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舞方雅人の趣味の世界

あるSS書きの日々

特高警察

コメントありがとうございました。

投票の時間があまり無かったのは申し訳ありません。
今回は二番の投票が多かったので、二番のルートを選んだストーリーを展開しますね。

これからもご協力お願いいたします。m(__)m

3、
ルート2、「すみません桜さん、私ちょっと用事がありまして・・・」

通りの向こうを小走りに通り過ぎて行く小鳥遊灯。
呼び止めるのもどうかと思われたが、猫をも殺す好奇心、朝の変死体事件のことが何となく摩耶子は気になった。
朝、あの話題が出た後で女学院内のクラスメートに尋ねてみたものの、ほとんどの女学生はそんな事件のことはまったく気に留めていないのか、知らない人たちばかりであった。
隣に居る桜も例外ではなく、変死体の話を持ち出すと黙って首を振るだけだった。
「すみません桜さん、私ちょっと用事がありまして・・・」
摩耶子は意を決して灯に話を聞いてみようと思い、桜の元を辞去しようとする。
「どうかなさいまして、摩耶子さん? 行くところがあるのでしたら自動車でお送りしますわ」
桜が行きかけた摩耶子に声をかける。
「あ、いえ、知り合いが居たものですから。新聞記者の・・・」
「新聞記者?」
摩耶子が新聞記者などと知り合いであるということにちょっと怪訝そうな顔をする桜。
鷹司家ともあろう者が新聞記者に目を付けられているわけでは無いと思うが・・・
「ええ、私の古い友人で小鳥遊灯さんという方なんです。今朝お話した変死体事件を追っていらっしゃる方ですわ」
「ああ、それでなのね。摩耶子さんが変死体事件なんていうものですから、何事かと思いましたわ」
得心がいったように桜は頷く。
彼女にとっては世間の雑事に一つに過ぎないし、関わりがあることではないからだ。
「変死体って、最近巷で騒がれているエジプトミイラの呪いってお話ですか?」
大量にあった荷物を自動車に押し込めた美月が何となく口を挟む。
セーラー服の少女二人と比べ、彼女は黒を基調とした英国風のメイド服を身につけている。
そのため三越の前という人通りの多いこの場所では、この三人は非常に人々の目を惹いていた。
「エジプトミイラの呪い? 美月、詳しく教えなさい」
「え? あ、す、すみません桜様。私も父から聞いただけですので・・・」
美月はかしこまってしまう。
彼女の父は白妙家の園丁をやっており、親子で屋敷に仕えているのだ。
「いいから話しなさい。呪いだなんて馬鹿らしいけど、摩耶子さんの知り合いが追いかけているのであれば気になりますもの」
「桜さん・・・」
摩耶子は苦笑する。
桜は気にいった人物に対しては援助を惜しまない。
それが多少押し付けがましくなることもあるのは、お嬢様のなせる業か。
だが、摩耶子はそういった桜が好きであった。
「あら?」
気がつくと灯の姿が消えている。
通りを曲がって行ってしまったのだろうか。
「桜さん、すみませんが私はこれで」
摩耶子は灯を追って駆け出そうとする。
「あ、摩耶子さんお待ちなさい。自動車で追いましょう」
「えっ?」
「自動車の方が早いですわ。それに興味もわきましたし」
桜がにこやかに自動車へ誘う。
摩耶子は少し躊躇したものの、桜の好意に甘えることにした。

