音波が必要ですからね。複数のセミの合成怪人になるんですよね、エイミー様」
官子がにこやかに補足する。
「ええ、アブラゼミにミンミンゼミ、ヒグラシにツクツクホーシ。そういったセミの合成怪人にあなたはなるの。どう? 素晴らしいでしょ? あはははは・・・」
口元に手を当てて高らかに笑うエイミー。
「狂っているわ。あなたは狂っている!」
「お黙り!」
エイミーのムチがピシッと音を立てて紀代美の寝せられている手術台に当たる。
「ヒッ!」
「私は狂ってなどいないわ! 私はS・S・Bの化学主任のプロフェッサー・エイミーよ! 私に不可能など無いわ!」
エイミーの剣幕に紀代美はおびえる。
「ああ・・・ごめんなさい、ごめんなさい。もう赦して・・・うちへ帰してください・・・」
すぐに泣き顔になってしまう紀代美。
相手が強い口調を使うと紀代美は気後れしてしまうのだ。
「心配は要らないわ。あなたのその性格も変えてあげる。これからのあなたは他人を踏みつけるサディストになるのよ」
「そんなのいやです。うちへ、うちへ帰して・・・ここのことを黙っていろと言うなら誰にも言いません。言いませんから・・・」
「お黙りなさい! あなたは選ばれたのよ! 他の誰でもない、あなたが選ばれたのよ!」
「エイミー様、もうとっとと改造しちゃいましょう」
紀代美をにらみつけるエイミーに対し官子が口を挟む。
「そうね。改造を始めましょう」
「いやぁ、いやですぅっ!」
紀代美は必死に訴えるが、エイミーと官子は紀代美のそばを離れて戦闘員たちに指示を与えて行く。
手術用の無影灯が点灯し、紀代美の周囲からさまざまな機器が彼女に伸びていく。
「いやぁっ!」
紀代美の叫びもむなしく、改造手術は始まったのだった。


姫宮 翼さんの投稿:
このお話はKiss in darkさんにあったセミ女さんがバスを襲う前の時間軸のお話ですか。
ここからあのお話へと繋がるんですね。
このセミ女さんはもしかして、色々なセミの音波と言うか羽音と言うかそう言うものをもつんでしょうか?
だとしたら超音波の周波を破壊レベルにしたりできますかね?
超音波を破壊音波にすると言うのはちょっと考えているので。
4 月 11 日

漆黒の戦乙女 さんの投稿:
次回は改造中のシーンでしょうか?
意識が変わっていくシーンというのはポイントなんですよね~w
楽しみです
4 月 11 日

静寂 さんの投稿:
>TRPG
自分なりに考えてみたんですが、最初は隔週がいいかと。
隔週でやってみて舞方さんや参加者の負担が大きいようなら月1、それでもきついなら2ヶ月に一回など調整していく形をとるべきかと。
ルールは参加者が知ってる作品がいいです。

>セミ女
堕ちていくシーンっていいですよね。
肉体は完全に改造しながら、精神は残し、知り合いを襲わせて自我崩壊させて完全なセミ女になっていくのはどうでしょう?
音の怪人なら人間の可聴域外の音だして肉体を壊すなんていうのもありでは?

クリスタルローズはまだかな~とさりげなく煽っている静寂でしたw
4 月 12 日

舞方雅人 さんの投稿:
皆様コメントのレスが遅くなってすみません。
またコメントを送って下さいませ。

>姫宮 翼様
はいー。
ここからg-thanさんのイラストへ繋がることを前提に書いています。
g-thanさんからも快く許可がいただけたので、張り切っちゃいました。
いろいろな音波で破壊したり殺したり洗脳したりできるつもりですよー。

>漆黒の戦乙女様
そうなんですよねー。
私もそのあたりが大好きなのでこういったSSを書いてしまいます。
改造はあっさりめだったかもしれないですね。

>静寂様
よければ今度メールでお話しませんか?
そのあたりを詰めて行くことも考えていますので。
精神は残し・・・は参考にさせていただきました。
ありがとうございました。
4 月 13 日
  1. 2006/04/11(火) 22:00:45|
  2. セミ女
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<仲のいい二人(笑) | ホーム | g-than様ありがとうございます>>

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Author:舞方雅人
(まいかた まさと)と読みます。
北海道に住む悪堕ち大好き親父です。
このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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