「世界史 驚きの真相」 桐生操著 PHP文庫
と言う本を読みました。
歴史好きとしてはこういった歴史の裏側のミステリーめいたお話もいいんですよね。
今回はそのミステリーに基づいたお話ではないんですが、この本の中に旧ソ連によって暗殺用スパイとして仕立てられたスタシンスキーという人物のお話がありました。
旧ソ連のKGBによって洗脳とも言える「教育」を受けた彼は、当時東ドイツに潜入し、そこで暗殺任務についていたそうです。
ところがレイマンと名乗り東ドイツ人として暮らしていたスタシンスキーは、あろうことかインゲというドイツ娘と恋に落ちちゃうんですね。
スタシンスキー=レイマンはインゲには本当のことを知られないようにしながら、幾人かの暗殺を行ないます。
その成果に満足した旧ソ連は、彼を英雄として呼び戻し、勲章まで授与します。
栄光に包まれたスタシンスキーはそこでインゲと結婚したい旨を発表しました。
当然暗殺者として手塩にかけて育ててきたソ連政府およびKGBはいい顔をしませんでした。
ところがスタシンスキーが強固にインゲとの結婚を申し込んだため、ついにKGBも折れざるを得なく、スタシンスキーはインゲと結婚することになりました。
スタシンスキーはインゲにレイマンという名が偽名であることや、暗殺者であることを打ち明けます。
驚いたインゲは、結婚したあとに西側への亡命をスタシンスキーに提案しました。
スタシンスキーは悩みましたが、祖国への忠誠を捨て切れなかったために、亡命はしませんでした。
KGBはインゲにも「教育」を施し、スパイにしたてようとしましたが、インゲの強固な反対にあって断念。
その後スタシンスキーは自分が利用されているだけだと悟り、西側に亡命します。
西ドイツで殺人罪に問われたものの、あくまでも殺人の「共犯者」として罰せられ、殺人犯はソ連政府であるという判決が出たそうです。
この話を読んで、私はついインゲもKGBに洗脳され暗殺者夫妻としてKGBに利用されるシーンを妄想しちゃいました。
「インゲはどこですか?」
「心配はいらん。ドイツ人である彼女には少し我が国の情勢などを教育しなくてはならんのだよ」
「まさかインゲまで・・・」
「何の話かね? スタシンスキー君」
「ただいま、あなた」
「おお、インゲ。無事だったんだね?」
「もちろんよあなた。ねえ、私わかったの。この世に共産主義ほど素晴らしいものは無いって。私、この国のためならばどんな事でもできるわ。あなただってそうでしょう?」
「な・・・インゲ・・・君は・・・」
「うふふふ・・・」
なんてシーンが彼らにはともかく、他のスパイの人々にはあったかもしれないですね。
- 2006/04/05(水) 22:07:48|
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