「小山田、わかっていると思うけど、ゆっくり摩耶子さんが捜しやすい速度で走るのよ」
「はい、お嬢様」
制服と制帽を身につけた運転手が桜の指示に返事する。
車内は四人の人間と桜の荷物でいっぱいだったので、速度を出そうにも出せなかったに違いないが、摩耶子は素直に好意を喜んだ。
「それで、美月。先ほどの話をしなさい」
「あ、はい、桜様。父が言っていたには、先日職人さんたちとお会いした時にそういう話が出たそうで」
美月はそのときの様子を思い出しながら話し始める。
助手席の美月の膝の上にはいくつかの荷物が載せられていて、それを崩さないようにしているのが傍目からでもよくわかった。
「半月ほど前に港の倉庫に棺桶のようなものが運び込まれるのを見た人が居て、ミイラでも運んできたんじゃないかって思ったそうなんです」
「棺桶? それがどうしてミイラなの?」
桜は当然の疑問を口にする。
「えーと、その・・・先々月に三越で英国展があったじゃないですか。その時にエジプトのミイラってのが展示されたらしくって、それを見た人だったそうなんです」
自信が無いみたいにうつむき加減でしゃべる美月。
先ほどまでの元気は無い。
「ふう、短絡的ですわ。英国展でミイラを見たから棺桶の中身がミイラだなんて」
桜があきれる。
それについては摩耶子も苦笑せざるをえない。
「そう思いますけど、船で棺桶を運んで来るなんて変じゃありませんか?」
「それは確かにそうですが、でも本当に棺桶だったのでしょうか」
摩耶子は見間違いということもありうると思う。
「あう・・・それはわかりません。でも、その棺桶を見てからミイラの変死体が出たそうなんで、エジプトミイラの呪いじゃないかって・・・」
「まったく・・・それが短絡的だというのですわ。呪いだなんてばかばかしい」
美月が言い出したわけではないのだが、桜はまったく相手にしない。
「それにしても見つかりまして? 摩耶子さん」
「それが・・・どうも見失ってしまったようですわ」
摩耶子は窓の外を歩いていく人たちを目で追っている。
人の流れはじょじょに増えてきており、その中から一人の女性を探し出すのは次第に困難になり始めていた。
「仕方ないですわね。もうお仕事の終わる終業時間も過ぎましたし・・・あまり遅くなっては鷹司のおじ様に叱られてしまいますわね」
確かにそれは違いないだろう。
いくら放任とはいえ、嫁入り前の淑女が出歩いていい時間ではなくなりつつある。
「そうですね。今日はやめにしておきます。灯さんのお仕事の邪魔になってもいけないですし」
摩耶子はふうとため息をついて、背もたれにもたれかかった。
また今度会えた時にしよう・・・
そう思ったとき、視界のはしを歩いていく灯の姿が目に入る。
「居ました!」
思わず声を上げてしまう。
「小山田! 止めて!」
「はい、お嬢様」
桜の声と同時に自動車は急ブレーキをかける。
「キャァッ!」
美月の抱えていた商品がフロントウインドウへ飛んでいく。
しかし、美月はすぐに体勢を立て直して、商品を再び抱えあげた。
「どこですの?」
「あそこです」
桜が摩耶子の前を乗り越えて窓から外を見た。
ハイカラな洋装に身を包み、髪をショートにした小鳥遊灯が歩いている。
「あの方?」
「ええ、彼女が小鳥遊灯さんです」
摩耶子はにこやかに微笑んだ。

「灯さん」
灯は自分の名前を呼ぶ声に呼び止められる。
振り向くと黒塗りの自動車から降り立った摩耶子の姿が目に入った。
「摩耶子ちゃん」
にこやかに笑みを浮かべて灯は摩耶子のほうへ向かう。
「お仕事中にすみません。今朝のお話にちょっと興味があって・・・」
はにかむようにうつむく摩耶子。
鷹司家の令嬢たる者が市井の雑事に興味を持ったことが恥ずかしいようだ。
「初めまして」
摩耶子と同じつやつやした長い黒髪をなびかせた少女が自動車から降りてくる。
「あ、こちら、私の同級生の白妙桜さんです」
「白妙桜です。以後お見知りおきを」
物腰柔らかく一礼する桜。
武道を嗜むのか、その身ごなしには隙が無い。
「私の学友である摩耶子さんのお知り合いである灯さんが新聞記者をお勤めとお聞きいたしまして、恥じらいも無くお話を聞かせていただこうと参りました次第ですわ」
「話って・・・まさか干からびた死体の?」
灯は戸惑う。
白鳳女学院に通う令嬢に聞かせてもいい話なのか判断できなかったからだ。
「たいした話じゃないし・・・聞いても面白く無いと思うけど・・・」
灯はとりあえず話してもいい部分だけ話すことにして、ミルクホールに二人を誘った。

「納得がいかない・・・」
与えられた部屋で遺体のサンプルを調べていた白鳳雛華はそうつぶやいた。
どう考えても納得がいかないのだ。
考古学者によって持ち込まれたミイラでも検査しているような気がしてならないのだ。
これがわずか一昨日には生きていた人間とは思えない。
どこをどうやったらこんなふうに人間の水分を抜き取ることができるのか?
人間をどこか巨大なヒーターのある部屋に閉じ込めてしばらく放っておけばこうなるかもしれない。
でも、そんなことをして放り出しておくなんてばかげているし、だいたい一日二日では無理だろう。
「ふう・・・」
メガネを外して目をこする。
時計を見ると、すでに午後の6時を回っている。
「もうこんな時間・・・」
今日はここまでにして引き上げよう。
結局今日は女学院を空けてしまった。
きっと夫はやれやれと思っているに違いない。
雛華はメガネをかけなおすと、白衣を調えて席を立つ。
部屋を出ると暗い廊下を歩く靴音だけが響いていく。
いやな雰囲気だわ・・・
警視庁の地下などで夜を迎えるものではないわね。
雛華はそう思いながら階段を上がっていく。

「お帰りですかな? “雛華”先生」
タバコをふかし、カンカン帽を右手でひょいと持ち上げて挨拶する三倉警部補。
「ええ、今日は失礼いたします」
メガネの奥に嫌悪感を秘めた眼差しを向け、雛華は警視庁の玄関へ向かう。
「つれないですな先生。アカどもがあの女に何をしたのかわかりましたかね?」
三倉は再びカンカン帽を被ると、雛華のほうへ近寄ってくる。
「それはまだですわ。一体なぜあんなことになったのか見当も・・・」
それは事実だ。
雛華にはあの死体の状況がまったく理解できない。
注射器で血を吸い出したとしても、ああはなりはしないだろう。
「そうでしたか・・・困りましたなぁ。何とかアカどもの仕業だという事実をでっち上げてくれませんかねぇ」
「でっち上げ?」
雛華は目の前でにたにたと笑っている男にぞっとした。
この男はあの死体がどうしてああなったかなどはどうでもいいのだ。
共産主義者がこの事件を引き起こしたとして逮捕したいだけなのだ。
「いやいや、言葉が悪かったですな。先生のお力でアカどもの仕業だと“証明”して欲しいのですよ」
ニヤニヤと笑いながらタバコの煙を吐き出す三倉。
「そんなのは無理ですわ。あの死体が殺人か事故死かもわからないのに」
「先生。そんなことはどうでもいいんですよ。先生はただひと言、アカどもの仕業ですと言ってくださればいいんです。悪いようにはしません」
雛華は吐き気がした。
特別高等警察とはこういう人が居る部署なのか?
「おことわりします」
思わず声が大きくなり、警視庁の廊下を行きかう警官たちが足を止める。
「何でもない、何でもないんだ!」
三倉が怒鳴り声を上げて、足を止めた警官たちを追いやってしまう。
「いや、まったく、嫌われましたなぁ。雛華先生。私は結構先生が気に入ったんですよ。先生は美しい上に聡明でいらっしゃる。男としては征服したくなるってもんです」
「せ、征服?」
雛華は背筋に寒いものが走った。
この男は私を狙っている?
冗談ではない。
彼女は心より愛する夫を心に思い描く。
もしこの男が彼女をものにしようとでもするなら、この男は死体を抱かなくてはならないだろう。
「まあ、どうです? お近づきのしるしに食事でも。ご馳走いたしますよ」
三倉の手が雛華の手を取る。
「やめてください! 人を呼びますよ!」
雛華は手を振り払って玄関へ向かう。
これ以上この男と話しているなど耐えられなかった。
「おーい、先日捕らえたアカ野郎が確か白鳳幸一氏がどうとか言っていなかったっけか?」
聞こえよがしにそう特高課の方へ声をかける三倉。
その言葉に冷水を浴びせられたように雛華は立ち止まる。
「白鳳幸一氏と言やぁ、白鳳女学院の理事長様だよなぁ。まさかそんな方がアカとつるんでるなんてことはねえだろなぁ」
雛華は歯噛みする。
特別高等警察ににらまれれば夫は社会的に抹殺されてしまうかもしれない・・・
どうすればいいの・・・
「いや、まあ、俺の勘違いだろうなぁ」
そういいながら三倉は立ち止まった雛華のそばにやってくる。
「雛華さん、食事でもいかがですか?」
「ご、ご一緒・・・しま・・・す・・・」
三倉の顔にいやらしい笑みが浮かんだ。

今後の展開は?

1、お約束どおり事件を追う灯が魔物に襲われる。

2、三倉とデート中の雛華が魔物に襲われる。

3、同じく雛華が襲われるが、魔物は三倉本人だった。

4、灯でも雛華でもなく屋敷へ向かう途中の摩耶子、桜、美月&運転手が襲われる。

5、まだ早い。誰も襲われずに日常が続く。

メールアドレスは以下の通りです。
masatomaikata¥hotmail.com
¥の部分を@にしてお送り下さいませ。


FX_MC さんの投稿:
ここは2に一票。「先生」は堕ち役の基本です。
ピンチの雛華先生を救ったのは魔物だった!
愛する主人と、美貌の吸血鬼の間で揺れる2(ピー)さいの乙女心。
身内を失った特高警察にも付けねらわれる、雛華先生の明日はどっちだ、と。

取材担当の灯さんは情報収集のお仕事があるので、
摩耶子チームが本格的に関わるまで温存する方向で。
3 月 8 日

OZ さんの投稿:
こんにちは。
…コメントの意味を読み違えてましたね(汗)
しかし、早々に吸血鬼に襲われ堕ちた摩耶子が暗躍して
学園に大きな勢力を作り上げる、といった展開を見てみたいので
私は4番を一推しです。

雛華先生と灯嬢はそれぞれ切り口の違う情報の収集をもう少し期待したい所です。
展開が誰が襲われても読みきれず、楽しそうな流れですね(笑)
3 月 8 日

姫宮 翼さんの投稿:
ここで三倉が魔物本人だったと言う3番も面白そうですが、私的に5番にしたいと思います。
理由としては、もう少し日常描写で舞方さんがどんな構想で来るのか見てみたいーと言う訳です。
実は本当にアカの仕業と言うのも頭の中に過ぎったりしたんですが、それだと何か面白味がかけちゃいますよね。
やはり五番を推してみたいと思います
3 月 8 日

舞方雅人 さんの投稿:
>FX_MC様
選択肢がどうなるかは次までのお楽しみということで。(笑)
魔物自体も美貌の吸血鬼かどうかというのもまだまだ未定。ww
でも旦那と魔物の間で揺れ動く妻の気持ちというのはいいかも。(笑)

>OZ様
吸血鬼と化し、闇の女王となる摩耶子もいいですよねぇ。ww
いずれはそちらへ進ませたいものです。
応援よろしくお願いします。

>姫宮 翼様
日常が続けば続くほど、それがひっくり返った時の恐怖もまた倍増ですよね。
穏やかな日常に忍び寄る恐怖。
それもいいですね。ww
3 月 9 日
  1. 2006/03/07(火) 20:33:44|
  2. 帝都奇譚
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
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(まいかた まさと)と読みます。
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このブログは、私の好きなゲームやマンガなどの趣味や洗脳・改造・悪堕ちなどの自作SSの発表の場となっております。
どうぞ楽しんでいって下さいませ。

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